2016年12月2日金曜日

グレードの難しさと便利さ

12月1日(木)は、ムーヴLv.0。
女性HSKさん、男性KDさん、男性YNさん。
HSKさん、次回からジムリードに進んでO.K.としました。
講習とは全く関係なくて、申し訳ありません。

最近、グレードについて御意見をいただくことが続きまして。
ボンヤリと色々考えたので、それについて。

グレードは曖昧だけれど、役にも立つ、という話。

例えば、私がボルトルートを3トライでR.P.したとします。
持久系ルートなら、5.11d~5.12cくらいかなと思います。
めちゃくちゃ幅がある回答ですね。

自分なりの目安。
5.11d:オンサイト ~ 数トライ
5.12a:もしかしたらオンサイト ~ 2日程度のトライ
5.12b:数トライ ~ 3日程度のトライ
5.12c:ごくまれに数トライ ~ 登れなくて封印
5.12d:(登れるものもあるけれど、数トライで登れることは、まず無い)

ただ、あとは“グレードを当てる”という感覚で、同じ数トライでも
「めっちゃくちゃ頑張ったし、他の人も苦労しそうだな。なんか、身長でだいぶ得した感覚もあったしな。」
などと思えば、高めのグレードだと予想します。(5.12b~5.12c)

「うーん、一撃すべきだったか?ミスで3トライ掛かってしまったような気がする。苦手なムーヴだったのか、他の人は簡単に登っちゃいそう。」
などと思えば、低めのグレードだと予想します。(5.11d)

私がちょくちょく書く体感グレードには、多分に予想が含まれます。自分が185cmだからってのも、あります。
つまり「体感+予想」で、何となくグレードを当てにいってます。

ちなみに、これは持久系ルートの話で、1ヶ所だけ苦手ムーヴがあったりするとどんな易しいはずのグレードでも何度も練習してムーヴ解決することだってあります。
そうなると、トライ数でグレード換算って論法自体も使えません。

よく、「何人か登ってもらって、ようやくグレードが確定する。」みたいな話になります。
残念ですが、そんなもんですよね。

それでも、ある程度はグレードを目安とか励みにしたい気持ちは、痛いほど分かります。
オンサイトトライを頑張りたいと思ったら、大体このぐらいのグレードに取り付いてみよう、とか。
1日で終わるくらいのルートにトライしたいなら、このルートかな、とか。
「初5.12aだ!」とか。
ホント、色々と便利ですよねぇ。

曖昧だけれど、役に立つ。
同じ趣旨の話は、大抵の入門書に書いてあるような気もしますが。

2016年12月1日木曜日

突っ込んだ会話

11月30日(水)は、ムーヴLv.0。
男性MZさん、女性YHさん、新規男性KTさん、復習参加の女性Sさん。
KTさんに、5.8くらいのルートを登ってもらった際、2人に感想を尋ねました。
MZさん「硬い感じ。なんかこう、上手く言えないけど動きが硬いんだよなー。」
YHさん「お上手でした。」

さて、KTさんにとって有り難いのは、どちらでしょう?
YHさんは、心から褒めてくれましたが、具体的に何が良かったのかは不明でした。

極端な例を挙げると・・・
「~~さん、上手いですよー。」
「あらー、××さんの方がお上手じゃないですかー。」
「いえいえ、私なんてー。」
「またまたぁ、○○ルートも登っていらっしゃるじゃないですかー。」
という、マダム的な会話が浮かびます。

その点、MZさんは“ぎこちなさ”を指摘している訳ですから、改善の余地があります。
でも、指摘って難しいですよねぇ。

相手を傷つけないように気を遣いすぎて褒め殺ししてしまうこともあれば、ポイントが伝わらなくて「あんたは下手だ。」と言っている感じになってしまうことも。
ちなみに、同じ「お上手ですね。」であっても、
「△△の使い方が上手そうに見えたので、私も取り入れてみようかと思いました。」
というニュアンスであれば、有意義だったんじゃないかと思います。

真似する側はもちろん、真似される側も「なるほど。自分は、それが得意なのかも。」と意識できます。

普段は、そこまで出来ないと思いますが、せっかく講習に来ているのでポイント整理を心がけましょう。
講習だと私が横で聞いていて、「それって、こういうポイントのことを言いたいんですよね?」と話の整理に入れます。
気分は、議長みたいな感じです。

