2016年11月29日火曜日

ハングドッグの誘惑

11月29日(火)は、自分のクライミングにて、太刀岡。
N田くんと。
<秋晴れ>

本日は、スーパーラット(5.12c)をやってみることに。
実は、3年前に今井先生とカリスマ(5.13a、スーパーラットと8割方共通ライン)を1日触っているので、大部分は触ったことがある状態。

そのときの印象からして、「3年経った今なら、スーパーラットはR.P.できるかな。」という目論見。
<日向でもダウン必須>

で、1トライ目をダメ元で本気トライするか、それとも最初っからハングドッグして省エネムーヴを探っちゃうか、迷います。

ザッと解説しますと。

ハングドッグとは、テンション掛けてぶら下がって、ムーヴやホールドを探ることです。
で、これに慣れると、落ちる前にテンションコールしまくりです。
すると、落ちると数メートル落ちるものが、テンションなら数十センチしか高度が下がらないため、ムーヴ探りの効率アップ!
さらに、粘る前にサッサとテンション掛けることで、細かく分割して練習することが出来ます。(パート練習、分解、バラし、などと呼びます。)
つまり、様々なムーヴを試す上では、省エネそのもの。
<お騒がせしました(5.11d/5.12a)>

メリットとしては、R.P.までの最短経路を突っ走れることです。
トップロープやプリクリ連発こそしていなければ、フォールを何度も経験することが出来る、という副次効果も期待できます。

デメリットとしては、1トライ目からこの戦略を使いたくなってしまうことです。
「ダメ元でも、1フォールするまではトライするくらいが、クライマーのあるべき姿なんじゃないのか?」
と、先輩方に問いかけられているような・・・。
<スーパーラット(5.12c)>

だから、この方法自体を潔しとしなかった歴史的な経緯もあるそうです。

落とし所として、
「1テン入るまでは、無理めだと思っても頑張る。以降は、ハングドッグのメリットを存分に活かす。」
というのが、よくあると思います。

「こりゃぁ、完全にバラすしか、自分レベルにはR.P.の道は無い・・・。」
と諦めたときは、意図的に1ピン目から最終ピンまで全てテンション。いわゆる各駅停車で、バラすこともありますけど。
ちょっと、罪の意識も感じつつ(笑)。

例によって、講習生向けというには専門的過ぎましたかね。
初心者は、オンサイトトライとハングドッグの両方を練習しましょう。ある程度出来れば、この辺の話もイメージ出来るかと思います。
<お騒がせしました、を完登するN田先生>

具体的に登ったルート
・チェリー・ブラッサム(5.10b) アップのつもりが、痛恨のフォール。ロープを抜いて再トライするも、またもテンション!さらに再トライして、どうにか再登。うーむ、5.10b侮るべからず。
・詫び状(5.10d) 再登。今度こそアップ。
・モダン30(5.10c/d) 再登?アップ

・スーパーラット(5.12c)
1トライ目:
せっかくなのでトライしてみるも、2~3ピン間で呆気なくフォール。以後、ハングドッグして、ムーヴの再解決。

2トライ目:
一応、繋げトライ。が、やっぱり4ピン手前で呆気なくフォール。以後、ハングドッグして、ムーヴを省エネ化。

3トライ目:
最終トライ。が、4ピン手前で呆気なくフォール。ただ、良い感触はあったので、そのまま降りて10分ほど休憩。

4トライ目:
泣きの最終トライ。4~5ピン間で、フォール。一応、1テン。

2016年11月28日月曜日

心スッキリ

11月27日(日)は、雨中止にて、ロープワーク講習。
男性ITさん、女性KIさん。
<アルパインクイックドローの作り方>

登り返しの練習で、二人とも何となく怪訝だったり、ボンヤリとした表情。

そのうち、5回くらいの反復練習を越えて、
「いや、よく分かって来ました!」
と顔色スッキリ。

なんだか楽しそう!
そして、私もホッとします。
<懸垂下降と登り返しの切り替え>

2人とも、講習前から「登り返しが不安で。」と話していたので、良かったです。

人間、よく分かると表情が明るくなるものですね。
その一歩手前の時間帯が長く続くと、僕にもプレッシャーが掛かります。

「はーるよ来い、はーやく来い。」
という心境です。
<登り返し>

具体的な講習内容
・ロープ畳みを洗練(背負いも含めて)
・スリングの収納、アルパインクイックドローの作り方を洗練(片手での作り方も)
・懸垂下降開始時点のスリング回収作業
・懸垂下降の仮固定
・登り返し

