2018年1月31日水曜日

落ちる確率、落ちた場合の問題が起こる確率

1月27日(土)は、クラックリード講習にて、城ヶ崎。
NSさん夫妻、女性SDさん、女性Sさん。

1月28日(日)は、岩場リード講習にて、湯河原。
女性FSさん、女性MYさん、新規男性SDさん、復習参加の男性MKさん。

記録が溜まりそうな気配濃厚なので、今回は2つまとめて。
リード中、あと1mでテラスという場面。
テラス直前でカムセットするか、ややランナウトしてでもテラスに乗ってしまってからカムセットするか。

テラス直前にセットできればテラスへの乗り込みは安全ですが、早くテラスに立って安心したい気持ちを抑えなければなりません。
テラスに乗り込むことに絶対の自信があれば、テラスに立って安心感を得ることも、間違いとも言えません。

どうでしょうね。
<カムセット練習中>

今度は、クラックに限らず。
リード中、ロープが足に絡みそうな状況。

50%落ちそうなら、絶対に絡みを取りたいし、ビレイヤーもクライマーに声かけすると思います。

ほぼ落なさそうなら?マルチピッチや本チャンなどで、易しいセクションを登っているとき。

1%落ちそうなら?
リードのフォールに伴う事故(あるいはヒヤリハット)に関して、今回の講習生から一言。

「“落ちる確率”ד落ちた場合に問題が起こる確率”=事故確率。
クライマーは総合的に判断すべきだけど、ビレイヤーは(少なくとも自分は)後者が気になる。」
<懸垂下降にて、カム回収中>

一応、講習生が考えた公式に数値を当てはめてみましょうか。

落ちる確率が1%で、ひっくり返って落ちる確率50%なら、0.5%。
落ちる確率50%、ひっくり返って落ちる確率0%なら、0%。
自分を客観視するには、なかなか役立つ公式かと思います。

特に、初心者は落ちる確率を重視しすぎる、という傾向があるので。
1日目
NS奥様:鬼ころし(5.7) R.P.。
<クリスマスローズ>

2日目の実践本気トライ
FSさん:フック船長(5.10a) O.S.。
MKさん:マゾおけさ(5.10b) O.S.。
     クリスマスローズ(5.10b) ハングドッグして、トップアウト。
<熱いトライを見せるFSさん>

2018年1月29日月曜日

普通のことしか言えませんが

1月26日(金)は、リード3回目。
女性HNさん、女性SDさん、女性SBさん、女性STさん。
講習後のちょっとした会話。

講習生:「最近、指がすごく痛いんです。今週、(登るのが)6日目なんです。」
私:「筋肉が超回復するまでの時間、って知ってますか?」
講習生:「知ってます!24~48時間、あるいは48~72時間。」
    「でも、いっぱいは登ってないんです。1日1時間とかの日もあるんです。」
    「実際、自分の感覚としては1時間でも毎日やった方が良い感じなんです。」
私:「たしかに、クライミングは単なる筋トレじゃなくて、テクニックトレーニングの面が大きいですからね。それ故に、初心者は低負荷で毎日登ると効果的って話はよくありますよね。」

講習生:「そうなんです!でも、指が痛くって。登り方も悪いと思うんですけど。指を立てるようなホールド(いわゆるカチ)が辛くって。」
私:「まぁ、フォームにも問題はあるとは思います。ただ、フォームってそんなにすぐには良くならないんで、とりあえずレストを挟みながらやらないと持たないんじゃないですかね?」
講習生:「私、夕方時間が空いてて、ジムの年パスも買っちゃったから、つい行っちゃうんですよね。指って、治らないこともありますか?」
私:「ありますよ。(医学的なことは分からないけど、自分や周りのクライマーを見る限り。)」
講習生:「やっぱり・・・。」

この他、枝葉の話もしました。
連登するなら、メニューを考えないとダメだけど、それを考えるのは結構難しい。とか。
そもそも、この方がこんなにクライミングにのめり込むとは、1年前には思いもよらないぐらいの話です。
せっかく熱くなった気持ちですので、壊さずに成長していって欲しいものですね。
さて、本日でHNさんはジムリード講習を卒業といたしました。
よろしければ、また岩場リードでお会いいたしましょう。

