2013年8月15日木曜日

オブザベーション、最初の1歩

8月14日(水)の夜は、ムーヴ講習レベル0。
男性SRさん、女性ARさんの2名。
ジムの初心者ルートは、初心者が混乱しにくいように

「右手、左手、右手、左手、・・・」
を基本に作ってあります。

で、1ヶ所か2ヶ所程度だけ、両手持ち(マッチ)や、「左手、左手」といった工夫をした方が楽な場所があります。

で、逆に言っちゃうと、オブザベーションでは
「右手、左手、右手、左手、・・・」
だと、合わない場所だけを覚えれば良いんです。

特に、初心者ルートは足自由課題が多いので、手順だけを要領よく記憶するのが重要ですよ。
「できれば、あそこは右手で取らないと、あとが続かなくなっちゃいそうですよねー。」

なんて、作戦を話し合う相手がいると、オブザベーション能力が向上していきます。


具体的な講習内容
・ネコ足(足の指で、スタンスを握る感覚)
・オブザベーションと手順用語
・実践リードトライ(5.10bは、2人とも完登ならず)

十一面岩正面壁、秋一番オンサイト

8月12日(月)、13日(火)は、自分のクライミングにてミズガキ。

<ベルジュエールなどで有名な、十一面岩正面壁>
初日は、今井君と正面壁の秋一番というマルチ。

核心部が、ワイドクラックの5.10cということで、敬遠してきました。
が、先週少し自信になるワイドを登れたので、この機会にチャレンジ。
で、実際行ってみると、思った通りメチャクチャ苦労しました。

<1P目は、ランナウトする上に岩も脆い5.8>
1P目は、過去に登ったルートと共通ながら、「こんなに悪かったっけー」という印象。
(今井リード)

2P目に至っては、自分の実力で行けるラインが見い出せずに敗退。
今井君にリードを交替してもらい、突破してもらう。
(今井リード)

いやはや、安全なフォローでも
「今の、よく落ちなかったなー。自分えらい。」

と思っちゃうくらいのピッチ。

でも、リードで行ける日は、当分来ないと思う危険なピッチ。

<2P目は、NP&リングボルトのスラブ5.10b>
3P目は、原田・南裏ルートの5.8チムニー。
結構、プロテクションが取れない上に、ボロくて侮れない。
(石田リード)

4P目は、ハンドクラックらしいんだけど、ラインがよく分からず。
とりあえず、岩が脆い。
(今井リード)

5P目は、核心部のルーフチムニー(5.10c)。
行きつ戻りつしながら、1時間近くかけてオンサイト。
(石田リード)

先週オンサイトしたワイドよりは、既成ルートだという気楽さがあるのか、少し易しく感じた。

<核心部のルーフチムニー。スタートするスタンスから離れがたい!>
6P目のコーナークラック。
見た目は5.8以下なのだが、意外とバランスが悪い。
(今井リード)

<6P目>
7P目は、バリエーションのクレセントクラック(5.10b)を登ることに。
写真がないのが残念だが、本当に日本離れしたハンドクラック!
(石田リード)

快適そのもの、というピッチ。

<見渡す限り、岩、岩、岩。マルチピッチし放題>
これで、あと15mで頂上というところでしたが、

「まあ、残りは他のルートと共通の易しい部分だし、割愛しちゃおうか。」

という流れで下山開始。

でも、下山中にワイドの5.10aくらいのを見つけて、またもや初登攀ごっこを楽しみました。
(まあ、もしかしたら本当に初登攀なのかもしれないけど)

<2日目は、今井君の家族と、ノンビリとクライミング>
とりあえず、ちょっとした成果が出て良かったです。

フリーマルチとしては、過去にオンサイトしたベルジュエールよりも価値があるかと思っています。

全ピッチ、リードもフォローもフリーで抜けています。
リードを代わってもらっているので、個人の記録としてはショボいんですが(笑)。

<今井君の奥さんと、不動沢愛好会ルート(2ピッチ、5.10b)>
ただ、一方で

「ミズガキのマルチピッチには、だいぶ慣れて来ちゃって、7ピッチ通してフリーで行けた!」

っていう達成感を、感じにくくなって来ちゃいました。
どっちかというと、各ピッチをフリーで行けたかどうか、っていう感じです。

5年前の私にとって、ミズガキは大岩壁に感じていたってことでしょう。

例えば、講習生の方々には、三ツ峠も越沢も大岩壁に感じたりするものです。
感じ方は、経験に応じて、相対的に小さくなっていくもんですねぇ。
まあ、でも少しずつ成長している自分を感じて、嬉しくなります。

