2017年5月19日金曜日

自分用のルール

5月22日(月)、23日(火)は、自分のクライミング。
高柳と。

またも、全く講習生向けではないのですが、個人の日記ということで。
<最近スポンサードされた高柳先生>

先生の希望にて、高難度マルチ。
ルートは、瑞牆のコスモス(5.13a、7P、ほとんどボルト)。

5.13a、5.12dと出てくるルートで、私ごときでは到底普通には登れないシロモノ。
ただ、先生方の活躍を見るのも良い機会かな、という気持ちでホイホイと付いて行きます。

本日は、3P目の5.12dをトライしてみるという計画で、後半ピッチまでは足を伸ばさないことに。
<写真家であり、モデルでもあるらしい>

結果
1P目(5.12a)を、私が何度も吠えながらオンサイト。正直、これだけで今日は満足。帰っても良いかな、という達成感。そもそも、岩場で5.12aのオンサイト成功率は、10%くらい?
2P目(5.11a)を、高柳がオンサイト。
3P目(5.12d)は、2人ともムーヴが出来ず。ハングドッグして、ヌンチャク掴みながら(A0しながら)、中間部までホールド探りに繰り出す。結局、途中で時間切れを意識して、敗退ビナを残してロワーダウン。
<外道クライマーで有名になったけれど、実際は良い人ですよ>

問題は、今後この手のルートとどう向き合うかです。
過去に、人間失格(宮崎の5.13a?、S本先生の作品)、はやぶさ(これも最高5.13a)、イクストランへの旅(これまた最高5.13a)、と触ってしまっているので、思案のしどころ。

以下、私の悩み。
フリーマルチにおいて、何をもって完登とみなすか、という話です。

一番スッキリするのは、
“7Pであろうがショートルートと同様に、1回でもテンション入ったら完登とみなさない。”
というルールです。

マルチの全ピッチオンサイト、なんてのは気持ち良いですよね。
特に、山から入った私としては、易しめのマルチであってもオールフリーという達成感は大好きです。
<2P目>

ただ、フォールしたのが1P目や2P目ならともかく、後半ピッチでフォールしたとなると、やり直しは面倒です。
そこで、そのピッチだけをロワーダウンしてR.P.するという方法も、一般的らしいのです。
(自分の経験としても、それなりに納得感があるような気がしました。)

一応、「各ピッチを別々の日(タイミング)に完登したのよりは、だいぶスッキリしている」という感覚からか、割と上位のスタイルになっている模様です。
<3P目>

あとは、リードさえフリーで登れれば、フォローは拘らない、という方法もあります。
チームフリーですね。

フォローが荷物を背負った方が効率的な場面、ユマーリングした方が良い場面、カムの回収のためにセルフを取るのが止むをえない場面、などを想定すると理解できます。

ただ、これって冬壁、沢登り、みたいな山岳エリアでのオールフリーだったら分かるんですが、ゲレンデっぽいエリアだと違和感も残ります。
荷上げが容易で、アルパイン的な時間制限が少ない、など。

<ハングドッグして、ムーヴ探り>

そんな訳で、一番拘りを捨てれば、
①チームフリーで、各ピッチR.P.。

もうちょっと、マルチっぽさを出すと、
②チームフリーで、ワンプッシュで各ピッチR.P.。

もっと拘ると、
③チームフリーで、リードが1回でも落ちたらゲームオーバー。

でも、これだとパートナーに求めるものが大きすぎるゲームになってしまうので、
④チームフリーよりも自分がフォローのときもフリーで登る方を重視。

あくまで個人の世界という割り切りなら、
⑤主要ピッチは、全て自分で1度はR.P.する。ワンプッシュは、拘らない。

などと、色々な組み合わせが出て来ます。
<2日目は、マラ岩周辺へ>

色々考えて、過去の自分の山で、スタイルやら安全基準が合わない人と登ると面倒だったのを思い出してしまいます。

そして、このルートは現状の自分の実力だと、相当な妥協を組み合わせないと登ることは出来ないのです。
でも、それを目指すのって、なんだか腑に落ちないゴールに向かっているようで、果たして頑張り続けられるのでしょうか?

