2012年9月3日月曜日

小技を講習するべきか、控えるべきか?

9月1日(土)、2日(日)は、岩場リード講習。
常連女性TZさん。
今回は、これまでに講習した中でも基本的なことを総整理です。
まずは、スポーツルートでのリードそのもの。
実際にボルトでフォールしたり、色々と経験が積めました。
次に、終了点作業の確認。
終了点を見極めたり、実際に懸垂下降や結び替えで回収したり、小さなトラブルを色々と体験してもらいました。
で、1日目の午後からは雨・・・。
雨が避けられる洞窟の周辺で、ロープワーク。

そして、2日目は雨にてストーンマジックでトレーニング。

「リードして、立木の終了点で懸垂下降」という流れを、飽きるほど反復練習。

カラビナの扱いや、ちょっとした手順の小技を徹底的に仕込んで、速度はこれまでの倍速に。
実際、めちゃくちゃスムーズにロープが扱えるようになりました。
さて、今回講習したのは、かなり細かい注意点や小技ばかりです。

講習をしていて、いつも悩むことがあります。

「考え方(意識)を教えれば、細かい技術はそんなに教える必要はない。」
という意見があります。

それは、ごもっとも。
小技は、教え始めたらキリがないし、自分でもゆっくりと身に付くものです。

その一方で
「技術レベルが低いと、考え方自体が理解できない。」

それも、ごもっとも。
たとえば、
・省エネ技術を1つ2つしか知らない初心者にとって、省エネ技術の大切さを実感するのは難しい。

それと同じことは、マルチピッチでも、雪山でも、読図でも、ロープワークでも、何でも当てはまります。

こういう場合、「考え方を教えれば将来的に解決」ってのは厳しいものがあります。
地道に、小技を覚えて行くのに付き合った方が、考え方が浸み込むようです。
今回も、まさにそんな感じ。

TZさんには、ロープワークを洗練させることの意味が分からないでしょう。
そこで、無駄を省き、手の動かし方や、ちょっとした手順にまで口を出し、徹底的に効率化。

傍から見たら、「そこまで講習で教えなくても」と思う内容だと分かりながら、1つの作業に集中してみました。
これを切っ掛けに、ロープワークを練習する方向性が見えてくると良いですね。
具体的な講習内容
<1日目>小川山、ソラマメスラブ
講習に使ったルート:三食すみれ(体感5.8)、マイルドタジヤン(5.8)、甘食(限定なしで使用、5.9かな?)

・実際にリードでトライしながら、経験値を積んでもらう。持って行ったギアなどの反省点は、アドバイスしていく。
・フォールを2回経験
・懸垂でロープが根っこに絡まるのを経験
・結び替えで、間違ったところに通すのを経験
など
・「リードから立木で懸垂下降回収」の流れを、反復練習

<2日目>
・「リードから立木で懸垂下降回収」の流れを反復練習
・ハンドクラックを練習(ついに、かなり余裕になってきました!)
・踏み替えムーヴの練習
・「縦走中に、立木で懸垂下降」の流れを練習(これは、要練習!)
前回、ロープワークがいまいちだっとと書きましたが、今回はバッチリ夏前のレベルを超えておりました。
次は、晴れて欲しいですね。