2012年5月31日木曜日

平日夜にロープワーク講習

5月30日(水)の夜は、ランナウトにてジム講習の2回戦。
常連男性KBさん。
KBさん、先々週は妙義で懸垂下降で煮え湯を飲み、先週は奥多摩の沢デビューだったそうです。

僕からも
「色々な経験をすることになると思いますよ。(一度も沢に行ったことないなら、ニンマリ)」

というアドバイス(?)をしましたが、見事に色々と大変だったそうで。

・読図には自信が持てない
・GPSの電池は切れる
・一緒に行った初心者のために、ちょっとした小滝ごとにのためにロープを出していたら、滝の上で支点が取れなくて悩む
・その他、ロープワーク、ルートファインディングで分からないことが多数出てきて質問したいこと多数

といった具合。

プライベートレッスンを活かし、今後は平日夜のジム講習では

①クライミングのムーヴ講習を半分
②ロープワークの講習を半分

とやっていくことになりました。

月末に、彼にもクラック講習を予定しておりますが、もうカムも揃えて準備万端だそうです。

具体的な講習内容
・フォーム5項目の総チェック
・ルベルソを使ったセカンド確保の流れ
・懸垂下降のセットまでの流れ

本日は、ロープワークで久々に大混乱。

基本中の基本が思い出せなくなって、懸垂のセット中にフリーズしてしまいました。
誰でも1度や2度は経験するパニック!

自分の山行中じゃなくて、良かったですね。

成果を報告する人あり、心にしまう人あり

5月30日(水)の昼は、ランナウトにてムーヴ講習。
常連女性ODさん、KMさんのペア。
KMさん。
「以前よりは楽になりました」
くらいしか、いつもプラスのコメントを言わない人です。

が、実は周りからは「上手くなった」と褒められているそうです。
どうして僕がそれを知っているかって(笑)、御一緒のODさんや、他の方に聞いたりするからです。

ODさん、他ガイドのところで「メチャクチャ上手くなったね」と褒められたそうです。
ダイアゴナルなんかのフォームに関しては、僕なんかより美しいんじゃないかと思うくらいですから、それは納得です。
しかも、三ッ峠に行って、クラック講習も存分に役に立ったとか。

ODさんは、喜びを逐一伝えてくださる方です。
僕も「良かった」と思いますが、本人にとっても

「自分は何が出来るようになった!」
と考えるのは、プラス思考で良いことでしょうね。

まあ、KMさんも心のうちはプラス思考なんだろうと思いますけど(笑)。
具体的な講習内容
・指の脱力(特に、フワッとホールディングする感覚について)
・壁に腰を近づけること(KMさん)
・引きつけよりも捻りを優先すること(KMさん)

<特別課題>
トップロープで5.10aのルートを繰り返し登る(ODさん)
・足位置を記憶する(次の一手を取りに行く直前のタイミングで、チラッと確認する方法)
・大レストポイントを活かす(両手を、交互にしっかりと休める場所)
・手順、足順によって、大きく“楽さ”が違うことを実感する
・ちょっと難しいムーヴで、フワッとホールディングするように努力してみる

2012年5月30日水曜日

トップロープは、ちょっと緩めが良いと思う

5月29日(火)は、無料体験講習。

昼の部は、新規の男性KJさん、以前にも参加されたことのある女性MMさん。
夜の部は、新規の男性TMさん、同じく新規の男性TNさん、何度か講習に参加された女性YSさん。

トップロープのビレイの張り具合、
「初心者のうちはビンビンに張って良い」

と、教わることが多いと思います。

その方が、墜落距離も少ないし、安全なことは確かです。

が、実際にはそれだと張りすぎで登りにくいかったり、登りやすかったり!

・腰を落としてレストしようとすればテンションが入ってしまう
→これは、楽だけど反則!

