2018年9月30日日曜日

これは細かいことか?

9月29日(土)は、ロープワーク講習。
女性IUさん、男性NSさん。
本日、懸垂下降と登り返しの切り替え作業をやっていて、2時間ほどが経過。
明らかな成長曲線が一旦終わり、ここから先は徐々にしか伸びない、というタイミングが訪れます。

私から見ると、「切り替えでマッシャーだけに命を預けるタイミングが出ちゃうことが多くって、岩場でやらせるのは不安だなぁ。」という状況。ただ、とりあえず基本は理解している様子。
正直、もっと完璧になるまで練習させたくなります。

一方で、登り返しの練習はそれなりに疲労することもあり、そこそこで切り上げないと嫌になりそうだというのも経験則としてあります。

今回は、割り切ってここで終了。
休憩後は、ビレイ点でスリングが尽きたとき対策の、メインロープでのビレイ点作りに話を移しました。それも、1時間半ぐらい?

さて、講習後に感想を尋ねると、やはりメインロープのビレイ点の話が面白かったそうで。
この話って、知らなきゃ知らないでリスク回避できるものです。
が、パズル的で知的好奇心を刺激してくれるし、ちょっと便利で得した気分になる、なかなか楽しいロープワークだと思います。
やればやるほど、人間は細かくなります。この話だと、私が(笑)。

今回に関しては、純粋に事故確率を下げたいから。
ムーヴ練習が細かくなるのは、見るからにムーヴや本気トライ戦略が雑なのに、「フィジカルが足りない」という感想を講習生の口から聞くのが気になるなど、色々。
その他、もろもろ。

あまり細かくなりすぎるのも考えものですが、とってもとっても気になるのものなのですよ。
まぁ、これも私の人生のテーマの1つでしょうか。

2018年9月28日金曜日

楽なムーヴ、安全なムーヴ

9月26日(水)は、リード3回目。
男性STさん、女性KDさん、復習参加の女性Hさん。
STさんは、これにてジムリード講習を卒業といたしました。

さて、ときどき質問される話。
「楽(なムーヴ)ってことは、安全(なムーヴ)ってことですよね?」

この命題、なかなか深いです。
マルチピッチやら沢登りのために、クライミングを始めた人にとって、

①楽な登り方は、ピッチ数や山行全体を考えたときにも大事です。
②安全な登り方は、落ちてはいけない場面が多い登山的なクライミングを好む人にとっては大事です。

実は、1ピッチのクライミングだけやっていたとしても、この話は割と大事です。
いかに省エネで登るかは、リードクライマーにとっては必修課題です。
岩場に行くと、ボルト位置の関係などで確実性の高いムーヴしかやる気にならない場面など、日常茶飯事です。
という訳で、山屋もフリークライマーも、避けては通れない命題かなと私は考えています。

さて、話を戻します。
楽なムーヴと、安全なムーヴは、完全には一致しません。
楽だけど、不確実なムーヴ、というのも存在します。大変だけど、確実なムーヴ、というのも存在します。
私が思い浮かべている例と、これを読んでくださっている方が思い浮かべている例が、ちょっとズレているかもしれません。が、そこを突っ込むと「安全とは何か?」みたいに厳密な話になりそうですね(笑)。今回は、あくまで大雑把に。

楽で安全なムーヴ、というのは誰の目にも良いムーヴだと思います。
反対に、大変で不確実なムーヴ、というのは悪いムーヴだと思います。(どうしても、それしか解決方法が無い課題は、自分にとって相当難しめの課題で、安全な状況でも10回のうち数回は失敗するというものです。)

1つだけ例を挙げると、クリップ態勢。
手繰り落ちはしたくないから、最低でも安全な片手バランスを作ります。
ただ、出来れば上手いことやって、楽で安全なバランスを作りたいとは誰もが思います。

良いムーヴとは何ぞや、ということの理解の足しになれば、幸いです。

2018年9月26日水曜日

いよっ!棟梁だね!

