2014年5月20日火曜日

クライミングも生涯学習

5月17日(土)は、湯川にてクラックリード講習。
女性SGさん、男性FKさん。
加えて補習組で、女性ARさん、男性NMさん。
<岩役、ジャミング役に分かれての練習>

講習のシステム上、
「そろそろ、自分で行ってみても良いと思いますよ。」

という段階で、
「卒業」

と言い渡します。
<ボルダー練習>

ただ、卒業しても、数回は補習に来る人が多いです。

卒業しても、習うことが無くなる訳ではないから。
<カムセット練習>

もうちょっと、私の感覚を言えば、

①卒業以前(でも、岩場に行く人)
ホントは、まだ何が危ないかを理解に抜けがあるんだけどなぁ。
ミスしても、危なかったことに気づかなかったりするんだろうなぁ。
事故らないことを祈りますよ。

②卒業後
何が危ないかは、だいたい分かったはず。
危なっかしい失敗をするのは、残念ながら止むを得ない。ただ、自分で反省できるハズというのが違い。
<5.9でも侮れない>

なんで、卒業後すぐに、あと1~数回程度の補習に来る人は多いのです。

そこで、ある程度の自信を付けてから、岩場に行こうという安全意識の高さです。
<気合のトライを繰り返す、ARさん>

ただ、今回のNMさんは、卒業後すでに1年以上も自力で登っています。

ちなみに、GWには小川山で10便出して、“ジャックと豆の木(5.10b/c)”をR.P.してきたというくらい経験も積んでいます。
<バック&フット>

それでも、久々に講習を受けて、

・安全面
・ジャミング

などを、レベルアップさせたいという考えです。
<フォーサイトのオンサイトトライ>

彼のように・・・

マルチピッチリードまで一通り卒業してから、月1回や2ヶ月1回でも、何かを受講して行くスタイル。

生涯学習みたいですね。
<おー、行けそう!>

でも、本来これが一番効果的なんだろうな、と思っています。

・リード講習卒業までは、まとめて受講。
・レベルアップのための補習は、ときどき。

自立してからも、講習することは山ほどありますね。
<オンサイトグレード更新!>

具体的な講習内容
・ハンドジャムのコツいろいろ
・引き付けは、体全体で
・ムーヴのアドバイスを個別に
・カムセット練習(地上にて)
・凹角のムーヴ(ステミング、バック&フット、ジャミング真っ向勝負、レイバック)
・擬似リード(SGさん)
<SGさんも、オンサイトトライが卒業課題!>

・実践本気トライ
SGさん:
台湾坊主(5.9)
→擬似リード後に、R.P.

フォーサイト(5.10a/b)
→オンサイトトライで、1テン

ARさん:
デゲンナー(5.8)
→3便出して、R.P.までは行かず。ただ、色々な反省点は見つかった。

NMさん:
フォーサイト(5.10a/b)
→オンサイト!

2014年5月16日金曜日

読図嫌いを克服する第1歩

5月16日(金)は、高水三山にて読図講習。

先週マルチピッチリードを受けた、女性TZさん。
1年ぶりの女性ODさん。
<ドタ参加したODさんも、相変わらず元気>

地図が、大の苦手だったTZさん。

1年半前に聞いたときは・・・

「自分より上手い人に連れられて行くと、休憩時間も飲み食いすることに専念して、地図は一切開かない。」

そして、
「地図が読めないので、自分より上手い人としか行かない。」

という徹底ぶり。
<近いレベルで、最高の相談相手>

それが、ひょんなことから山岳会で雪山、マルチピッチと連れられ。

またまた、何故か
「アルパインを、リードしたい!」

とまで思ってしまった、という。

※そのときは、その大変さがよく分かっていなかったんだと思いますが。

もう、3年前の話です。
そして、3年経って、最近は岩場にも講習生仲間と行ったり。

地道に地道に、クライミングの方は判断力が付いて来ました。
<クライマーではなく、ハイカーの気分で>

と言いながらも、地図は地図。

これまでの講習でも、アプローチを先に歩いてもらったら、激しく道迷いで半日近く歩くということもありました。
で、本日は初の読図講習。

夏山登山道も、ガイドブックなどで情報収集をしていかないと不安というレベルから。
いつも開催している読図講習の、前段階。

いや、自力で山に行くようになっただけで、本当にスゴイ進歩だと思うんですよ!
<山頂では、「あの山は何?」という練習>

今回の基礎固めでは、

・尾根と沢、コル、地図記号、といった知識
・地図の携行方法
・等高線の数え方
・コンパスの使い方

など、じっくりと時間を掛けて。
TZさん。
もう1回、読図講習に予約が入っております。

次回は、いよいよ川乗山でのプチバリエーションで、実践編です!
<車道でも、最後まで練習>

それが、5月28日(水)。
ちなみに、現在1名です。

普段、夏山登山道を登山地図レベルを読んでいる人が、2万5千分の1の地形図を読むための講習です。

2名以上の方が、講習も効率的です。
興味がある方は、是非!