・反動を付けようと思っても、上手く沈み込めない
→これだと、逆に登りにくくなる!
と、いうわけで、ビンビンよりは10cmとか15cmだけ緩めるくらいをオススメしております。

目安としては、腰に結んだエイトノットが横向き~上向きぐらい。
ビレイしていて、テンション気味の手応えを感じたら、張りすぎだと思ってチョット緩めてあげましょう。

エイトノットが下向いてると、ビレイヤーにちゃんと見られていないような気分がして心配・・・。
なので、下向きになったら少し引きましょう。
こういうことって、細かくて厳しいようですが、すごく大切だと私は思います。

例えば、
・岩場で落ちそうになったら、すぐにテンション掛けて、強引に引っ張りあげられている人
・マルチピッチで、あまりにも簡単にロープやヌンチャクを掴む人
・ジムの足限定ルートで、落ちそうになったら、即座に足自由に切り替えている人

こういう人で、フリークライミングが上達した人って、ほとんど見たことがありません。

厳しく言えば
「自分が出来ないムーヴとか、ホールドとかを見つめる切っ掛けを、放棄している」
っていうことです。

これじゃあ、伸びなくて当然でしょう。

まだ、
・リードで落ちられない人

とかの方が、ゆっくりですが成長していきます。
落ちられないだけで、自分が出来ないことは自覚しておりますからね。
一度、そういう習慣を身につけてしまうと、直すのは大変。

そこで、当塾では
最初っからジムでのトップロープは、“チョット緩め”で講習しております。

2012年5月29日火曜日

次回は、8月末に新宿です

山の知り合いを増やす会、の第2回は参加者7名。

男性はEMさん、TKさん、HYさん、ONさん、女性はMDさん、WNさん、ARさん、という合計7名。

色々と盛り上がりましたが、一番の話題は・・・

最近、参加したマルチピッチ体験講習の話。(ちょうど、3組いました)

ジムのリード講習なんかは、自信もつくし、すぐに自分で出来るようになるし、教えがいはあります。

が、やっぱり山屋の皆様は、初めてのマルチピッチの衝撃が大きい。

マルチピッチを習得するなら、以下の講習順序がオススメです。

・ジムでのリード講習
・ボルトルート(スポーツルート)のリード講習
・クラックのリード講習
・マルチピッチのリード講習

ただ、途中にマルチピッチ体験の第2回、第3回を挟むことも有効。
理由は、
・目標とモチベーションを見失わない

・マルチピッチのロープワークは少し複雑なので、何回かフォロー経験がある方が良い

・マルチピッチ体験講習で学ぶ内容と、その他の講習で学ぶ内容に重複が多いので、さらに理解度が上がる

という感じです。


さて、次回の「山の知り合いを増やす会」は、8月27日(月)の夜に新宿駅集合といたします。
西国分寺は、やっぱりアクセスが悪いと評判でしたから。

2012年5月28日月曜日

一応、連絡

本日の「山の知り合いを増やす会」について、ギリギリながらご連絡。

19時30分に、西国分寺駅の改札集合です。
遅れる方は、直接お店に来てください。

庄や(西国分寺店)
http://search.daisyo.co.jp/shop.php?shop_cd=1614


もし、今から参加したい方が居たら、直接来ていただいても大丈夫です。

春うらら2P目(初日)、クラックで限界グレードに取り付く恐怖

5月27日(日)は、自分のクライミングにてミズガキ。
S本先生と。
本日は、十一面岩末端壁という人気エリアに行ってきました。

僕にとってミズガキは、ちょっと土の香りのするクライミングをする場所ですが、今回は人気ルート。

人気ルートは、多くの人が登ることによって苔、土、風化した表面が自然と掃除されます。
だから、ますます人気ルートになるわけで。
さあ、綺麗な岩が相手なら、自分のパフォーマンスも発揮しやすい。

本日は、自分の限界グレードに挑戦です。
このルート、高さ60mほどの壁の後半30mにあります。

という訳で、ウォームアップがてら、前半30mを登らなくてはスタート地点に立てません。
その場所は、丁度腰掛けられるほどのテラスになっています。

ちょっとしたマルチピッチ気分なので、パートナーも選びます。
まずは、安全確保(セルフビレイ)をとって、栄養補給です。
まずは、自分が1トライ。

一撃が絶対無理そうなグレードのクラックに取り付く、というのは大変怖いものがあります。

もちろん、カムで落ちるのも未だに怖いのですが、

「あそこまで登って、カムセット出来なかったら?もうちょっと上がるのか?それとも、そこで自ら落ちるのか?」
といったドキドキの判断が連続。

しかも、ムーヴがこなせないときに、甘効きのカムを交えてどうにかテンション掛けて進むこともあります。
(バチ効きのカムが数mに1個くらいしか取れない、ってパターンは多い)

