2021年7月31日土曜日

某岩場にて

7月26日(月)は、自分のクライミングにて。
ガイドで、カメロパルダリスのオーナーの佐藤くんと。
<易しいのを、とりあえず1本初登>

佐藤くんたちが開拓中の、某岩場。
まずは、佐藤くんのボルトルート5.8でアップ。
ちょうど隣の、土っぽいクラックを、掃除しつつ初登。
ノコギリを使いながらリードしたのは、人生初でした。
ウィークポイント(5.8)としました。
まだ汚いけど、とりあえず登れます。

続いて、チッペ先生の白い巨塔(5.11b、NP &ボルト)。
1時間近く行きつ戻りつして、辛くもオンサイト。

次に、佐藤くんの万里の河(5.10c、NP)。
これは、相当良いクラックルートなので、知り合いだけで登っているのが勿体ないぐらい。
意外と苦労して、1回落ちそうになりました。
最後に、夕方17時過ぎから、ミキぺディア先生のダイヤモンドルーフ(暫定5.12a?、NP、ハンド〜ワイド主体)。
2時間かかって、ヘロヘロになりながらフラッシュ。
第2登らしいので、グレードはこれから変わるかと思いますが。

さらに、回収に30分を要し、無茶苦茶大変でした。
ビレイの佐藤くんにも、相当の御迷惑をかけました。
<核心前>

威圧的なルーフが核心で、好きな人には堪らない逸品。
「5.11b〜5.12aの間ではあると思う。」と言えば、ワイド好きは絶対に登るやつでしょう。

ルート全体の美しさとか隙の無い構成という意味では、万里の河の方が三ツ星っぽいんですけど、ルーフクラックは探して止まない人々もいますので、これも星付きでしょう。
<ワンポイントだが、どルーフ>

<「うー」>

<「ゔあー!」>

<「お”ー!」>

素晴らしいルートを、ありがとうございます。

思考停止する自分を認めてみる

7月20日(火)は、ムーヴLv.0。1コマ目は、女性NJさん。2コマ目は、女性IGさん、男性TNさん。
7月25日(日)は、岩場リード講習。男性KBさん。

「ビレイは、これさえ気を付ければ大丈夫。」、「自分は初心者じゃないし、もうそんなに危なくない人間だ。」みたいな思考は、よくあります。ゼロリスクを求める思考が、かえってリスク管理の形骸化となることもあります。
実際には、ヒューマンエラーをゼロにはできないし、岩場の状況、本人のコンディション、パートナーとのコミュニケーションなどによって、その場面に応じて考えることをサボってしまっては、結果的にリスクは上がります。
また、考える習慣のない人は、事故が起こったとしても、そこから得られる教訓が小さいか、トンチンカンになりがちです。

例えば、スポートルートでボルトが抜けて事故ったとします。
反省会をすれば、事前にそれを想定して行動していたかが問われます。

①ボルトの種類は見ていたか?
②さび具合など、可能な範囲で見る習慣はあったか?(僕も、核心のクリップなどは、見る余裕が無くなることが多いですが、地上からのオブザベ、レストポイントでのクリップでは見るようにします。)
③そこの岩面、岩質から、リスク高めだったか?普通と判断していたか?
④1本抜けたとしても、ビレイヤーがダラリンじゃなく、クライマーも受け身をしっかり取っていれば軽傷で済むような岩の形状、地上からの高さだったか?

普段から、これだけ考えていても、ある程度のリスク承知で突っ込んで事故が起こることはあると思います。純粋な見落としや勘違いだって、いつかは起こすでしょう。

ただ、本来これをしていれば、
「あそこが甘かった。」
「そもそも、自分は④を考える習慣が無かった。」
という反省もキッチリできます。

「全部それなりにはやっていたけど、今回は抜けたので仕方ない、超低確率の事故だった。(これが嫌なら、クライミング辞めるしか無いかも)」
と断じることも、あるかもしれません。

これは、カム抜け、リードで落ちてはいけない場面での墜落、ビレイミス、終了点作業、など何でも同じです。登山になれば、天候なども同じです。

最近、講習生から「私は思考停止に陥りがちだと思うんですが、どうしたら良いですか?」という趣旨の話をされました。
無知の知を感じさせる、素晴らしい感想だと思います。

