1月28日(土)は、上越の荒沢山カドナミ尾根にて冬山体験講習。
今回は、常連男性KBさん。
上越の山と言えば、谷川岳より北を指すことが多いです。巻幡山なんかが有名ですが、その他にも有り余るほどの山があります。
標高は1,000mそこそこのものが多く、「ハイキング?」と思われる方もいるかもしれません。
しかし、登山道は南北アルプスなどの超人気山域に比べて少なく、情報も少ないものです。
また、豪雪の新潟県に位置することからも、雪の量は北アルプス級!
そんなわけで、夏は数時間~日帰りのヤブ尾根コースが、冬には充実の丸一日~2泊3日コースへと変貌するのです。
目立たないながらも、侮れない!
そして、上越は大変なだけじゃあありません。
・ヤブ山と見せかけて、稜線は雪山らしい稜線歩き。
(今回は、写真が無いのが残念!)
・雪庇、ナイフリッジ、ときには岩稜も出てきて、ロープを出す練習にもなる。
(クライミングとして難しい訳ではないので、八ヶ岳以上に初心者向け)
・地図読みの練習になる。
中級者には
・湿雪への対処、日本海側の天候変化に慣れる、本格的なラッセル訓練、といった北アルプスへの訓練場としても有効。
ただ1つ、敷居が高くなる要素としては、入門ルートも夏の登山道が無いことです。
つまり、自分で尾根に見当を付けて登ります。
これじゃあ、最初は取り付きづらい!
僕は、山岳部顧問の先生から強いススメがあって、学生時代にその敷居を越えることが出来ました。
正直言って、最初は「えー、地味なんじゃないの?」、「もしかして、めちゃくちゃ難しいんじゃないの?」なんていう疑いの耳を持って聞いていました(笑)。
でも、行ってみたら入門ルートは当時の学生同士のレベルにピッタリ!
登るだけで、ラッセル訓練、地図読み訓練、ロープワーク訓練などになる、素晴らしい山でした。
そして今、その山域に強い興味を持つKBさんの敷居を取ることが出来て、嬉しいことです。
次回は、このルートを一人でチャレンジしよう、という気持ちになったKBさん。
気に入ってくれて良かったです。
具体的な行程
※この日は、前日までのドカ雪が大変なことに!黒部横断を思わせるラッセル訓練。
5:00 土樽駅出発
5:15 ワカン装着(林道歩きから、いきなり腰上のラッセル)
6:50 荒沢山カドナミ尾根取り付き(斜面になると、胸までのラッセルは当たり前。ときには万歳ラッセル)
13:30 行程の3分の2程度、いよいいよ風が強くなるあたりで下山開始
15:00 土樽駅到着
駅からアプローチ15分の山域で、全身雪に埋まる。
ここまで山深さを感じることが出来たのは、久々に幸せな気分でした。
・ルート紹介
このルートは、北カドナミ沢の右岸の尾根にあたり、上越入門としては超オススメ!
核心部の稜線歩きも、念のためにロープを持って行く程度の難易度。
ラッセルが「膝下~ときどき腰上」という程度で、少し暗いうちから歩き始めれば、十分に日帰り可能。
尾根の名称は、『日本登山体系』というバリエーションルート集に詳しい。
もっとステップアップを考えるなら、隣の足拍子も含めて考えると、尾根はよりどりみどり。
もっと多くの人に知って欲しいような、でも静かであり続けて欲しいような・・・。