2023年8月16日水曜日

リラックスした学びの姿勢

4日間を休業にしましたが、見事に台風で、レスト生活になりました。
久々に、ダラダラと書いてみましょう。

講習生を見ていても、学ぶ速度は人それぞれです。
習得率が高そうな人から、普通の人。

こう言われると、「習得率が高い優等生になりたい!」と思うのが、人情だと思います。
しかし、それは万人にオススメできる道のりではないと感じています。
<マルチピッチリード講習、小川山>

自分の成長が遅くて悩む人は多いです。
努力の割に、練習量の割には伸びない、という非常に一般的な悩みです。

これに、加齢による限界、何らかの才能の無さを突きつけられたりすると、さらに気持ちは落ち込むのが普通です。
さて、ここで興味深い考え方をする講習生がちょくちょくおります。

「自分は馬鹿だから、同じ説明を聞いてもなかなか理解できないんです。でも、いつか分かるから、気長に教えてください。」
「自分は不器用だから、ムーヴにしてもロープワークにしても、パパッと要領良くはできないんです。でも、ちょっとずつは成長しているから、自己満足できるし良いんです。」
「できないから講習に来ているんで、できていたら講習には来ません。」

といった具合です。

ポイントとしては、自分の成長速度の遅さを100%受け入れつつも、投げやりになっていないことです。

楽になると言っても、以下では教えられません。
「どうせ自分はダメだから、石田さんが言っているような自立したクライマーなんて無理だ。」とか、
「一生かかっても、〇〇なんて出来るようにならない。」とか。
(〇〇のレベルにもよりますが・・・、可能そうな目標に悲観的になるのは勿体ないかなと。)
僕自身、中学くらいまでは主要5科目が割と得意でした。
得意分野においては、そもそも自分の成長の遅さを受け入れる必要がありません。
ちょっと人より理解も早そうだし、そもそも学習内容に興味があるので。

この時点で、この姿勢を取るべきは苦手だった体育・技術家庭・美術・音楽の分野でしたが、全くそれができておらず、苦手に拍車が掛かって生きて来ました。

しかし、大学院で研究室配属になり、上述のリラックスした学びの姿勢の仲間達の方が、長い目で見ると優秀であることに気付きました。
「自分は何も知らないから、教えて。」といった具合に考えつつも、地道に資料を読み込んでいく立派な人が何人もいました。

つまり、相対的に少々他の人より理解が早いことよりも、リラックスした学びの姿勢を体現できる方が、人生長い目で見ると有利そうだ、という話です。
それが僕にとって体現できそうな分野が少なくとも研究ではないと判断したのは、今でも良かったと思っています。

登山やクライミングを通しても、その信念は強化される一方です。

ですが、中途半端に優秀だったり、負けず嫌いで頑張って来たタイプの人は、ここへの移行が難しく、しばらくは苦しいかもしれません。
実際、僕もそうでしたし。
ちなみに、この話は仕事になると、さらに感情がややこしくなります。

「できない。」、「分からない。」ことを隠すのも良くないのですが、実際問題として「プロだったら、これぐらいは・・・。」というプレッシャーは自他どちらからもあると思いますので。

実際、登山やクライミングはリスク管理を行うので、趣味と言いつつも「これぐらい、できなきゃ!」というプレッシャーは強い分野かと思います。
マルチピッチとか雪山は、パーティ全体の命運が自分の肩にかかることも多いので、その典型でしょう。
初級者であっても、プロ意識的なものを一部持っているような、不思議な感覚です。

一般の人でも「ファーストエイドやレスキュー技術を、学ばなきゃ!知らないなんて恥ずかしい。」という感情があるのも、それに近いものだと思います。

そこが面白さでもあり、リラックスしづらくさせている部分でもあり・・・。
ここまで、リラックスして学んだ方が良いが、リラックスするのは性格や立場などで結構難しい、という話を書いて来ました。

それでも、可能な限りリラックスして学びたい、という結論に尽きますかね。
もちろん、効率的に習得できる人の学び方は、参考にして行きましょう。
<別の日のマルチピッチリード講習>




