2024年2月29日木曜日

4月分の予約受付

お待たせいたしました。
3月4日(月)の夜21時より、4月分の予約受付を開始いたします。

ジム講習の場所設定は、以下の通りです。

火曜:Dボルダリングプラスリード立川
水曜:ランナウト
木曜:Dボルダリングプラスリード立川

月金は、応相談です。
また、最初の1名として申し込んでくれる方の希望は、ある程度融通いたします。
「火曜だけど、ランナウトで行なって欲しい。」、「水曜だけど立川で行なって欲しい。」など。

また、1件だけ研修登山の問い合わせがありましたので、こちらは先行予約とさせていただきました。
研修登山は、マルチピッチリード講習卒業者を対象にして、実際のバリエーションや沢登りを講習するものです。今回は、沢登りを予定しています。
雪山講習と同様に連続勤務に支障が大きいため、私のスケジュール調整のため先行予約といたします。
マルチピッチリード講習卒業者で一緒に受講したい方が居れば、お気軽にお問い合わせください。

2024年2月21日水曜日

本物の山

初心者が夏山登山道を歩いていて、歩き慣れてきた頃には、山が分かった気になります。

実際、僕も高校生の頃にそうでしたが、山と高原地図は読み込める感じになっていましたし、夕方にヘッデンを装着するタイミングも手慣れてきたり、山歩きの入門書に書いてあるような内容も実感を伴って理解したり、部分的には筆者に批判的な意見を持てるようになっていました。

しかし、登山道の無い尾根となると、グッと敷居が上がります。
本格的な読図が必要になりますし、ロープが必要な場合もあります。
迷った人が沢に降りたくなってしまう心情も、ヒシヒシと伝わってきます。
<50mぐらいの滝の下部で、ロープを付けずにムーヴ練習>

登山道の無い尾根は、当時はルート図集もなく(今でも少ない)、当時はブログなどでの情報も皆無でした。
まぁ、そもそも1990年代は、携帯もパソコンも持っている人が多くはなく、大学生になってPHSか携帯のどちらかを持つような感じでしたが。

そのため、行きたい尾根は自分で地形図を見て決定することになります。
敗退した場合のことも、よくプランニングしてから向かいます。
携帯電話が山で通じないので、ビバークしても捜索は計画書頼みです。
当然、GPSも持っていません。
<小犬殺しをリードするTGさん>

当然、自分の至らなさが目に付きます。自分が今まで遊んでいた範囲が、いかに人の手によって整備されていたのかを思い知ります。
そして、プランニングの段階から、安全圏に到達するまでの間、本当に色々なことを想定して戦略を楽しみます。

言い換えれば、
●謙虚さの維持
●不安心理をリスク管理能力の向上のきっかけとするエネルギー転換
という2つの要素です。

今となっては、これが本物の山に登るメリットだと感じています。
奥多摩の名もなき尾根ごとき、という話も分かるのですが、登山道と比べて本物の山だったわけです。
<入門砦でも、ムーヴ練習>

その後、大学で沢登りや雪山を始めますが、当然ながらトポ(沢ならば遡行図)のあるルートに行った回数の方が多いです。
多少なりとも本物の山を知っていたにも関わらず、トポには文句を付けたくなるのが人情です。

滝のグレードが間違っている(自分たちの体感と大幅に違う)、巻き道の記述が間違っている、大きな滝の個数が間違っている、難易度に誇張表現がある、入渓ポイント・枝沢の記述が分かりにくい、などなど。私も仲間たちと色々喋りました。

そして、しばらくすると写真のバンバン載っているトポが登場し、有名ルートは非常に間違えにくくなりました。
その後、携帯電話が通じる範囲の拡大、ブログなどでの情報量の増加、GPSの普及、などが起こりました。
<雪上訓練Lv.2、方丈山〜柄沢山>

講習生を含め、色々な初級者の人と話していると、「○○のルートについて、まだ調べ込んでいなくて。」という発言をよく耳にします。

つまり、山に行く前の準備として、他人のブログを読み漁り、遡行図やトポの情報量を果てしなく増やして行こうとするのです。
幕営適地、雪崩の実績、迷いやすいポイント、雪庇の方向、ロープを出した箇所、親切心から意図的に詳しい情報を載せている人もいます。
まるで、素人さん向けの富士登山案内のページの様相です。