クラックの技術も、壁に対するプレッシャーそのものも。

<不動沢は、今日も気持ち良い場所>

<寒々ルート(2P、5.8の直上バージョン)も、今井君の奥さんと>
行動記録
1日目:秋一番

10:00ぐらい 登攀開始
17:00ぐらい 正面壁の頭の15mくらい下にて、登攀終了

下山時に、5.10aくらいのワイドを見つけて、オンサイト。

2日目:不動沢、屏風岩周辺

・おしん(5.7) アップ
・不動沢愛好会ルート(5.10b、2P) 2P目の出だしでスリップフォールしてしまった!オンサイトならず。

・黄河(5.10b、ハンド) 結構、ぎりぎりオンサイト
落ちられない5.7、オフィズスの5.9と来て、疲れた状態で薄被りのハンド(5.10b)。玄人好みの1本って感じ?

・寒々ルート(直上バージョンで5.8、2P) 予想通り、相当にランナウトするマルチ。間違っても初心者ルートではないと思う。

ワイドクラック講習、再び

8月10日(土)、11日(日)は、小川山&ミズガキにて、ワイドクラック講習。
マルチピッチリードまで卒業している男性ONさん、男性NMさん、さらにマルチピッチリード受講中の女性KSさんの3名。
ワイドクラック講習は、石田登山塾でも3回目の開催です。

ワイドクラックとは、フィストよりも広いサイズのクラックです。

<チムニーのムーヴ練習>
全身が入るほどのサイズ(チムニー)は、初心者でも体をズリズリさせれば登ることができます。

が、それもスタンスやホールドがある場合のみ。

スタンスが少なければ、チムニーの中に居るだけで疲れてきます。
5.8くらいなら、どうにか登れますが、1本登るだけで嫌になる人も多いもの。
当然、テクニックがあります。

ニーロック、ヒール&トウ、アームロック、プッシュ、ガストンなどの技あり。

で、それらを、どういうタイミングで使うと楽に高度を稼げるのか?
つまり、コンビネーションこそが大事です。

<KSさんのリードトライ>
で、初日はチムニー。

トポに5.7と書かれていますが、スタンスも少な目。
個人的には体感5.8。

これで、ガッチリと基礎固めです。

<めずらしく、ONさんが一番グッタリしています>
2日目は、クラックの聖地ミズガキ。

正直、まだ講習生の皆さんが自力で登りに行くには早いかなぁ、というエリア。

でも、岩のスケール、豊富さ、ルートの迫力に感激しながら歩いてもらえて、私も楽しい。

<ミズガキの登山道>
で、2日目のテーマは、オフィズス。

チムニーのように体は入らないけど、フィストよりは広い、というサイズ。

ただ、ヒール&トウ、ニーロックなどが決まりやすいサイズでもあります。

<不動滝>
で、これも本で技の名前を勉強しても、なかなか登れません。

「こういうときは、こういう技を使った方が楽に高度を稼げる。」

といったコンビネーションが大事です。

<ルート図には載っていないが、登られている様子があるオフィズス>
こうやって、トップロープで散々練習した後で、リードトライ。

で、リードにもコツがあります。

<この直後、グランドフォールしてしまったKSさん>
・同じサイズがずっと続くなら、ずらしながら登ることも多い。
(リスクもあるので、辞めた方が良いときもある。)

・クラックの奥の方にロープが流れるので、ヌンチャクなどで延長する必要がない場合も多い。

<グランドを見た後で、かなり緊張感が高まるNMさん>
そして、リードは足がしっかり決まっていないと怖い。
ので、ムーヴの良いチェックになります。

ちょっと危ない場面もありましたが、怪我がなくて何よりです。

<時間が余ったので、隣のハンド~フィストにトライするONさん>
3人とも、かなりワイドクラックの技の選択肢が増えました。

しばらくは、練習量で勝負ですね。

<テンション掛け掛けトップアウト>
具体的な講習
1日目:小川山、砦岩右の門柱、アーチクラック1P目(5.7、チムニー)
2日目:不動沢、殿堂岩、無名のルート(体感5.8、オフィズス)

