2019年2月20日水曜日

際どいクリップは奥の手

2月17日(日)は、リード1回目、2回目で、女性YIさん。
2月19日(火)は、リード1回目で、男性KTさん。
リード2回目で、男性KTさんが引き続き、女性YYさん、男性FMさん。
この日はイレギュラーで3コマ目で、リード1回目は、男性IHさん、男性SHさん。
クリップ練習を地上でやると、手の動きのチョットしたコツがよく分かります。
一方で、1本目の高さまで登ってやると、安定した態勢の重要性がよく分かります。

そんな中、KTさんの一言。
「(クリップに掛かる時間自体は、数秒~5秒くらいなのかもしれないのだけれど、)5秒ギリギリ片手で居られるのだと、プルプルしちゃって上手くクリップできない。クリップ動作が終わるまで腕に来る感じが無い状態じゃないとダメですね。」
この感想、とても的を得ているように思います。
実際、難しいルートでは5秒の片手バランスを利用して、辛うじてクリップすることもあります。が、これは奥の手として考えるべきでしょうね。

まずは、安定&省エネを目指しましょう。
初心者が、ジムの5.8とかを登るときは、こういう安定姿勢を意識して登るとリード習得に繋がりそうですね。
さてさて、YYさんとFMさんは例外的ながら、これにてジムリード講習を卒業といたしました。
落ちる練習は、十分に本気トライ想定で出来ていたので、あとは登るだけでしょう。
引き続き、岩場でよろしくお願いします。

2019年2月19日火曜日

クライミング講習のクラス分け

2月16日(土)は、クラックリード講習にて、城ヶ崎。
女性FSさん、男性STさん、男性KDさん。
<リードで落ちる練習>

経験者が当塾クライミング講習に参加するのは、なかなか労力が要ると思います。
今回2回目の方も、下のクラスから全て受けるか、下のクラスを1回ぐらいは受けておくか、などと本人的な葛藤が始まった御様子。(とりあえず、クラックリード講習は継続するとして。)

経験者が、基礎クラスに戻されるのは抵抗感がありますよね。

その一方で、モヤモヤしてきた経験があるからこそ、
「脱、連れられ登山!」
「考えて登れるようになりたい。」
「自分って、ちょっと危なっかしいんじゃないか?」
といった問題意識が明確になる部分もあります。
<体重差のあるビレイなので、浮き防止>

よく聞かれるのですが、クラス分けは、

①ムーヴLv.0とジムリード講習
②岩場リード講習
③クラックリード講習
④マルチピッチリード講習
(その先にもありますが)

となっております。

このうち、マルチピッチリード講習だけは、クラックリード講習の卒業を参加条件にしています。

今後、私が卒業システムに疲れたとしても、この最終段階だけは変えないと思います。
プロテクション戦略の基礎を見た人にだけ、マルチピッチは教えたいので。
<樹氷のオンサイトトライ>

その一方で、岩場リード講習、クラックリード講習は、下のクラスからの参加者でなくても受講可能です。
最低参加条件はありますが。

この際、初回を受講した段階で、私から「やっぱり下のクラスから受けた方が良いですよ。」と言われてしまう可能性があることも、ストレスになっていることは知っております(笑)。
言わなかったとしても、「なんだか、習いたいこと以前が大分抜けているような気もしてきた。」と自覚される方も多いです。

そして、各クラスが少なくとも数回、多ければ10回以上で進級ということを考えてしまうと、さらに気が重くなるというスパイラルがあることも重々承知しております(笑)。
<フラッシュになってしまったが、根性で一撃!>

「今、習いたいこと」というのは、誰にでもあると思います。
なので、最低参加条件を満たしていれば、クラックリード講習に参加いただくことは可能です。

とはいえ、
「ジムでビレイを注意されたことがあるんだけど、いまいち意味が分からないので、また怒られそうでモヤモヤしている。」
「レストが出来ないので、リード中に数手先を読むとか出来る気がしない。」
「考えて登るって、何?」
「そもそもリードで落ちるのが怖すぎて、オンサイトトライとかレッドポイントトライとか、出来る感じが無い。」
「基本は知っているつもりなんだけど、岩場は自分より強い人としか行ける気がしない。」

などなどの方は、是非とも下のクラスからの受講をオススメします。
<鬼ころし>

特に、これまでと変更があった訳ではありませんが、こういう機会に。

本当は、学習内容そのものでなく、講習システムの方で悩む時間って無駄なので削減したいのですけどね。
こちらは、私の方で考えることです。

その意味では、復習受講は卒業とか関係なくやれるので、お互いストレスフリーですかね(笑)。
小川山のスラブとか、岩場リード講習を卒業した人でも来た方が良い気がしてなりませんし。
<純>