僕の考えとしては、
「基本は思考停止するものだと諦める。ただ、思考を再スタートさせる切っ掛けは、そこらに転がっているので、チャンスを活かす。」
です。

重要だと思うことをバラバラと挙げます。

・他人の事故、ヒヤリハット
・モヤモヤした感覚(グリグリでビレイして手を離してしまったり、他人のビレイを見て違和感を感じたり、岩場でランナウト中に戻れないムーヴで突っ込んじゃったり、プロテクションに不安を感じたり、切っ掛けは色々)
・何かを指摘した際に、人間関係が壊れないようにする配慮(これが下手だと、技術的なことは曖昧な会話しかできず、雑談主体のパートナー関係になる)
・自分の方が正しいと確信しているが相手が納得しないときに、熱くならずに後日に説明するぐらいの精神的余裕(帰宅後、じっくり考え直すのがプラスになる)
・別の意見を聞いたとき
・「自分が山のベテラン(安全な人間)だと思ったら、その人はすでに遭難のリスクがある。」という先輩方の格言
・クライミングがリスク管理が半分、登り半分ということを忘れ、完登やムーヴに夢中になることが多いという日常(特に、ジムなどの本気トライ中はそれに近くて良い部分もあるが、日常的にクライミングを考える内容から、安全管理の比率が下がってきたら、バカになり始めと僕は思っている)
・他人に技術を説明しようとして、自分の理解が曖昧なことに気づくとき

あとは、強制的に安全管理に思考を向ける方法として、『生と死の分岐点』、フリーファンの安全ブックによる今年の保険使用事故例紹介、などをときどき読むという方法もあります。
事故例ばかり読むのは疲れますから、何かで思い立ったときに読むぐらいで良いかと思いますが。

2021年7月28日水曜日

9月分の予約受付

9月分の予約受付を、7月30日(金)の夜21寺よりスタートします。

また、ムーヴ講習の定期クラスについて、1点変更してみます。
8月まで:火曜ムーヴLv.0、木曜ムーヴLv.1
9月:火曜ムーヴLv.0、木曜ムーヴLv.0

Lv.0の火曜は定員オーバーで受講できない方がチラホラおり、Lv.1の木曜は参加者0人で不催行という日がチラホラあったので。
Lv.1受講可能な方も、定期クラスを受講する際は、Lv.0として参加することになりますので御承知おきください。
全員が一定レベル以上の日の方が教えやすい内容もありますので、どうしてもLv.1でやりたいという方は、定期クラスではなく、従来通りの講習枠で受講お願いします。

また、これまで通り、現在0人の日については、別の通常講習を受講したい方の申し込みがあれば、そちらを優先いたします。

最後に、夏の合宿について質問がありましたので、ブログに書いておきます。
原則は、アドバンスクラック講習として行います。
ワイドクラック、アプローチなどに困難さのある岩場、などが対象です。
クラックリード講習を卒業し、5.9以上のクラックを3本以上オンサイトorフラッシュしていることが参加条件です。
ただし、現在1名となっている日については、それ以外の方も相談に応じます。
具体的には、岩場リード講習の参加条件を満たしている方であれば、岩場リード講習に相当する内容の講習に変更する可能性もありますし、クラックリード講習の参加条件を満たしている方であれば、クラックリード講習に変更する可能性もあります。

間近のご連絡となりましたが、今からでも参加したいという方がいたら、ご連絡ください。

2021年7月25日日曜日

ジムのカチルート

6月29日(火)は、リード2回目にて、女性YZさん、女性NMさん。
6月30日(水)は、岩場リード講習にて、男性YKさん、男性ONさん、男性HDさん。
7月1日(木)は、ムーヴLv.0にて、男性NMさん、女性HZさん、女性IGさん、男性YMさん。
7月3日(金)は、雨中止にてムーヴ講習で、男性TGさん、女性WNさん、男性SDさん、女性Mさん。
7月6日(火)は、ムーヴLv.0にて、男性YMさん、女性HGさん、男性MBさん。
7月7日(水)は、ムーヴLv.0にて、女性NJさん。
7月9日(金)は、ムーヴLv.1にて、女性YIさん。

