2021年10月30日土曜日

12月の予約受付

11月1日(月)の21時より、12月分の予約受付を開始いたします。

何点か、お知らせ。
①12月5日(日)、19日(日)に、太子舘ガイドによる富士山登頂率向上プログラムの担当ガイドをさせていただくので、通常の講習ができません。

②12月9日(木)〜17日(金)の期間は、休業とさせていただきます。

③今年は、試験的な意味も込めて、年末年始を講習可能日といたします。土日の講習可能日が少ないこともありますので、もしよろしければ、是非どうぞ。

④定期のムーヴLv.1は、12月2日(木)の1回のみです。ただ、いつも通り、ムーヴLv.0に入っていただいても講習可能ですので、どうぞ御参加ください。

また、例年12月でもマルチピッチ講習は可能です。
ただ、寒波が来た場合は、城ヶ崎でのクラックリード講習(orアドバンスクラック講習)に変更させていただきます。

ではでは、どうぞよろしくお願いいたします。

2021年10月27日水曜日

不動の日々O.S.、タンジェリン・クラウドR.P.

10月8日(金)は、自分のクライミングにて、瑞牆。
Hさんと。
<不動の日々>

以前から、何となく気になっていた不動の日々。

見た目は
「思ったより短い、そして丸っこくて可愛い系。」
という感じです。

岩には、すごく難しそうに見えるもの(全体が被っている、暗いor岩が黒い、ホールド・プロテクションが見えづらい、など。いわゆる威圧的。)と、易しそうに見えるもの(明るい、短い、分かりやすそう、など。)があると思っています。

その中に、個人的に感じるのは、岩が丸っこいと易しそうに見えるというのがあります。
これが結構厄介で、これまで何度も油断させられ、痛い目に遭ってきました。

なんせ、丸さは「クラックの淵がサイドホールドとして使いにくい。」という条件になるため、やると案外難しいのです。
とはいえ、トライ前の緊張感が異常には高まらず、自制して高めているような状況は、ジムの本気トライぐらいの感覚です。トイレ問題も、コントロールしやすいですし。
で、右の2ルートでアップ。
うち1本は、かなり好ラインの5.10aぐらいだと感じたので、講習生にも是非登ってもらいたいです。

そして、不動の日々を無事O.S.できました。
グレードは5.11b〜5.12aとなっていますが、これまで登った5.11台のクラックの中では相当易しく感じました。
正直、5.10dに感じます。
(ちなみに、5.10dのワイドは私にとっては十分難しいのですが、5.11の全力感は無かったという体感。)

ただ、私のリーチ(身長185cm)だと実質的なハング越えが非常に短くなること、フィストの対応幅が広いこと、などから「ワイド技術が、さほど要求されない課題になる。」というのはあります。
<チョーク跡が結構あり、それなりの人気があると伺われる>

その後、何年も前に宿題にしていたタンジェリン・クラウド(5.12b、ボルト)を、1トライ目でハングドッグしてムーヴ解決。
薄暗い中、最終便でR.P.できました。
(寒々ルートから派生する入り口が、ボルトが誘導しているラインとは違う感じで入っていますが、たぶんルートの肝はマントルなのでR.P.として良いかなと。)

これは、マントルが難しいという意味では、珍しいスポートルートなので、ちょっとオススメです。
ボルトは8mmなので、自己責任ですが。

2021年10月25日月曜日

復習受講+ムーヴ講習の継続受講

10月2日(土)は、クラックリード講習にて、男性TGさん。
10月3日(日)は、岩場リード講習にて、男性KBさん、男性MBさん、男性NNさん、復習参加の女性WNさん。
10月5日(火)は、ムーヴLv.0にて、女性IGさん、男性TRさん。
10月6日(水)は、1コマ目がムーヴLv.0にて、女性AKさん。2コマ目もムーヴLv.0にて、女性NJさん。
10月7日(木)は、ムーヴLv.1にて、男性MBさん、女性WNさん、男性SBさん、女性FZさん。

スラブが苦手で、避け続けてきたWNさん。
昨年も、「ちょっと小川山での岩場リードに復習参加しようと思って。」と言って、1回参加しました。
今年こそは本腰を入れてと、3回参加しました。
そして、5.8のちょっとランナウト系ルートでも、ランナウト区間でクライムダウンを考慮しつつ登れるだけの技術が身についてきました。
(ランナウト系のルートとは言え、さすがに核心はボルトが打ってあることが多いため、そこは覚悟を決めてムーヴを起こす必要がありますが。)