実践本気トライ
STさん:樹氷(5.8) フラッシュ(プロテクション戦略だけは、私がヒント出しを積極的に行ったので)
FSさん:純(5.8) 再登

2019年2月18日月曜日

インカット、フラット、外傾

2月15日(金)は、ムーヴLv.0。
新規男性TUさん、新規女性GTさん。
スタンス(英語として正確なのは、フットホールド?)の形状を考えてみます。
小さいスタンスは当然難しいのですが、スタンス上面の傾斜も大事ですよね。

その前に、スタンスに掛かる力の向きを3つの言葉で区別してみます。
「乗る」は、鉛直荷重。(自重で乗っているだけで、十分にその力が掛かります。)
「押す」は、軽いレイバックのように、壁内部に押し込む力。
「かき込む」は、ガバ足に乗った時に、足でホールドを引き込む力。

※実際には、押す、かき込むは、サイドホールドに対して行うこともあるので、この図だけでは説明として不十分です。
さて、スタンス上面の傾斜を、インカット、フラット、外傾の3つに言い分けます。
(外傾だけが日本語なのが変ですけど、アウトカットと呼んでいるクライマーを知らないので。)

上図の見方。
例)外傾スタンスも、押す力を掛けている分には十分に使えるけど、乗ると不安定、かき込めば滑るのは道理です。

どの形状にどういうベクトルを掛ければオーケー、ダメ、というのは空白の図にしてみました。
試しに考えてみてください。
実際は、①スタンス上面のフリクション、②外傾の傾斜が何度なのか?、といった条件次第の部分もあるので、突っ込みどころは満載です。

こういうことが分かった上で、「今、なんで足が滑ったのか?」ということを考えます。
そもそも丁寧に置けていないのか、荷重方向が狂って滑るべくして滑ったのか。

足が滑ると疲れますし、それで落ちることも多いですよね。

2019年2月15日金曜日

登るという贖罪

2月13日(水)は、1人で上州武尊岳へ。
<オグナほたかスキー場よりスタート>

クライミングをやることで、山に行きづらくなると、罪悪感にかられる人も多いと思います。
私も、その1人です。
<振り返る>

山に行くと、その罪悪感は少し晴れますが、別の罪悪感が襲って来ます。

・スキー場リフトを使って、お手軽に雪山に来ているという罪悪感。
・日帰りで、雪上テント泊していないという罪悪感。
・雪崩の勉強をサボっているという罪悪感。
・スキーに適した山域なのに、山スキーに取り組んでいないという罪悪感。
<前武尊岳>

この罪悪感は、終わりがありません。

ちなみに、ホームジムのランナウトでリードをしていても、

・ボルダーから逃げている罪悪感
・本気トライ以外のフィジカルトレーニングから逃げている罪悪感
・今日トライすべき課題から逃げて、別の登りやすいのをやってしまっているんじゃないか、という罪悪感。

というのは完全には拭えません。
<メインイベントの剣ヶ峰を見て、テンションが上がる>

こういうときは
「本当に、チョット逃げがちなこと。」
「本日はこちらの内容を選択しているだけで、別に逃げているわけじゃないこと。」

が区別なく襲って来ます。

そう考えると、自分の頭が悪いような気がしますが・・・。
<30°~50°くらいの斜面だろうか>

山の世界だと、かなり広範囲なジャンルで超一流という人も居たりするので、
「選択の結果、これが出来ないのは仕方がない。」
と発言すること自体にも、罪悪感が伴います。

なかなか困ったもんです。
<左脇のブッシュ帯を登ることに>

話を大きくすると、女性クライマーで
「出産をしなかった。」という罪悪感を吐露している友人も居たり。

まさに選択の問題で、今の自分を肯定して良いはずなんだけど、完全には拭えない何か。
<先ほどの斜面の上は、細いリッジ>

講習生に「色々なジャンルに手を出すと、なかなか伸びなくって。」と相談されることもあります。

①選択の問題なので、ある程度仕方ない。
②とは言え、両立させてハイレベルな人もいるので、見習うように心がけた方が良い。
③重複部分が強くなることも多い。長い目で見ると、意外と伸びる。
(マルチをやっていたら、緩傾斜のクライミング能力が伸びることも多い。クラックをやっていたら、ジムのリードでも以前以上に墜落距離の計算に自信が付くことも多い。などなど)

会話の流れで、1つか2つだけ回答してみたり。全部回答してみたり。
<剣ヶ峰>

しかし、私自身の心を振り返っても、一番大事なのは気持ちの持って行き方なのかもしれません。
カウンセリングは専門外ですし、完全解決もしない話なのでしょうが。

その点、1人で樹林帯を歩いたり、ラッセルしたりするのは、なかなかオススメです(笑)。
山にカウンセリングしてもらっている感じです。
<いかにも、スキーの山をワカンで進む(笑)>