<アドバンスクラック講習にて、しぐれ(5.9+)をO.S.トライ>

<2トライ目で、トップアウト>

<カムが足りなくなって、大幅クライムダウン>

2023年8月15日火曜日

富士山ガイド 2023

今年も、富士山ガイドに行って来ました。
7月1〜2日の研修で1回登り、7月11日〜31日の3週間で8回登り、8月6日〜7日で個人ガイドを頼まれて1回登りました。

大変充実した反面、例年通り一年で一番の疲労感を引きづっております・・・。
ジムから少しずつ体調を整えて行こうと思います。

さて、よく聞かれる富士山ガイドのモチベーションについて、再度まとめてみます。
クライミング講習と富士山ガイドの実態を両方イメージできる人じゃないと、伝わらない気はしますが・・・。

①ガイド同士の切磋琢磨
毎年、登山経験のある学生、フリーター山屋、その他が新人ガイドとして入って来ます。
彼らに最低限覚えさせることや、少し長い目で見た伸びしろを伝えることも、興味深いです。
しかも、ガイド仲間同士でも、何を重視するかが微妙に異なるので、ちょっとした意見の相違を感じながらも行うことも良いです。

また、ガイド同士で何を重視するかが微妙に異なるために、ちょっとした出来事へのディスカッションも興味深く、一方で非常に疲れます。
しかし、興味分野がそれぞれ異なるために、自分が習う立場として考えるとガイド仲間は情報の宝庫でもあります。
典型的には、富士山の歴史に詳しい人、山小屋の実務に詳しい人、旅行業に詳しい人、ガイド組織運営に詳しい人、そして私なんかより余程真面目に登山に取り組んでそうな人、山道具屋で働いている人、などがおります。

つまり、普段はクライミングや登山の技術についてディスカッションすることは多くあれど、「ガイドとは?」について同業者とディスカッションすることは、少なくとも私には無いのです。

②後手に回りがちな分野への注目
ガイド同士の研修では、ファーストエイドの練習機会もあります。
また、富士山ガイドは登山ガイドと観光ガイドの中間であるため、富士山の歴史や自然に関する勉強の機会もあります。
苦手分野に関して、本を読むのが好きな人は少ないと思いますので、こういう機会に身体を動かして学ぶのは良いことだと思います。
例えば、富士山の麓に富士山ミュージアム、世界遺産センター、浅間神社いろいろ、など様々に社会科見学できそうなものがあります。毎年足を運び、スマホ片手に色々深掘りしたり、ガイド仲間に質問したり、ときには学芸員さんに話を伺えるのも、面白いです。

これに関して、実際に使う場面が多いというのも、一つの価値です。
ファーストエイドを使う場面が多いのは良くないことですが、ちょっとした体調不良者が多いのも、登山未経験者による富士登山の特徴でもあります。
また、登山ツアー中に、大声で自分の観光知識を喋るというのも、知識のインプットとアウトプットの関係では、刺激的です。

③全力を尽くす経験
普段の講習は、自分自身が全力を尽くすことは滅多にありません。
例えば、教えたいことが山ほどあったとしても、それを時間内に教え尽くすことが良い結果を生むとは考えられないためです。
反復練習に付き合い、ときには講習生の腑に落ちるのを数時間でも待ち、本日中に完全理解してもらうのは諦めて一旦はスルーする、といった姿勢も重要です。
もちろん、講習前に「〇〇を教えたいが、実際に練習メニューをやったら××っていう反応が返って来そうだから、そうしたら・・・。」というイメトレは行っているので、手を抜いているつもりはありませんが、講習開始直後に練習メニューを大幅変更するのは日常茶飯事です。
ただ、講習中に全力を尽くす、ということは正解ではない場合がほとんどだと思っています。

一方で、富士山は違います。
20人の素人さんを相手に、どうにか装備不具合に納得してもらって五合目レンタルにこぎつけ、大声で登山アドバイスを行い、少しでも洗練された説明を心がけ、先頭を歩くときはお客様の見本になるように心がけ、休憩場所・休憩のタイミングは登頂率が上がるようにその日のベストを模索し、メンタルが疲れて来たら観光ガイドで楽しませ、混雑時や悪天時には団体をどうやって統率するかを徹底的に考え抜く、といった具合です。
また、登頂ギリギリの人を登らせたら、その人が五合目に降りられるように責任を持たねばなりません。途中で膝が痛くなったり、心が折れたり、遅すぎる行動に他のお客さまが少々気を揉んだりする中を、死力を尽くして五合目を目指さねばなりません。

