2017年1月21日土曜日

教え方のマイブーム

1月20日(金)は、ムーヴLv.0を2回戦。
昼の部は、女性KBさん、新潟の女性NBさん、新規女性KJさん。
夜の部は、女性YHさん、男性MZさん、女性TDさん、男性THさん。

うっかり、写真を消去してしまいました・・・。
今回は、ほとんど趣味のような日記です。

最近、講習生の思考回路に迫るのが、楽しいです。

例えば、「ガバを持ってレストしましょう。」っていうときに、ついついガバを持ったら進んでしまう(とりあえず足を上げてしまう)人がいます。

「いやいや、上げちゃったら狭くなっちゃうから、レストしにくいじゃないですか。」
と言いたくなる気持ちを堪えて、足を上げたくなる人の心理を聞きとってみます。
(言い訳どーぞ、みたいなニュアンスの会話です。)

よくある回答としては、
「何となく、早く行きたくて。」
「何となく、ガバ持つと本能的に身体を上げたくなって。」
というぐらいのボンヤリした人もいれば。

「パンプしないためには、スピードが命でしょ。」
「アルパインはスピードが命だって、先輩に言われたんで。」
という明確な意思を持って、私の指示と反対の行動を取っている人も、過去にはいました。

興味深いのは、私の指示と反対の行動を取っていることに、本人が無自覚だったりすることです。
で、禅問答よろしく会話をしていくと、本人なりに色々と頭が整理されてきて、ムーヴがガラッと変わることがあります。
これって、教える側にとっては結構達成感があります(笑)。

この方法って、マルチ講習とか、すごく教えるのに苦労した方々相手とかでは、何年も前から使ってきました。
それが、私にとっての反復練習になっていた様子です。
色々と、興味深い・・・。

講習生には、なんのこっちゃという話でスミマセン。

さて、本日は女性KBさん、女性YHさんをリード講習に進んでO.K.としました。
ゆっくりやっていきましょう。

2017年1月20日金曜日

カムのラッキングあれこれ

1月19日(木)は、クラックリード講習にて、城ヶ崎。
女性SMさん、女性IUさん。
カムのラッキングに関して、色々な方法があります。
ちょっと講習中の会話から発展させて、今回のネタに。

卒業生で、最初に講習で教わった方法そのまんま、という人は再考の機会にどうぞ。

①肩のギアラック
両肩、タスキ掛け、タスキ掛けの補助ありで実質両肩っぽいタイプ。

両肩:
ギアの量が多い時に、上手く荷重分散できるというメリットがあります。
(典型例は、カムもスクリューも持っていくような冬壁など。クラック講習の範囲じゃないですが。)

タスキ掛け:
左肩にも右肩にも掛けることも可能で、ムーヴの都合で選べるというメリットがあります。個人的には、ルート中での左右の変更も、よく使います。
(典型例は、ワイド。)

講習では、タスキ掛けをオススメ。
(20m越えのクラックとかは講習では使わないし、ワイドも基礎的なレベルでは触った方が良いと思っているので。)
②ラッキング場所(肩のギアラック主体orハーネス主体?)

肩:
なるべく整列を維持すれば残量把握がしやすく、左右どちらの手でも取り出しやすいです。ハーネスに大量にラッキングすると、ハーネスが腰からズリ落ちて来やすいという意見もあります。

ハーネス:
ムーヴの制約になりにくいので、登ること自体が楽に感じます。

講習だと、肩主体をオススメ。
ハーネス主体は、オンサイトトライでは、頭を使いまくりです。
肩と腰を分散する方式も、なかなか便利。
③順序

理想は、使う順だと楽です。ただし、これはオブザベが大外れすると、単にカム配置がバラバラなだけになってしまい、悲惨です。
反対に、大きさ順に整列させると、残量把握がしやすいです。初心者の場合、そもそもカムの色順が覚えられていないことも多いので、使い勝手が良いです。

ちょっと一工夫として。
・出だしで、明らかに使いそうなサイズだけは、手前に並べておく。
・終盤にしか使わなさそうなサイズは、取り出しにくいところに並べておく。
・大レストポイント毎に、カムの順番整理の時間を取る。(余裕がなくて、カム配置を無視して戻してしまった!レストポイント直後に使いそうなカムを、手前に出しておこう!など。)
④残量の意識