後ろ向きっぽい話はそこそこにして、次にやるべきことを考えましょうか。
私の場合は、次の山行計画と、ジムでのリハビリクライミングですね。
<剣ヶ峰を振り返る>

<ガスって来て、少し盛り上がって来る>

<山頂到着。川場スキー場からは、トレースもありました。>

<下山>

<再び、晴れてきた>

行動記録
 8:30 オグナほたかスキー場のオープン。
 9:30 リフトでスキー場トップへ。登山靴に履き替えて、入山。
13:30 武尊岳山頂。
      帰りは、剣ヶ峰には登らずに、トラバース。
15:15 オグナほたかスキー場に帰着。
      スキーに履き替え、ゲレンデを滑って下山。

久々のゲレンデスキーは、なかなか楽しかったです。
これも練習した方が良いんでしょうけど・・・(笑)。

2019年2月14日木曜日

楽なムーヴ、良いフォーム

9月11日(月、祝)は、ムーヴLv.0。
男性KTさん、新規女性YIさん。

2人とも、リード講習に進んでO.K.といたしました。
例1)
足置きについて説明したら、「ふくらはぎが疲れます。」という感想をいただけました。
たしかに、爪先周辺で捉えるという動きは、(それが指の付け根までシッカリ掛かる大きさだったとしても、)階段のような大きな足場に足裏全体を置くよりは、ふくらはぎが疲れると思います。
それによって、指や腕などの重要部位が疲労軽減されるなら、それはそれでプラスでしょう。

例2)
ある程度のクライマーがジムの5.8を登るとき、「見るからに楽そうに登っている。」と感じることでしょう。
また、1年でもジムに通った初級者は「そうは言っても、昔よりは慣れて楽になったよな。」と感じるでしょう。

そういう様々な事象について、ザックリとしたイメージを図示してみました。
●のラインが、ある講習生が現在感じている消費エネルギー、をイメージ化したもの。
それなりに疲れるルートとして、ジムのガバで薄被り(100度~110度)が分かりやすいでしょうか。
(1ムーヴあたりの消費と考えていただいても、1ルートでの総合消費と考えていただいても、以下の話には影響ないかと思います。)

指って言っても、身体内部のどこの筋力なのか、腱なのか、という話は今回スルーしましょう。
「腹筋、背筋だけじゃなく、もっと重要な筋肉が色々ある。」みたいな話も、今回はスルーしましょう。

で、○のラインが「楽なムーヴ」、「合理的なムーヴ」などというイメージです。
これを追求することは、あらゆるクライミングで有意義ですが、特にトライ時間が長いリードにおいては大事です。

□のラインは、「良いフォーム」、「より大きな筋力を利用した動き」、「故障が少なく、フィジカルに伸びしろがあるフォーム」、というイメージです。

個人的な話としては、私は楽なムーヴの追及が大好きです。
ただ、
「脱力ばかりで上手いけど5級しか登れない女性」を例示されながら、「そんな登り方じゃ、一生かけても1級でサーキットトレーニング出来るような日は来ない。」、「それで登れるのは5.11までだ。(5.14とかは、一生登れないよ。)」と徹底的に叱られたこともあります。
色々納得して、フォーム重視もしているつもりではあります。

とは言え、「5級ぐらいまでは、合理的なムーヴだけでも結構行ける。」、「それを極めることが、5.11台のオンサイト率を上げることにも繋がる。」という実感もあります。
(5.11台だと、8級~5級ぐらいで構成されていることが多いと思っているので。4級以上の場合もあるけど。)

まぁ、この話にも終わりがないので、この辺で終わりにしておきましょう。

2019年2月9日土曜日

インスタントな安全

2月6日(水)は、リード1回目。
男性SKさん。
登山もクライミングも、それなりに危ない遊びです。

「じゃぁ、やらなきゃ良い。」
というのが、インスタントな安全。

「どうやって、少しでもマシにするか考えよう。」
というのが、やっている側の思考回路だと思います。

ただ、これがリードとトップロープでも同じことが起こります。
岩場とジムでも起こります。
クラックやマルチなどと、スポートルートでも起こります。
もちろん、雪山と夏山でも同じ構図です。

こんなことは、誰でも分かっていると思います。
ただ、誰もが局所的にはインスタントな安全も、選択肢に入れると思います。

例えば、ジムのリードで下部がボルダーっぽい感じで難しいとします。
「そういうルートは、やらない。」
「2本目までプリクリして、トップロープ練習。落ちない自信が付いてから本番リードにする。」
とか。

“少しでもマシな安全を獲得する”という思考回路だと
「どうにかクリップ態勢を作って、クリップ先行でボルダーっぽいセクションをこなそう。」
「フォールしたら足から着地するボルダーとして、2本目まではこなそう。(1本目は、最悪クリップしなくても安全には落ちられる自信が必要です。)」
「ビレイヤーの弛み具合、立ち位置などを話し合って、下部核心ルートのベストビレイを目指そう。」
などの発想になると思います。