そして、それをしないでオンサイト重視の感覚で山に向かう人を、危険登山者として非難する風潮もあります。
<方丈山の頂上、昨年はここで幕営しました>

しかしながら、オンサイト重視の感覚で山に向かうことは、先述の

●謙虚さの維持
●不安心理をリスク管理能力の向上のきっかけとするエネルギー転換

という2つの要素があります。

地形図や少量の情報から、色々想像して、敗退方法を考える時間をたくさん取るのです。
これが、長い目で見たら我々をもっと思慮深くさせてくれるでしょうし、長い目で見たら安全かもしれません。
<柄沢山への縦走>

そんな考えもあり、雪上訓練Lv.2ではトポに載っていないような雪山テント泊縦走を行っています。

今回は、昨年敗退した上越の方丈山〜柄沢山。
多分、1年に1パーティ冬期縦走するかな?くらいのルートでしょうから、当然ノートレースですし、藪もあります。
雪崩地形も自分で考えて歩きますし、幕営地も探しながら歩きます。
現場で状況を見て、ラインも変えますし、下山予定の尾根の変更や、行動時間読みの修正も行なっていきます。

まぁ、取り立ててすごい話では無いと思います。
ただ、最近の初級者はこれが本来のスキルだと意識していない人が多いように思えます。
山岳会に入ったならば、5年先、10年先に身につけるべきスキルの総体だと思うのですが。

例えば、僕より少し上の世代で、沢登りで地域研究と称して一山域をしらみつぶしに登り、遡行図集を書いたような人たちもいます。それほど強くはないメンバーが、地形図や山域の特徴から、そんなに難しくない沢だと見越して入ることもあったはずです。
つまり、各時代のトップクライマーの初登攀だけの遊び方では無く、一般レベルでも十分に辿り着ける目標地点だと思います。
<雪面をならして、幕営>

便利が、全て悪い訳では無いです。
例えば、15年ほど前までは天気図をラジオで書き取っていましたが、これを携帯の画面で見ることは労力の削減になります。

ただ、ピンポイント予報に踊らされて、「どこどこの予報会社が当たるらしい。」とかの情報にばかり詳しくなり、予報が外れたら文句タラタラというのは、思考停止というものでしょう。
低気圧や前線の位置から、「予報が外れるとしたらこんなストーリーかな。」ぐらいの予想は立てて、自分の行動計画を決めないと、バカになってしまいます。

GPSを持つなとは言いませんし、今時は携帯に内蔵されてしまっています。しかし、GPSを見ながら歩いて自分が地図を読める気になる現象に陥っているとしたら、バカだと言わざるを得ません。

これに限らず、ギアの進歩だって、悪いことだとは思いません。
ただ、これを使うと考えなくなりそうだな(「バカになりそうだな。」)という感覚は、常に鋭く保っていたいものです。
<1日目に、そのまま柄沢山へアタック>

こういう考え方は、当塾講習の

●残置無視トポ無視のマルチピッチ講習
●ボルトルートやクラックでも、トップロープリハーサルを禁止して、オンサイトグラウンドアップ

などに典型的に現れていますが、ジムクライミングから日常生活にまで根底には通じるところがあると思っています。
<縦走>

私にとって、謙虚さを維持して思考停止を避けるための手段は、ときどきこういう山に入ることです。
一方で、一般的なスポーツマンにとっては、これは試合に相当すると思っています。

つまり、クライマーであるためには、コンペに出るか本物の山と触れ合うか、どちらかが超重要なのかな、という感覚です。
これさえ続けていれば、「人のせいにしたり、言い訳したりしても、自分が悲しくなるだけだ。」という最低ラインを守りやすいように思います。
<ときどき現れる見晴らしの良い場面>

今回の話は、あくまで観念的な話です。

「もっと厳しい人跡未踏の地じゃないと、本物とは言えない。」
「人の手が云々よりも、ストイックに困難に挑戦しつづければ思考停止にはならない。」
「ボルダラーなんかは、コンペに出なくても良い心構えっぽい人は多数いるよね。」

とか、細かい議論の粗は分かっています。

私が関わる程度の、初級山岳会の方々や、講習生の皆さん、ジムのリードエリア、などでの総合的な印象ですので、すごい人たちは気にしないでください。
<2日目も、訓練のために柄沢山に再度登る>