戦略的には、「上部のために、この辺のサイズは残しておきたい。」という発想が理想。

初心者的には、「下部で、同じサイズを2つとも使いきっちゃうのは、マズイでしょ!(上部のオブザベなんて、当たるか分かんないから、出来れば1セットフルで残したいくらい。)」。
(とはいえ、本当に上部が見えないときは、初心者的な意識で行くしかないときも多いです。)

この辺の意識も、ラッキングに影響します。
そんな感じで、講習では以下のように。

①タスキ掛け
②肩のラッキング主体
③大きさ順主体
④2セット弱のカムを持って、何となく残量を意識して、足りなくなったらクライムダウン回収など

個人的には、これがクラック初心者の要望に即しているような気がするんですよね。
さて、カムの順序もさすがに完全に覚えて、オブザベも少し当たって来た方々は、そろそろ見直しの機会じゃないですかねー。

脱初心者なラッキングを目指してみるのはいかがでしょうか?
背伸びし過ぎると、かえって泥沼です。

ほんの少しずつやると、良いトレーニングになると思いますよ。
具体的な講習内容
・ハンドジャムのコツあれこれ
(肘の向きの意味、手首を伸ばすか固めるか、など)
・カムセット練習
・疑似リード(SMさん)
・実践本気トライ
IUさん:鬼ころし(5.7) オンサイト

2人とも、ジャミングとカムセットといった基礎的なことは、だいぶ分かってきた様子でした。
あとは、リード中の判断がテーマになってきますね。

2017年1月18日水曜日

教えるという復習

1月15日(日)は、岩場リード講習にて、湯河原。
女性MMさん、女性NMさん、男性NSさん、女性NMさん。
<ダウン着用>

帰りがけに、講習生から
「最近、ボルダー仲間がリードをやりたいというので教えているのだけど、その人が耳が聞こえなくって。そういうのって、何かポイントありますか?」

という質問。
<ようやくポカポカ>

いきなり、随分と高度ですね(笑)。

とはいえ、共に学ぶというスタンスで、一緒に落ちる練習などを実験しているそうです。
しかも、教える側も2人以上というバックアップ態勢なので、聞いている限りは問題なさそうな話。

というか、ジムリードの復習になって、メチャクチャ良さそうな機会ですね!
一応、自分の経験則からすると。

①マルチなどで声が聞こえないことはザラなので、コール無しでも終了点作業の類は問題ないはず。
(ただし、その成長過程で人からの指摘を受けにくいという点には、留意。)

②ハングドッグ中の「テンション」、「緩めて」などは、出来るときだけやる。というルールが限界。

③登りながら「もうちょい緩めで。(張り過ぎないで。)」、「ロープ(ください。クリップしたいので。)」、「よろしくね。(ここから落ちるかも。)」といった、ちょっとした声掛けに相当することは、やるかどうか微妙な問題。
(勘違いのリスク)
つまり、
「熟練者になれば大抵のことは出来そうなものですが、成長過程は、他のクライマー以上に大変でしょう。」
というのが、率直な感想です。
あとは、ものすごく当たり前なことなんですが、個人差は大きいです。

他の講習生と同様、
・登りが荒い
・焦りがち
・落ち込みやすい
・緊張しやすい
などなど。

耳が聞こえないだけでなく、クライマーとして克服していくべき短所が他にもあるというのは、私にとっては講習して初めて体感したことでした。
たぶん健常者も全員そうなのだから、当たり前なんですけど。
なんとなく、盲点でした。
<夕方は、再び寒さが>

でも、今回その方が聞きたかった教え方のポイントについては、特にアドバイスは出来ませんでした(笑)。

結局、覚えるべき技術も大差ないし、経験者2人以上で実験しながら共に学ぶなら、それ以上の環境はきっとないと思いますよ。
あまりに危なそうなら、そこのジムの常連さんがきっと注意してくれることでしょう(笑)。
<寒い中、よく頑張ってくれました!>