最後に、ボルダリングが楽しみ方が分からないというITさん向けに、1時間ほどボルダー練習。
ムーヴ解決できそうなスラブ課題を、あーだこーだ試行錯誤。

帰り際
「みんなでやったら、たしかに楽しいかもね。でも、1人だとノーヒントだからキツイ。」
といった言葉をもらえました。
とりあえず、セッションの楽しみだけは分かっていただけたってことでしょうかね。
ジムボルダーも、セッションだけが楽しみでは無いのですが、とりあえず最初の1歩ですかね。

2016年11月26日土曜日

オンサイトトライの復習

11月26日(土)は、マルチピッチリード講習の予定が、2日前の雪で城ヶ崎に変更。
女性STさん、男性ITさんのペア。

普通に、クラックリード講習の復習参加と同じく、ちょっと応用編です。
<海です>

さて、オバステ正宗(5.8)をオンサイトトライしたSTさん。
粘りに粘って、1テンションでトップアウト。

なかなか良いトライでした。
<岩の隙間>

しかし、ここで「もう、本日お腹イッパイ」宣言。

「まだ日も高いし、ムーヴもカム位置も決まったわけだし、R.P.トライしといたらどうですか?」
とオススメして、

「まぁ、わざわざ来たし、せっかくだからやるかぁ。」
と何とかヤル気に。
<講習で使う5.4ぐらいのルート>

さて、結果は楽勝の完登!
本人も、あまりの呆気なさに驚いた様子でした。

オンサイトトライで、粘りに粘ってカム位置を探ったりしていたので、2トライ目が格段に楽になるのは必然。
登れたことで、本人の気分も高揚して、私としても嬉しい話です。
<初孫(5.5)>

そして、本人的には色々と教訓を得た様子。
ちょっと興味深いので、御紹介。

①粘ったトライで色々と解明すると、2トライ目は予想以上に楽になる。
(ドタバタで登ると、忘れていてダメ。ハングドッグ中に、ムーヴ割愛してもダメ。)

②1トライ目で悪いイメージだったルートも、2トライ目で印象が良くなる。
(今回で言えば、1トライ目は5.8を激辛と感じた様子。)

③オンサイトトライの難しさ、それに対応しきれていなかった自分を、よくよく見返すことが出来て良い。
(手順が決まっちゃえば、この程度のムーヴだったんだけどなー。などなど)
<オバステ正宗(5.8)のオンサイトトライ>

本人的には、この2トライ目の練習効果を絶大と感じたようで、
「仮に一撃出来ても、2トライ目で再登した方が良い!」
と絶賛しておりました。

私を含めて、一般的にオンサイトしたルートを再登することは少ないかとは思います。
理由としては、再登だとどうしても完登間近のときのアドレナリンが出ないので、本気トライとしては質が落ちるからだと思われます。
とはいえ、これは中級者以上の論理だという気もします。

つまり、初級者のオンサイト練習として、一考には値するかなと思いました。
一般的ではないですが、良薬と感じる人もいるかと思います。
<ITさんも再登>

ちなみに、ITさんは過去にオンサイトしているので、1トライ目と言っても再登。
ただ、案外ギリギリだったのが納得いかなかったらしく、STさんと同じく2トライ。
結果的には、STさんと同じように1トライ目の復習になった様子でした。

たしかに、登れても2トライ目を出す、というのはアリなのかもしれません。
<2トライ目>

オンサイトトライ自体が怖い人、1トライ目でボロボロにされると2トライ目を出すのが嫌になってしまう人、色々だと思います。
特に、後者の方には、ちょっと自分を見つめ直せる話かもしれませんよ。

レッツ、2トライ。
<完登!>

<ITさんも2トライしてみた>

2016年11月25日金曜日

初5.12a

11月25日(金)は、三宅島代替ウィークの最終日。
2ヶ月ぶりのパンプ2。

ようやく、ツナミの青(5.12a)がR.P.できました。
秋雨時期に2日トライしていたので、本日の3トライと合わせて、通算3日10トライ。
いやー、パンプで初めて5.12aが登れましたよ!
さすがに、以前よりムーヴもクリップも、あとはオブザベも洗練されてきました。色々と、ちょっとずつ慣れた気がします。