そのため、登頂ギリギリの人をリタイヤさせないのには、本人だけでなく、私にも覚悟が必要です。
「ガイドは本人が登れない山を登らせるのが仕事で、インストラクターは本人が登れるようにするのが仕事だ。」と私は思います。普段の講習では、下駄を履かせて登らせたり、各種チョンボには否定的な私ですが、富士山ガイドで素人さんを案内するときは徹底的にサポートしてガイド登山させようと思っています。
クライミング講習は、ややもするとチョンボっぽいクライマーを作り出す可能性がありますが、富士山ガイドは何か別分野だと感じていますので、そこの罪悪感はありません。

どうせやるなら徹底して行い、1%でも登頂率を上げて、ギリギリ登った人に極力膝のダメージを残さず下ろそうと思います。
そして、下山が余裕な方々にも、それが不快にならないように全力を尽くして楽しませようと思います。

④自分に対する定点観測
高山病の説明1つとっても、毎年説明の仕方は変わります。
もちろん、その日のお客様の雰囲気、天候などによって言い回しをアレンジするのはあるのですが、おおむね毎年自分の説明が良くなっていると感じます。
具体的には、お客様の納得感(表情、など)、水分補給や深呼吸への積極性、などから評価できます。

一方で、普段の講習は、そこは分かりづらいです。
講習生の理解が進むことで、以前は伝わらなかった内容が全く同じ言葉でさえも伝わるのですから。
まぁ、講師の成長速度はゆっくりですし、どんなに成長しても難しい内容を一瞬で理解させることは不可能なので、講師自身の説明の巧さに焦点化するのもナンセンスなのでしょう。

富士山ガイドでは、お客様の大半が富士山初めて、地元の高尾山ぐらいの山でちょっと練習して来た程度、という水準は毎年変わらないのです。
説明の巧さに限らず様々な点で、「変わったとすれば、自分だ。」ということを、良くも悪くも突きつけられます。

⑤社会勉強
富士山では、多くの職種の人と関わります。
山小屋、五合目売店、旅行会社。
また、直接の接点は少なくとも、ブルドーザー関係、馬方、パトロール、警察、誘導員、などなどの方々がいらっしゃいます。
それぞれの利害関係、人間関係、過去の経緯、あるいは行政との関係、などについて否応なく考えさせられます。

たとえば、ガイド自身にとってはガイドの本分は「お客様を登頂させる、安全に下ろす、その中でなるべく楽しませる」といった仕事ですが、関係業者にとってのガイドは「団体のお客様を交通整理・誘導する人間」という色合いも強いです。ガイドが休憩場所に選べばお客様が買い物するかもしれないし、ガイドの誘導が下手なら渋滞を引き起こすかもしれません。
そういう立場にあることを理解しつつ、ガイドの本分は自分達自身で評価していく、といった感じです。
最近は減りましたが、ガイド3年目〜8年目ぐらいまでは、毎年1回ぐらいは多少なり怒られていたような気もします。特に、3年目に一番関係の深い山小屋で、こっぴどく叱られたのが記憶に鮮明です。

考え方は孤独ですが、交通整理・誘導の仕事をしっかり行うようにすれば、関係業者もガイドの本分に対して気遣いをしてくれることが多く、プロ同士の暖かみを感じるものです。


長くなりましたが、今年も良い刺激になりました。
関係者の方々、まだ富士山シーズンが続いているかと思いますので、どうぞ身体に気をつけて頑張ってくださいませ。

2023年8月7日月曜日

9月分の予約受付

富士山も終わり、ようやく一段落です。
富士山の仕事は、普段の仕事より大変ですが、自分を別の角度から見直すチャンスとして貴重です。
これについても、またそのうちに。