甘効きだけに、
「抜けんじゃねえかなあ?」

とドキドキ。

しかも、1回テンション掛けると、完登が掛かっているアドレナリンも出ないので、ビビリ症の私には苦行です。

とりあえず、2時間だけ苦行に耐えて、トップアウト!
さて、本日でこのルート3回目のトライとなるS本先生。

クラック、花崗岩がとても上手いことから、仲間内では「神」というあだ名で呼ばれたりもしております。
神の登り。

さすがに安定しております。
苦しげな素振りはありながらも、落ちそうには無い。

とはいえ、本気トライ中のビレイは気が抜けないもの。
大レストポイントで、1枚だけ写真を撮らせていただきました。
呆気なく完登!

さすが神!

今日は、良い登りを見せていただきました。
具体的に登ったルート
・調和の幻想1P目(5.9)
アップで。前半は、ワイド登りの方が、安定していて楽だと思えるようになった。

・ペガサス1P目(5.10d)
アプローチとウォームアップを兼ねて。
上に着いてから、荷物も荷上げして、基地を作る。

・春うらら2P目(5.12a)
1便目:約2時間
出だしは全く解決できずに完全エイドアップ。
そこ以外も、小核心の度に一部にエイドアップを交える。(テンション掛けて、20cm上からリスタート」など)

久々に、ナッツでの大フォールも経験・・・。

2便目:約2時間
神からのアドバイスに従い、一応は全ムーヴを解決。
ただし、なんとなく出来たけど再現できるか危ういムーヴ&カムセットが多すぎる。

意地で全ムーヴをこなしたため、最後のランナウト気味のセクションで心底ヘロヘロに。
5.9のチムニーですら、テンションかけまくる始末!

もう勘弁して!

そして、2時間×2回のビレイに付き合ってくれた神様、ありがとう!


☆今の自分の実力で、このルートは

「完全な自動化をしなくても登れそうだが、もう少し重要なポイントだけは記憶しないと登れないレベル」

ただ、2便でムーヴ解決したのは、神のアドバイスあってこそだったと思う。

練習としても、丁度良いレベル。
なんとか機会を見つけて再トライしたいものです。

マルチピッチ体験講習にドラマあり

5月26日(土)は、越沢バットレスにてマルチピッチ体験講習。
昨年にリード講習、冬には雪上訓練と受けてきた女性AIさん、そして新規の男性ONさん。
マルチピッチ体験講習は、その名もマルチピッチを初めてやる人が参加することが多いです。

それだけに、大きな壁を登る感動は、私にも計り知れません。

涙を流すような人も居れば、クライミング観が変わってしまう人、帰りの電車まで興奮冷めやらぬ人も居ります。
本日は、女性ARさんはジム以外でのクライミングが初めて!

岩場って、どんなところ?
「フリークライミング、マルチピッチ、ボルトルート、残置無視???」
という世界からのスタートです。

たしかに、クライミング用語って、実践しないと分かりにくいですよね。

男性ONさんは、他ガイドのところで、ちょっとしたロープ登山の経験もあります。
が、本格的なマルチピッチは初です。
まずは、ロープのシステムを説明&練習。
(1ピッチ目だけを登り、懸垂下降で降りてくる練習を3回繰り返す)

半日かけて、本で読んでも分からなかったであろう点を講習していきます。

まだまだ余裕の笑顔。
後半、いよいよ1本のマルチピッチにチャレンジ!
(全く、初めての方をお連れする場合、3~4時間)

今回のルートは、1ピッチ目は練習に使用していラインそのもの。
ここまでは簡単。

2ピッチ目から、急に難しくなります。

しかも、当然ながら難しいセクションには
「リードが残したプロテクション」
があって、それを回収しながら登らねばなりません。
ARさん、回収で早速ヘロヘロになり、心は折れ気味。
ロープに掴まって登りたい気持ちを、堪えながら登って来てくれました。
下の写真は、2ピッチ目の終了時点。
なけなしの笑顔。

「もう疲れました。」
「降りたいです。」
というのが、本音だったとか(笑)。
そして、いよいよハイライトの3ピッチ目!