具体的な講習内容
・ダブルチェック
・ロワーダウン中の姿勢
・レストしている時間に、オブザベする習慣づけ(ムーヴしながら考える量は、なるべく減らす)
・腰を入れる
・ホールドの方向を意識する
・実践本気トライ
Sさん:垂壁の紺四角(5.10a)をオンサイトトライ。数回のテンションで、ムーヴ解決してトップアウト。

2016年11月29日火曜日

ハングドッグの誘惑

11月29日(火)は、自分のクライミングにて、太刀岡。
N田くんと。
<秋晴れ>

本日は、スーパーラット(5.12c)をやってみることに。
実は、3年前に今井先生とカリスマ(5.13a、スーパーラットと8割方共通ライン)を1日触っているので、大部分は触ったことがある状態。

そのときの印象からして、「3年経った今なら、スーパーラットはR.P.できるかな。」という目論見。
<日向でもダウン必須>

で、1トライ目をダメ元で本気トライするか、それとも最初っからハングドッグして省エネムーヴを探っちゃうか、迷います。

ザッと解説しますと。

ハングドッグとは、テンション掛けてぶら下がって、ムーヴやホールドを探ることです。
で、これに慣れると、落ちる前にテンションコールしまくりです。
すると、落ちると数メートル落ちるものが、テンションなら数十センチしか高度が下がらないため、ムーヴ探りの効率アップ!
さらに、粘る前にサッサとテンション掛けることで、細かく分割して練習することが出来ます。(パート練習、分解、バラし、などと呼びます。)
つまり、様々なムーヴを試す上では、省エネそのもの。
<お騒がせしました(5.11d/5.12a)>

メリットとしては、R.P.までの最短経路を突っ走れることです。
トップロープやプリクリ連発こそしていなければ、フォールを何度も経験することが出来る、という副次効果も期待できます。

デメリットとしては、1トライ目からこの戦略を使いたくなってしまうことです。
「ダメ元でも、1フォールするまではトライするくらいが、クライマーのあるべき姿なんじゃないのか?」
と、先輩方に問いかけられているような・・・。
<スーパーラット(5.12c)>

だから、この方法自体を潔しとしなかった歴史的な経緯もあるそうです。

落とし所として、
「1テン入るまでは、無理めだと思っても頑張る。以降は、ハングドッグのメリットを存分に活かす。」
というのが、よくあると思います。

「こりゃぁ、完全にバラすしか、自分レベルにはR.P.の道は無い・・・。」
と諦めたときは、意図的に1ピン目から最終ピンまで全てテンション。いわゆる各駅停車で、バラすこともありますけど。
ちょっと、罪の意識も感じつつ(笑)。

例によって、講習生向けというには専門的過ぎましたかね。
初心者は、オンサイトトライとハングドッグの両方を練習しましょう。ある程度出来れば、この辺の話もイメージ出来るかと思います。
<お騒がせしました、を完登するN田先生>

具体的に登ったルート
・チェリー・ブラッサム(5.10b) アップのつもりが、痛恨のフォール。ロープを抜いて再トライするも、またもテンション!さらに再トライして、どうにか再登。うーむ、5.10b侮るべからず。
・詫び状(5.10d) 再登。今度こそアップ。
・モダン30(5.10c/d) 再登?アップ

・スーパーラット(5.12c)
1トライ目:
せっかくなのでトライしてみるも、2~3ピン間で呆気なくフォール。以後、ハングドッグして、ムーヴの再解決。

2トライ目:
一応、繋げトライ。が、やっぱり4ピン手前で呆気なくフォール。以後、ハングドッグして、ムーヴを省エネ化。

3トライ目:
最終トライ。が、4ピン手前で呆気なくフォール。ただ、良い感触はあったので、そのまま降りて10分ほど休憩。

4トライ目:
泣きの最終トライ。4~5ピン間で、フォール。一応、1テン。

2016年11月28日月曜日

心スッキリ

11月27日(日)は、雨中止にて、ロープワーク講習。
男性ITさん、女性KIさん。
<アルパインクイックドローの作り方>

登り返しの練習で、二人とも何となく怪訝だったり、ボンヤリとした表情。

そのうち、5回くらいの反復練習を越えて、
「いや、よく分かって来ました!」
と顔色スッキリ。

なんだか楽しそう!
そして、私もホッとします。
<懸垂下降と登り返しの切り替え>

2人とも、講習前から「登り返しが不安で。」と話していたので、良かったです。

人間、よく分かると表情が明るくなるものですね。
その一歩手前の時間帯が長く続くと、僕にもプレッシャーが掛かります。

「はーるよ来い、はーやく来い。」
という心境です。
<登り返し>

具体的な講習内容
・ロープ畳みを洗練(背負いも含めて)
・スリングの収納、アルパインクイックドローの作り方を洗練(片手での作り方も)
・懸垂下降開始時点のスリング回収作業
・懸垂下降の仮固定
・登り返し