継続受講する方には、こちらも腰を据えて

5月15日(木)は、ベースキャンプにてジム講習。
クラックリード講習が、天気予報が微妙につき。

男性Sさん、男性YUさん。
今回の講習は、6時間でトレーニング的に。
習得に、時間が掛かるシリーズ。

・ムーヴ講習
1回指摘されても、なかなか自力では癖が治らないモノです。

・ロープの畳み方
洗練を目指すと、1時間×10回くらい講習しても良いぐらいです。

・ジャミング
本当にバチ効きに感じるまでには、何回も掛かる人がほとんどです。
これは、もはや

「そういうモノなんです。教え方の工夫とか、覚えの善し悪しだけじゃなく、1回で分かる方がミラクルなんですって。」

と、思うようになって来ました。

それはきっと、考えた時間&試行錯誤した回数、に比例して習得するモノです。

1回で分かるモノって、たぶんチョットした工夫です。
10回くらい掛けて、習得するものが、本当に大事なモノなんだと思います。

「各項目ごとに、10回通って下さい」
なんて言いません(笑)。

でも、継続的に受けてくれる方にこそ“伝えられるモノ”、というのを感じています。
こちらも、腰を据えて構えられる気がします。

技だけじゃなくて、考え方、練習方法、みたいな概念が含まれるから、時間が掛かるのでしょう。


具体的な講習内容
<ムーヴ>
・ネコ足(足指を馴染ませる)
・指の脱力(掌を皮を馴染ませる)
・どちら手が主体のバランスかを、ハッキリさせる(中途半端は、良くないことが多い)
・体幹を入れやすい姿勢

<ロープワーク>
・ロープの畳み方
・懸垂下降の仮固定

<クラック>
・手、足に対して、決まっているか確認動作を行うこと

2014年5月15日木曜日

安全管理の能力は、グレードにも結びつく

10月14日(水)は、リード講習2回目、3回目。

先日、岩場リード講習に来て、ジムリードから再出発することにした女性HSさん。
以前、ジムリードを2回目まで来ていて、すっかり間が空いていた男性NMさん。
最近、よく思うのですが。