2018年1月26日金曜日

ネコ足、リターンズ

1月25日(木)は、リード1回目。
女性TUさん、女性HDさん。
ジムで登っていると、ベニヤ板を蹴る音が立ちます。
岩場では、よっぽど雑に登っても、なかなか足音は立たないと思いますが。

ルートクライマーなら、ある程度のレベルの人なら、アップレベルの難易度では足音を立てないように意識しているかと思います。
ボルダラーであっても、私より大差で登れそうな人のアップを見ていると、似たような感じに見えます。(男性ならコンスタントに初段以上、女性だと少し低めの印象で3級以上、とか。ただし、私と似たようなレベルのボルダラーだと、そうでもない印象。)

ここから、色々な方向に話が発展できると思います。

なぜ、足音を立てないようにしているのか?それとも、上手いと自然と立たなくなるのか?
本気トライ中は、どこまで許容されるか?
ルートでは、ボルダーよりも大事なのか?
ボルダーでも、上級レベルではやっぱり大事なのか?
なぜ、女性は、相対的に低グレードでも足音が立たないのか?

私なりの結論(仮説も含む)はあるのですが、100%の自信はありません。
ただ、これを考えることは、私にとっても過去の講習生にとっても大きなプラスになったように感じています。

2018年1月23日火曜日

言葉

1月21日(日)は、雪上訓練Lv.1-Aにて、天神平。
新規男性OBさん。
<午前中は、好天>

雪山初心者にとって、講師の言葉が重いということを再認識。

登山靴、アイゼン、ピッケルも新品という皆さま。
(当塾は、軽アイゼンで奥多摩・秩父程度を歩いたことがあることを参加条件にしてはいますが、それでも。)

右も左も分からないだけに、私の一言を鵜呑みにしてしまいそうで、クライミング講習以上の緊張感を覚えます。
それこそ、私が「~~山なら行けますよ。」と言えば、背伸びかどうかも分からずに計画を立ててしまいそうです。
雪崩にせよ、アイゼン・ピッケル技術にせよ、天候判断にせよ「こういうもんです。これ以上は、そんなに勉強しても大変なだけですよ。」みたいな安直な発言をすれば、勉強をサボる言い訳を手に入れてしまいそうです。
ちなみに、私も学生時代に、「3シーズン靴でも、結構いけるよ。」という言葉と、「やっぱ、冬靴じゃなきゃ危ないよ。」という言葉を天秤にかけて、節約と根性を大義名分に
相当なところまで3シーズン靴で突っ込んでました。

もしかすると、どんなに気を付けて指導しても、誰かが安直なことを言えばそれを選択したくなるのが初心者心理なのかもしれませんが・・・。
<楽しそうに訓練してくれて、私も嬉しい>

全部厳しい意見を採用していたら、山なんか行けない気分になりそうですしね。
でも、山を続けると「厳しい意見が正しかったかも。」と痛い目に遭うことが多いような気がします。
<夕方から天候悪化>

雪山は、夏山に比べてチャレンジングな雰囲気が楽しいのは確かです。

でも、必ず失敗を重ねると思うので、スモールステップで山を選んでくださいませ。
本日講習したのは、あくまでも歩行技術だけですから。
<悪天でも楽しそうで何より>

もし良かったら、1年後にまた続きを受講していただければ幸いです。

2018年1月22日月曜日

モチベーションの浮き沈み

1月20日(土)は、岩場リード講習にて、湯河原。
女性MKさん、女性FSさん、男性MOさん、男性MKさん。
クライミングを続けるモチベーションは、何なのでしょうか。
モチベーションが落ちるのは、どういう心境なのでしょうか。
あるいは、一度離れても再び熱い気持ちで復活する人は、何なのでしょうか。