久々の更新なので、とりあえずムーヴネタ。

女性はカチが得意だという定説があり、実際そのように感じますが、その原因について少し考えてみます。

①そもそも、ホールドが持てている。
・指が細いため、男性より1本多くの指が掛かる場面がある。
・指が短いため、男性が第一関節まで入らないホールドでも、第一関節+αまで入ることがある。
・男性より軽い。
・ピアノ経験者など、指先に力を入れることに慣れている人が多い。(これは仮説)

少し専門的な言い方をすると、ホールドが効く方向に肘が向かっていない状態でスローパーを持てる人は少ないですが、カチは指が強ければそれなりに持てます。
同じルートをやっている人で、自分より肘の向きが変な方向に向いちゃっているのに、カチを持てていると、「どんだけ指強いんすかー。」と感嘆することになります。

次に、カチが連続するルートの特性を考えてみます。
ボルダーなら、自分の普段登るグレードのカチ主体の課題、スローパー主体の課題、ガバが複数出てくる課題を、脳内で比べてみると良いと思います。
リードなら、自分の限界グレード(O.S.グレードでも、R.P.グレードでもO.K.)付近で同様のことを思い出します。

ルートを作る側の気持ちで考えると、ガバや掛かりの良いスローパーなら、大きなデッドムーヴのターゲットにすることもできます。また、そのホールドをマッチさせたり、足ブラで次のスタンスに振り子するような動きもさせられます。他にも、ヒールフック、プッシュ、手に足なども、設定しやすいでしょう。
一方、カチを連続させた場合は、そうは行きません。
そのグレードの割には悪いカチを持たせるなら、比較的バランスの良い位置に足を付けざるを得ないのですが、そのスタンスも(数手前に使った)カチになります。その中でも、ダイアゴナル、フラッギング、ハイステップ、両足バランス、掻き込み、ちょっとだけデッドポイント、といったベーシックは動きは色々あるものの、割と地味な課題になります。
また、ホールドが悪いカチの場合、次のホールドを遠くすると極端に難しくなるため、相対的には一手一手が近くなります。
つまり、グレードの割にガバが多いルートに比べて、動きが地味になる(良く言えば繊細になる)ことが、有利に働く可能性があります。

ちなみに、スローパーの場合は、グレードの割に悪いホールドを連続させたとしても、ホールドが大きいのでヒールフックがしやすく、マッチの持ちどころ問題が発生したりして、カチルートよりは見た目チョット派手になります。

という訳で。
②カチを連続させたルート特性が有利に働いている。
・ベーシックな動きが多く、ヒール、ランジに近い感覚の大きな振り子、非常に遠い一手、足ブラ、手に足、プッシュなどが少ない。
・ホールディング、足置き、ともに繊細。
・レストやクリップなども、カチでせざるを得ない。(リードの場合)

さて、ここから自己批判の目で振り返ってみます。
①は、体重が軽く、細い指の男性もいる。
②は、様々なムーヴのパターンよりも、ベーシックな動きの洗練に意識を向けて練習している人は、男女問わず得意になる。(実際、そういう人も散見される。)

今回は思考しやすくするために、ルートを3分類しましたが、実際には
「手は相当悪いカチだけど、足はガバ(orスローパー)にヒールフック掛けて、ほとんど足で傾斜殺すイメージでソッと通過。」
みたいなムーブも頻出だと思います。
こういう場合は、カチが得意な人が有利なのか、ヒールが得意な人が有利なのか、微妙なところです。
つまり、多くのケースは、もっと有利不利が判別しづらい微妙なケースです。

「そもそも、有利不利を真面目に検討すること自体に意味があるのか?自分ができないムーヴを練習するだけだろ!」
という硬派な意見もあろうとかと思いますが、知らないよりは知っている方がムーヴを考える手助けになっているので、私は続けようと思います。
あと、考えるのは趣味なのでやめられません。

2021年7月14日水曜日

お知らせ続編

皆さま、こんにちは。

富士山から戻る時期が大幅に早まりまして、19日(月)~31日(土)が、通常の講習可能になりました。
ちなみに、富士山は空いておりますので、最高に快適だと思います。特に、山小屋が。
私は、もうすぐ帰りますが(笑)。

