再びレスト日を挟み、クライミング3日目は甲府幕岩。
この日は、幻の右(ボルトルート、5.12c)をトライしたのですが、4トライして1箇所のクリップムーヴが解決せず、持ち越しになりました。
マスターでトライして、ヌンチャクだけは掛けられます。
「その体勢のバランスが悪いので、手繰り落ちのリスクが高過ぎるだけ。」という展開です。
そのため、3トライ目からはA0クリップして、トップアウトだけはしています。
ムーヴに関しては、再現性に難はありますが、一応は突破しました。
続きは、秋ですかね。
久々に、足首フォールや足元フォールを20回とかいうレベルで行い、これはこれで良い練習だなと思いました。
ジムリードだと、ハングドッグしても膝下程度までのフォールがほとんどですからねー。
私の場合、岩場でもオンサイト〜数トライの範囲での課題を好むので、ロングフォール経験は少なくなりがちです。
昔お世話になった塚越さんの5.11dの「スラブとフェースの中間ぐらいの傾斜」の課題を2撃になってしまい、なんとも力不足を感じます。
<無事にR.P.する桂くん>
ちなみに、「スラフェース」という概念がもっと一般的になったら便利が気がするんですが、どうなんですかね?
●70〜80度くらいで、「ノーハンド立ち込み」、「ノーハンドトラバース」に類する動きは、ほとんど無い。
理由:よほど条件の良いスタンスでない限り、後方に倒れてしまうから。
●垂壁同様に、ハンドホールドが必要。
ただ、後方への回転力が非常に小さいため、かなり特殊なムーヴが可能であったり、極小のハンドホールドに耐えられたりする。
60度以下とかでノーハンドに近い動きが連発する「The スラブ」(どスラブ)みたいなのと、「スラフェース」を分けて考えた方が、だいぶムーヴを理解しやすい気がします。
問題点としては、これだと岩場の高難度スラブの大部分が、「スラフェース」に分類されてしまいそうなことです。
ただ、私がよくやるぐらいの5.10〜5.11、8級〜3級ぐらいの範疇だと、両方が同じぐらいの比率で存在する気もします。
少なくとも、講習時はこの2つを明確に分けて説明した方が、講習生のスラブへの対応が良くなるように思っています。
実際、講習生にとって問題となるのは、5.9以下の「どスラブ」であったり、5.10前半のスラフェースであったりするので、
●ムーヴ中の意識も持ち方
●極端に苦手な場合の、基礎練習を行う考え方
も全く別になると思われます。
まぁ、ルートの途中で傾斜が変わったりして、両方の要素が出てくる場合もあるのは、当然あるという話です。
<「雨上がりは、意外と状態が良い」というマイブームを語る桂先生>
<フォックストンネル(5.10b)>
<ニャンドリー(5.11b)をトライする狂祖さま>
<よたきつね(5.11d)のオンサイトに失敗どころか、ここで何度もテンションする私>
<ニャンドリー、桂くん>
最終日に具体的に登ったルート
・クジラ岩周辺のボルダーで、色々とアップ。
ちなみに、スラブの4級が登れず・・・。
後日、再トライするも、未だに宿題。
現在、最も気になる宿題の1つ。
・フォックストンネル(5.10b、チムニー〜ボルトフェース) O.S.
チムニーのセクションまでは、NPとランナウトで登り、最終2本だけをボルト使用するというスタイルで登ってみました。
クラック好きには、こちらの方が自然だと思います。
・よたきつね(5.11d、スラブ〜フェース) R.P.(2トライ)
リボルトはまだ不完全で、核心部のボルトは錆びていました。
下から見える範囲がリボルト済みに見えたのですが、トライ開始してガッカリ、というパターンです。
これは初登者の責任ではないし、数本だけでもリボルトしてくれた方にも感謝しかありません。
ただ、現在の状況としては、よくあるトラップになっていました。
実際の判断:
1本下のボルトが近いため、ヘルメットなどの対策をしてトライする分には、核心部の最悪のボルト抜けでも大事故リスクはほとんど無いかなという判断でトライ続行しました。例によって、カムの固め取りと同じ理屈です。
ボルトが近いのは、小川山・瑞牆のような岩場だと「ちょっと緩いんじゃないのー。」という気持ちも湧く一方、こういう風にボルトに不安があるときは大いに助かります。
あと、ジム並みにボルト間隔で、恐怖感少なくガンガン落ちるトライを岩場でやるのも、ときには一興という気もします。
与えられた課題が求めるリスク管理要素に対して、なるべくポジティブな気持ちでトライするって感じでしょうかね。
参考:
ラインとしては、隣のニャンドリーに逃げられる(バイパスできてしまう)場所が何箇所もあるため、ボルトでラインを誘導しているルート。
ここが、唯一の残念ポイント。
とは言え、ムーヴは面白いので、タイミングあれば是非。