ちなみに、ツナミの5.11台は、後半は右面(薄かぶり面)に逃げて行く設定なので、この5.12aからがようやく本当のツナミだという人もいます。
(その5.11台も、強傾斜入門として必要な練習だったとは思う)

私が苦手なだけかもしれませんが、3日通った5.12aは、久々な気がします。
パンプ以外だと、垂壁と薄かぶりばっかりやっているので、私のグレード感は適当ですが。

さて、次に行くチャンスがあれば、2日トライして封印した黒(これまた5.12a)を再開しますかねー。

2016年11月24日木曜日

月影の騎士、再登

11月23日(水)は、自分のクライミングで湯川。
富士山仲間でスキーガイドの、省二さんと。
<まがりせんべい(5.8)、フラッシュする省二さん>

昨年掃除して、登らずに終わっていた月影の騎士(5.10c)。
数人しか登ったという話を聞かず。

講習の度に横を通っても、クラックから徐々に草が生えております。
<まがりせいんべい、は曲がる>

本日は、初級クラックを登りたいというパートナーの都合もマッチして、湯川に行ってきました。

フラッシュ済みで、自分で掃除してルートを熟知してしまっているので、普段なら気合半減。
でも、今回ちょっと草むしりしつつ登るので、オンサイトっぽさがあって十分ドキドキでした。

一応、無事に再登。
凹角で粘れるだけに、1時間近く掛かったかも。
<月影の騎士>


その後、フィックスを張って、1時間半ほど軽い掃除。
この春に、ゴッド本先生から教わったナタガマって道具は、ナッツキーより遥かにクラック内部の土が取れますねー。

これなら、数年は草が生えないかも。
ありがたい教えです。
<個人的には、テレポーテーションより綺麗に感じます>

さて、せっかくなんで、夕方に再々登(笑)。

「いい加減、楽勝かな?」
なんて思ったら、手が冷えてしまったり何だりで、意外とギリギリでした。
(ビレイヤーに、「落ちるかもしんないから、よろしく!」コールを数回。)

やっぱ、5.10cは辛い!
プロテクションの難しさをグレードに加味しなくても、5.11aは欲しい感じです。
加味したら、5.11bかな。
<無名フィンガー(5.9+?)>

ちなみに、このルートをトライして下さった卒業生の話を聞くと、取り付き数メートルが細すぎて怖くて敗退とのこと。
たしかに、私もキャメロットC3の#00(6KN)をちょっと使っているんですよねー。

私のリーチだと、核心ムーヴに入る前に、もう少し大きなカムが決められてしまうのですが。
<二撃する省二さん>

ただ、せっかく綺麗なラインだし、誰か登ってほしいなー、という思いを込めて、幾つかの提案。

①固め取りできるくらいにはクラックは繋がっているように思います。#00と#000を
複数個持参して、色々試してみるのはどうでしょう?

②結局、プロテクションが悪いのは下部4mくらいで、下地も程々なので、小さめのボルダーマットを持参するってのはどうでしょう?
<万国旗のようなカム>

③とりあえず下部4mはエイドで抜けるという手もあります。で、上部の綺麗な部分だけをオンサイトして、ロワーダウン中に下部を探ると。

これって、結局トップロープリハーサルと同じで、講習では
「初級者のうちから、あんまりそれに流れると、難しいグレードは登れても、オンサイトトライとか、マルチピッチとかのメンタルは強くなりにくいですよ。それより、オンサイトできる範囲ぐらいのルートで、沢山経験を積む方が大事。」
と非推奨しております・・・。

それでも、月影の騎士が草っぽくなるよりは・・・、という気持ちです。
<省二さんも、短いクラックをオンサイト初登?黄昏の舞姫の右側>

具体的に登ったルート
・まがりせんべい(5.8) 再登。草餅レフトレフト、などと呼ばれていた大屈曲するルート。今回、ようやく命名。ついでに、終了点を設置した。自分で言うのもなんだが、パッとしないライン。

・月影の騎士(5.10c) 再登。そして、夕方に再々登。

月影の騎士、チョーク跡にまみれて欲しいぐらいです。それで、注目が集まれば・・・。
自分がオンサイトトライするときは、チョーク跡が少ない方が楽しかったりするのに、我ながら勝手な話ですねぇ。

グリグリ練習中

11月22日(火)は、自分のクライミングにて、ミズガキ。
N田くんと。

火~金で三宅島の予定が、予報が悪いために行ける日だけ近場に行く、というプランに変更。
今回、N田くんの本気トライをグリグリでビレイさせてもらいました。
以下は、グリグリ初級者による感想文的な内容です。