また、昨年から肘の故障に悩まされ続けていたため、ムーヴ講習も月1〜2回の頻度で継続しています。
これによって、フォーム改善だけでなく、少しずつムーヴの安定感も増して来ました。
岩場において、ムーヴの安定感は精神的にも大きな余裕につながります。
これが、スラブに活きた部分もあるでしょう。

復習参加には終わりはなく、卒業のような一旦の区切りすらもありません。
ムーヴ講習も、やはり終わりはなく、10回セットのようなコース設定もしていないため、いつでも中断できます。
その状況でも学び続けるのは、何が原動力なのでしょうか?
やっぱり、事故ったり、故障したりと、痛い目に遭わないと、なかなか続かないものでしょうか。

ただ、私個人としては、卒業後も通い続けて欲しいと思っています。
最近は、初期の頃の卒業生にも戻ってきて欲しいとも強く感じています。
そして、なって欲しいクライマー像があります。

①話の分かる
リスク管理、スタイル、クライミング初級者あるある話、岩場での出来事、登山との関連性、など

②クライミングの各ジャンルをまともに登れる
ジム、ボルト、クラック(ワイド含む)、スラブ、マルチは最低限。
山寄りの人なら、残置無視・トポ無視での本チャンや沢登りも。
クライミング寄りの人なら、ボルダーも。
もちろん、O.S.トライを楽しめるような厳しめの安全管理に則った上で、R.P.も楽しんでいただきたく。

グレードは、各ジャンル5.9をコンスタントにO.S.することを目指しても、何か1つのジャンルだけに絞って5.12aをR.P.するよりも、はるかに学ぶべきことは多いはずです。
ただ、これを目指していたら、気付いたら得意分野では5.11aのO.S.、5.11cのR.P.を達成していた、というケースも十分起こると思います。

そこまで行ったら、さらにその先を知りたくなると思います。

2021年10月20日水曜日

良いトライは、フィジカル向上にも繋がる

9月22日(水)は、ムーヴLv.0にて、女性KKさん、女性AMさん。
9月23日(木、祝)は、岩場リード講習にて、女性YZさん、女性NMさん、男性MBさん、女性HNさん。
9月24日(金)は、リード1回目にて、男性YMさん、男性KTさん。
9月26日(日)は、マルチピッチリード講習にて、女性Mさん、男性KBさん。
9月27日(月)は、アドバンスクラック講習にて、女性HSさん。この日は、予期せぬプレゼントをO.S.していただく、という成果があって私も嬉しかったです。
9月28日(火)は、ムーヴLv.0にて、女性KKさん、女性AMさん、男性YKさん。
9月29日(水)は、岩場リード講習にて、男性SHさん、男性AHさん、男性KYさん。
9月30日(木)は、1コマ目がムーヴLv.0にて、女性NJさん。2コマ目もムーヴLv.0で、男性TNさん、女性HZさん。

リード中、安全に関わる判断とは別に、トライとしての判断があります。
「判断が良ければ、トライが成功する確率が上がる」というタイプのもので、勝負の駆け引きとも言えるでしょう。
これが、「トレーニングという意味でも大事なんじゃないか?特にジムで。」という話。

悪い例①
次のホールドまで行ってからクリップでも十分に安全なのに、落ちるのが怖くてモジモジしてしまい、結局手を出せずにテンションした。
 →形式上は本気トライしているが、本気トライとしてあるべき負荷が身体に掛かっていない。落ちるのが苦手な人に多い。

悪い例②
本来は、レストして粘って、正解ムーヴを探るべき場面で、安易に一手出してフォールした。
 →安全上の判断として問題なく、トライの判断としてミスだった場面。これはこれで、あまりにも短時間にトライが終わってしまい、身体に負荷が掛かっていない。落ちる恐怖が小さく、粘るのが嫌いな人に多い。

本人にとって、ボルダーの最高グレード付近を、高強度とします。
リードで、O.S.〜数日で登れる範囲のルートの核心強度は、中強度とします。

①は、省エネ登りだけで高度を上げ、中強度のムーヴに突入する前にテンションすることになります。(本人は、ムーヴを起こせないぐらい腕がパンプしてきたので、トレーニングした感はある。)
②は、特攻隊長のように迷わず登り、間違ったムーヴで呆気なくフォールします。(トライ自体は、ボルダーのような短時間で終わる。)