この思考回路を真っ当だと捉えるか、それとも危険思想と捉えるか。

経験上は、
「全ジャンル的に、インスタントの完全排除は厳しい。とはいえ、インスタントを避ける努力が成長に繋がる」
という印象です。

私自身も含めて、自制心が大事なんでしょうか(笑)。
がんばろ。

2019年2月8日金曜日

富士山登頂

3月の予約受付は開始しております。一応、書いておきます。

2月5日(火)は、1人で富士山。
御殿場口から、登頂できました。
<夜中の夜景>

本日は、移動性高気圧に覆われる予報で、登山日和(笑)。

午前2時35分、車を出発。
ちょっと早すぎるような気もしつつ、序盤で汗をかかないようスローペースで歩くには丁度良い気もしつつ。
4時ころ、後ろに数個のヘッデンの明かりが見えます。
考えることは皆さん同じようで、本日の風の弱さを狙ったんでしょう。

「こんなところで、こんな暗闇で同じこと考えてる人に会うなんてねー。みんな天気図とにらめっこしてるんだなぁ。」
という、遠くのヘッデンに対する仲間意識半分、プレミア感が失われた感半分。

何かに似ていると思ったら、冬の一ノ倉とか幽ノ沢でした(笑)。
アイゼンを付け、しばらく歩くと、もうすぐ御来光。
 
山の上も見えて来ました。
富士山の斜面と御来光。 
遠く、頂上が見えます。 
2,800mぐらいに着くころには、もうすっかり明るいです。 
先日、下見に来た3,000mには、8時過ぎに到着。
だいたい、予定通りです。

さて、ここから急斜面&強風の核心部。 
予報が大外れしたら、人が生息できる範囲じゃないことを実感してしまうこと請け合いの危険地帯という感覚です。

さすがに本日は大丈夫だろうと思いますが、緊張感はあります。
小屋の陰などは、風が弱く、雪の吹き溜まりになっているので休憩できます。
本日のコンディションなら、という条件付きですが。 
ラストの登り。
耐風姿勢を意識して歩くので、疲労困憊。

後続のうち、1人は私を追い抜いてもう登頂している様子。
「皆さん、お強いからサクッと登られるんですよ。」という天の声が聞こえて来ます。
実際、この人とは会話しましたが、余裕そうでした(笑)。

もう1人は、中止して下山したのか姿が見えません。 
もうすぐ御殿場口山頂。
ここでも、1人の登頂者を見かけます。
直接話すことはありませんでしたが、富士宮口から来たのでしょうか? 

本日の登頂者は、私を含めて3人のようです。
登頂しなかった人も含めて、全員が単独ですね。
ロープも意味ない山ですし、そんなものでしょうか。
11時過ぎ、御殿場口山頂。

予想通り、お鉢の中は風が弱く、雪が少し溜まっていました。
浅間神社奥宮と剣ヶ峰が見えて、一安心。

剣ヶ峰往復だけで下山するか、お鉢巡りもするかで散々迷いましたが、風も弱そうだし、心配なのは自分の体力だけなので決行することに。 
さすがに、お鉢は景色が良いです。
風が弱いので、耐風姿勢を意識せずに休憩できる場所が多く、少し回復して来ました。

休憩の質は大事だと、再認識。
剣ヶ峰で、お決まりの記念撮影。

剣ヶ峰を振り返ります。

お鉢の後半部分は、ノートレースながらラッセルというほどでもなく、気持ち良く歩けます。
小内院と白山。

再び、お鉢を眺めます。

白山と南アルプス。

本日は、誰も登っていない吉田口山頂です。

石積みは、案外崩れないものですね。

荒巻の付近。

サミットフォールは、やっぱり真冬は無いんですね。

12時30分にお鉢巡りを終え、5分ほどで下山開始です。 
事故の多い下山ですが、ちょうど風も弱まり、太陽で雪も柔らかく緩んだので、予想よりは楽をさせてもらえました。

大石茶屋で一安心。
あと40分ほどで車に到着できます。

行動記録
 2:35 太郎坊洞門 出発
 8:05 7合目、日出館
11:05 御殿場口山頂
11:35 剣ヶ峰
      お鉢巡り
12:35 御殿場口山頂
17:25 太郎坊洞門 到着

体力不足は痛感しましたが、それでも何とか登れて良かったです。
18年ぶりの再登なんですが、学生時代の登頂は今考えると少しチョンボ臭いような気がしていたので、これでスッキリしました。
アイゼン、ピッケルワークも、少し自信が回復しました。

さてさて、次の計画ですねー。