9月23日(日)は、クラックリード講習にて、小川山。
女性Mさん、女性ISさん、女性ABさん。
本日の講習場所は、お姫様岩。
セルフビレイが欲しくなるような、テラスで半日を過ごすエリアです。

とりあえず、状況を共有するべく、先に本日の写真を並べます。
<乾きは、最高>

<カムセット練習中>

<こんな風に、セルフビレイを付けたまま練習する>

<立ち位置を入れ替えたいときは、ひと工夫が要る>

<左のクラックは、カム2つでのビレイ点。右のキャメ赤は、カムセット練習でセットしたもの>

<ABさんのリード中。ネイキッドクラックをR.P.。>

<ビレイ開始されるまで、セルフビレイは付けたまま。>

<擬似リード>

さて、こういう狭いテラスにて、セルフビレイを移動する場面を考えてみます。
<図1>

図1で、右の支点から、左の支点に自分のセルフビレイを移す、という状況。
<図2>

気をつけて、(一時的なノービレイを許容して)移動。これを方法①とします。
イメージとしては、大工さんなどがやりそうです。

本日、ISさんがこれをやるときに
「いよっ!棟梁だね!」
という声がけをしており、面白かったです。
そのうち、我々の中でだけ、方法①を「棟梁」と呼ぶようになってしまいました。

<図3>

次に、ヌンチャクで仮のセルフビレイを取って、移動。
<図4>

これを、方法②とします。
一手間は増えますが、安全性は相当アップします。
ただ、見ての通り、カラビナが回転したりして、逆クリップが外れるようにクリップ外しが起こってしまう可能性は否めません。
<図5>

3つ目は、ヌンチャク交互でセルフビレイを取り、移動。
これを、方法③とします。
図5でも、カラビナは少し回転していますが、2枚で連結しているので、外れるリスクは極小に抑えられています。

ヌンチャク交互は、環付きカラビナ相当ぐらいには外れるリスクが低いと思います。
という訳で、この方法は
”一旦、別のギアで完全なセルフビレイを作り、もとのセルフビレイを外す。”
ということになります。

つまり、
“壁の中では、常にビレイされているべき“
という基本に対して最も忠実な方法です。

最後に・・・。
これらの使い分けは、人によって異なります。
「どのくらいの足場まで、棟梁(方法①)をアリとみなすのか。」

「方法②と方法③の使い分けは、何を基準に行うのか。」
方法②は、多少気を張ってやらないと、クリップ外れの心配もある。方法③は、作業中は常にセルフビレイがある状態。

各自が、自分なりの安全基準を構築していくものだと思います。
ただ、自分と大きく安全基準が異なるとパートナーを組みづらいので、周りを見て相場を知ることも大事かもしれませんね。

講習中は、ある程度は私の安全基準に合わせてもらうしかありません。個人的には方法②を多用するタイプだと思っています。

2018年9月24日月曜日

リハビリ日記

左手中指の手術を受けたのが、8月22日(水)。
講習自体は、その日の夜のジム講習も行っています。

1ヶ月経って、指はほとんど伸びるようにはなりました。
というか、手術後3週間は伸ばした状態で固定していたので、通院に関しては曲げる方のリハビリがメインになって来ました。(曲げるリハビリの方が、伸ばすリハビリよりも簡単らしい。)
自宅でも、リハビリ。

ハンドジャム、ラップ持ちはほとんど負荷がないものの、まだ左中指に荷重を掛ける段階には無いので、自分のクライミングは引き続き休眠中。
講習ルートぐらいの難易度までは登れるので、クライミングに行くこと自体は出来るのですが、それよりは他の運動に時間を充てようかと。

そんな訳で、週3ぐらいで病院のリハビリに行き、週2ぐらいでエアロビ&ヨガ、そして先週から市民プールにも復帰しました。

エアロビ&ヨガのとき、つくづく自分が身体に関して素人であることを痛感させられます。エアロビの雰囲気は苦手ですが、1回300円の勉強の場としては最高です。
この機会に、より指に負担の少ないフォームを覚えたし。