どちらの場合も、その後のハングドッグがトレーニングになる部分もありますが、休み休み中強度をやっているに過ぎず、効率の悪いジムボルダーをやっている感が否めません。

ちなみに、どんなに注意してもルートと自分の力関係によって、①や②になってしまうことはあると思います。
しかし、自分なりに良いトライができた後は、数時間まともなトライができないほど筋肉痛になります。(その日の本気トライ1本目だとしてもそうなので、上質な本気トライ1本が、一番のトレーニングかと思う場合もある。)

補助的トレーニングやサーキットトレーニングを否定する気もありません。
しかし、
「そもそも、自分は良いトライができているのか?」
という自問自答は、細々とでも末長く上達し続けるポイントだと思います。
良いトライは、メンタルや技術も向上させますしね。

2021年10月15日金曜日

お知らせ

11月7日(日)が空きました。
一応、お知らせしておきます。

2021年10月13日水曜日

ニューモンタージュ

9月21日(火)は、自分のクライミングにて、瑞牆。
S本先生と、大面岩のニューモンタージュ(最高ピッチグレード5.11d、実質6P)。
<3P目のS本先生>

以前から興味があった、ニューモンタージュ。
S本先生も行ったことが無いと言うので、じゃぁ行きましょう。

2ピッチまではルンゼ登り。所々に、5.8っぽいムーヴが出てきますが、基本的には本チャンっぽい登り。泥や水流で、クライミングシューズが汚れるのを最小限に抑えつつ。
しかし、早速ラインがよく分からず(トポをコピーするのを忘れたため、駐車場で大体覚えて出発。)、「ニューモンタージュじゃなくてもトップアウトすれば何でも良いかな。」という気分になって来ます。

が、S本師匠に「あっちでしょ。」と指導を受けつつ、2ピッチ目を終えて、大体ライン上と思しきところに。

続く3P目(5.10a)は、プロテクションの難しいクラックらしいのですが、S本先生がルーファイに苦労しつつO.S.。
そして、終了点で4P目の核心(ボルトの5.11d)を見上げます。
うーん、暑いです。
そして、ここまでの本チャンっぽいルートで、なんだか気分がスポートの本気トライ向けに上がって来ません。
というか、今のピッチのフォローで汗かいてしまい、シューズの中も湿っています。

さらに、オブザベがほとんど出来ないルート構成、スラブセクションが難しそうなのに暑さでシューズ内が汗ばむ悪循環、シングルロープで行けるか怪しいロープの流れと、嫌なイメージがバンバン湧いてきます。

さらに、ビレイ点の足場も2人でいるには狭く、暑さも相まって、悠然と大休憩がてらオブザベするのも現実的では無さそうです。

感覚的には、普通のマルチのビレイ点作業+5〜10分程度のオブザベ&休憩でトライ開始して欲しい、って雰囲気を感じます。

いつも元気なS本先生にリードを譲ってみたものの、「良いよ、ジャンケンでも。」と言われて、なんと私が勝ってしまいます。行かなきゃ後悔するしね、と思い直してトライです。
<4P目(5.11d)の出だし>

しかし、O.S.トライは、ボルト1本目にて撃沈。
核心(4P目の5.11d)の前半部分は、スラブの5.11aとされており、全然ダメ。

早くもS本先生に交代し、そこは即座にムーヴ解決。
後半のカンテのハング越えで行き詰まり、またリード交代。

で、ヌンチャクを残した状態で、私がどうにかR.P.。
カンテとヒールフックを組み合わせたジムっぽいムーヴで、パワフルさから行きつ戻りつはできない一発勝負。マントルを越えた時の達成感は、相当でした。
<ほとんどノーハンドスラブのイメージ>

今回は、どちらかがR.P.するまで次のピッチに進まないチームフリーのスタイルで登っていたので、これで次へと希望を繋ぎます。

そして、5ピッチ目のS本先生が5.11aのスラブを見事にO.S.。
フォローでも、私は何度となく吠えまくる、超スリリングなピッチでした。
<5P目(スラブの5.11a)>