事情は人によります。
個人の自由、というのもありますが、やはり共通する感情はあるでしょう。
<ロープワーク>

私も、モチベーションに浮き沈みがありますし、興味対象ジャンルが移り変わることも頻繁です。

明確に、モチベーションが落ちたと感じたタイミングを幾つか。

①グレードなど、分かりやすい向上速度が落ちた。
②冬壁とくにルンゼ登攀の外的リスクが嫌になったが、自分の中で冬壁から逃げることを許せない気持ちと葛藤があって、八方ふさがりになった。
③自分よりモチベーションや生命力が違う同年代の人に圧倒され、付いて行けないと感じた。
④ツアーや長期山行などで、共同生活での人間関係に疲れ果てた。
⑤パーティ内でのリスク判断の話し合いで、許容できるリスクに生まれ持った差を感じる機会が多く、嫌になった。
⑥自分より後から始めた人に、どんどん抜かれた。(ジムなんか、もはや当たり前だが)
⑦ガイド試験受験時、この仕事を開業してしばらくのタイミングで、集中しきれなかった。
⑧雪崩に対して不勉強だという弱さを自覚しているが、克服する労力を掛けきれずにウジウジしている。
<リードで落ちる練習>

上記のことが、今になって何か解決したかと言えば、根本的には変わっていません。

①⇒ジムでは、10年ほど最高グレードはほとんど変わらず。(アルファベット1つくらい?)ただし、主に技術的なことに関しては、日々ちょっとずつ上達を感じる。岩場においても、最高グレードは10年ほど変わらずだが、10年前には登れなかったであろうルートはいっぱい登れていると思う程度。

③⇒同年代のすごい人との差は開くばかりだが、さすがに心の痛みを感じることは少なくなった。

なので、「なんだかなー。」と思うときは常日頃あります。

ただ、どの要因に関しても、一番ツライ時期は過ぎたように感じていますから、今さらクライミングを辞めることもなさそうです。
<ゼルダ>

少し話は変わりますが、クライミングはある程度真面目にやらないと面白くないと思います。
伸びなくても、エクササイズとして楽しいかと問われれば、ノーだと感じるという話。
基礎練習にせよ、本気トライにせよ、やりがいが欲しいです。

よく行くランナウトでも、長年同じくらいのグレードをやり続けている常連さんは少なくないです。特に、定年組でそれを続けられる人たちに、私は強い興味を感じます。
昨今のジムでは、ムーヴの複雑化、パズル化は著しく、5.11と言っても単調なアップルートのようなものは少なく感じます。個人的にはそれが面白くもありますが、若いころから登っていて老いを感じる中高年クライマーに、さらなる追い打ちを掛けているような感もあります。

彼らは、単なるエクササイズではなさそうです。細かい成長なのか、本気トライの充実なのか、何かしらのやりがいを感じている様子です。だから、現代的というかボルダーっぽい5.11にも対応し続けられているのかなと思います。
確実なことは言えませんが、ダラダラやっている人は辞めますが、ちょっと頑張っているぐらいの人は辞めないような印象です。
<さすが黒帯さま>

という訳で、私なりの結論。

自分のペースではあるものの、その場その場は超が付くほど真剣に。
って感じでしょうか。

まぁ、統計とか理論武装とかもする気はないのですが、続けている人は似たようなことを感じているんじゃないですかねぇ。
<アブラカダブラ>

実践本気トライ
・MKさん ゼルダ(5.11a) R.P.。前回、今回とムーヴ解決して、本日の後半に完登!
・MOさん ゼルダ(5.11a) フラッシュ。さすが、黒帯さま!
      フック船長(5.10a) O.S.。
・FSさん アブラカダブラ(5.10a) O.S.。
・MKさん アブラカダブラ(5.10a) 再登。

本日で、男性MKさんは岩場リード講習を卒業といたしました。
<渾身のトライでした!>

本日の皆さんは、まだクライミング歴数年だったりしますが、それでもモチベーションの浮き沈みは結構あるみたいです。
そんな中でも、今日は全員が良いトライをしてくれて、私も嬉しかったです。