それよりは、もうちょっと現実味のある難易度(5.12の数ピッチとか、5.11台のオンサイトトライとか)のルートを取り組んだ方が、頑張れる気もします。
<オーバーヒートの取り付き>

「ショートルートは、O.S.とR.P.っていうスタイルがそのまんまルール化されているので、割と単純だよなー。」
と感じます。

とはいえ、悩みつつも、もうちょっと触り続けようと思います。
こういうのは、やってみると実感が沸いてきて、少し考えもまとまって来るものですから。

スタイルは自由だと言いますが、自由ほど難しいというのを実感できます(笑)。
<オーバーヒート、指が痛いっす>

具体的に登ったルート
1日目は、上記の通り。

2日目:小川山
・カサブランカ(5.10a):8年ぶりくらい?疲れているせいか、かなり難しく感じた。
・オーバーヒート(5.11c):5トライくらいして、ようやくR.P.。通算2日。流血止めのテーピングがヌメッて来て、夕方18時のトライで登れずに、「もう諦めます。」と私。「テーピングを新しいのに変えて、やってみたら?」という高柳に後押しされて、暗くなる直前にR.P.。高柳先生、なかなかの登らせ屋です。
ちなみに、このルートってスタートが低くなったのか、メチャクチャにリーチ有利な気がします。が、それでも185cmの私が辛いと思うんですが、私が苦手なだけでしょうか?

設計図 VS 現場合わせ

5月21日(日)は、クラックリード講習にて、湯川。
男性KBさん。
<カムを選ぶ>

デゲンナーを1トライして、テンションが入ったKBさん。
夕方に、レッドポイントトライです。

その際、1トライ目で決めたカムの位置、核心と感じた場所を十分にイメトレ。
(マンツーマンでビレイも無かったので、休憩も長かった。)
<日差しを浴びて>

さて、いざ出撃。

で、先ほどカムセット体勢が作れなかったところで、意外とカムが決められる状態に!
「やった!これで、ランナウトしない。」
(ランナウトと言っても、膝下程度。KBさん的には、やや怖い。)
とばかり、セット。(3個目のカム)

すると、4個目のカムもやや低めに決めざるを得ず。

本来なら、ここで5個目も同様に低めに決めれば帳尻が合う(カムが足りなくなることはある)のですが、ここではムーヴに夢中になってランナウト。
(ここのランナウトは、足元。KBさん的には、相当怖いはずだが、夢中だった様子。)

5個目は、1トライ目と同じ場所に決めました。
<湯川は、城ヶ崎より長い>

さて、皆さまどう思うでしょうか。

1トライ目で、カムの位置を大体決めていたのですが、2トライ目で現場判断で少し場所を変えました。
それならそれで、オンサイトトライのように安全を判断して登りたいのですが、1トライ目の記憶が混ざって、安心してしまったのです。

あるいは、こういうケースを考えて、敢えて現場判断は慎むという戦略もあります。
<草餅をR.P.>

レッドポイント前のイメトレを、設計図だとすると。
実際のトライ中の判断は、現場合わせに相当するのです。

10トライ以上するようなルートなら設計図は綿密になってきますが、数トライの設計図は細部は適当です。
現場合わせは大事なことですが、リスクもあるので気をつけてやりたいです。
<デゲンナー>

さて、本日でKBさんはクラックリード講習を卒業といたしました。

昨シーズンの湯川では、ボロボロにやられていましたが、本日は
大和屋、草餅、デゲンナーと3本をR.P.して、素晴らしい成果でした。

この登りなら、台湾坊主や北風小僧も十分に圏内でしょう。
<良い天気>

2017年5月18日木曜日

楽しみは、一定レベルから

5月13日(土)は、雨天にてロープワーク講習。
マルチ予定だった女性STさん、男性ITさんに加えて、男性YDさん。
本日の講習生による感想。
「ロープワークは、自分が出来ることが増えるにしたがって、楽しくなってくるね。」
例えば、あるトラブル対応を課題にしたとしても

①シチュエーションが想像しやすい。
②スマートな解法ではなくても、何かしら打つ手が思いつく。
③講習生同士で、「もうちょっと、こうやった方が良いかも。」と言った別意見が出やすい。