さて、明後日の8月9日(水)の夜23時より、9月分の予約受付を開始いたします。

ジムの場所について。
火曜、ストーンマジック
水曜、ランナウト
木曜、ベースキャンプ入間
金曜、ストーンマジック
といたします。

こちらの事情により変更する場合は、スケジュール欄に記載しておきます。

どうぞよろしくお願いします。


2023年8月5日土曜日

5月〜7月頭の講習写真

富士山ガイド前に撮ってあった、少し面白い写真を中心に。
<アトムエリア>

この日は、瑞牆のアトムエリアにて、アドバンスクラック講習。
このエリアは、アプローチ、ワイドクラックの基礎的な反復練習、アプローチの帰り(個人的には、カーテンコール ・コーラスラインのあたりを懸垂下降してしまう方が楽に感じている。)など、様々な観点で講習しがいのあるエリアです。

この日は、アプローチは私が先導することにして、その他の点にフォーカスしてもらいました。
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<三ツ峠、2ピッチ目>

この日は、三ツ峠にてマルチピッチリード講習。
リード中の時間管理(タイムマネジメント)について、深く考えさせられる一本でした。

残念ながら、急ぐことは必ず何かしらの犠牲を払います。
ムーヴの丁寧さ、オブザベの精度、準備、プロテクションの精度、ビレイ点での行動、そして判断力。
急げば、何かが低下します。
だから、マルチピッチの講習までは、あまり時間管理については言わないようにしています。
まずは丁寧に、1つ1つ、ちゃんとやりなさいと。

しかしながら、2時間を超えるリードは、集中力の限界を超えてしまい、かえって別のリスク因子ともなりえます。
(経験上は、2時間以内に少なくともピッチ中の核心部だけは越えていないとロクなことにならないことが多い。他にも、ビレイ点作りで右往左往して、結果的に2時間を超えるぐらいなら、リスクとまでは言えない。)
また、5〜6ピッチとなってくれば、最大限丁寧に時間を掛けて良いピッチは1〜2ピッチに限られるでしょう。

・上述の何を犠牲にするか考慮しながらのスピード意識
・丁寧に時間を掛けないとリスクが高過ぎる、突破できない、と感じられる状況での行動(どこで時間を区切って、敗退やリード交代を選択するか?、など)
・ほぼ何も犠牲にせずにスピードアップできる諸々の諸動作を徹底的に洗練させる(ロープワークの洗練などが代表例)

難しい問題ですが、ジムリードの本気トライですら言える内容です。
丁寧さとスピードという矛盾する内容を、どの水準で両立させれらるでしょうか?
ジムリードでは色々と実験可能ですが、マルチピッチでスピード優先するとリスクが高まるので、かなり実験が難しいですね。

<三ツ峠、3ピッチ目>
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<瑞牆にて、地上ムーヴ練習>

この日は、クラックリード講習にて、瑞牆。

「リード中に下から決めたカムが、上がってたら全開きだと気付いて冷や汗をかく」、「エイドダウン敗退中にカムが抜けて冷や汗をかく」など、諸々ありつつも、しっかりと糧にしてもらえたかと思います。
講習中にヒヤリハットがあることは良くないことですが、起こってしまった場合は120%活用して、原因分析や意識改革に使っていただきたいと考えています。

この日は、YIさんをクラックリード講習卒業としました。



<リードトライ中>

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<終了点のボロスリングを交換する様子>

この日は、アドバンスクラック講習にて小川山。

前半は、アップがてらエイトマン(5.8、スラブ?フェース?)。
終了点ロープがボロいと知っていたので、勉強がてら交換作業をしてもらいました。

その後、本題の無名のOW。
見事にO.S.はしたものの、足遣いにかなり課題が発見されたので、何回か反復練習して終わりました。
<無名のOW>
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<初めてのカムビレイ点でのハンギングビレイ>

この日は、マルチピッチ講習で小川山。
マルチ講習で男性同士の組み合わせは珍しい(そう言えば、女性同士も珍しいか・・・。)のですが、これはこれで良いですね。

講習生として継続しやすい性格の傾向が、男性と女性とで異なるように感じるので、珍しい組み合わせは私にとっても新鮮です。
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この日は、マルチピッチリード講習にて、三ツ峠。