2018年1月19日金曜日

勝敗と試合内容

1月18日(木)は、自分のクライミングにて、御前岩。
青木くんと、その部下(?)のKくん。
<つくばの店長>

3日前の反省を胸に、ほどほどの体調管理をして臨んだ今回。

まずまずのトライが出来て、楽しい感じでした。
<南面>

本気トライ1トライ目は、ぬかよろこび(7c)。
オンサイトトライで、得意の行きつ戻りつと、勝負の1手出しが割とバランスよく出来たと思います。

結果的には、核心でフォール。ハングドッグしてムーヴ解決というレベルでしたから、オンサイト失敗という意味では前回と同じ。

しかしながら、
「事前に集中できて、ちゃんとスポーツクライミングの試合になっていた!」
という喜びを感じます。
正直、トライを楽しめました。

こうやって書くと、我ながら志が低い感が拭えません(笑)。
<オブザベ>

でも、岩場でのクライミングはリスク管理とか恐怖心のコントロールとか、スポートルートと言えども、他に注意を払うことも多いです。

だから、オンサイトでいい試合をするのは意外と難しく、上手く行かないことも多々あります。
<傾斜に強い青木先生>

さて、2トライ目で、R.P.。
先日と違うのは、2擊できるか危ういぐらいだったので、集中して相当頑張れました!

2トライ目ならでは、ムーヴが定まっていないがゆえの現場処理も数々でしたが、そういう消耗も込みでギリギリ押し切れるぐらい。

2トライともモヤモヤが残った前回と打って変わり、2トライとも清々しいのがありがたいです。
来て良かったです(笑)。

今更ながら、勝敗よりも試合内容が大事なこともあると思うのでした。
もちろん、「登るぞ!」と思ってクライミングはするのですが・・・。
<荒削りながら、とにかく熱いトライ>

具体的に登ったルート
・息子の名は友希(6b) O.S.。
・バイオニックソルジャー亀(6c) O.S.。
・ぬかよろこび(7c) R.P.。2トライ。
・DAIJA(7c+) ムーヴが出来ず、2トライ敗退。
<DAIJA>

<DAIJAをR.P.して、よろこぶ青木くん>

<バイオニック・・・をR.P.するKくん>

2018年1月18日木曜日

クリップのタイミング

1月17日(水)は、リード3回目。
女性HNさん、男性FYさん。
クリップのタイミングは、楽な態勢かどうかだけでは決められません。
クリップのタイミングを遅くするほど、最後にクリップしたカラビナからは離れていき、フォールする距離は大きくなるからです。

と、ここまでは当たり前の話。

具体的に、2本目はいつまでにクリップ?
3本目は?
4本目は?
5本目以降は?

こういう話になると、初心者さん同士で意見は大きく割れるみたいです。

そして、「あんまり深く考えてませんでした。」という人も出てきます。

この話は、
「中上級者がジムでたまにやる“クリップ1本飛ばし”は何本目より上なら安全上許容なのか?」
というのとも繋がってきます。
これを検証するのは、実験あるのみです。
ちょっと辛い練習かもしれませんが、頑張りましょう。

本日の2人は、もう1回リード3回目を受けていただきたいところです。
もし良かったら、続けてくださいませ。

2018年1月17日水曜日

ダメな1日

1月15日(月)は、自分のクライミングにて、御前岩。
長門さんと。
<体感温度に差が・・・>

本日は、ダメなクライミングでした。

登り以前に、疲労感で頭がボーッとしており、岩場をウロウロするもの「フラフラしている。」と知人に言われる始末。
<日が当たれば暖かい>

また、登ることへの執着心が弱く、アップルートで寒さで手の感覚がなくなった際に、適当に手を出してしまいました。
(本来なら、アップルートで落ちてたまるか!?ぐらいの最低限の気合いを出して、行きつ戻りつしたい場面。)
結果的に、偶然っぽく再登できたので良かったような、そこで反省しなかったために午後の本気トライでしっぺ返しを食らったような。
一応、本日の山場。
蒙古タンメン(7a+)にオンサイトトライ。