といった楽しさが出て来ます。

そして、そもそもシチュエーション自体も、講習生の方から
「こういうことが起こったら心配なんですけど、何か良い方法ありますかね?」
といった質問からスタート出来たりします。
十分にディスカッション出来るようなら、もはや講師要らずになってくるんでしょうね。
何人かで話しあって、ある程度の経験がある人に最後に質問してみればオーケー。
「自分ならこうするけど、こういうやり方をする人も居るよ。」と答えてくれるでしょう。

それで、十分な学習になると思います。

実際、私自身は丁寧な講習なんて数えるほどしか受けたことは無いので、そんな感じで学んでいるのだと思います。
具体的な講習内容
・ロープの畳み方を洗練
(肩畳み、手畳み、背負い)
・ショートルートの終了点作業(YDさん)
・先日のマルチ講習で遭遇したトラブル対策いろいろ(STさん、ITさん)
・メインロープを使ったビレイ点作成いろいろ(STさん、ITさん)
・登り返し

終了後、全員で少しボルダーをしました。
出来ない課題が出てきてからの試行錯誤レベルが、ちょうどトライする級に比例していたのが、興味深いなと思いました。
ロープワーク同様、ある程度登れるようになってからが楽しいのでしょう。

ギブアップ

5月12日(金)は、リード3回目。
女性Mさん、女性ISさんのペア。
本日の最後、1本だけ本気トライ。

トライ前に
「危険ならギブアップして良いですが、危険じゃないのにギブアップするのは止めてくださいね。」
と一声。
<フォール写真>

すると、
「それが一番難しいんですよー。怖いからテンションは無し、ってことですよね。」
と返事。

でも、ちょっと落ちそうなセクションでも、
「今は、ランナウトしてないから大丈夫!」
と自分に言い聞かせるようにしてムーヴを起こす場面があって、なかなか良いトライでした。
期待通りで、嬉しい限りです。
<5.10bをオンサイト>

さて、本日で2人はジムリード講習を卒業といたしました。

まだまだ不安も質問もありそうですが、続きはムーヴLv.1でも、岩場リード講習でも、お好きなように受講して下さいませ。

2017年5月13日土曜日

意識し過ぎて

5月11日(木)は、ムーヴLv.0。
男性SGさん、新規女性MYさん。
私:「こういうことを意識してみたら?」
講習生:「やってみます。」
    「あれ?あれ?意識したら、かえってぎこちなくなりました。」

こういうケースは、とても多いです。
よくある原因。

①私が意識させようとした点が、多すぎる。
一緒に組んだ講習生がレベルが高くて、質問事項が多いとき。その対応を、私が失敗するとよく起こる。

②私が意識させようとした点が、高度すぎる。
同じく、一緒に組んだ講習生の質問が高度なとき。同じく、私が失敗すると・・・。

③講習生自身が、“意識して動きを変えると“いうことに不慣れ。
これが私にとって、なかなかの難題。
講習生は不快感が激しいこともあって、それが顕著に顔やら言葉に出る人もいます。(本日の話、という訳ではなく)

ただ、これに慣れてもらうことは、クライミングの上達を目指す上で、とても大事。
だから、不快感があっても
「色々考えすぎるより、あまり考えずに登った方が楽だ。」
と諦めるのは急がないで欲しいのです。
(ときには、何も考えずに登ると上手く行くケースもある、というのがまた難しい・・・。)

これは、ムーヴLv.0に限らず、岩場リードであっても、クラックリードのジャミングであっても、果てはアイスクライミング講習であっても、同じ難題が降りかかります。
講習生も不快なのは十分伝わってきますが、どうにか頑張って行きましょう。
とりあえず、これに関連して本日何度も話題にしたことは、“めちゃくちゃゆっくり登った方が、初心者はムーヴを意識しやすい”ということでした。

さて、本日でMYさんはジムリードに進んでO.K.としました。

2017年5月11日木曜日

腕を伸ばすと楽(なことが多い)

5月11日(火)の夜は、ムーヴLv.0。
女性KFさん、新規女性TMさん、新規女性KNさん。

レストするとき、腕を伸ばすと楽、という一般論があります。引き付けをキープするのは、疲れやすいという趣旨。
(これには色々と異論・例外やらがあるのですが、それらの分類は複雑なので文章化はパスするとして。)