このラインは、このペアで行くのは2回目です。前回は、2ピッチ目でISさんがフォローながら登れなかったので、この日は是が非でもリードで完登したいとう申し出。

そして、見事に完登しました。
講習の本題は、登れるか否かではないとは言え、「登ろう」と強く思う気持ちがあればこそ、「もうちょっと、こう考えた方が安全にトライできるかも。」、「もっと、こうした方が正統に登れると思いますよ。」、「こうすると、効率が上がりますよ。」と言ったアドバイスもしやすくなりますね。

<2P目>

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この日は、クラックリード講習で、瑞牆。

前回登れなかった箇所を、リベンジするYIさん。
そのポイント自体は、かなり惜しいところまで行くものの、登れず。
ただ、固め取りしたカムで落ちるまで頑張れた点、エイドダウンが前回より冷静に考えてできた点、などにおいて、講習という観点では十分な出来でした。

ちなみに、そのポイントを突破したHGさんも、次の箇所が「リスクが高過ぎる」と判断して撤退。
その後、僕がそのラインをリードしてみたら、プロテクションにリスクがだいぶありそうだったので、なかなか良い判断だったと思いました。

僕自身が登ったことが無いラインで講習生にオンサイトトライやハングドッグをさせるのは、リスクもあります。
しかしながら、真の判断力を問えるところが良いですね。

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この日は、アドバンスクラック講習にて瑞牆。

地獄エリアまでのアプローチ練習がメインテーマ!
尾根と沢、などを把握してもらったらい、自力で概念図を書いてもらったりしながら、行ったりきたり。
ようやく辿り着いたものの、岩場は濡れていたので隣の七面岩にアプローチ練習の続編。

オンサイトしてもらったクラックも面白かったですが、下山中にアプローチでまた少し迷っていただいたのも、興味深かったです。

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<僕も初めて登ったハンドクラックをO.S.するMさん>

この日は、マルチピッチリード講習にて、三ツ峠。

7月とは思えない強風による寒さでしたが、しっかりとビレイ点作りなどを学ぶことできて何よりです。
今回は、トップアウトよりも学ぶことに重点を置くことにして、午後から2ピッチだけのラインを選択。

それも、落ち着いて作業してもらえた要因の一つかなと思いました。

トップアウトを目標に置くとスピードも意識せざるを得ないのですが、まだ熟練していない技術を考えながら繰り出すには丁寧に時間を掛けたいですよね。

2023年6月15日木曜日

映える基準は人それぞれ

GWの続き。
5月5日(金)は、小川山ボルダー。STさんと。

<ファンタジー岩、モルボル(初段)>

この日は、フェース・スラブ系主体で登ろうと、ファンタジー岩へ。
アップは、スラブで基礎練習。
連登の疲れが残るSTさんは、アップだけでレストモードへ。

という訳で、レスト明けの僕のみが本気トライへ。
何本かトライした結果、自分にとってちょうど良さそうなモルボル(初段)へ。

2時間ぐらい打ち込んで、おおよその感触を掴むも、岩が暖まり過ぎてトライ中断。
2時間ぐらい昼寝混じりの大レスト、復帰してからムーヴバラシは数トライで成功。
バラせてから、なかなか繋がらず、1時間ぐらい打ち込んで登れました。

バランシー系で、ホールディングの繊細さが動画では全く伝わらないんですが、めちゃくちゃ工夫しました。
目視できないホールドに対して工夫しているために再現性が低かったことが、繋げトライで失敗を繰り返した原因です。

自分的な達成感とは裏腹に、ホールディングが繊細な課題は映えないですね。
その場に居た皆さんは、僕が繋げトライでハマり続けたのを知っているだけに、称賛してくれました。
<夕方になって、余興的にハサマリング課題探し>