やはりリードのビレイは、繰り出しが難しく感じています。(ユマグリ、トップロープのビレイは、今のところ支障なし。)
取扱説明書には、前後に動くことを強く推奨してあるんですが、それは多分出来ると思います。

が、足場が固定されているときの、素早い繰り出しに慣れが必要。
ATCの類と、微妙に操作方法が違うので、あまり使って来なかったのですが、ちょっと必要に迫られております。

難しいマルチに行って、ハンギングビレイでハングドッグをすると、さすがにATCは疲れそうです。
しかも、ロープ処理とかしながらビレイしたりすることを考えると、ブレーキ補助機能がある方が安心感もあります。

※本気トライのビレイは、ロープの出し入れが頻繁。ハンギングしているセルフにロープを掛ける方式だと、もともと綺麗に振り分けて畳んでいても、そのロープの出し入れでロープが偏ってしまうことが多い。対策は、色々ありますが、どれもビレイ中に多少の動作が必要。
これらの複雑な状況に対応するには、ブレーキ補助機能がありがたいことを痛感した最近。
“ブレーキハンドの逆手持ち”って方法もよく聞きますし、ペツルの動画でもやっている人もいるのですが、ATCの持ち方と違いすぎて違和感があります。
とっさの対応で順手に持ち替えたくなるし、そもそも逆手で待機していると肩が凝るような気がしてなりません。

取扱説明書通り、順手で持って、繰り出しは親指でレバーを軽く押さえる、ってのが良いんでしょうかねぇ。

説明書的には、ナチプロも全く問題なし、って話です。
自然にロープが少し流れてしまう点では、ATCに分があるように感じるので、クラックだったら一応パートナーにお伺いは立てております。

とりあえず、現状では気を遣うことが増えて、ビレイはだいぶ肩が凝ります(笑)。
しばらく、練習が必要です。
具体的に登ったルート
・ボロンボロン(5.11c、ボルト) アップ
・岩の殿堂(5.12c、ボルト~クラック) 
1トライ目:
テンション掛け掛け。各駅どころか、久々のエイド連発。アンダートラバースだと、カムセット体勢が作れないので、エイドでカム位置を探る有様。

2トライ目:
実質、2テンションでトップアウト。カム位置が決まってしまえば、ややブラインド気味でも、どうにかセット可能。(めちゃくちゃR.P.戦略ですが。)
核心ムーヴは、あまりにもリーチ有利(笑)。それでもグレード通りくらいに感じる。平均身長前後の人には、辛そうですね。

1トライ目でヘロヘロになったため、その後1トライしか出せないという、ちょっと残念な内容でした。
来シーズンの宿題でしょうかね。

2016年11月21日月曜日

回復しないレスト

11月20日(日)は、リード2回目、3回目相当の6時間コース。
男性YNさん、女性NMさん、女性ADさん、八戸の男性TSさん。
レストは休憩。
通常、クライミングでは腕を下ろして血流を良くすることを指します。

回復を狙ってやると思われますが、片手はホールドを持っていなければならないので、その分だけ疲れるという初心者も多いです。
これはこれで、少しずつ腕を磨いていくとして・・・。

初心者に話すと驚かれることですが、本気トライでは、レスト中に回復していないこともあります。
ゲームっぽく言えば、パワーゲージが回復まではしなくても、小康状態が作れれば価値ありという感覚です。
その状態で、どうにか次のクリップ、ホールド、スタンスを確認する時間稼ぎが出来る訳です。
レストするほどにパワーゲージが減ってくるようであれば、時間稼ぎは難しく、レストしない方が吉、ということになります。

もうちょっと厳密には、
15秒くらいだったらチョット回復、30秒くらいだったら小康状態、1分以上長居すると逆にパンプしてくる、みたいな場面もあります。
そんなとき、「例のヤツ来た。早めに判断しないと、負けるパターンだ。」と急いで考えます。

最近、ジムでは、この手の話をよくするようになりました。
そうしたら、講習生のレスト技術がちょっと上がったような気もします。
さて、本日でNMさん、ADさん、TSさんの3名は、ジムリード講習を卒業といたしました。
YNさんは、もう少しレスト、ネコ足、ATCの操作、といった基礎に慣れてから、再度リード3回目をお願いいたします。