<地図読み>

2024年2月6日火曜日

初心者的謙虚さ、上級者的謙虚さ

遥か以前に、謙虚さについての気付きをサラッと書いたことがあります。
これを、少し分析的に書いてみます。

謙虚と言っても、その内面にある心情は様々です。

①本当に何も分からなくて、聞く・学ぶ姿勢がある

例えば、エイトノットを教わる初心者、岩場に初めて行く人、沢登りや雪山を初体験する人、地形図を初めて学ぶ人。
ここで、最初から登山・クライミングを侮りまくっている人は、講習で出会うことはまずありません。仮に独学で始めるにせよ、書籍で登山技術を学ぼうとするなど、それなりの畏怖があるはずです。
これを、「初心者的謙虚さ」と考えることにします。

②自分より強い人、知識や経験に優れた人がいることを知っている。
これを、「相対的謙虚さ」と考えることにします。

③自分の能力が不十分であることを分析的に捉えることができていて、研究しようというモチベーションが高い。また、他人から見て自分の弱い点を指摘してもらうことを期待している。

例えば、クライミングにせよ登山にせよ、自分がより安全に登るために、次のレベルを登れるようになるために、色々と考え抜きます。
単に「ヒールフックが掛からない。」と喋っているだけでは不十分で、なぜ掛からないのかを分析して、1ヶ月後や1年後を見据えて練習メニューを考えます。
登山のヒヤリハット反省をするにしても、トレーニングをするにしても、ビレイやカムセットなどの安全に関する技術にしても、全て同じです。
これを、「上級者的謙虚さ」と考えることにします。
<岩場リード講習での、落ちる練習>

上級者的謙虚さの代表格は、各分野の超一流の人の発言です。
将棋の羽生善治さんが、「将棋の1%も分かっていない」(AIとの比較という文脈、人間は頑張っても一生で10万局指せるかどうか、という経験量の問題から。)などと発言したりしています。
オリンピックアスリートであれ、何かしらの達人であれ、皆さん同様のことを仰っている印象です。
だからと言って、自分がやるべきことは変わらず、淡々と技の研究を続け、少しずつ弱点を克服していく求道者のようです。

ひるがえって私は、人から弱点を指摘されることは期待しつつも、結構心を痛めやすい部分もあり、上級者的謙虚さには不十分だと感じています。
これでも、10年前よりは、だいぶマシになりましたが・・・。
<アドバンスクラック講習で、ちょっとしたロープレスキューをやりました>

さて、ここからは私が登山・クライミングを通じて感じた印象を、雑多に述べます。

●初心者的謙虚さは、この業界は危険と隣り合わせなだけに、一般的には受け入れやすい。
「調子に乗って、甘く見ている素人さん」の方が少数派。

●相対的謙虚さは、評価軸がクライミングの最高グレード、バリエーションルートの総合グレード、山仲間やジム友達の中での優劣順位、だったりすると生産性はほとんど無いかと思います。
何なら、「自分は大して登れない。」とグレードなどで自虐しつつも、不遜に振舞うことも可能だと感じます。
私も他人との会話の中では使うこともありますが、自分自身にとってプラスはあまり無い考え方だと思うようになりました。

●上級者的謙虚さは、趣味の目的の1つが精神修養とすると、我々の目指すべき方向性と考えられます。
ただ、これを淡々と行うまでには、人それぞれ紆余曲折があり、落ち込んだり嫌になったりもするかと思います。
ヒールフックの話にせよ、ヒヤリハットの反省にせよ、改善には相当な解析力が求められることも多いです。

●「100%の安全は無い。上級者でも事故を起こす。」という事実が、我々を真面目さに引き戻してくれる大きなパワーになっています。
例えば、事故は核心部ではなく易しいセクションで起こる、ガイドや有名クライマーでも入門エリアで何人も死んでいる、といった話は、知れば知るほど身が引き締まります。
油断大敵を実践するため、改善行動をやめてはならないという縛りです。
危ないからこそ精神修養として価値ある遊び、というアウトドアスポーツの基本に立ち返ります。

●初心者的謙虚さ・相対的謙虚さ・上級者的謙虚さは、入り混じった状態で持っていて、その割合が達人っぽい雰囲気・素人っぽい雰囲気・山をナメている雰囲気、を醸しているように感じます。

<天神尾根。山頂で視界10mぐらいにホワイトアウトしたので、技術面以外にも講習生の心構えが少し変わったように見えて、やりがいを感じました。>

さてさて、俯瞰的に見て、当塾の講習目的とは何なのでしょうか?