ARさん、足を何度も滑らせながらも、なんとかフリーで完登!
続く、ONさんはちょっと余裕あり。

僕からは、
「ARさんは、フリーで来ましたよー!」
と軽くプレッシャーをかけ、意地でフリー完登していただきました。
終了点について、いよいよ大興奮!

「フリーで登れた」
という用語の意味自体、どこまで分かっているかは微妙です(笑)。

でも、
途中であきらめてロープに掴まったりしていたら、感動半分、悔しさ半分だったでしょうね。

「頑張って、ロープに頼ったりしないで登れた。そこが、よかった。」

ということだけは、直観的に理解できたようです。
そして、下り。

完登で気が抜けきっているお客様に、
「こういう時に、事故が起こりますからね。少し休んでから降りましょう。」
という話をして、緊張の懸垂下降。
降りてからは、40分くらいロープの畳み方などの基本事項を練習して終了です。

今まで、ガイド登山でしかロープを使ってこなかったONさん。
初講習で色々なことが聞けて、嬉しそうで良かったです。
具体的な講習内容
・スリングの収納方法
・アルパインクイックドローの作り方
・ギアラックの整理方法
・ATCを落とさない操作方法について
・コール、コールなしの流れ
・懸垂下降の練習
・カム回収のコツ
・インクノットの作り方

☆実践、マルチピッチ1本

・ロープの畳み方

2012年5月26日土曜日

本気トライのビレイ

5月25日(金)の昼は、ストーンマジックにてリード講習。
OMさん、AKさんの女性2人組。
御二人とも、もともとリードは普段からやっております。

ただ、
「落ちられないから、思い切り行けない!(結果、上手くならない)」
「むしろ、過去にリードで落ちて怪我をしたこともある」

ということで、リード&ビレイを一度見てもらいたいとの申し出。

そういう訳で、
「ここは絶対!」という要点から、普段なら見て見ぬフリをするような細かいポイントまで、徹底指導。
・ダブルチェック
講習中だけは、必ずやること。講習以外でも、やることをオススメ

・エイトノットの結び方
(チェックがしやすくなるよう、締めやすくなるよう、綺麗に結ぶ)

・ATCの付け外し
(岩場で落としにくい方法に、変更。これは、岩場対策のオマケ。)

・ ビレイ位置
(3本目までクリップしても、まだ壁から離れないように変更。今までよりも、さらにボルトの真下に近づくように変更。)

・繰り出し
(フライング気味でもO.K.。クライマーに労力が掛からないように変更)

・繰り出し方
(1ストロークを大きめに、2ストロークを連続させる、しゃがんで居た状態から立ち上がる、などなど)

・ロープの張り具合
(クライマーが腰を沈めてレストしたり、反動をつけてムーヴを起こす際にも邪魔にならないよう、今までより15cmくらい弛ませることに変更)

これらは、クライマーが落ちる可能性のある本気トライをするための1つのやり方です。
具体的な講習内容
・上記について、1つずつ修正していく
・ネコ足

キャリアの長い人のリード&ビレイ講習・・・
今までのやりかたを、少なからず否定することになります。

心苦しい面もありますが、否定されることを覚悟で受講しに来てくださった御二人には、頑張って本気トライができるようになって欲しいですね。

リードまで覚えた人は、クライミングを辞めない

5月24日(木)の夜は、パンプ2にてリード講習(1回目)。
TSさん、SKさん、Mさんの女性3人組。
リード講習を受ける人にも、色々とおります。

・「アルパインやりたいんです!」、「岩場行きたいんです!」といった、目的意識の明確な人
・「自分に果たして出来るだろうか?」、「出来るならやってみようか?」といった、ちょっと引っ込み思案の人

今回のメンバーは、
“素人さんとクライマーの境界線”くらい

講習内容はリードですが、練習方法はガンガン登りながら体で覚えること。
その登る本数の多さ、“トレーニングっぽさ”に驚いておりました。

でも、
「かなり充実した」、「色々なことが分かった」
などの感想メールもいただけたので、問題ないですかね?
ちなみに、クライミングジムの先輩スタッフS川さん曰く

「リードまで覚えた人は、そう簡単にはクライミング辞めなくなるよ。」

なんとも含蓄がある言葉です。

かけた時間と労力、リードの達成感、ちょっとしたスリル。
その全部でしょうか?