実践本気トライ
YNさん:短い垂壁5.10a 完登
ADさん:短い垂壁5.10b オンサイト
TSさん:垂壁5.11b(赤棒) オンサイト
NMさん:垂壁5.10a(水色四角) オンサイト

本チャン系

11月19日(土)は、雨中止にて、ムーヴ講習Lv.1。
久々のYZ夫妻。
講習の前半、ひたすら5.8をトップロープで何度も登ってもらいます。
とりあえず、こちらから指摘しなくても、講習生はある程度は緊張する様子。

本日の夫妻に限らず、よく伺う言葉が
「普段、こんなに丁寧さを意識して5.8を登ることは無い。」
です。

これも過去に何度か書いていることですが、
自分でも丁寧さを意識してウォームアップやクールダウンを行うようにすると良いですよ。

もちろん、指摘されて初めて矯正される癖もありますが、
「気持ち1つで、こんなにアップが有意義に?」
といったことも多いです。
さて、久々の2人でしたが、さすがに上達していました。
5.8を登る丁寧さも、本気トライのメンタルも、1回毎の反省方法も。
まぁ、本気トライのグレードが落ちていたのは、最近が山中心だったから仕方ない部分もありますね。

山屋に求められるクライミング能力、ってどんなものでしょうか?
練習量が登山技術、ロープワーク、などにも割かれる分だけ、グレードそのものはスポーツクライマーに劣るのは仕方ないにしても。

丁寧なクライミングは、Ⅳ級レベルのゲレンデでも十分練習できます。
オンサイト戦略は、マルチに通じます。
本気トライは、「山屋だからと言って、クライミングしない言い訳にしません。ちゃんと楽しみます。」という意思表明だと見えます。

本日のYZ夫妻、なかなか良い意識レベルだなぁと感じました。

具体的な講習内容
・片手主体のバランスを完成させる意識
・次のホールドの向きをイメージして、足位置を考える意識
・肩の脱力
・リードで落ちる練習、ビレイの弛み&立ち位置の実験
・実践本気トライ
YZ奥様:垂壁の5.10a(水色四角)を3トライして、完登ならず。ただ、以前より上手くなっているのは確か。
YZ旦那様:同じルートを3トライして、R.P.。最終トライは、かなりナイストライでした。

このルートが辛めとは言え、さすがにもうちょっとクライミングも練習した方が良さそうではあります。練習の本質は掴んでいるので、やれば以前より上達するでしょう。

2016年11月20日日曜日

冬来りなば、秋遠からじ

11月18日(金)は、クラックリード講習にて、湯川。
女性SMさん、男性OMさん、女性NRさん、男性KTさん。
<腹に力が入ると、圧力チェックがしやすい>

本日、
「なんとなく、カムの使い方が分かってきた。」
と仰っていた講習生の方がおります。
<フィンガーは、自分が動く経路も大事>

その方は、前回
「カムセットに自信が持てなくて講習に参加したけど、どうやら自分がヤバいってことだけは分かった。ただ、結局“なるほど”って理解までは行けなかった。」
と嘆いておりました。
<革命中>

心情的には
「実際問題、自分で岩場に行ってリードしているので、むしろ1回目では不安が募った。」
ということかと思います。
<暖かい>

ナゼ2回目で理解できたのかは、私も推測の域を出ません。

・地上でのカムセット練習量が、1回の講習では足りなかったという話かもしれません。
(反復量?)
<バンパイアの蜂の巣は、もう落ちてました>

・1回目で、問題点が焦点化されたのかもしれません。
(理解の段階的進歩?)
<最近忙しくて、動きが硬い様子>

・私が5.8にトップロープを張る際に、なるべく沢山カムを決めて、それをフォローしてもらったのが、参考になったのかもしれません。
(私なりの個別指導アレンジが、当たりクジ?)
<草餅>

・講習と講習の間に、自分の頭で色々と考えたのが、繋がって来たのかもしれません。
(試行錯誤の勝利?)
たぶん、全部チョットずつ当てはまっているような気がします。

今回でも、デゲンナーのようなカムセットが易しいルートでは、登りながらでも相当良い感じでした。
(台湾坊主みたいに少しカムセットが難しいルートとか、フィンガークラックみたいにカムセット体勢作りそのものが難しいルートは、見ていないので何ともですが。)
<終了点まで、秒読み>