・初心者的謙虚さの状態にある人に、初歩を伝授する
説明にも慣れているから、一般の人がやるよりは上手く説明できることが多いでしょうけど、これを一生の仕事にするのは寂しすぎる気がします。

・上級者的謙虚さを持ちつつあるが、技術解析やヒヤリハット反省が難しい人に、練習方法や考え方をアシストする
強いやりがいを感じます。

・初心者的謙虚さから上級者的謙虚さへの誘導する
講師は、技術習得・精神修養の過程で「こじらせやすい」ポイントを、沢山知っているものです。とは言え、どう頑張ってもダメだったり、1回や2回は捻くれたりするものだ、という諦めも肝要。
教育的には最も重要なプロセスですが、ややもすると人生相談受付みたいになってしまうので、なるべく具体的な技術講習内容の中で、ちょっとずつ感じてもらうのが良さそうです。

2024年2月1日木曜日

3月の予約受付

2月5日(月)の夜22時30分より、3月分の予約受付を開始いたします。
時間が変則的で申し訳ありませんが、よろしくお願いします。

3月からは、マルチピッチ講習も再開します。

また、例によって冬山系の講習は1つ先行で決めてあります。
前後日に、岩場講習などが入ると、私の運転リスクなどが高過ぎるため、日程調整させていただきました。

今回、ジム講習の曜日を、一度以下のように行ってみます。
火曜日:ランナウト
木曜日:Dボルダリングプラスリード立川
月水金:相談の上、こちらで調整

ではでは、よろしくお願いします。

2024年1月6日土曜日

2月の予約受付

1月9日(火)の夜23時より、2月分の予約受付を開始いたします。

私の移動上の都合により、雪山関係の講習は早めに予約を受け、その前後日は休業とさせていただきました。

ジム講習は、火木はDボルダリングプラスリード立川、水金はランナウト、月曜は適宜相談を基本としますが、最初に申し込んだ方に合わせて応相談とすることにいたします。
どうぞよろしくお願いします。

2024年1月4日木曜日

モチベーションは内から湧き出るものか?下がらないように努力するものか?

12月中は、山っぽい講習が多めでした。
マルチピッチリード講習、アイスクライミング講習で八ヶ岳2日間、城ヶ崎の懸垂エリア(特に空中ユマーリングで帰るエリア)、丹沢での読図講習、など色々やりました。
<ハンドクラックの復習に来てくれたISさん>

最近、少々興味深い講習生の発言があったので、載せておきます。
この秋にマルチピッチリード講習を卒業した方なのですが、ちょっとモチベーションが落ちてきたそうです。

一般的には、「さあてこれから」というスタート地点に立ったところですが、どういうことでしょうか?
まず、この方の経緯を説明します。

若い頃に、山岳会に入って危なっかしい感じで、入門バリエーション(冬の八ヶ岳岩稜シリーズなど)、アイスクライミング、トップロープリハーサル後のボルトルート、などを体験。
案の定、足を骨折する事故となるも、何が反省点なのかイマイチ判然としません。
「山なんて、リスク受け入れる部分もあるし、何が悪いんだか分からない。」といった話です。

とりあえず、「このままでは危ない。」ということだけは直観して、山から遠ざかり、何年も経過します。
ただ、山への想いは断ち難く、「これで分からなければ、もう辞めよう。」という覚悟で当塾へと来たそうです。
この方の方向性としては、「マルチピッチや雪山を含めた登山を、今度こそリスク管理を意識してトライできるようになること。」となります。
現在、これが最低限達成できてしまい、目標を見失っているという話です。
ここから、詳しく見ていきましょう。

①マルチピッチリード講習までを卒業するという目標

本人は、これに一生涯を費やし、道半ばで山人生を終える覚悟で当塾に来た様子。
しかし、実際には講習生の中では飲み込みも良く、練習量も結構ちゃんとしていて、ジムのムーヴLv.0からスタートして、わずか3年で達成。