彼らも、この講習を終えたら、まずは(ジム)クライマーの仲間入りか!?
具体的な講習内容
・ダブルチェック
・トップロープのビレイ方法2種類(持ち替え、スライド)
・エイトノットの効率的な結び方(注意点)
・ネコ足
・脱力
・腰を壁に近づけること
・全ホールドでレストする練習(5.6くらいで)
・クリップの方法

2012年5月25日金曜日

クライミングは足で登れ、とよく言うが

5月24日(木)の昼は、ランナウトにてムーヴ講習。
常連になってきた女性SMさん。
SMさん、自分でジムに行ったときは、腕が疲れて仕方なかったそうですが、今は下半身が疲れるそうです。
これは、とても良いことです。

「クライミングは足で登れ」とは言いますが、これはクライミングの動きがある程度理解できてきた人の“悟り”の一言。

実際は、この言葉の中に、僕レベルで感じているだけでも以下のような要素があります。
上級者の方には、もっと他の意味があるような気もします。

・足を丁寧に置く
(そうすることによって、体重がしっかり乗る。また、足を滑らさない自信が、脱力や個々のムーヴにもプラス影響がある。垂直前後の壁だと、この立ち込みこそが問題な課題も多数。)

・足位置で、ムーヴは9割方は決定される
(初心者の言い方なら、足位置で次の一手を取るのが楽か否かが9割決まる。)

・足技の巧さは、あらゆる場面で役に立つ
(スメアリング、キョン、掻き込み、フラッギング、ヒール、トウフック、などなど)

・腰を壁に近づけるために胸を張り、捻りを効かせて登るようにすると、スタンスを最大限利用できる
(これは、一朝一夕には身につかない。が、これが意識出来ると腕よりも、体幹が疲れたりすることも多い。)

さて、この中で理解できない項目があった方は、早めに覚えた方が良いです。
一方で、ブログでもう少し噛み砕いて説明しても、意味がないと思います。

分からない人は、すでに身体で分かっている人に聞きながら練習するのが一番だと思います。

ちなみに・・・

ジムで、知り合いにアドバイスしたくても、この手の話は瞬時には教えられません。
1個を教え始めたら、30分、1時間は掛かります。

せいぜいアドバイスできるのは、「あそこは、こうやったら良いんじゃないですか?」と言ったムーヴ解決案の提示くらい。
まあ、そこのムーヴだけ教えても、基本ができていなかったり、筋力が足りなかったりすると、「おっしゃるように出来ません!」って事態になってしまうのです。
具体的な講習内容
・ネコ足
・肩の脱力
・指の脱力
・壁に腰を近づけること

本日も、下半身がバッチリ疲れたでしょうか?
本当は、腹筋や背筋も疲れても良いんですよ。

2012年5月23日水曜日

自主練習の成果?

5月22日(火)の夜は、ランナウトにてリード講習。
先週に引き続き、男性HYさん。
HYさん、普段からランナウトに通っているそうで、練習量も十分です。

通常なら、リード講習を3時間3回でやるとしたら、リード&ビレイだけで精一杯。
しかし、ムーヴについてもかなりアドバイスをしながら、第2回までは順調に講習を進めております。

第2回までに習得して欲しいことは、

・リードでやってはいけない事例集を理解して登ること
・ちょっと落ちる練習をして、“良い落ち方”を知り、墜落距離の計算方法を考える
・リードのビレイの型を知る

といった所です。

最終回のイメージが、
「落ちる練習と止める練習で、実践的な良いリード&ビレイに高める」
といったことが目標です。

このまま順調に行けば、次回でリード講習を終えつつ、基本的なムーヴも習得できますね。
この調子で頑張ってください。
具体的な講習内容
・基本フォーム5項目の総チェック
(ネコ足、肩の脱力、指の脱力、腰を壁に近づけること、引きつけよりも捻りを優先すること)

・リードでやってはいけない事例集
(逆クリップ、Zクリップ、手繰り落ち、ロープを足に絡ませる)

・軽い落ちる練習
・ビレイの型(ロープの繰り出し、立ち位置、しゃがんでビレイする方法、ナゼ壁から離れてビレイしてはいけないか?)