長門さんからは、「リーチ有利だから絶対いけるよ!」と言われて出撃したものの、フォール。
ムーヴが出来ないわけでも、持久力的に絶対に無理な課題でもなく、紛れもなくオンサイト失敗と言わざるを得ないです。

一番の敗因は、覇気が足りなかったことです。

正直、最適ムーヴでなく次善ムーヴであっても押し切るだけの力はあったはずなのに・・・。
フワッとデッドポイントして、呆気なくフォールするという情けないクライミングでした。
一応2擊はしましたが、ムーヴが分かれば気合い万全でなくても登れる範疇のルートだけに、R.P.の喜びは今一歩・・・。
後悔は深まるばかりでした。
<トライ前の私>

それに引き換え、長門先生は強いっすねー。

私と同じく体調はイマイチに見えましたが、それでもキビキビと動き回ります。
自分が、ノロマな大型動物であることを実感します。

徐々に調子を上げていって、最後には限界グレードで戦っておられました。
いつもながら、クライミングスキル以前に生命力レベルで違いを見せつけられたのでした。

比べすぎず、自分のペースで頑張りましょう。
<蒙古タンメンの2トライ目>

具体的に登ったルート
・ハートブレイク(6b+) 再登。アップのつもりが、寒さで危うし。
・なめなめくじ(6c+) フラッシュ
・男女冬物語(6b) オンサイト
・蒙古タンメン(7a+) R.P.。2トライ。悔いが残る1本。
・ドラゴンホール(6b) フラッシュ。クールダウンっぽい意味合いで。
<一応、R.P.>

<夕方になって、8aをトライ開始する長門さん>

2018年1月16日火曜日

プロテクション戦略

1月14日(日)は、クラックリード講習にて、城ヶ崎。
男性NSさん、男性TSさん。
高さ8mほどのルートを登ることを想定します。

前半4mほどは、歩きっぽい内容。
後半4mほどは、顕著なクラックですが、あなたにとって大変易しいとします。

この顕著なクラックは、ほとんどどこでもプロテクションが取れます。
クラックの始まりは大きなテラスになっており、疲れずに長期滞在も可能です。

また、このクラックはテラスから1mほど登った地点で、ほんの少しだけバランスが悪くなるセクションがあります。
そこを越えると、再びテラスとなり、クラックを2分割しています。
さて、クラック取付きのテラスで、プロテクションは取るでしょうか?
(転ばぬ先の杖)
①取る
②取らない

その場合、その1m上の少しバランスが悪いセクションの手前で、プロテクションは取るでしょうか?
(核心前にランナウトしない方策)
①取る
②取らない

そこを越え、クラックの中間テラスで、プロテクションは取るでしょうか?
(転ばぬ先の杖)
①取る
②取らない
プロテクション戦略には、これが絶対的な正解というのも無いと思います。
今日の2人とも、これでもかっていうほどセット位置が違いました。
最小の人は、核心前の1つだけ。
最大の人は、3個すべて。

これから、少しずつ考えていきましょう。

2018年1月12日金曜日

日記の続き

最後のレスト明け。
1月1日、2日の2日間の記録。
<初日の出の懸垂下降>

今日は、3人とも気合い入りまくりです。
ここまで、1P目にある大部分の5.10台を登り尽くして来たカメチヨ先生が、トップバッター。
<初日の出とNMさん>

前日から緊張し、イメトレしてきた、5.11-へのオンサイトトライです。
<とこしへ(5.11-)のカメチヨ>

無事に成功し、「いや、むしろ今までのやつより簡単だった。」と拍子抜けを露わに(笑)。
<オンサイト成功!>

続くNMさんは、もう少し5.10で慣らしをするため、アマテラス。
色々と危ない目にも遭いつつ、2擊。
<アマテラス(5.10)で、いわされるNMさん>

私は、燻銀(いぶしぎん)(5.11-)が目標です。

再びグレードは落としたように見えますが、オブザベの印象ではムーヴが読めない1本です。
クラックのサイズは極細。
0番~000番のセクションが難しそうなため、そもそもNMさんが合流して、その辺のカムが3セットになるまで取り付く気になれなかったルート。
<燻銀(5.11-)>