夕方、追い込みの体感トレとして、石楠花遊歩道に降りてハサマリング探し。
こちらは、いかにもムーヴをやっている感が強くて、映えます。

まぁ、1撃〜30分程度で登れるぐらいのばかりなんで、難易度は大したことないのですが・・・。
<この課題を見つけたSTさん。めちゃくちゃ嬉しそう。>

<写真映え?>

5月6日(土)は、野猿谷ボルダー。
STさん、狂祖さま、そしてS本先生。
<これも映えます。というか、ブログに使いやすいブラッシングの様子>

ツアー最終日は、STさんの希望もあって、ダイアナ(初段)のセッション。
僕は、先日丸一日かけてギリギリ登れたので、記憶に新しい課題です。
<連登はダメな私は、昼寝タイムを多め>

<全身が痛い>

<ダイアナのセッションに励む>

S本先生は、数トライで完登。
流石すぎます!
<典型的な映える光景>

ちなみに、後日STさんはS本ムーヴで完登したそうです!
僕も、S本ムーヴで再登したのですが、ちょっと未知なる感じでした。

映える写真も色々撮れて、ありがたいGWでございました。
皆さま、ありがとうございます。
<導きを与える>

映えると言えば、「信仰の対象・芸術の源泉」。

聞いたことがあるでしょうか?
富士山の世界文化遺産としての謳い文句です。

以前、このブログでも紹介した写真集が完成しました。
https://readyfor.jp/projects/zerokyori-mtfujiphotobook/announcements/270154

このブログに登場するだけでも、高柳さん、榎戸さん、チカさん撮影の写真が含まれております。
かなりの拘り作品だと思いますので、興味のある方は是非とも!

2023年5月31日水曜日

7月、8月分の予約受付

GW記録も、まだあと1回あるのですが・・・。

7月、8月分の予約受付を、6月4日(日)の夜21時よりスタートいたします。
引き続き、ジム講習の場所のご案内です。

月曜:特に指定なし。応相談。
火曜:ストーンマジック(定期講習を含む)
水曜:ランナウト
木曜:ベースキャンプ(定期講習を含む)
金曜:ストーンマジック(ギリギリでも可)

以上とさせていただきます。
また、木曜も試験的にムーヴLv.0といたします。
Lv.1への参加条件を満たしている方も、定期講習を希望される場合はLv.0にご参加ください。

7月は3週間ほど富士山ガイドに向かうため、講習可能日が限られておりますので、どうぞご理解ください。
岩場での講習は、これまで通り行います。

では、引き続きよろしくお願いします。

2023年5月30日火曜日

マット神輿は禁じ手?

GW後半戦、5月3日(水)は野猿谷。
狂祖さま、STさん、Mさん、そしてS本先生。
<反転しているのは、“無双”中のS本先生(byセカキタ先生)>

ボルダリングのマットは、どこまでアリか?
という、考えても結論が無い話題があります。

マット無しでやっている方々を思うと、「どんだけショボい議論を真剣にやるんだ?」という気分になりますが、実際問題として考えざるを得ないと感じます。
<S本先生と狂祖さまにコツを伝授され、ジャンプ気味のマントルの意味が少し分かった私>

観点①
マットの上からスタートすると易しくなる場合は、マットは地面からズラして地上の高さからスタートすべし。(マットは、リードクライミングのロープと同じでムーヴの補助にしてはダメ、という考え方。)

・上の写真のマントル課題は、トポにもその旨が明記されている珍しい課題です。
・レイダウンスタートする課題とかは、ほとんど影響がデカい気がします。
・一番困るのは、影響が大きいのでマットを外したいんだけど、それで出だし落ちするとマット外に落ちて捻挫しそうな課題。まぁ、マットを外して登れないなら、封印すれば良いと思いますが。
<一番下のハンドジャムスタートで、サクッと登られるS本先生。「流石ですねー」と、言わずにおれない我々。>

観点②
マットの枚数、スポッターに制限(自主規制)を設けるべきか?