トップロープで、散々練習してから、リードトライも。
ムーヴのコンビネーションは、書いても分かりにくいので、内容は割愛。

2013年8月10日土曜日

クライミング中のスピード

8月9日(日)の夜は、ランナウトにてムーヴ講習レベル0。
KIさん御夫妻のみ、2名で。
クライミングでは、おおむねスピーディに登った方が得です。

1番大きな理由は

・速く登ること自体が、重要な省エネ技術

でも、急ぎ過ぎて雑に登るのも良くない。
例えば、初心者が急ぎすぎると

①足がキッチリ置けていない状況で、手を出してしまう。
あるいは、ホールディングがキッチリ決まっていない状況で、次の動きに入ってしまう。

→次のムーヴをしようとしつつ、足や手を握り直したりしている様子は、いかにも下手っぽくて良くない。

②レストポイントで焦るあまり、次の作戦を立てずに通過してしまう。

→本当にスピーディに行くべきは、レストできない核心部である。
だから、

・本気トライの最中は、丁寧さが損なわれないギリギリのスピーディさを心がける

※丁寧さが頻繁に損なわれるのは、それ以上のレベルを目指す上では、あまり良い習慣ではないでしょう。

※私を含めて中級者にとっても、雑にならないギリギリというスピードは本当に難しく、毎トライ意識すべき課題。

・新しい技術の練習中は、バランスを意識するために、ビックリするぐらいスローに登って良い


ゆっくり&スピーディ。
目的意識を持って、使い分けると良いですよ。


具体的な講習内容
・ネコ足(足指でスタンスを握る感覚)
・反動ムーヴ
・エイトノット(効率的な結び方、安全上の注意)
・ATCを落とさない操作方法
・トップロープのビレイ練習
・クリップ練習

今回は、リード第1回から間が空いてしまったので、半分の時間は復習に充てました。
こちらは、割りと順調。
次回は、リード第2回でO.K.ですね。

2013年8月9日金曜日

ミズガキのカサメリ沢

8月8日(木)は、自分のクライミングで、ミズガキのカサメリ沢。
遠征から帰国したばかりの今井くんと、その家族。
ミズガキには、ナチュラル志向の最高峰というイメージがあります。

ミニマムボルトの精神も強く、敷居の高さも日本一?
それだけに、その敷居の先には、

本当にありのままの岩を登る面白さがあるのです。
そんな中で、本日のエリアはミズガキには珍しい、スポーツクライミングのエリア。

30年くらい前に
「クラック全盛の時代」

から

「被ってなきゃクライミングじゃない!」
(スポーツクライミング全盛)

という時代に移行した際に、開拓された岩場。
なんで、カサメリ沢は、ミズガキにあっては異色なエリアです。

敷居の高さがあるとしたら、グレードぐらいですかね。
5.10b以下が、非常に少ないので。

でも、やっぱりミズガキなんだから、やっぱりナチュラル志向も良く理解している人に来て欲しいなぁと思います。
ミズガキに来るような人は、もうクライミング界の仲間ってイメージがあるんで、同じようなクライミング価値観を共有して行きたいと思うんですよ。
具体的に登ったルート
・たぬき(5.10a) オンサイト
・ミルクミルク(5.10c) オンサイト
・ジャガバター(5.10d) 1本目でフォール。やり直しで、レッドポイント
・禁太の大冒険(5.11c) ボルトが細かったので、止めておいて敗退
・名無しのクラック(体感5.10a) オンサイト。いつもの初登攀ごっこ
・オリーヴ(5.11c) レッドポイント2撃