市民プールは、自分のペースで出来るので、スキーに通っていたときを思い出しつつ色々と試しています。平泳ぎの足が、致命的なほど下手な気がするので、ちょっと誰かに見てもらいたいような気分です。

この機会に、色々やってみましょう。

2018年9月22日土曜日

感想を味わう

9月19日(水)は、リード3回目で、女性SBさん、女性STさん、女性Hさん。
9月21日(金)は、ムーヴLv.0とリード1回目にて、新規男性FTさん、男性IDさん、男性KMさん、2コマ目のみ男性FTさん。
印象に残った感想3つ挙げてみます。

FTさん「基礎の基礎が、大事だと思うんです。」
(結構なボルダラーだが、リードは初級レベルで終わっていたらしく、学び直しに来た。)

IDさん「ホールドの効く方向とかは、古典物理だから理解できるんだけど、そこで人間の体がどう振舞うのかが難しい。」
(理系の高学歴クライマー。)

KMさん「今まで、適当に登ってたんだな。」
(クライミング経験が少ない山屋さん。)
もちろん、似たようなことを仰った過去の講習生はおりますので、おおよその気持ちは汲めると思います。

ただ、表現が違えば受ける印象も違うものです。
さらに、それを発言した人のバックボーンやら、その日の講習での動きを思い出して、
「なるほどねー。」と思いに浸る私です。

2018年9月18日火曜日

シークエンス

9月17日(月、祝)は、岩場リード講習にて、小川山。
女性FSさん、一年半ぶりの女性ADさん、新規女性KRさん。
<久々に、シークエンスが話題にあがった>

「ムーヴを考える」、「ムーヴを変える」、「ムーヴを固める」、などの言い方があります。

で、「このムーヴってのが、何だか分からない。」という質問も、よくあります。
どう分からないかによって、答え方も違ってきますが、私の中では2つに分類しています。
<身体が回転しちゃう>

①手順足順、おおまかな身体の態勢(正対、側体、キョン、など)。
誰もが使う訳ではありませんが、シークエンスと呼ぶ人も多いです。

②ホールディング、ちょっとしたバランス、足の置き方、など。
便宜上、私はコツと呼びます。
<かわいい女(5.8)、FSさん>

①を他のクライマーにアドバイスするなら
「そこは、(次のホールドを取ってから足を上げるんじゃなくて)先に足上げてから次のホールドを取った方が良いんじゃない?」
「そこは、マッチより飛ばしの方が良いんじゃない?」
「足は、1個下げた方が楽じゃない?」

といった具合です。

どの方法を選択するか、といった話です。
<レスト中>

②をアドバイスするのは、結構難しくて
「足をジワっと馴染ませると、結構良いよ。」
「そこは、腰をグッと入れると手がチョット楽になったよ。」
「なんか、ちょっと腰落としたら良かった。」

などなど。
<かわいい女、第一核心>

シークエンスを代表する場面。

1.効率的なR.P.トライのためには、ハングドッグで自分に最適なシークエンスを探し出すことになります。
で、最終トライでは、それを再現。

2.O.S.トライでは、レストポイントでシークエンスの予測を出来るだけ立てます。
読みが外れることも織り込み済みで、2、3通り以上のシークエンスを予測しておくことも多いです。

3.多くの場合、本気トライでシークエンスを失敗すると手痛いロスになるので、コツの意識は2番目(そして、多くの場合は忘れがち)。
ちょっと悔しいですが、ある程度は仕方ないでしょう。
<どうにか突破!このままフラッシュ成功>

コツの中には、
「腕を伸ばした方が、レストのとき楽なことが多い。」
「足は、つま先で置いた方が、色々便利。」
などの超初歩的なものもあります。

僕の周りの人はあまりシークエンスって言わないのですが、頭の中で整理するときには便利な用語ですよ。
ところで、久々のADさんですが、上手になっていて驚きました。
本人も、「以前もされたような話だけど、今の方が分かる。」などと言っていて、楽しそうでした。