前回、ちょっと悩み過ぎに見えて心配でしたが、悩んだ甲斐はあったかもしれません。

いやはや、良かったです。
<テンションコールを、グッと堪える>

具体的な講習内容
・ハンドジャムのコツいろいろ、本日はフィンガーも少々
・デゲンナー、無名フィンガー下部にて、ボルダー練習
・地上でのカムセット練習
・トップロープでのカム練習(NRさん、KTさん)
・実践本気トライ
OMさん:台湾坊主(5.9) フラッシュ
SMさん:台湾坊主(5.9) フラッシュ
2人とも、かなり粘った良いトライでした。
<おめでとうございます!>

2016年11月17日木曜日

助かます

11月17日(木)は、1コマ目でリード2回目。
女性MMさん、男性KTさん。
2コマ目で、リード1回目。
女性NMさん。
個人的には、講習を通じて反復練習の楽しさを知ってほしいと思っています。
段々と、「あっ、スムーズになった!」、「これって、こういう風にすると楽かな?ちょっと実験してみるか。」などなどと。

ただ、当たり前ですが、クライミング以前にその練習方法を体得している人がいます。
他のスポーツなのか、仕事なのか、学校の勉強なのかは分からないにせよ。

で、反復練習がメチャ上手な人が、講習日のメンバーの中に1人いるだけで、私はホッとします。
その人の影響力で、みんな研究熱心になるので、どんな基礎練習でも盛り上がりやすくなります。
もちろん、クラスが上がって、クラックリード講習とかになれば、皆さんそういう流れに慣れて来ますけど。

ちなみに、本日は全員が研究熱心な気がしました。
MMさんは、以前より研究熱心になったような気がしましたが、その辺も伸びたのかもしれませんね。

2016年11月16日水曜日

名言ボット

11月16日(水)は、岩場リード講習にて、天王岩。
男性NSさん、男性KTさん、女性Hさん、復習参加の女性SMさん。
<やはり、奥多摩は暖かい>

ここ最近のHさん、何かに目覚めたようで、名言風な発言を連発。
<リードで落ちる練習中>

「なんで、今までアタシはリードしなかったんだ、ってぐらい。リードしなきゃ、意味無いじゃん!」
「駆け引きだね。」
「本気トライは人生が出る。しかも、顕著に出る。」
「とにかく、達成感がすごい。」
「質だね。」
「本気トライは、メンタルの方が疲れる。」
「ボルトが、頑張れって言ってる!」(核心ムーヴで、躊躇している場面で)
<ムーヴの基礎練習>

なんか、話だけしていると、同レベルの人かと思うぐらい(笑)。
素晴らしく、本気トライを楽しんでいて、いちいち発言が熱い。

でも、彼女がオンサイトトライしているのが、クラックジョイという5.9。
だから、ムーヴは初心者レベルを脱せず。
それどころか、ごく最近に岩場での本気トライを始めた、というぐらいです。

やっぱ、スキーガイドですからねぇ。
リスク管理とスポーツを融合させたような遊びへの理解は、もともと深いのでしょう。
ちなみに、KTさんの感動っぷりも周りを楽しませてくれました。
ムーヴにも、終了点作業にも、ビレイにも、目を爛々とさせて学んでおります。

他の方もモチベーションは十分なんですが、KTさんの盛り上がりっぷりが。
「11月16日、石田革命。」
などと、爆笑を誘うのでした。
<ジャミングで、粘りに粘るHさん>

具体的な講習内容
・ムーヴ練習(片手主体のバランスを完成させる意識、手をホールドに馴染ませる、ネコ足、などなど)
・ヌンチャクの向き
・疑似リードで、ムーヴやロープに足に絡ませないことを学ぶ
・リードで落ちる練習
・実践本気トライ
Hさん:クラックジョイ(5.9) オンサイト。粘りに粘って、最後には完登。すごく良いトライでした。ただ、最後のムーヴがグチャグチャだったため、落ちたら変な態勢になりそうな不安要素はあります。
SMさん:クラックジョイ(5.9) フラッシュ。安全上は、特に問題なく。核心パートでは、レスト態勢が作りにくかったようで、結構ギリギリ。もうちょっと余裕かと見込んでいましたが、これはこれで良い本気トライになって、講習的には良かったです。最後の最後、諦めそうになりながら思い切りよくデッドをかましていて、「さすが、女は度胸と言うだけある。」と思わされました。
<このあと、デッドで切りぬける>