最近、クライミングを始めたばかりだそうですが、熱中しておりますね。
来週の、山の知り合いを増やす会にも参加予定だそうです。

2012年5月22日火曜日

マルチピッチ体験講習の公募

公募のお知らせです。

日程:5月31日(木)
場所:越沢バットレス
内容:マルチピッチ体験講習
定員:2名(残り1名)
講習料:1万5千円

講習を考えているが、一緒に受ける仲間が見つからない方など、この機会を御利用ください。

無料体験講習のリマインド

来週、5月29日(火)は無料体験講習です。
詳細は、ホームページにて。

昼の部:
15:00~16:30

夜の部:
20:00~21:30

参加御希望の方は、事前にメールをお願いします。
特に、初めての方は、連絡先などを把握するために必須です。

講習生が自分でロープを使う山に行く、という話

5月21日(月)の夜は、ベースキャンプにてジム講習。
常連男性KBさん。
普段は、ムーヴ講習レベル2を受けているKBさん。
本日は、本人の希望により3時間のうち半分をロープワーク講習に充てました。

最近、雪山や妙義山縦走などを自分でやってみるにあたり、自分のロープワークの稚拙さを思い知ったそうです。
そして、今週末から奥多摩の沢デビューを計画しているそうで、ロープワークをここから本格的に学びたいという御要望。
過去に、マルチピッチ体験を2回(越沢バットレス、二子中央稜)、雪山バリエーション体験を1回(赤岳天狗尾根)受けております。
しかも、他ガイドの元で、入門アルパインルート数本を登っておりますので、ある程度の現場経験はあります。

とはいえ、自分で行くとなると、話は別。
ロープ1つキッチリ畳めないことに気づき、懸垂の度にロープが絡むもどかしさを味わい。
自分なりに、煮え湯を飲んだそうです。

さあてこれから!
といったスタートライン。

ちなみに、沢にしろ入門バリエーションにしろ
「私から見て、本当は身につけてから行って欲しい技術」
というのは山ほどあります。

それを、8割以上も講習しようと思ったら、1年2年は毎月岩場での受講が望まれます。

が、実際にはそんなもののうち3割も身につけないままで、バリエーションに突入する人がほとんどです。
かく言う私も、学生の頃、懸垂下降すら怪しい状態で沢に何度か入っておりましたし(笑)。

ガイド基準で見たら絶対に危ないのですが、始める頃ってそんなもんです。
そういう訳で、よっぽど酷い計画でなければ、私から見て危なくても
「なるほど、気をつけて行ってきてくださいね。」
という話です。

でも、こういうちょっと攻めてる初心者って、聞いてくる内容が凄くリアルで、教え甲斐はあるんだよなあ。
具体的な講習内容
・基本フォーム5項目のチェック
(ネコ足、肩の脱力、指の脱力、腰を壁に近づける、引きつけよりも捻りを優先する)
これに関しては、毎回成長を感じます。

・懸垂下降の仮固定
・ザックからロープを出して、懸垂下降に移るまでの手順
・ロープの畳み方(できるだけキッチリ畳む)
・ルベルソを使ったセカンドの確保(ルベルソ解除は講習せず)

ちなみに、
①ジムで、危ないビレイを目にすること
②山で、危ない人を目にすること
③知り合いから、危なっかしい山の計画を聞かされること

こういう機会は、ビックリするぐらい多いものです。
が、全部に意見していたらキリがないので、現実的な対応も必要ですね。

ジムなら、「よっぽど酷くない限り、ケンカにならないことを優先する」とか。
岩場なら、「よっぽど酷くても、ケンカになりそうなら無視する」とか。
山の計画なら、親しさ&話を聞く耳に応じて対応、とか。