FSさんも、一皮むけた感じで、だいぶ落ち着いた本気トライでした。
あとは、ハングドッグと終了点作業ですかね。

2018年9月15日土曜日

オートビレイ機が増えた

9月11日(火)は、1コマ目がムーヴLv.0。
男性YZさん、女性SDさん、女性TTさん、新規男性FTさん。

2コマ目がリード3回目。
男性YZさん、女性SDさん。

9月12日(水)は、ムーヴLv.0にて、女性NIさん。
ランナウトに、オートビレイ機が2台増えました。
なんと、計6台!

高さ7mぐらいの初心者壁っぽいところにまで設置され、1人で来てもほぼ全ての壁で遊べる感じになりました。
さて、オートビレイ機の練習のメリットデメリットは、色々だと思います。

僕も、オートビレイで沢山登った時期もあれば、「やっぱ、ジムでもリードしなきゃダメだ!」という意識で登った時期もあります。

そういう深くて意見が割れそうな話は、とりあえず置いておいて。
講習していると、オートビレイは結構良いなと思っています。
一番は、フォール時の受身姿勢の上達。

通常のトップロープだと、一度完全にストップして、それからロワーダウンに入ります。

それが、オートビレイだと、ストップなくロワーダウンに入ります。
それが最初は怖いのです。
ただ、これがリードのフォール時の状態をスローモーションで再現していることになります。

僕自身、ランナウトのスラブ壁を登り込んだお陰で、ロワーダウン姿勢が上達したと感じています。
今回の2日間では、その話はしなかったので、講習内容とは無関係なブログです。
ただ、ランナウトの状況が変わった分、僕の教え方にもマイナーチェンジがありそうですね。

さて、本日でFTさんはジムリードに進んでO.K.といたしました。
引き続き、よろしくお願いします。

2018年9月12日水曜日

自立

9月9日(日)は、岩場リード講習にて、小川山。
女性NNさん、男性KTさん、女性ODさん、新規男性ODさん。
<アプローチ練習>

自立した登山者、クライマーとは、何でしょうか?
人によって色々あるかもしれません。

能力、心意気という意味では
「自分と同じかそれ以下のパートナーと、岩場で登れる。(初見の岩場、初見のルート、など。)」
というのが分かりやすいでしょうか。
<ムーヴ練習>

ガイド登山、自分より経験のある先輩と登るのは、連れられ登山、甘え、の要素をゼロにすることは難しいものです。

感覚的には、実家暮らしのフリーターが、一人暮らし出来るかどうか、みたい感じです。
<リード中>

もちろん、社会的には実家で暮らしたって良いですよね。
家賃は安いし、家事はゼロかもしれません。
親も喜ぶかもしれません。

ただ、どっかで「自分は甘えてるんじゃないか?」という後ろめたさを感じたりする、というアレです。
<ビレイ>

そんなとき、
「いや、家賃は入れてるよ。」
「家事もやってるよ。」
と、言いたくなるのも人情だと思います。

※僕は、25ぐらいまで実家に居ても何もしなかったので、している人はエライと思います。僕は、さらに苦しい立場でした。(笑)

どれだけ重要項目を抑えても、「自立していないんじゃないか?」という疑惑は拭いきれない苦しい立場です。
自分の実家暮らしを思い返しても・・・。

では、
「とりあえず、一人暮らししてみたら?」
と周りは言いたくなりますし、実際に僕も十人以上には言われました。

「それで十分に生きていけるなら、実家暮らしも自立した人間同士で良いんじゃない?」

これをクライミングに置き換えると、経験ある先輩と登りつつ
「いや、リードはちゃんとしてるよ。マルチは、ツルベだよ。」
「アプローチも、ちゃんと自分のロープは自分で担いでるよ。」
って感じでしょうか。
<小川山ショートストーリーをR.P.する、女性ODさん>