最後に、ボルダリングが楽しみ方が分からないというITさん向けに、1時間ほどボルダー練習。
ムーヴ解決できそうなスラブ課題を、あーだこーだ試行錯誤。

帰り際
「みんなでやったら、たしかに楽しいかもね。でも、1人だとノーヒントだからキツイ。」
といった言葉をもらえました。
とりあえず、セッションの楽しみだけは分かっていただけたってことでしょうかね。
ジムボルダーも、セッションだけが楽しみでは無いのですが、とりあえず最初の1歩ですかね。

2016年11月26日土曜日

オンサイトトライの復習

11月26日(土)は、マルチピッチリード講習の予定が、2日前の雪で城ヶ崎に変更。
女性STさん、男性ITさんのペア。

普通に、クラックリード講習の復習参加と同じく、ちょっと応用編です。
<海です>

さて、オバステ正宗(5.8)をオンサイトトライしたSTさん。
粘りに粘って、1テンションでトップアウト。

なかなか良いトライでした。
<岩の隙間>

しかし、ここで「もう、本日お腹イッパイ」宣言。

「まだ日も高いし、ムーヴもカム位置も決まったわけだし、R.P.トライしといたらどうですか?」
とオススメして、

「まぁ、わざわざ来たし、せっかくだからやるかぁ。」
と何とかヤル気に。
<講習で使う5.4ぐらいのルート>

さて、結果は楽勝の完登!
本人も、あまりの呆気なさに驚いた様子でした。

オンサイトトライで、粘りに粘ってカム位置を探ったりしていたので、2トライ目が格段に楽になるのは必然。
登れたことで、本人の気分も高揚して、私としても嬉しい話です。
<初孫(5.5)>

そして、本人的には色々と教訓を得た様子。
ちょっと興味深いので、御紹介。

①粘ったトライで色々と解明すると、2トライ目は予想以上に楽になる。
(ドタバタで登ると、忘れていてダメ。ハングドッグ中に、ムーヴ割愛してもダメ。)

②1トライ目で悪いイメージだったルートも、2トライ目で印象が良くなる。
(今回で言えば、1トライ目は5.8を激辛と感じた様子。)

③オンサイトトライの難しさ、それに対応しきれていなかった自分を、よくよく見返すことが出来て良い。
(手順が決まっちゃえば、この程度のムーヴだったんだけどなー。などなど)
<オバステ正宗(5.8)のオンサイトトライ>

本人的には、この2トライ目の練習効果を絶大と感じたようで、
「仮に一撃出来ても、2トライ目で再登した方が良い!」
と絶賛しておりました。

私を含めて、一般的にオンサイトしたルートを再登することは少ないかとは思います。
理由としては、再登だとどうしても完登間近のときのアドレナリンが出ないので、本気トライとしては質が落ちるからだと思われます。
とはいえ、これは中級者以上の論理だという気もします。

つまり、初級者のオンサイト練習として、一考には値するかなと思いました。
一般的ではないですが、良薬と感じる人もいるかと思います。
<ITさんも再登>

ちなみに、ITさんは過去にオンサイトしているので、1トライ目と言っても再登。
ただ、案外ギリギリだったのが納得いかなかったらしく、STさんと同じく2トライ。
結果的には、STさんと同じように1トライ目の復習になった様子でした。

たしかに、登れても2トライ目を出す、というのはアリなのかもしれません。
<2トライ目>

オンサイトトライ自体が怖い人、1トライ目でボロボロにされると2トライ目を出すのが嫌になってしまう人、色々だと思います。
特に、後者の方には、ちょっと自分を見つめ直せる話かもしれませんよ。

レッツ、2トライ。
<完登!>

<ITさんも2トライしてみた>

2016年11月25日金曜日

初5.12a

11月25日(金)は、三宅島代替ウィークの最終日。
2ヶ月ぶりのパンプ2。

ようやく、ツナミの青(5.12a)がR.P.できました。
秋雨時期に2日トライしていたので、本日の3トライと合わせて、通算3日10トライ。
いやー、パンプで初めて5.12aが登れましたよ!
さすがに、以前よりムーヴもクリップも、あとはオブザベも洗練されてきました。色々と、ちょっとずつ慣れた気がします。