今回の方々からは、ちょうどその例外みたいな意見が出ました。
「腕を伸ばすと、壁から離れて怖い。」
「腕を伸ばすと、かえって体重が足に乗らなくて怖い。」

前者は心理的なものなので、慣れれば「やっぱり腕を伸ばした方が楽。」と思うこともありそうです。
でも、後者は正解ってこともあるでしょう。例えば、スラブとかは、腕の曲げ伸ばしよりも足に立てるかどうかの方が重要なことも多いので。
他にも、前傾壁でも上手い人が肘を曲げてレストしている姿は、よく見かけますよね。

そんな訳で、例外も多いんですが、基本的な初級セオリーは実感できるまで理解したいところ。
(ちなみに、セオリーの例外を徹底的に考えることは、中級者の上達に有効な気がします。)

さて、本日で、TMさんはジムリード講習に進んでO.K.としました。
もしよろしければ、引き続きよろしくお願いします。

クラックの森


ツアー9日目の最終日。
8日目は、広島から山梨への移動。
<エリア全景>

以前から気になっていたエリアを、登って来ました。

地獄エリアの一部なので、登られている可能性は高いです。
ただ、地獄エリアの開拓者の角屋さんに確認したところ、一部は登られているらしいが記憶も曖昧ということで、発表することで了承を得ました。
地獄エリア周辺も、すっかり人気エリアという感じなので、追加ルートという形。

とりあえず名前を付けてしまいましたが、過去に登った方で愛着がある方は、連絡いただければ初登者、ルート名を合わせます。
雑誌に発表したりすると、あとから修正するのが難しそうなので。
<ホラースカイ(5.8、チムニー)>

場所:
地獄エリアのバケモノ屋敷1P目(5.7)終了点付近で、左にトラバースすると、広いテラスがある。そこがベース適地。
リード&フォロー、荷上げ、という不遇なアプローチなので、マルチピッチ気分で楽しむ気持ち。

そのテラスが、ちょうどルンゼ押し出しになっている。
ルンゼそのものが奥でチムニーになり、その左右側壁にもクラックが立ち並んでいる。
(左側壁3本、ルンゼそのもの、右側壁2本、計6ルート)
<ルンゼ奥からテラスを見る>

足場:
全ルートが密集しているので便利だが、足場の土にヒドンクレバスのようなものがないか、若干不安。
心配であれば、フィックスロープを張ってセルフを移動しながら、1日を過ごすことも可能。
私たちは、セルフビレイは必須にしたが、荷物はノービレイで土の上に置くことにした。
<バッドエンド(5.9、オフィズス~チムニー)>

終了点:
立木。残置物は、一切ない。
地獄エリアの開拓時に、ボルトだけでなく、立木やピナクルに捨て縄すら残さない方向性にしたという話を聞いていたので、それに準じた。
リードだけでなく、安全管理もアルパイン風味なエリア。
<バッドエンドを登っているところ。その右は、三途の川(5.10b、オフィズス)>

ルート:
長さは、10m~15mほど。
以下、ルート説明。暫定グレードも付けて。

①エントランス(左手前にあるフィスト~チムニー、5.9) 石田祐城
②閻魔大王(左中央の被った切れ切れのフィンガー~ハンド、5.11a、リードで登ったが、脆過ぎるのでトップロープ課題が妥当かもしれない) 石田祐城
③深海魚(左奥のチムニー、5.7) 亀井千代香
④ホラースカイ(ルンゼそのもののチムニー、5.8、本チャン的) 亀井千代香
⑤バッドエンド(右奥のオフィズス~チムニー、5.9) 亀井千代香
⑥三途の川(オフィズス、5.10b) 石田祐城
<足元の踏みぬき対策で、フィックスロープでセルフを取りながら行動することも可能>

掃除無しでトライできる状態だったので、登りながら土や浮石を落とした程度。
しかし、今後入る人が掃除してくれれば、さらに快適なルートになるはず(笑)。
<エントランス(5.9、フィスト~チムニー)>

5.7~5.9のワイドが4本、アプローチも5.7のワイド(ちょうど良いアップかも)、とここまで入門ワイドが揃ったエリアも少ないかと思います。

5.10bもあるので、多少の実力差があるパーティでも、それぞれ楽しめると思います。
<深海魚(5.7、チムニー)>

地獄エリアに何度か足を運んだことがある方、一度いかがでしょう?
私も、ワイド講習を頼まれたりすれば、良いエリアかなと思っています。