2017年9月22日金曜日

トップロープをずらす

9月17日(日)は、雨にてロープワーク講習。
女性TDさん、女性FSさん、加えて新規のTK夫妻。
またまた講習生からの質問。

あるルートをトップロープで登っていて、隣の隣のルートにトップロープを掛け替えたいという場面での話。(終了点がバンド状になっていて、隣の隣のルートまで恐る恐るならトラバース可能、という状況と推察される。)
「セルフビレイを延々と延長して対処したのだけど、スリングやらカラビナで連結するのが怖かった。特に、カラビナでの接続は環付き必須なのか、カラビナ交互とかはどうなのか?」

1つ目は、カラビナ接続に関する問題。
もっとも安心なのを、環付き2枚交互(or環付き+普通のカラビナ)とすると、カラビナ交互、環付き1枚、カラビナ1枚、といった選択肢はどんな場面で許容できると考えるべきでしょうか?
また、トップロープなどでよくやるヌンチャク交互は、どの辺に順位づくのでしょうか?
しかもこれ、人によって安全基準も異なります。

2つ目は、セルフの延長ではなく、もともとのルートの終了点にクリップしたままリードとして隣のルートまでトラバースした方が安全だったんじゃないか?という点。
これは、トラバースでフォールした際に、どうなるかを想像してみてくださいませ。
詳細に書いても誰も喜ばないと思うので、本日の復習程度で。

ちなみに、初心者がこういう方法に習熟していくのも善し悪しですね。
トップロープへの逃げ癖を助長するという雰囲気もありますし、山っぽい応用的なロープワークに強くなるという雰囲気もあります。

ただ、本日に関しては良い教材になりました。

2017年9月21日木曜日

足位置の兼用を考える

9月15日(金)は、リード1回目。
女性STさん、女性SBさん。

9月16日(土)は、岩場リードが雨中止にてムーヴ講習。
女性Mさん、女性ISさん。
ISさんからの御質問。

ガバを持ってレスト態勢を取る練習は、よく分かります。
ただ、一方でイチイチそれを忠実にやると、かえって足の置き直しが増えるので、どうにか流れの中でレストしていくのも実戦ではアリでしょうか?

私の回答としては、アリです。
<講習終了後、5.11aをオンサイトするMさん>

一応、過程を分解すると、

①ガバを取りに行く際の足位置
②ガバでレストに適した足位置
③ガバから次のムーヴを起こす際の足位置
(ガバでなくても、そこそこ掛かりの良いホールド、でも同じことです)

が3つ全て違うと、足位置チェンジが多くなって煩わしいという話。

あとは実験あるのみ。
①と②の兼用が効く足位置を探ってみたり、②と③の兼用が効く足位置を探ってみたり。
<同じく、5.10dをフラッシュするISさん>

2人とも、①と②の兼用というのが非常に興味深かったようで、色々と実験したがってくれて良い時間になりました。
個人的には、この話はアイスのムーヴに似ているなぁと思います。

2017年9月20日水曜日

ムーヴの理解

9月14日(水)は、岩場リード講習にて、小川山。
UDさん夫妻、男性MKさん。
<パッキングに一考の余地あり>

かなりブログが溜まってしまったにも関わらず、昨夜は沢でビバークしてしまいました。
ちなみに、半ば予定通りなので山行計画としては良いんですが、疲れました。詳しくは、またブログが追い付いたら。
<つるかめスラブ>

さて、クライミングのムーヴに関して
「こういう理由だから、~~すると良いと思いますよ。」
と話したりします。
(核心ムーヴであれ、省エネムーヴであれ、レスト方法であれ、大抵の場合は他にも選択肢がある。ので、実際はもうちょっと言い方が難しい。)

で、この理由の部分が問題。
<ソラマメ下部スラブ>

ムーヴの仕組みって、理解したつもりでも、半年や1年経ってから振り返ると微妙に違うことに気づきます。
だから、自分より下(この場合、登れるか登れないかだけでなく、理解度というベクトルで)の人の説明には、どうしても首をかしげたくなります。
(同じ理由で、過去の自分の文章も、あまり読みたくない。)

ジャミングであれ、足置きであれ、デッドポイントの仕組みであれ、レストであれ、何であれ。
<ワイルドタジヤン(5.10c)>

さて、本日の講習生のお言葉。
「それは、自分も思っているし、自分も人から思われている。」

ほんとにその通りで、語らないのが一番安全な気がして来ます。

それでも、私もその方も、語らずにはいられないんですよねー。
その理由は色々ありますが、今回は割愛しておきましょう。
おそらく、ムーヴに限った話じゃないですし。
さて、本日でUDさん夫妻は、岩場リード講習を卒業といたしました。
登り自体は強いのですが、ロープワークとかは他の講習生並みなので、そんなに急がない方が良いかもしれません。
もし良かったら、クラックリード講習も是非ともどうぞ。