「安全管理の能力は、その人の将来的なグレードの伸びにも影響大」

ということ。

スポーツクライミングは、分かり易い。

ボルダリング:
落ちるのが下手 → 高いところで一手が出ない → 全力が尽くせない機会が多い → 成長が遅くなる

ルート:
ビレイが緩い、落ちるのが下手 → 落ちる前にテンションコールするのが癖になる → 全力を尽くせない → 成長が遅い

クラック:
カムセットに自信が持てない → ついついトップロープに流れてしまう → リードに必要なカムセットや戦略が身につかない

と、ここまでは当たり前。
でも、これって本当に危ないクライミング、
すなわちマルチピッチやアルパインでも、同じなんじゃないかと。


マルチピッチ:
敗退シナリオが立たないまま突っ込むorロープワークの稚拙さが目立つ
 
→ 本人の事故、ヒヤリハット、友人の事故を通して、段々と恐さが身にしみる

→ 「こんな危ないクライミングより、スポーツっぽいクライミングの方が自分に合っているかも」と感じてくる

→ フリークライマーに転向
ちょっと危ないからこそ、マルチやアルパインは、スリリングです(笑)。

でも、普通の神経の人は、一定のリスクレベルより高いと、楽しくなくなるような気がしています。

将来的に、アルパインを目指す人こそ、基礎的な安全管理はレベルを上げていきましょう。

2014年5月12日月曜日

敗退シナリオ

5月10日(土)、11日(日)は、越沢バットレスにてマルチピッチリード講習。

冬にクラックリード講習を卒業して、最近登りこんでいる女性MJさん。
女性TZさん。
<MJさんは、越沢はオンサイト>

マルチピッチリード講習では、壁を初登者の気分で登っていただきます。

具体的には、残置無視、トポ無視で、
「あなたなら、どこを登りますか?」

といったスタイルで、壁をオブザベーション。
<初日の午前中、セカンドのビレイなどを簡単に確認>

で、オブザベーションすると、

「あそこ、登れんのかなぁ?」
といった疑問を感じることが多いのです。
<頼もしくなってきた、TZさん>

そこで、次に考えるのが、
「あそこで、行き詰まったら、どうやって敗退するか?」

立木が近くにあれば、懸垂下降で敗退できるでしょう。

それが無理なら、クライムダウン敗退?
最悪は、カム残置?
<ビレイ点での作業中>

つまり、登り始めるときには、敗退シナリオまで立っていると。

こうすれば、未知の岩壁に挑むのも、恐怖半減。
<オブザベーション中>

リードする本人は、もちろんです。

ビレイヤーも、監督している私も、だいぶ安心感を持って見ていられます。
<MJさん、緊張のオンサイトトライ>

マルチピッチ初心者の講習生は、当然ながらルートファインディングも失敗率も高い(笑)。

でも、敗退シナリオが立っているのなら、
「まー、行き詰まってから、帰って来てもらえば良いか。」

と、素知らぬ顔で見ています。
<新人クラック、とでも呼ぶべきピッチ>

むしろ、私が口出しするのは、

2人が話し合っている敗退シナリオが、
「そりゃ、無理シナリオでしょ!」

って思ったとき。
<不慣れ感ただようMJさん>

他にも、ロープワークや、ちょっとしたマルチピッチの所作も教えます。

でも、本当に大事なのは、オブザベーションだと考えています。
<2日間で、最も厳しかったピッチをフォローするMJさん>

3回トライして、2回敗退でも良いんです。

それでも、自力でマルチピッチに挑戦できる判断力を付けること。

それが、この講習の目的だと、最近は思っています。
<2日目のトップアウト>

具体的な講習
・ギアの扱い、セカンドのビレイ、コールなしの確認

・1日1本だけ、壁をトップアウト
(TZさん主体のリード)

・易しいピッチを、MJさんがオンサイトリード練習
<無事に登れたことを、心から感謝>

ただ、今回は危なっかしい場面も、何度かありました。
やっぱり、マルチピッチリード講習は、私にとって最も心臓に悪い講習ですね!

その分だけ、この講習のビフォーアフターは、意識改革となって現れると信じています。

2014年5月11日日曜日

入門バリエーションを登るのだって、3年通って欲しいぐらい

5月9日(金)は、ムーヴLv.0。
新規の男性SGさん。
SGさん、もともと山歩きを10年以上やっており、穂高の岩稜バリエーションに興味を持ったそうです。

「槍穂縦走が終わったら、いよいよバリエーション!」
という気持ちを、打ち砕くことを申します(笑)。

本当に、まともな判断力を身に付けてバリエーションを登るには、クライミングを3年ぐらいやる必要があります。
しかも、週1回ジムに行って、月2回ぐらい岩場に通うぐらいで!

※危なっかしい山の計画だなぁ、と感じても相談されない限りは、
「止めといた方が・・・」
とは言いませんが(笑)。
当塾で言えば、マルチピッチリード講習を終えたぐらいで、ようやく

「危険箇所の判断、イロハ」
が分かって来ると思っています。

でも、そのためには、まず、フリークライミングを毎週楽しむ必要があります。
そして、クラックリードで、クライミング中のリスク判断を学び、それからマルチピッチゲレンデに向かう。

ただ、これだけチャンと基礎固めして初級バリエーションに挑む人って、実は少数派だと思います。

だけど、絶対そうした方が良いと思っています。

それだけ基礎固めしておけば、
・沢登り
・本チャン
・アイスクライミング

なんだって出来る土台になります!


SGさんの場合
・フリークライミングも好きになれそうなこと
・「今年中に!」といった焦りは無いこと
・ちょっと危なっかしい先輩が、いまのところ居ないこと

といったことで、正直教えやすいです(笑)。
当塾システムに馴染んでもらえたら良いなぁ、と思っています。



具体的な講習内容
・ダブルチェック
・カラビナの持ち方
・トップロープのビレイ
・1手1手レストしながら登る練習
・ネコ足
・肩の脱力
・指の脱力
・姿勢
・手順用語とオブザベーション

2014年5月10日土曜日

ゆっくりめに岩場リード講習

5月8日(木)は、天王岩にて岩場リード講習。

前日の2コマ目と同じ、男性IKさん、女性HMさん(補習)の2名。
最近は、岩場リード講習をゆっくりめに行っています。

今までは、2日間を基本で、補習オススメとしていました。

が、やはり
「あまりにも、忘れてしまう人が多い。」

という反省の元、4日間くらいを基本にしています。
それに伴い、1日のメニューは以下。

①ウォームアップがてら、その岩場で重要になるムーヴ講習
(3時間程度)

②リードに必要なシステム練習
(3時間程度)

・墜落距離の計算
・ボルトの種類
・ヌンチャクの向き
・終了点作業のロープワーク
・流動、固定、独立分散の仕組み
・捨て縄の使い方
などを、2つ程度選んで

③実践本気トライ
(2時間程度)
これを、何日も受けていただいて、
「システム、本気トライ、どっちも基本は分かったでしょう!」

で、卒業というシステムにしました。
結局、マルチピッチを卒業したような方々も、4日間ぐらいは普通に受けてますからね。

ここで日数が掛かっても、あまり気にしなくて良いと思います。
基礎レベルが高いと、後から伸びると信じて行きましょう。