しかも、その後に講習生仲間と実際に残置無視トポ無視で、何本かのマルチを完登して、着実に力は付いていると実感した様子です。
②アイスクライミングのリードという目標

過去に事故を起こしたのは、アイスクライミングでした。

今となっては、

・墜落距離の計算をせずに、なんとなくスクリューの位置を決めている
・スクリューの効き具合をあまり意識していない
・フォールしたときに、アイスクライミングの装備だからこそ骨折しやすい、というファクターを意識していない
・ビレイの立ち位置、緩み具合などによる墜落距離の補正など、全くしていない(アイスクライミング では、落氷リスクなどのためにビレイの立ち位置などが悪くなるケースが多い。)
・アックスの効き具合、氷の割れる可能性などに対して、どの程度の安全マージンまで許容するかを意識していない
・スタティックムーヴ、戻れるムーヴ、という概念が無い

などの反省点は、挙げられます。

それらを意識すれば、当然リードは今までよりも困難に感じます。
その上で、昨シーズンから少しずつリードを始めることができました。

今のペースで続ければ、「南沢大滝クラスをノーテンションで問題なくリードする日もそう遠くはない。」という実感もあるようです。
③スポーツクライミングとしての目標

怪我をする直前の頃、トップロープながらに5.11aを触っていたことを考えると、もっと真っ当な形で5.11aぐらいは登れるようになりたい、という思いがあったそうです。
また、辛くないボルダージムで3級ぐらいは登りたい、という目標もあったそうです。

これも、大まかに達成できたそうです。
一方で、ここから先へと進むには、2つの壁があります。
パートナー問題、初級から中級へのステップアップ、です。

A:パートナー問題

まず、この方自身、当時の山岳会の中でも、少々危なっかしいと見られていたそうです。
しかし、今となっては山岳会の人たちの方が危なっかしく見えてしまうそうです。
それは、リスクについて色々と学んだからでしょう。
さらに、それに目を瞑って一緒に登ったとしても、行けるルートはたかが知れているし、将来性も無いと予見できてしまったそうです。

次に、卒業生仲間で登るのは、リスク管理の点では共通の土台があり、ディスカッションもしやすい間柄です。
一方、山深いエリアとか、冬のバリエーションまで含めてやろうという人は、なかなか見つからなそうだという寂しさがあるようです。
これは当然のことで、1つ1つを最低限ちゃんと学ぶと、どこまで手が回るかは自分で見切りを付けたくもなり、良い意味での淘汰が起こります。
「私は、クラックまでかな。」、「私は、無雪期マルチまでかな。」などなど。

最後に、一般にパートナーを求めるにしても、ほとんどの場合は上記2つのどちらかに行き着きます。
結局のところ、入門バリエーションにおいて
・リスクをよく考える
・山屋だけれど、クライミングもある程度ちゃんとやる
という意識レベルの人は、ほぼ皆無なのです。

では、ソロシステムはどうかと思い、練習したこともありました。
しかし、これもさらにハードルが上がることを思い知ったようです。

こういう話は、私には解決はできません。
まぁ、同じような人は時々現れるから、しぶとく雪山とクライミングを続けることだと思います。
B:初級から中級へのステップアップ

講習の卒業は、「そろそろ自力で行ってみたら?」という話に過ぎません。
クラックで言えば、5.8や5.9がオンサイトトライでまともに遊べるようになったぐらいですし、これをこの先もっと習熟させていく方法も楽しいものです。

スポートルートにしたって、ジムにしたって、ムーヴの仕組みや練習方法を考えることに終わりは無いように思います。
グレード更新は年齢との戦いとなったとしても、上達そのものは続けられると私は感じています。

ただ、このタイミングで「終わりが見えない。」と思って、心にブレーキが掛かる人が一定数いることも理解できます。
僕自身にも、そういう時期があったようにも思います。

まぁ、趣味なんだから終わった方がむしろ困るはずなんですが・・・。
「あなたは全てを修了しました。もう練習しなくて構いません。」とか、神は絶対に言わないのです。
この方自身も、「自分は、(講習生の中では)結構成果出ている方だと思う。」と仰います。
もっと、成果が出ずに「練習が報われない」と感じてモチベーションが下がる人がいることも、十分に理解しています。
講習を続けられない人、上達を感じない人、いつしか思考停止している人など、いくらでもいると思います。