具体的な講習内容
・アプローチ練習
沢状地形、道よりも岩の位置関係や大きさの方があてにしやすいこと、など

・ムーヴ講習
スタティックなムーヴ、指を岩に馴染ませるホールディング、など

・ボルトの種類
・トップロープでのムーヴ練習&終了点説明(NSさん、NMさん)
・リードで落ちる練習
・実践本気トライ
MMさん:フック船長(5.10a) オンサイトトライにて、数テンションでトップアウト。クリップも含めて、ムーヴは解決。
NMさん:ゼルダ(5.11a) ハングドッグ練習の意図で。ムーヴ解決してトップアウト。

ところで・・・。

ゼルダって、平均身長の講習生女性で、5.10bくらいがマスターオンサイトできるくらいなら結構みんなムーヴ解決できるんだなと知りました。
リーチが無いと、かなりボルダリーに見えるのですが、皆さん意外なほど謎解きしてくれます。
最初は皆さん、「え!?5.10cも登ったこと無いのに、いきなりイレブンにマスタートライですか?」と衝撃を受けるのですが。案外、出来るもんですね(笑)。
という訳で、最近よく使っています。
ケミカルアンカーですしねー。

2017年1月13日金曜日

ガバで自然にレスト

1月13日(金)は、リード3回目。
女性MMさん。

少しゆっくりリードを覚えた方が良さそうなので、本日はカリキュラムに拘らず。

「レストしている時間に、先々のことを考えましょう。」
とは言うものの、どうしても両手ともホールドから離さずに、上を眺めてしまう人が多いです。

「じゃぁ、そのガバでレストしてみてもらえませんか?」
と尋ねると、どんな態勢ならレストしやすいか、色々と探っている様子。

たしかに、レスト態勢を考えるのに必死すぎると、レストしながら考えるなんて難しいですよね。
登りながら考えるためには、まずガバで自然にレストできることが、最低条件なのですねー。

という訳で、この3時間で疑似リードと、トップロープでの1手1手レストする練習を、みっちり。
だいぶ慣れてきたようで、最後にはレストしている時間に考えるということが実践出来て来た感じでした。
そうそう、それをやって欲しかったのです。

あとは、墜落距離の計算をちょっと実験して、本日終了でした。
ゆっくりですが、伸びどまりなく進んでいる感じで、楽しそうでした。

独り言

1月11日(水)、12日(木)は、スキー練習にて、奥利根。
初日のみ、K田の姐さんも。
スキーの勘戻しは、クライミングよりも早いと聞きます。

感覚的には、クライミングは1ヶ月以上空けると、最低でも数日の勘戻しを要します。(週2日以上登っている人くらいを目安。)
個人的には、アップルートですら登りづらくて気持ち悪いのが2日間くらい。
本気トライになると、体幹が使えなくって腕ばっかり疲れちゃうのが、4日間くらい。

ところが、スキーは半日~2日間もあれば、半年間のブランクを戻せるって言う人が(僕の周りには)多いんですよね。

なぜなんでしょうか?
色々と考えるのが好きなので、自分の身体で実験中です。
仮説①パワー
クライミングは上半身の筋力を使うけれど、スキーは下半身。
上半身の筋力の方が、普段の生活だけだと落ちやすい?
あるいは、そもそも私くらいのスキー初級者だと、始める前と現在でフィジカル的には変わっていない?
ほとんど、テクニックのみが変化。

仮説②本気トライの有無
スキーの方が、勘が戻ったと感じるハードルが低いかもしれません。
クライミングで言えば、アップルートが心地よく感じたぐらいで、完了なのかな。

仮説③リハビリに適した練習
リフトに乗って、アップレベルの斜面を何往復もする、という練習。
しかも、そこで「なんかなー。微妙に変なんだよなー。」と首をかしげながら滑ること自体が、リハビリには最適な気がします。
クライミングで、調子が悪いのに無理に本気トライして、さらに変になることってたまにありますからね。

仮説④テクニック自体の忘れにくさ
感覚的なんですが、スキーの方が忘れにくいような、あるいは思い出しやすいような?
あくまで、自分の感覚的なものです。

どれも、一理はありそうだけど、なんとなく決定打に欠けるような印象(笑)。
まぁ、分かったからと言って、特別に上達に寄与しないような話ですが。
こういうことを考えながら、コツを思い出していく過程を味わうのが、私の楽しみ方だなと最近思っています。

