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「石田さんにとって、最も楽しい講習は何ですか?」という質問は、定期的にもらいます。
他にも、最もやりがいのある講習、最も教えたい講習生など、角度を変えた質問は色々あります。
講習の本題とは逸れますが、今回は雑談的に。
<マルチピッチリード講習@つづら岩>
まず、最も楽しみな講習の1つは、卒業生が継続的に受講を続けてくれているものです。
例えば、ムーヴ講習。
最低限、ジムでリードできる程度に安定感が出てきたら、「ジムのリード講習を受講してオーケーです。」と、言い渡します。
残念ながら、そこでムーヴ講習の受講を辞めてしまう方が多いです。
そこで、しつこくムーヴ講習を継続的に受講してくれると、とても嬉しいです。
さらに上のクラスを卒業して、再度ムーヴ講習に戻ってきてくれると、さらに嬉しいです。
私が「本当は、もっとこういうことを理解しておくと、登れるようになるし、将来的に色々役立つ。」と考えていることを伝えることが可能です。
・フック系のコツ色々
・デッドポイントのコツ色々
・持てないホールドを良いスタンスなどで誤魔化すテクニック
など、私が普段考えている話を少しずつ解説していきます。
理由②
過去にも講習しているんだけど、独力での復習が難しい(&指摘されないと、すぐに元に戻ってしまう癖などもある)ことを継続的に指摘し続けることが可能です。
・スタティック練習にすぐに飽きてしまう人
・フォーム矯正で勘違いに走る人
・ムーヴの原理原則を考えるのが自分では難しくてオブザベが一向に上達しない人
などなど。
ちなみに、これは初期の頃から解説している話ながら、講習の最終奥義でもあると思っています。
これの習熟度が、「講習生のクライミング人生の最終的な到達レベルを決定付けるのではない か?」とすら思います。
理由③
卒業を目指していないため、焦り、私に対する苛立ち、などが無いため、講習中に嫌な空気になることが、ほぼ無い。
理由④
講習の全体像が見えているため、何のためにこれを覚えた方が良いと私が言っているかが、ある程度まで本人が想像できる。
※特に、マルチピッチ講習とかを知った上でムーヴ講習に参加してくれるような方は、この点では最も良いです。
別の言い方をすると
●より高度なことを講習できる
●地味なトレーニングにも意味を見い出せる
●講習生・講師のコミュニケーションに、お互いストレスが無い
といった所でしょうか。これは、ムーヴ講習に限らず、ジムリード講習の再受講とか、岩場リード講習の再受講とかも同じです。
卒業して、1回だけ再受講に来たんだけど、結局は「できたつもりで、身に付いていないことの指摘」を受けるばかりで、「より高度なことを習うことはできなかった」という問題です。
例)
・ビレイを直された
・易しいムーヴにおけるスタティックが不十分と指摘された
・脇の締め方を修正された
・足置きの雑さを指摘された
これにより、モチベーションが下がるという問題です。
これって、理由②に挙げた通り、本当は最終奥義(基本の習熟度アップ)の話です。
ただ、人間って「もう自分は基本は出来ているんだから、もっと高度なことを教えて欲しい。」と思うものですよね。
基本の習熟度が最終奥義だなんて、なかなか信じられないのも、気持ちは理解できます。
(でも、信じてもらうしかないのですが・・・。)
少しずつ、上達して欲しいなと思います。
ちなみに、「やりがい」という点では、色々な意味で「手の掛かる講習生」も印象的です。
これは、学校の先生とかがよく言う話ですかね。
通常のクラスの中では、とにかくインパクトが強いです。
本人も「手の掛かる講習生」になりたくてなっている訳ではないとは思うのですが・・・。
こういう方には、講習内容だけでなく、「手の掛かる根本原因」を俯瞰できるようになって欲しいとすら思うのは、私のお節介が過ぎるでしょうかね(笑)。
実際には、性格とか長年の人生経験に起因するため、教えるとか教わるというのも難しいところがあり、あまり正面から指摘しないようにしています。
なるべく長い年月をかけて、搦手(からめて)から行くぐらいのつもりでアプローチしたいものです。
<アドバンスクラック講習>
あとは、ちょっと大変な講習(雪山、アプローチの遠いクラック、城ヶ崎の懸垂エリア、マルチピッチ講習、など)も、計画段階からシュミレーションを色々と練っているので、たまにやると楽しいです。
<ボルダーでの講習は、なかなか面白い>
高度なことを講習できるという点に絞れば、ボルダーで講習するのは面白いです。
場合によっては、入門的なインバージョンを講習したり、結構シビアなデッドポイントとかヒールフックのコツを話したりすことになります。