2017年9月17日日曜日

山高きが故に貴からず

9月13日(水)は、1人沢登り。
上越の巻機山にある、米子沢。
<入山時は、小雨で嫌気が・・・>

表題のことわざ、私ずっと勘違いしておりました。

本来の意味は
「どんなに外見が立派でも、内容が伴わなければ優れているとは言えない。」
らしいです。
<小雨>

私が思っていたのは
「山は、標高だけが全てじゃない。」
でした。

イメージ的には
「ヒマラヤの高山より、バリエーションルートの方が難しこともある。」
「どこを登ったかより、どう登ったかが満足度を決める。」
「山は、難易度追求だけじゃない。易しい山で自然を愛でるのも、良いことだ。」
などなど、方向性は色々あるにせよ。
<ここで、行きつ戻りつ時間を食う>

そう思ってしまったのは、それなりの理由があります。

私は、登山を始めた頃は高い山に憧れましたし、クライミングが上達し始めた頃は高グレードにも憧れました。
ヒマラヤ登山とか、アルパインクライマーの記録とか、平山先生のビッグウォールオンサイトトライとか。
<落ちてデザイア>

つまり、
“山は高いだけでも十分に価値があるからこそ、そこを目指さなきゃいけないような気がする”
って心理へのアンチテーゼ、だと思っていたわけです。
好きなことをすれば良いじゃないか、という話。

で、いつもこの言葉を頭に浮かべては、自問自答する訳です。
<綺麗だけど、ヌルヌル>

実際、好きなことをすれば良いと思うんですが、自分自身「頑張らない言い訳」にこの理論を使いがちなので、すごーく難しく感じます。
山にせよ、クライミングにせよ、自分より短期間で上手くなる人には、やっぱり自分より真摯な心構えを感じますし。

例えば、ジムで99%登れるルートだけ登って帰るのは、堕落な気がします。
でも、マルチで99%オンサイトできるルートに行くのは、山の楽しみ方ということで勘弁してもらえませんか・・・?神様。

といった具合。
<荷上げすることに>

で、入門的な沢登りルートとして知られる米子沢に行くのも、ちょっとした葛藤がある訳ですよ。
いくらトポを読まずとも、学生時代から聞いたことある上に、講習生の誰々が登ったとかまで知っちゃっているから難易度予測できちゃいます。

自己否定派:「登れると分かってる所にばかり行くなんて、ダメな奴め。」
肯定派:「いやいや、行ったことないし、案外怖いかもよ。それに、山は自由だよ。」
否定派:「また言い訳野郎が!限界的な練習だけが、成長を促すのだ。」
肯定派:「良いじゃん、好きに登らせて。」
<ロープを出すと、なんとなく楽しい>

楽しみ半分、後ろめたさ半分、という微妙な心持ちで出発。
さて、行ってみての感想。

①めちゃくちゃ楽しくて、「チョーおもしれー!!!」と連発しながらの滝登り。
②予想より、だいぶ悪くてビックリ。(雨後ってのもあるかもしれないけど、長いナメ歩きが滑ったら最後っていう緊張感マックス)
「まっさかさーまーにー 落ちてデザイアー」と歌いながら楽しめたけど。
③死の恐怖がリアルな分、沢は易しくても真剣になるから、意外と勉強効率も悪くないかも(笑)。
<小滝>

日によって、やりたいことが移り変わる私ですが、本日この瞬間だけは
「このために生きてる!」
って思いました。

やっぱり、好きなことをやるのが良いです。
ある程度、真面目になるぐらいがベストです。
<渡渉に苦戦>

ちなみに、米子沢って意外と難しくないですか?
6時間強で抜けたんですが、卒業生の記録を読んだら4時間半でビックリしました。

まぁ、私がヌメったナメ歩きに、ものすごく時間を掛けているからだとは思いますが。
数年前の笹穴沢でも、それで深夜下山のドハマリをしてますしね。
<こんなんでも、ヌルヌルで意外と怖い>

行動記録
 8:10 桜坂駐車場を出発
 8:25 入渓
14:30 登山道に到着(避難小屋よりも、100mほど上に出てしまった)
14:50 巻機山のおそらく真の頂上
17:20 桜坂駐車場に到着
<さすがに、安堵できる傾斜>

<巻機山の標識>

<だが、5分歩くと>

<数十m高い、最高点がある>

<穏やか>

<冬に泊まった避難小屋>

<麓町と雲海>

2017年9月16日土曜日

時間稼ぎ

9月10日(日)は、1コマ目がムーヴLv.0。
女性FSさん、男性THさん。

2コマ目がリード2回目。
女性FSさん、男性MKさん。
<最近作った5.11b>

リードに際しては、レスト技術は重要です。

ボルダリングやトップロープに比べて、単純に壁での滞在時間が長いというのもあります。
でも、「レスト態勢を取るのに、わざわざ足の置き換えが増えるのも、かえって疲れます。」という質問も受けます。

この辺は、レッドポイントのためのレストなのか、オンサイトのためのレストなのかにもよります。

オンサイトの場合、ムーヴを考えながら(場合によってはホールド、スタンスを探しながら)登らなければならないので、作戦タイムが欲しくなります。(できるだけ、オブザベでムーヴを当てたいところだけど)
ゆえに、相当微妙な態勢でも、レストで時間稼ぎすることは大事です。