ちなみに、ツナミの5.11台は、後半は右面(薄かぶり面)に逃げて行く設定なので、この5.12aからがようやく本当のツナミだという人もいます。
(その5.11台も、強傾斜入門として必要な練習だったとは思う)

私が苦手なだけかもしれませんが、3日通った5.12aは、久々な気がします。
パンプ以外だと、垂壁と薄かぶりばっかりやっているので、私のグレード感は適当ですが。

さて、次に行くチャンスがあれば、2日トライして封印した黒(これまた5.12a)を再開しますかねー。

2016年11月24日木曜日

月影の騎士、再登

11月23日(水)は、自分のクライミングで湯川。
富士山仲間でスキーガイドの、省二さんと。
<まがりせんべい(5.8)、フラッシュする省二さん>

昨年掃除して、登らずに終わっていた月影の騎士(5.10c)。
数人しか登ったという話を聞かず。

講習の度に横を通っても、クラックから徐々に草が生えております。
<まがりせいんべい、は曲がる>

本日は、初級クラックを登りたいというパートナーの都合もマッチして、湯川に行ってきました。

フラッシュ済みで、自分で掃除してルートを熟知してしまっているので、普段なら気合半減。
でも、今回ちょっと草むしりしつつ登るので、オンサイトっぽさがあって十分ドキドキでした。

一応、無事に再登。
凹角で粘れるだけに、1時間近く掛かったかも。
<月影の騎士>


その後、フィックスを張って、1時間半ほど軽い掃除。
この春に、ゴッド本先生から教わったナタガマって道具は、ナッツキーより遥かにクラック内部の土が取れますねー。

これなら、数年は草が生えないかも。
ありがたい教えです。
<個人的には、テレポーテーションより綺麗に感じます>

さて、せっかくなんで、夕方に再々登(笑)。

「いい加減、楽勝かな?」
なんて思ったら、手が冷えてしまったり何だりで、意外とギリギリでした。
(ビレイヤーに、「落ちるかもしんないから、よろしく!」コールを数回。)

やっぱ、5.10cは辛い!
プロテクションの難しさをグレードに加味しなくても、5.11aは欲しい感じです。
加味したら、5.11bかな。
<無名フィンガー(5.9+?)>

ちなみに、このルートをトライして下さった卒業生の話を聞くと、取り付き数メートルが細すぎて怖くて敗退とのこと。
たしかに、私もキャメロットC3の#00(6KN)をちょっと使っているんですよねー。

私のリーチだと、核心ムーヴに入る前に、もう少し大きなカムが決められてしまうのですが。
<二撃する省二さん>

ただ、せっかく綺麗なラインだし、誰か登ってほしいなー、という思いを込めて、幾つかの提案。

①固め取りできるくらいにはクラックは繋がっているように思います。#00と#000を
複数個持参して、色々試してみるのはどうでしょう?

②結局、プロテクションが悪いのは下部4mくらいで、下地も程々なので、小さめのボルダーマットを持参するってのはどうでしょう?
<万国旗のようなカム>

③とりあえず下部4mはエイドで抜けるという手もあります。で、上部の綺麗な部分だけをオンサイトして、ロワーダウン中に下部を探ると。

これって、結局トップロープリハーサルと同じで、講習では
「初級者のうちから、あんまりそれに流れると、難しいグレードは登れても、オンサイトトライとか、マルチピッチとかのメンタルは強くなりにくいですよ。それより、オンサイトできる範囲ぐらいのルートで、沢山経験を積む方が大事。」
と非推奨しております・・・。

それでも、月影の騎士が草っぽくなるよりは・・・、という気持ちです。
<省二さんも、短いクラックをオンサイト初登?黄昏の舞姫の右側>

具体的に登ったルート
・まがりせんべい(5.8) 再登。草餅レフトレフト、などと呼ばれていた大屈曲するルート。今回、ようやく命名。ついでに、終了点を設置した。自分で言うのもなんだが、パッとしないライン。

・月影の騎士(5.10c) 再登。そして、夕方に再々登。

月影の騎士、チョーク跡にまみれて欲しいぐらいです。それで、注目が集まれば・・・。
自分がオンサイトトライするときは、チョーク跡が少ない方が楽しかったりするのに、我ながら勝手な話ですねぇ。