講習を受ける前でもガンガン自力で登る人、卒業したら行く人、卒業しても経験ある人と登りたい人。

人それぞれで、
「自立が全てではない。」
と言われたら、会話にはならないでしょうか。
<偏見かもしれないが、男性は自立心が強い気がする>

ただ、自立したクライマー同士のパーティは、たとえ実力差があっても気持ちの良いものです。
そんな関係を目指して欲しいと、私は思います。

「今すぐなれ!」
とは言いませんので、是非とも。

2018年9月10日月曜日

シンプルな感想

本日の22時より、10月の予約受付開始です。
よろしくお願いします。

9月4日(火)は、リード1回目、2回目。
女性SGさんが1コマのみ、男性YZさん、新規女性SDさん。
9月6日(木)は、リード3回目。
男性STさん、女性KDさん。
4日はSGさん、6日のKDさんから、
「リードって、色々考えながら登るんですね。いや、なんか当たり前みたいで、スミマセン。」

という、全く同じような感想が聞けました。
具体的には、ロープを足に絡ませるとどうなるかを説明して登ってもらったら、なんだか色々と気を使いながら登る必要が出てきた場面でのこと。
自然と、登りはゆっくりと落ち着いたものに近づいていきました。

この感想、まだまだ1年後、2年後にも同じ言葉が出ちゃうかもしれません。
リードって、本当に色々考えながら登るんですよ。

2018年9月8日土曜日

本日の容量オーバー

9月1日(土)は、雨予報にてロープワーク講習。
男性KTさん、男性MKさん。
本日の17時頃、ちょうどキリが良くなったところでKTさんに、
「他に、何か聞きたいことはありますか?」
と尋ねると。

「今日は、これ以上聞いても、覚えきれなさそうだから大丈夫です。」
という回答。

なるほど、良さそうな自己判断です。
教える側は、あれもこれも教えたくなるものです。

この心理については色々と思い当たる節もあり、教わる側からしても「多分、こういう心理でドンドン教えたくなるのだろう。」と予想できる部分もあるでしょう。
ファーストエイドの研修を受けても、富士山で様々な研修をしても、スキースクールを受講しても、この辺の講師心理は同じなんだろうと思います。

教えすぎないことが教えるコツ、とは私にとって耳の痛い話でしょうか。

練習の質を保つために、量をセーブする、ということの1つの手段ですかね。

2018年9月7日金曜日

10月の予約受付

こんにちは。
9月10日(月)の夜22時より、10月分の予約受付を開始いたします。

富士山明けから開始した指の治療。
10年以上、両中指の変形を放置しておりました。曲がった指がジャミングに不便になり、ようやく手術に踏み切りました。

とりあえず、左中指の手術から2週間が経過して、抜糸も完了。
日常生活に不便なほど困ったのは、最初の数日ぐらい。
術後1週間からは、リハビリ開始してます。

あとは、様々な手をやりくりして、ほとんどの講習は中止せずにやってはおります。
2回、中止をお願いしてしまった方には、大変ご迷惑をおかけしました。

一番問題なのが、自分のクライミングが全く不可能なことです。この状況だと、湯川の掃除も無理ですしねー。
とりあえず、昨日は八王子市の体育館でエアロビとヨガを合わせて300円、というコースを受講してみました。

やはり、エアロビは合わない気がしますが、あまりに出来なくて悔しいので、もう何回かは行こうと思います。60代以上の女性が、ものすごくキビキビと激しい運動をしているのが印象的。
もう数日したら、プールに切り替えてしまいそうですが。

どこかのタイミングで、右手もやる予定です。
が、今回の教訓を活かして、10日くらいは休業期間を作って手術に臨もうと思うので、年末年始とかにするかも。
先のことは、分かりません。