私の場合は、そんな感じです。

2012年5月21日月曜日

小川山でプライベート講習

5月19日(土)、20日(日)は、小川山にてスラブ&クラックの2日間。
常連女性TZさん、2日前にリード講習を終えたばかりの女性WNさん。
今回は、“岩場リード”、“クラックリード”などの的を絞った講習ではありません。

TZさんから
「スラブのリードが出来ない」、「小川山のクラックを経験したい」
という2つの希望があったことによる、プライベート講習。

WNさんは、その公募に参加して、質問などをしながら“岩場リード”講習の内容をなるべくモノにして帰りたいという目論見。
さて、成果のほどはというと

TZさん
①カム抜けフォールを経験できた

②5.8のクラックを一撃できた


WNさん
③リードの墜落距離を計算して、ビレイが出来るようになった
④リード講習の内容を、大部分は聞いて帰ることができた

それぞれについて、改めて解説します。
まずは、TZさん。

①カム抜けフォールを経験できた

TZさんは、リード中、プロテクションよりもムーヴに夢中!
カムのセットが甘かったり、カムセットを忘れて登ったり、といった癖がなかなか抜けません。

この癖、性格そのものですから、そう簡単に治るものではありません。
ちょっとしたパニック状態みたいなもので、本当の危険より、高さの恐怖とかの方が気になる訳です。

しかも、いくら私が
「甘効きのカムは、手で引いたくらいじゃ抜けなくても、テンション掛けたりしたら抜けることがある」
と話しても、やっぱり実感が沸きにくいもの。
TZさんに限らず、誰でもです。

手で引っ張ってみて大丈夫なら、半ば安心して登ってしまいます。
それが、本日
「カムで落ちてみましょう」
という課題で、見事にスッポ抜け!

もちろん、カムの1.5m下にはハンガーボルトがあったので、大きな怪我はありません。
それでも、落ちた瞬間に体を岩にぶつけたのと、「自分が信用していたカムが抜けた」という精神的ショックは大!

ただ、これによって翌日のカムセットは慎重そのもの!
墜落距離も意識して、かなり「本当の危険」に向き合うことが出来た登りだったと思います。

やっぱり、体で覚えるのが一番!?
②5.8のクラックを一撃できた

これは、単純なクライミング能力の成長として嬉しいところ。
フラッシュの最高グレード更新です。

小川山のマルチピッチ入門では、南陵神奈川、大貧民ルート、セレクション、なんかはクラックの5.8が一撃できることが挑戦権となります。
次に、WNさん。

③リードの墜落距離を計算して、ビレイが出来るようになった

これは、2日前のジムでのリード&ビレイ講習では、完全理解していなかった様子。
TZさんに、しつこく落ちる練習をしてもらう中で、墜落距離が読めるようになって来ました。

お陰様で、グランドぎりぎりのムーヴ中などは、リードしている本人よりも緊張しているくらい!

「なんとか頑張って、グランドさせないように出来ないか?」
という意識が伝わってきて、なかなか良いビレイヤーです。
④リード講習の内容を、大部分は聞いて帰ることができた

ヌンチャクの向き、終了点の使い方(結び替え、懸垂下降)、ボルトの見分け方、捨て縄の使用方法、などなど。
TZさんが、体調イマイチだったこともあり、長め休憩時間を利用してマンツーマンレッスン。

結果的には、一通りの内容をサラッと流すことが出来ました。
下の写真は、TZさん。
ハコヤ岩の“森林浴”(5.8)を一撃!
カムの慎重さと、ちょっとした思い切りを兼ね備えた、良いクライミング。

WNさんも、トップロープながら一撃!
初めてのハンドジャムも使って、ギリギリの頑張り。
具体的な講習内容
・上記の通り
1日目:スラブ状岩壁
2日目:ハコヤ岩の森林浴(5.8)
TZさんリーダーで、WNさんがフォローしてマルチを登るのが、当面の良い目標かもしれませんね。