<青ロープはバックロープなので、絡んでいる訳ではありません。>

「いやー、これで完登が見えてきたね。」と語るS本先生ですが、最終の5.10cで私が大苦戦。もう真っ暗なんですよ(笑)。
とはいえ、S本先生オススメで購入したアクティックコア(明るいヘッデン)の威力で、どうにかO.S.。
S本先生、やはりサクサクとフォローしてきます。体力か、ヘッデン慣れか、岩場経験の差か。

そして、下降路はS本先生が行ったことがあるので、それに付き従い、無事に下山。
3連登なのに元気なS本先生、ヘロヘロの私という構図に自嘲しつつ、夜21時過ぎに下山となりました。

なんだか色々と反省の残る1日でした。
とは言え、結果的にはちょうど良い難しさのルートに対して、まずまずのスタイル設定で登れたので、良かったです。
ありがとうございました。

具体的な反省
①本格的なマルチに行くなら、もうちょっと早めに打診すべきだった。(今回、私が打診したのが前日だった。)
②トポのコピーを忘れた。
③シューズ選択をミスした。
普段は、スポートなどはUS9.5、長時間履くことが予想されるクラックやマルチはUS10.0を選択している。クラックの本気トライなどは、どちらを使うか直前で判断。
今回はワイルドなルート構成を予想して10.0で行ったが、スラブの5.11aが出てくることを考えれば少々痛くても9.5にすべきだった。

④時期は、まだ暑かった。とはいえ、10月で風が吹いたら手がかじかむ可能性も高いので、ベストコンディションを狙うのも結構難しそう。

1P目、2P目(石田、O.S.):
沢登りと本チャンの中間ぐらいの雰囲気。ときどき、5.8ぐらいのムーヴが出てくるが、それ以上に細い木を掴んで登る場面とかの方が怖い。

3P目(S本、O.S.):
プロテクションの難しい5.10aのクラック

4P目(石田→S本→石田にて、R.P.):
フェースの5.11d。ダブルロープで無いと流れが悪い。核心を越えてからの5.9ぐらいのスラブがリングボルトなので99%落ちないムーヴを探ることになり、めちゃくちゃ時間が掛かった。

5P目(S本、O.S.):
スラブの5.11a。ビレイヤーから姿が見えにくいが、フォローしてみて難しさにビックリ。

6P目(石田、O.S.):
NP &ボルトの5.10c。完全に真っ暗で、かなり苦戦。

そこから、大面岩の頂上を経て、下降。

2021年10月11日月曜日

湯川の再開拓講習、進行中

9月13日(月)は、湯川の再開拓講習にて、女性ISさん、女性Mさん。
9月14日(火)は、ムーヴLv.0にて、女性IGさん、女性MDさん。
9月15日(水)は、ムーヴLv.0にて、女性NJさん。
9月16日(木)は、女性SHさん。
9月17日(金)は、雨天にてロープワーク講習で、女性MDさん、男性KYさん。
9月18日(土)は、雨天にてムーヴ講習で、男性TGさん、男性SKさん、男性KBさん。
9月20日(月、祝)は、岩場リード講習にて、女性YZさん、女性NMさん、女性GTさん、復習参加の女性WNさん。

湯川に、8×4、粒拡散という2つのルートがあり、ほぼ完全に自然に還っておりました。
話の流れで、こちらの再開拓を講習としてオススメしたところ、快諾される方がおり、現在進行中です。(1日では到底終わらない作業なので、講習以外でも講習生が作業に行ったりして、継続中。)
ちょうど、2本横並びのルートなので、講習にはピッタリ!

クラックの開拓(大部分は掃除作業)は、講習生にやってもらいたいと思っておりました。
理由は、いくつかあります。

技術
①フィックスロープの張り方、それに伴う作業を通じて、ノウハウだけでなく、安全管理の考え方を講習できる。
(城ヶ崎の懸垂エリアに行くにも役立ちます。)

②プロテクション、大雑把な形状など、岩をオブザベする力が養われる。

心構え
①岩場の成り立ちや、開拓者心理を想像する力が上がる。

②ボルトを打つかどうか、合理的なライン取り、などを真剣に考える。

総合的に、クライマーとして成長するチャンスと思っております。

O.S.トライ、心折られそうになるR.P.、アプローチでの四苦八苦、残置支点のほとんど無い岩場など、全部同じで、色々と考えさせらる機会は無数にあります。
自分のパーティに限らず、事故に遭遇する機会だってあります。