ここまでは十分報われているんだけど、「ここから先どうするか・・・」というタイプの悩みです。
まぁ、先のAとBの話で、ほとんど結論は出ているように思います。

あとは、本人の気持ちの問題なので、最終的には誰も最後の一押しはできません。
まぁ、きっと大丈夫でしょう。
話を少し広げて、「モチベーションが無いのに、無理にも頑張るべきか?」という問題があります。
「煩悩が無いならば、悟りへの一歩として受け入れたらどうか?」という話。

ただ、この悩みを挙げる人は、「モチベーションが無い自分が、なんとなく嫌だ。」、「できれば、ちゃんと練習したい。」、「仕事以外に、何かに打ち込む方が良い人生な気がする。」といった価値観が根底にあるように思います。

しかし、燃え尽き症候群、頑張っても報われない状態がダラダラ続く、パートナー問題、目標を見失う、などなどの事情で、モチベーションが落ちることはよくある話です。
であれば、選択肢は限られています。

・モチベーションが上がるまで、離れる
・モチベーションが上がったときに、パフォーマンスが落ちまくるのも困るので、最低限真面目にやる
・他の趣味に行く

ありがちな選択として、ダラダラやるというのは、色々な意味でやめた方が良さそうです。
練習習慣も悪癖だらけになるし、一時の気楽さが長期的には負い目となり、もとの自分に戻れなくなります。

「最低限真面目にやる」というのが、自分を律する能力が問われますが、大切なことだと思います。
スポーツですから、調子が上がれば自然とモチベーションが上がることも多いです。

僕自身は、こういう気持ちのやり取りを繰り返し過ぎて、もはや表層的なモチベーションを自分で感じにくく、淡々としてきたなと思います。(笑)
答えの無い話を長々としました。

同じ構図は、自分自身にも仲間にも生涯に渡って繰り返されますので、何かの参考になれば幸いです。


<マルチピッチリード講習、つづら岩>

<アドバンスクラック講習、城ヶ崎あか根>

<空中ユマーリングの練習>

2024年1月1日月曜日

最近の登り

あけましておめでとうございます。

少し前のことになってしまいましたが、「延長サブウェイ」以降の話。

①小川山のエイハブ船長(1級)にトライするも、こちらは敗退。
10年前よりは惜しい感じになってきているんですが、まだ色々足りず。
むしろ、田島ハングのスタート部分ができそうになったことが、興味深いです。

②小川山のモルヒネ(初段)は、登れました。GWにモルボルを登っていて、その延長バージョンで割と得意そうだったので、そのうち登りたいと思っていました。
そこにあったベヒーモス(1級)が、もうちょっとで登れそうという感じで、指皮が盛大に剥けてしまい、来シーズンに持ち越しになってしまいました。

③野猿谷のトリックケーブ(3級)が登れました。
これは、GWにマット3枚でトライして宿題になっていたのですが、なんとなくマット1枚でトライしたいと思い、岩が完全に乾く時期を待っていました。
実は、トライ中に1回ホールドが欠けて、ちょっとしたヒヤリハットがありました。まぁ、これは欠ける確率があることは分かっていたホールドで、(仮に欠けても)死にはしない状況とは思っていましたが。怪我をしなかったのはラッキーも大きいな、という感想です。
つまり、分かった上での行動ではあるのですが、リスク取りすぎかどうかは今後の検討課題です。
ちなみに、そのホールドが欠けた後に完登したので、もっと慎重な人なら「そこは使わない。」という判断も有り得たと思います。

ボルダリングの安全管理は、リード以上にムーヴ依存なので難しいと感じます。
リードの安全管理は、墜落距離の計算、プロテクションの信頼度(クラックなら固め取り、など)、ロープと身体の位置関係、落ちてはいけないセクションは戻れるムーヴが基本、などが大勢を締める印象ですが。
まだまだ勉強が必要ですが、結局こういう学びがクライミングで最も楽しい部分の1つだなと思います。
<トリックケーブ>

<これが登れたことが、ここ1ヶ月では嬉しい成果>

④湯河原に2回行って、サブウェイ(2段)をトライしました。1回、惜しいところまで行ったので、早めに再訪せねばと思います。
なんだか今シーズンはサブウェイに縁があるなと思います。ちなみに、小川山の延長サブウェイよりも易しく感じます(笑)。

12月半ばに風邪を引き、年末まで病み上がり感を引きずってしまい、本日の元旦にようやく自分のクライミングを再開しました。
まずは、基礎練習で身体を戻しましょう。