いざ、オンサイトトライ。
核心は下部っぽかったので、1時間ほど行きつ戻りつして、とりあえず一旦地上まで降りることに。

カムセットと、大体のムーヴを頭に入れて、午後のトライに賭けます。
<細いっす!>

一応、オンサイト権がある2トライ目。
イメージしたムーヴは、やはりちょっと違ったようで、結局は何度も行きつ戻りつ。

40分ほどで意を決して突っ込みます。
00番、000番がバチ効きとは言え、散々ビビって吠えまった挙句、ムーヴに手詰まってテンションコール。

で、ハングドッグしたら何とすぐにムーヴが出来ました・・・。 
上部は5.10台っぽく見えたので、そこからエイドダウン回収。
<何度も、このテラスまで戻って仕切り直し>

あとは、夕方の最終トライ。
どうにかR.P.できました。

トポにも「指が太いと感じるグレードは上がるかもしれない。」とありますが、私は5.11+に感じました。
<つくよみ(5.10)のカメチヨ>

初日の後半は、カメチヨ先生も、NMさんも残った5.10に取り組みます。
2人ともアマテラスが最難に感じたのか、NMさんは2擊、カメチヨは翌日の宿題に。
<無事にフラッシュ>

<渡津海(5.10)をオンサイトするNMさん>

<足場は広々>


明けて最終日。
いよいよ、5.11-に取り掛かるNMさん。
<2日目の朝>

とりあえず、とこしへ(5.11-)は無事にオンサイト!
<とこしへ(5.11-)のNMさん>

が、ここへ来てアマテラスのムーヴが解決できそうで出来ないカメチヨ。
<アマテラス(5.10)>

私は、アマテラスの2P目にある、やたがらす(5.11-)が本日の目標です。
<アマテラスをフォローする私>

昨日のシンクラックに比べたら、だいぶ広い!
0番~1番が主体のサイズ感で、ジャムも所々効きます。
コーナーとしても、昨日のよりはだいぶ使いやすい!

ただ、脆いので固めどりしまくっていたら、案の定終盤にカム切れを起こして、またしても1時間越えの魂のオンサイトに・・・。
<やたがらす(5.11-)>

降りたら、「立ってるのも辛い。」という疲労具合だったので、午後は2人のビレイヤーに徹します。
<アマテラスを打つ>

<ことぶき左(5.11-)>

NMさんが、もう1本5.11-をオンサイトトライ。
が、こちらは惜しい感じでテンション。 

ジムっぽくて得意系とのことでしたが、「オンサイトトライは、頭もパンプしています。」との言葉が印象的。
<こちらは、2擊>

NMさんは、夕方の最終トライで無事に2擊。

「来てよかったー!」
と、もう1本のオンサイト以上に嬉しそうでした。

長期ツアー、御一緒ありがとうございました!
そして、写真提供もありがとうございました!
<撤収>

今回のツアー、3日目から計6日間を神須の鼻で登りました。
初日は瑞浪、2日目は神須の鼻の裏面だったので。

主な結果。
①神風(5.11) 2トライして敗退。
②ことぶき左(5.11-) O.S.。
③カムイ(5.11-) O.S.。
④ことぶき右(5.11+) R.P.。
⑤燻銀(5.11-) R.P.。
⑥やたがらす(5.11-) O.S.。

この手のクライミングだと、5.11-が自分にとって一番練習になるグレードという印象です。
5.11、5.11+となると、エイドしやすいレベルにカムが効くルートで、どうにかR.P.に持ち込めるかどうか。

フィンガー~ハンドだと、5.11ぐらいが一番楽しめるグレードと感じていますから、やはりここは少しオンサイトしにくい印象です。
神須の鼻は、プロテクションが難しいので、私に限らず、全員ちょっとグレードを落とし気味にオンサイトトライを楽しんだほうが良さそうです。

かなり怖いけど、今見返しても景色も岩も、超上質なエリアですねー。