最近思うのは、伝えたいことは1つでも、アプローチ方法は色々変えた方が面白いです。
人によって興味対象も違いますし、興味が燃え盛るタイミングもあります。
そして、私にも刺激があります。

そういう意味では、岩場でのボルダリング体験、ワイドクラックの講習、アプローチの難しいエリアでの講習、マルチピッチリード講習も、全て似たような位置付けです。
もっと言えば、岩場リード講習やクラックリード講習、さらにはジムでの講習でも、そのベースとなる考え方はお伝えしたいと思っています。

ご興味のある方は、是非とも御連絡くださいませ。
再開拓の講習は、クラックリード講習の卒業を最低参加条件として考えております。
世間一般から見れば、危険作業をやっていただくので、このぐらいは仕方ないかなと。

岩場でのボルダリング体験は、最低参加条件は今のところ無しです。
実際、かなり危ないんですけど、明文化した参加条件というのが難しいジャンルかなと思っています。

2021年10月7日木曜日

9月1日(水)は、ムーヴLv.0にて、女性NJさん。
9月2日(木)は、ムーヴLv.0にて、新規男性TUさん、新規女性WNさん。
9月3日(金)は、岩場リードが雨中止にてムーヴLv.1で、男性TGさん。
9月4日(土)は、ロープワーク講習で、女性Mさん、男性HGさん。
9月5日(日)は、岩場リードが雨中止にてムーヴLv.1で、男性KBさん。
9月7日(火)は、ムーヴLv.0にて、女性IGさん、男性YMさん、男性FYさん、女性MOさん。
9月8日(水)は、ムーヴLv.1にて、女性NMさん。
9月9日(木)は、1コマ目がムーヴLv.0にて、女性NJさん、2コマ目がリード2回目にて、男性NHさん、女性SHさん、男性YMさん。
9月10日(金)は、ボルダリング体験(岩場)にて、男性MKさん。
9月11日(土)は、マルチピッチリード講習にて、NSさん夫妻。
9月12日(日)は、アドバンスクラック講習にて、女性ISさん。

ロープワークでグリグリのビレイや登り返しをやったり、ボルダリング体験の2回目を開催してクライミングの幅を広げていただいたり、マルチピッチ講習で色々と考えさせられる2人を見たり。
なんだか、ムーヴ以外のクライミング要素と触れ合うことが多い講習の日々。

しかし、今回は久々にムーヴネタ。

下図で、A,Bのホールドはガバで、Zは悪いホールドだとします。
つまり、左の図はZを取る前、右の図はZを取った後。
経験上、Zを取る前の方が、足位置の変更は容易です。
もっと言えば、Bはさほどガバでなくても、身体の回転を軽く止めてくれれば、足の移動に不自由ないことが多いです。
(それについての突っ込んだ理由説明は、長くなるので割愛)

一方、Zを取った後は、足位置の変更は少し厳しくなります。
(もちろん、両手ともに悪いホールドの場面に比べればマシなんですが。)

そこで、単純に思いつく作戦。
Zを取る前に、Zを取ったら置きたくなるであろう足位置にしておくと、省エネになるのではないか?
(あるいは、Zが極端に悪いホールドだった場合に、突破できる可能性が上がるのではないか?)

具体的には
・Zを取るのはダイアゴナルが自然だとしても、次の一手のために踏み替えが嫌らしいと予感されるのであれば、あらかじめ逆足でZを取りに行く。
・Zを取る前に、傾斜を殺せるようなガバ足などがあるなら、あらかじめヒールフックなどをかけておく。
などなど。

地上で考えると難しくない話ですが、ボンヤリとZを取っちゃって、困っている人をよく見かけます。
5.10前半のO.S.トライがちょうど良い人なら分かりますが、5.11後半のO.S.トライをしている人ですら、この失敗は日常茶飯事に見えます。

①この発想が無い
②夢中で登っているので、とりあえず手を出した
③次のホールドもガバっぽいだろうと(何故か)期待している
(自分がO.S.失敗することはあるぐらいのグレードでは、そんなにガバが続くことは有り得ないと皆知っているはずですが・・・)

どれが正解でしょうか?
こういう、ちょっとした作戦の積み重ねが少ないトライ数での完登を近づけると思います。