こんなことを書くと、ますます予約が来なさそうな気もしますが(笑)。
とりあえず、自分が登れない以外はほぼ平常運行なので、ご安心ください。

2018年9月5日水曜日

攻めた結果

8月30日(木)は、マルチピッチリード講習にて、小川山。
男性NSさん、女性IUさんのペア。
最初に、本日のクライミング結果。

<オブザベ時点>
残置無視、トポ無視ですが、この岩場周辺には来たことがある2人には、おおよその岩場概念は理解しています。
岩峰の高さは50mほどなので、3~4P程度でトップアウトできそう、という見込み。

<実際のクライミング>
1P目:NSさん。
スタート地点は話し合いで決定。ただ、途中のラインが分岐しており、迷いつつも1時間以内に完了。

2P目:IUさん。
ビレイ点そのものが複数ラインの分岐点になっており、どのラインでも選べる状態。迷った結果、少々難しそうだが、クライミング的に面白そうなピッチを選択。結果、ハングドッグしても、少々のエイド混じりで抜けようにも苦労して、エイドで敗退。
(危険な目には遭っていないが、時間的にはドハマり、という状況。)
修正2P目:NSさん。
別ラインに進むことに。とりあえず、15mほどは易しそうなクラックを登り、ピッチを切る。

3P目:NSさん。
ハング帯をかわすラインを複数検討して、エイド混じりでトラバースして切り抜けるラインを発掘。「もうすぐ岩峰の頂上近いだろうな。」という雰囲気の立木まで。
フォローも、エイド混じり。

で、この日は時間切れ。これにて、懸垂下降開始でした。
今回は、比較的難しめの岩峰を選んだので、現状の2人がオールフリーで抜けるラインを探すのは、相当なルートファインディング能力が必要だったとも思います。

なんで、「最悪、エイド混じりでも抜けようか。」となった最終ピッチの判断は、問題ないと思います。
さて、IUさんが悩んでいたのが2P目の処理。

ショートルートの長時間ハングドッグみたいになって、尚且つエイドダウン敗退。
突破すら出来なかったことを、後悔しておりました。

「こんなんだと、トップアウトは出来ない。」
「登りそのものを楽しむなら、ショートルートでやるべきことだし。(マルチは、上に抜けたいし。)」
まぁ、確かにそうですね。

3~4Pのマルチピッチとは言え、上限を「オンサイト出来そうな見た目のライン」ぐらいに設定していくと、順調に登れるとは思います。
現状、講習生がコンスタントにオンサイト出来るのは5.8~5.9(得意系なら5.10前半?)ぐらいですから、それ以上に見えるやつは、避けた方が無難かもしれません。
その一方で、私はIUさんが凄いとも思います。

ってのも、この講習だとグレード目隠しでオンサイトトライしているようなものです。
だから、私から見ていてオンサイト出来そうなものでもビビって取り付かない講習生が多数派なのです。

実際に見立て間違いで難しいラインに突っ込んじゃうこともあるので、怖がる気持ちはよく分かります。
それならそれでエイドすれば良いはずなんですが、「怖いものは怖いです。」と言う人も多いです。

もう1つの心理として
「マルチは、怖いの嫌だし。(高いというだけで、すでに怖いので、ショートルートのビビりまで一緒に抱えたくない。)」
というのもあります。
結局、何が言いたいかと。

今回は確かに失敗かもしれませんが、そのエイドダウンを恐れずに取り付ける気持ちに、私は将来性を感じます。
とはいえ
「時間かけすぎてスミマセン。」
モードで、他のピッチのリードを全てNSさんに譲るというオマケで終わりました。
そうなると、本日はIUさんは一度もリードを完遂しておらず、ちょっと残念そうではありました。

結果は残念。でも、未知へと向き合うポテンシャルは感じる。
私の見立ては、そんな感じです。
まぁ、最終ピッチをエイドで抜けたNSさんも、結構タフですよねー。
実際、このラインは既成ラインじゃないですし。
よく頑張ってくれました。