→ここが最もスッキリした回答を聞いたこともなく、「じゃぁ結局は曖昧なグラデーションで良いよね。」と思っています。
つまり、僕自身は「いくら使っても、ダメということは無い。」というものです。

ただ、なんとなく自主規制した方が良いなぁと思う理由が、2点かあります。

①自分で背負っていける枚数
アプローチが近いエリアなら2〜3枚は行けますが、ちょっと厄介な場所だと1枚+サブマットで何とかしたいです。まぁ、ノーマットなら登山や沢登りの途中でも遊べると考えると、グラデーションを感じます。

②リスクマネジメント意識
落ちる場所の予測、落ちる態勢の予測、落ちてはいけないセクションを戻れる範囲で行きつ戻りつする能力、などを考える習慣付けとしては、マットの枚数は少ないほど練習効果は高まります。ただ、かなり注意深く取り組む必要のある課題だと、結構な枚数のマットがあっても結局はリスクマネジメントを強烈に意識します。

※ある程度安全な課題だけを選んでマットを沢山使うのであれば、思考停止に陥る人もいるかと思います。まぁこれは、トップロープリハーサルとかチョンボ棒問題と同じ構図ですかね。
<同じ課題を、執念で完登するSTさん>

一方で、現実問題として以下があります。

③セッションするなら、マットの枚数の自主規制なんぞ、個人の変わった趣味に周りを付き合わせることは事実上無理。

④セッション効果やマット枚数が増えてジムっぽく登るのも、これはこれで楽しく、練習効果も感じる。

⑤スポットやマット移動など、ご好意でやってくれているものは、ありがたく受け取りたい。特に、背中側から落ちそうなときは、大変助かる。ただし、下地の悪い課題で「スポットいるから!(安心して突っ込んで!)」と言われても、到底信用できずに、ギブアップフォールしたことも数々。(僕が、デカいし重いのもある。)
<ヨレヨレでも、叱咤激励を受ける狂祖さま>

で、2日前のシューリンガンで、
「途中でギブアップする場合は、スポッターに補助してもらって降りる。」
というスタイルまで許容して、完登しました。

本日の宿題「ファンキーモンキー」では、さらなるスタイル妥協を考えて来ました。

課題の状況
・地上2.5m以上の6番サイズのクラックに対して、インバージョン(上下反転)でのムーヴしか、可能性が見出せない。
(一般的には普通に登れるようですが、体格的にインバージョンの方が可能性があると感じます。)
・すでに一人で2日間トライしており、たまに人と登るチャンスに、スタイル妥協してみようかなと考えていた。
<ファンキーモンキーにトライする先生>

具体的なアイデア
・男性2人に、マットを神輿のように背負ってもらい、マットの高さを1.5mほどにする。

→流石に、思い切りは落ちたくありませんが、「万が一落ちたときの怪我リスクの低減」、「ギブアップフォールの許容度向上」という2点は期待できます。
<山梨に移住して、さらに精悍なお姿に>

結果
・登れず。この課題に限っては、そこまで安心してトライできるものでも無いです。
・1トライ毎に、「お二人、お願いしまーす!」と呼び出すのが、打ち込むレベルの課題だと現実的ではないです。
・マットが1.5m上がっている状況が、自分で見ていても、流石に悲しい気持ちになりました。マットを20枚集めて敷き詰めるとか、課題毎に特注のマットを作れば、限りなくジムボルダーに近づけることはできるでしょうが、そうなると「そんなことするなら、岩場に来んじゃねーよ。」と自分自身を蔑むことになりそうです。
<ファンキーモンキーを、インバージョンせずにトライする私>

<ファンキーモンキー 、インバージョンで敗退。マット神輿あり>

という訳で、このスタイル(男性2人がかりでのマット神輿)は、今後別の課題をやるときも無しと結論付けました。

僕がスタイルについて考える時間が多いのは、「色々とズルい方法を考えるのが性格的に得意だから、自主規制しないと腐りがち」という一面もあると再認識しました。
<で、この日は誰も登れず>

<折れそうな根っこを掴み、ものすごく心配される私>

<トリックケーヴ(2級)にトライする私>

<本日は、登れず>

ベースが自分に厳しい人なら、さほど考えずとも「割とまとも」なスタイルとかリスク管理の意識に落ち着くんだろうなと思います。

僕自身もそうですが、講習生の大半も弱い人間なので、自主規制しまくらないとダメなタイプでしょうねー。
それゆえに、意識しまくっている点は、他の人より詳しい場合もあるのですが。
<S本無双>