2017年1月10日火曜日

省エネ技術も奥深し

1月9日(月、祝)は、ムーヴLv.1の6時間コース。
男性HYさん、男性ONさん。
<だいぶフォームが良くなって来た>

HYさんはマルチ卒業生、ONさんはマルチ受講中。

クライミングのムーヴを講習する際に、私の重点は。
①省エネ技術
②レスト中に作戦を練ること
③丁寧さ

などにあると思います。
<いつも笑顔>

もとを辿れば、
①マルチピッチなどでの疲れにくさ、易しい箇所での落ちる確率の低さ
②オンサイトトライに強くなること
③本気トライであっても、精神的に落ち着いてリードすること

といったことに主眼があるからです。
<実践、本気トライ>

“ジムでのグレードを上げる”という意味では、もっとトレーニング的な講習の方が手っ取り早いのかもしれません。

ある程度フォームが良くて、故障リスクが低いクライマーなら、インターバルトレーニングとかも有効だと思うんですよね。
実際、僕も過去にはそれで伸びた時期もあるので。

ただ、省エネ技術とか丁寧さも、生涯学習みたいに奥深いなぁと感じております。
なんで、私はインターバルトレーニングよりも、技術を意識して、なるべく沢山登るという方向になりました。それでも、背中がバキバキになれば、それできっと十分だと思うんですよね。

それを学びたいという強い意識が出て来た方には、また来ていただきたいですね。
<スタンスを探す場面>

具体的な講習内容
・片手主体のバランスを、ほぼ完璧にしてから、もう一方の手を離す方法
・どうせ反動を付けるなら、確実にフワッと行く意識
・レスト中の腕の下ろし方あれこれ
・肘を伸ばしきらない方が良い場面あれこれ
・オンサイトトライを復習する意識(今回は、あえてハングドッグして、もう一度ムーヴをなぞってもらった。)
・レスト中に、ムーヴの選択肢を複数持つ意識
・実践本気トライ
2人とも、垂壁の白棒(5.10c)。ONさんが数テンション、HYさんがフラッシュ。

アルパインクイックドロー

1月8日(日)は、ロープワーク講習。
女性ADさん、女性KIさん。

<写真①、完成形>

スリングとカラビナで、ヌンチャク(クイックドロー)を作る方法があります。

アルパインクイックドロー、アルパインヌンチャクなどと呼びますが、アルヌンなどと略す人も居たり、昔は“からくりヌンチャク”と呼ぶ人も居たそうです。
<写真②、片方のカラビナのみを外した様子>

これの最大の売りは、スリングとカラビナとしても使えることです。
マルチとかバリエーションだと、それがだけでも便利です。

そして、リード中に長いヌンチャクが欲しいときに、簡単に延長できるのも魅力です。
“からくり”と呼ばれていただけあって、3重のスリングのうち1本を取って引き抜くと簡単に伸ばせます。
<写真③、両方のカラビナを外した様子>

ただ、なんでこれが伸ばせるのかは、意外と理解しづらいです。

写真②を見て、上のカラビナで左端のスリングをクリップして引き抜くのは大丈夫そうだとしても。
「他の2本でも、なして大丈夫なのー!?」という疑問は、私も初心者のころに感じました。


真面目なADさん。
過去に先輩からアルパインクイックドローの作り方を習ったものの、原理がイマイチ分からずに、すぐに忘れてしまったそうです。

今度こそはと、すごく熱心に研究していました。
<「うーむ。」>

最終的には分かったみたいで、すごくスッキリした表情に!

手癖で覚えるというのも、手際の上では大事です。
でも、原理で覚えると、よりよく分かりますねー。

経験的には、手際の良い人よりも、原理を知りたがる人の方が事故率も低いように感じています。
ま、山の現場に行くと、手際の良い人が羨ましくなっちゃうんですけどねー。
具体的な講習内容
・ロープの畳み方を洗練
・スリングの収納、アルパインクイックドローの作り方
・終了点に残置ビナがある場合の、トップロープ回収(ADさん)
・荷物を背負っている場合の、懸垂下降の工夫あれこれ(KIさん)
・登り返し、ユマーリング、ユマグリの比較(KIさん)