一方、レッドポイントの場合は、大部分の作戦は決めてあるので微妙なレスト態勢はスルーするのも1つの手です。
もちろん、ちゃんと休めるところでは休んだ方が良いのでメリハリが大事というイメージ。
<もう一本、5.11dも>

細かく語りだすと、あまりにもケースバイケースで、文章化する意味もないと思います。

ちなみに、初級者の場合は5トライ以上したって、やっぱりアドリブ要素は多いと思うので、レッドポイントであってもレストが作戦タイムとして役立つことが多いと思いますよ。

さて、本日でTHさんはジムリードに進んでO.K.としました。

2017年9月12日火曜日

大テラスからの小核心

9月9日(土)は、マルチピッチリード講習にて、三ツ峠。
女性HSさん、男性ITさんのペア。
今回の1P目、15mほどロープを伸ばしたところで、ワンポイントのハング越えという場面。

ハング下にはしっかりしたテラスがあり、そこから数歩登ってハングの付け根にカムを固め取り。
そして、ハング越えに慎重に挑むという場面です。
ただ、このハングは張り出しが1m位で、フォールしたら直下のテラスに足が付いて大怪我をしてしまう可能性も否めません。
という訳で、選択肢は3つ。

①ハング越えの後半ムーヴ(今回のケースだと、マントルっぽい)では、絶対に落ちないように確実なムーヴにする。(それが無理なら、引き返す)

②ハング越えの途中で、もう1つプロテクションを取る。(今回の場合は、厳しめの態勢で行うことになる)

③別ラインを模索する。

全てダメなら、カムエイドでトップアウトするか、敗退するか。
マルチだと、ショートルートに比べれば幾分易しいピッチを登ることが多いだけに、
「ちょっと怖いの我慢して・・・」
で行けちゃうことも多いです。

実際、本日の講習生もそのように行動してしまって、ランナウトしてバタバタ登り・・・。
「今のは、やっちゃいけない登りだった・・・。」と、自ら猛反省。

見ていても、①をやろうとしているのか、②をやろうとしているのか、曖昧なまま突っ込んだようでした。
<1P目>

ちなみに、そこは初期のマルチ講習卒業生の面々も同じようなミスを犯した場所なので、そういう場所なんでしょうねー。
分かっちゃいるけど、引っかかる振り込め詐欺と一緒でしょうか。
<もうすぐハング>

ジムみたいに、明らかにハングした壁なら、フォールしても安全だろうとは思います。

でも、岩場の小ハングって、今回みたいな危ない形状が多いんですよねー。スポートルートなら、ハング越えの途中にボルトが打ってあるでしょうけど、山は自己管理です。
<懸案のハング越え。ハングより下のテラスの方が広いので、変に安心感がある。>

他に、様々な反省点を残しつつも、オールフリーにて完登。

やはり、三ツ峠はこの手の練習に都合が良いです。
5.8~5.9程度で、プロテクションの効きがまずまずのマルチラインが7本ぐらいは引けると思います。

しかも、上部でのバリエーションピッチを含めたら、相当数のラインがあります。
<フォロー中>

2年前に、あまりに混んでいて足が遠のいたのですが、タイミングを見て来るとなかなか良い岩場ですよねー。

オールNP、オールフリーが、程よい難しさで楽しめます。
越沢より、易しめですしね。
<2P目>

<2P目のフォロー>
<ピナクルのビレイ点>

<カムでのビレイ点>

<ガスってきた>

<歩き飽きたとばかり、オマケのクラックに挑む>

ちなみに、マルチ講習では初顔合わせとなる2人でしたが、意外と良いパートナーシップでした。
伸び伸びしてます。

是非とも、ショートルートでも一緒に練習しておいてくださいませ。
<完登!>

2017年9月11日月曜日

リーチ8分目

9月8日(金)は、1コマ目がリード2回目で、女性HNさん。
2コマ目がムーヴLv.0で、男性THさん、新規女性KDさん。
ガバの足自由課題(垂壁の5.7とか)を登る際に、どんなことを気を付けているか尋ねると、
「足の力で登りたいから、なるべく足先行で。(?)」
という回答がありました。
よくよく聞いてみると、あんまり深くは考えていないながらも、足が低すぎると疲れるようなイメージがあったようです。

実際、次のホールドがギリギリ届く足位置、ってのも疲れそうです。(いわゆるパツパツ)
でも、あんまり高く上げると、狭くなります。

そのサジ加減を色々と実験して、どのくらいが楽なのか考えてみました。
すると、本人は「今までは、ちょっと上げ過ぎてました。」、「今まで何にも考えてなかった、ってことが良く分かった。」という感想でした。

試行錯誤は、面白いものですね。

さて、本日でKDさんはジムリード講習に進んでO.K.といたしました。
もしよろしければ、引き続きよろしくお願いします。