ではでは、よろしくお願いいたします。

2021年7月7日水曜日

お知らせ

急なのですが、富士山に行く時期が遅くなりました。

それに伴い、7月8日(木)〜11日(日)で通常の講習が可能です。
雨予報が続きますが、ムーヴ講習やロープワーク講習、ジムでのリード講習をご希望の方は、ご連絡ください。
ジムのリード講習を、週末に2コマ連続受講して(6時間コースとして)、ある程度まで進めてしまうというのも一つの方法です、

いつも通り、7月8日(木)は、ムーヴLv.1の枠にしてありますが、誰も申し込みがない段階であれば、別の講習にすることも可能です。
ではでは、よろしくお願いします。

2021年7月3日土曜日

アップルートのビレイは、真面目にやるべきか?

6月14日(月)は、雨中止にて、ロープワーク講習。男性MBさん。
6月15日(火)は、ムーヴLv.0。女性IGさん、男性MBさん、女性HZさん、男性TNさん。
6月17日(木)は、ムーヴLv.0。男性YMさん、女性MUさん。
6月20日(日)は、リード1回目。女性AKさん、女性YZさん、女性NMさん。
6月21日(月)は、クラックリード講習。男性HGさん。
6月22日(火)は、1コマ目にムーヴLv.0。女性KDさん。2コマ目にムーヴLv.0。女性IGさん、女性SHさん、KIさん夫妻。
6月23日(水)は、ムーヴLv.0。女性NJさん。
6月24日(木)は、ムーヴLv.1。女性WNさん。
6月25日(土)は、雨中止にてムーヴ講習。NSさん夫妻。

以前から何度か書いていることですが、ジムのビレイについて考えるとき、難しい命題があります。

「落ちそうもないとき、ちゃんとロープの弛みを減らし、ビレイヤーの立ち位置も良くすべきか?」
ロープの弛みは、アップルートほどルーズな人も多いです。それこそ、「2本目や3本目で落ちたらグランドさせちゃうよ。」というほどに。
立ち位置は、一つ前の記事などです。

Aさん:
「ガバガバのアップルートなら、そんなに真面目にビレイしてたら疲れちゃうよ。クライマーだって、落ちないと自分で思っているから、下部のクリップで足元ランナウトしちゃったりしているじゃん。」

Bさん:
「落ちそうもないと感じている人が、突然落ちたのを何度も見てきた。しかも、ガバだと油断しているし。やはり、手を抜くべきではない。」

Cさん:
「下部だけは、グランドリスクがあるからクライマーもビレイヤーも忠実にやって欲しい。上部は、クライマーがクリップ飛ばしさえしなければ多少緩めでも許容かな。」

さて、どう思いますか?

もう一つの命題。
岩場で「ここで落ちたらグランドでしょう。」という状況で易しいセクションを登っているときと、ジムのアップルートで「そこまでランナウトしたらグランドでしょう。」という状況で、人間の行動はどう変わるでしょうか?
それは恐怖センサー頼みの本能的な行動ではなく、理性的な行動になっているでしょうか?

慎重さ、安心感(クリップしようと思えばクリップできるのと、ヤバかったら戻らなければならない違いはある。)、浮石のチェック、などの色々な要素があるでしょう。
一応、ジムでもホールドが回ってフォールすることがある、という点は考慮に入れても良いでしょう。

後半の命題は、めちゃくちゃ難しいです。
実際、岩場では易しいセクションにボルトが無かったりしますし、マルチや沢登り、雪山では「落ちないつもりで」慎重に登らざるを得ない場面も多く、これを完全否定することは不可能でしょう。
なんなら、夏山登山道の岩場通過自体が、ロープ無しでの「落ちないつもり」の初歩ですからね。
これを、ジムに持ち込むのは、アリorナシ?

唯一絶対の正解は無い問題でしょうが、自分とパートナーの感覚が違い過ぎると、トラブルの元になったりもします。

こういうことを、全て分かった上でアップルートで“ダラリンビレイ”を行い、クライマーもそれを理解して登っているのなら、それ以上は何も言えません。
上級者で、一部にはそういう人もいるでしょう。
しかし、無自覚でそれを真似するのは、やめた方が良いと思います。