楽しいは楽しいんだけど、燃えるほどじゃない。
やっぱクラックとかマルチの方が、今は楽しいかな。

テクニックより、作戦の方が重要な講習内容かも

8月7日(水)は、小川山にて岩場リード講習。
女性TZさんに加えて、女性ARさん、女性IMさん、男性FKさんの4名。

<アプローチは、TZさんが先導しておりました>
2年、3年前のリード講習では、ヌンチャクの掛け方、終了点作業などに1番重きを置いていました。

が、最近は作戦を教えることに重きを置いています。

<とりあえず、トップロープでムーヴ練習>
もう何度も書いていることですが、

「次のボルトまで遠いから、危ないんだよなー。」

ってときに、

①クライムダウンできる範囲で探りながら進んで見る

②あと数歩だけ慎重に行けば、クリップ出来そうだし、その数歩は落ちないように行けそうだから、「気を付けて行く!」

③迂回路を探す

④諦めて敗退

などの判断をすることです。

<5.8をリードで完登するTZさん>
文章にしてしまえば、本当に大したことではありません。

が、登りながら、こういうことを考えるのって最初はなかなか出来ないんです。

そして、
「結構、初心者って、こういうことが出来ないものなんだなぁ。」

と私も、実感が籠って来ました。

<烏帽子岩をバックに>
なんで出来ないのか?

私なりの分析。

パターン1:
足置きなどが雑で、いつ落ちても不思議ではない。

→岩にしがみついているだけで、恐怖心が大きい。
 安定感がないので、作戦が立てにくい。(不安定だと、作戦を立てるタイミングも無い)
パターン2:
目の前のホールドしか見ていない。
必死で登り続けて、目の前にボルトが出てきたらクリップするだけ、という危険な登り方。

→オブザベーションを余分目に。レストポイントで、次のボルトまでの作戦を立てる癖を付ける。

<もう1本、5.8をオンサイトしたTZさん>
こう考えると・・・
未熟だから仕方がない、という部分はあります。

あとは、
「それを熟練させて行かないと、リードは危ないんだな。」

という意識を持ってもらおうと思っています。

<3人も、1日の最後にリード1本を実践!>
だから、講習では

・ネコ足、プッシュなどの安定感を意識した登り
・作戦
・クライムダウンしてみる練習

が最重要項目。

<ARさん、おっかなビックリながらもリード>
せっかく講習を受けているからには、危なっかしいリードクライマーにはなって欲しくないですからね。

「将来的に、こういう安全管理が出来るようになるべき」

っていうイメージが湧けば、1番嬉しいです。
具体的な講習内容
・上記の内容
・ヌンチャクの向きとウィップフラッシュ現象
・本気トライ(TZさんのみ)
・トップロープの張り方(ヌンチャク交互の方法、TZさんのみ)
・結び替えの実践(TZさんのみ)

ボルトの種類、終了点作業に関しては、またの機会です。

2013年8月5日月曜日

ルーフワイド入門

8月4日(日)は、自分のクライミングにてミズガキ。
S本の神様、NTさんと。
昨年の秋に、えのきどさん連れられて行った蛇岩・巨木岩というところ。

記録も発表されているのですが、今回は記録のないルートを。
1本目は、見た目5.9くらいの土っぽいクラック。

が、思った以上に岩が脆く、途中敗退。

<這うように登る神>
2本目は、記録は出ていないけど、登られているというワイドクラック。

秋には、1テンだったんですが、今回は登れました。

ワイドグレードなら、5.10bってとこですが、核心ムーヴはワイドじゃないような・・・。
フェースとか、ジャミングにグレード付けるなら、5.10dかな。

<登られているらしいワイド>
3本目は、蛇岩と巨木岩の間くらいにある岩。
(蛇岩の真上くらい)

その中央にある、一部ルーフになったワイドクラック。
(目立つので、すぐ分かります)

クラックに挟まった枝とか、折りながら登ったので、初登だと思います。

奥にフィストが効くものの、未体験のルーフムーヴを楽しめました。
今までオンサイトしたワイド(5.10bを3本)より明らかに難しかったので、5.10cが妥当だと思います。
ワイドクラックは、5.10前半までは多いけど、5.10後半ってなかなか無いんですよね。

世の中的には、5.12だの5.13って時代ですが、実際5.10後半~5.11のワイドの方が需要はありそうです(笑)。

興味がある人は、登ってみてください。

<初登(?)したワイドの出だし。ここも悪い。>
ミズガキに行くと、訳わからないルートを登っているので、「初登?」と思うことは多いです。

が、珍しく価値ある初登かもしれませんね。

<一生登る気になれないような、恐ろしげなプロテクションの5.11cにトライするNTさん>
ヘロヘロに疲れた上に、神にフォローしてもらったら、準備含めて2人で4時間くらい?

さすがのNTさんにも
「こんなに待たされたことは、無いよ。」

と言われてしまいました。

ちょっと、代償も大きかったですね。
具体的に登ったルート
・上記の3本