2015年1月30日金曜日

1歩下がって2歩進む

1月29日(木)は、クラックリード講習にて、城ヶ崎。
女性HMさん、女性SDさんの2名。
<2人とも、岩場歩きが苦手だったので、歩き方練習を30分ほど>

最初に、ジャミングの基礎練習を行います。

大抵の方は中1ヶ月くらい空いているので、最初は前回の終盤よりぎこちないもの。
<ジャミング練習>

で、もう一度同じアドバイスをしていきます。

「あー、前回より何だか良く分かります。」
「ってことは、こういうケースだと、こうやった方が良いってことですか?」

という風に理解が深まります。

私の方でも、

“講習生は、1歩下がって2歩進む”
という、イメージを持って講習しています。
<引きつけ練習>

これは、ムーヴ講習であれ、ジャミングであれ、カムセットであれ、ビレイであれ、ロープワークであれ、アイスクライミングであれ、雪山登山であれ、何でも同じだと思います。

その過程の中で、記憶が整理されて、1つ上のレベルへと向かうのでしょう。

だから、1年も経つと別人みたいに進歩していることもある訳で。
<地上でのカムセット練習>

といった一般的な講習生とは別に、もっと間が空く方もいます。

これは、さすがに不利だなぁと感じます。

とはいえ、さすがに何回か身体で覚えなおせば、時間が経っても忘れにくくなります。
むしろ核心は、自分が全然進歩していない気分になること。

なにしろ、続けることです。
<カムで落ちる練習>

逆パターンで、2週連続や3週連続で受講されるタイミングを作る方もおります。

そうなると、
「おっ、アップから動きが良いですね。前回の続きからスタート、って雰囲気じゃないですか。」

という形になります。

これは、短期間で1つの講習テーマを卒業する上では有効だと思います。

特に、各リード講習は卒業するまで自主練習が難しいと思いますので、連続受講をオススメしている訳です。
<HMさんの本気トライ!>

僕自身も、スキー練習をしていて、同じ週に2日以上滑ったとき。

2日目は、朝のウォームアップから
「あれ、今日はウォームアップ要らないくらいじゃ?」

なんて錯覚に・・・。

ただ、忘れた動きをもう一度思い出す過程って、長い目で見たら有効なんじゃないかと思うんですよ。
そう感じて以来、間が空いてもネガティブに考えなくなりました。

ま、コンスタントに続けている人には、全く敵わないという現実は理解しつつ・・・。
ジムの常連さんにせよ、スキー場の常連さんにせよ。

ある講習生の言葉で、
「クライミングは、当社比が全て。」
というのがあります。

それが、上達を楽しむ本質だと思いますよ。
<1テンながら、だいぶ落ち着いて出来たので、嬉しそうでした>

具体的な講習内容
・歩き方練習(腿の付け根をリラックスさせる)
・ジャミング基礎練習(ゆっくり馴染ませる、肘の方向)
・ジャミングでの引きつけ練習
・地上でのカムセット練習
・カムで落ちる練習
・ムーヴ練習(安定するまで、次のムーヴを起こさない)
・終了点作業練習(立木での懸垂下降、など)
・実践本気トライ
HMさん:鬼ころし(5.7)のオンサイトトライで、惜しくも1テン

2015年1月28日水曜日

クライミング・登山技術は、講習の半分

1月28日(水)は、リード講習2コマ分。
新規の女性HKさん。
ムーヴを講習しているとき
(本日の場合、1つ目は骨盤を入れること)

①なぜ、そうするべきかを考える。
(メリット、デメリット)

②考えるだけではダメなので、反復的に身体を動かして実験

③さらに反復練習して、ほとんど考えずに出来るようにする
その際、特に重要な関節を脱力すると、滑らかに身体が動く。

という流れで練習しました。
で、これと同じことが、トップロープのビレイでも再登場。
HMさんは、なぜかビレイの動きで、ガチガチに肩が力んでいたので。

さらに、エイトノットを結ぶ際にも再登場。
最後に、指を脱力してもらったら、一気に滑らかに。

さらにさらに、クリップ練習でも再登場。
最後に、手首を脱力してもらったら、滑らかに。


講習の本質は、クライミング・登山技術が半分、練習方法・取り組み方が半分、なんだなと思います。

本日一番感じたのは、脱力を意識した途端に滑らかになるタイミングがあること。

それに、私は割と敏感。
(だから、反復練習が好きなのか?)

大抵の講習生は、少し鈍感。
(過去に、ハードな運動歴がある人などは、経験的に知っている。)

私にとっても、なるほどねー(笑)。
効果的な練習方法は、明らかにモチベーションを保つ力になるので、この機会にスキルアップしたいですね。

2015年1月27日火曜日

雪上訓練Lv.1をAコース、Bコースに区分け

1月25日(日)は、雪上訓練Lv.1にて、天神平。
全員新規で、男性AIさん、男性MOさん、男性SGさん。
雪上訓練Lv.1は、新規の方が多いです。

大抵の方が、
「自分で雪山を始めようと思ったけれど、さすがにちょっと不安で、基礎的なことを習いたい。」

というモチベーション。
そんな方を応援することこそ、私の生きがいな訳です。

で、Lv.1は歩行技術をメインに据えた内容です。

アイゼン、ピッケルの使い方を通しながら、
「雪の上を歩くとき、どうすると効率が良くなるか?安定感が上がるか?」

と考えて行きます。
その中で、質問に応じて

・休憩時の工夫
・装備品の選び方
・手袋の落とし止めのゴム
・体温調整
・ルートファインディング

といったことを、お話ししていきます。
でも、雪山を登る上では、そういったノウハウこそ重要という気もします。

雪山技術を、あえて3本の柱に分けるなら

①リスク判断
(進退判断、凍傷、雪崩、など)

②歩行技術

③雪山を生き抜くノウハウ

この②だけを教えられても、いきなり冬山に行くのは危なっかしいでしょうねぇ、という感覚。
今回も、

・手袋の中を、濡らしてしまったり
・スキーウェアで講習に参加して、汗だくになったり
・スパッツがイマイチで、靴の中が濡れてしまったり
・休憩中に、雪の上に直接座って、お尻を濡らしてしまったり

などなど、色々な失敗を実体験してもらえました。
今回は今回で、ゲレンデ脇の講習としては良かったんじゃないかと思います。

ただ、できればLv.1の2日目として、天神尾根から谷川岳を登頂すれば、もっと良かったかなぁと。
そこで、歩行技術以外の雪山技術について、少しだけでも伝えたいなと。

過去にも、3回実施したことがありますが、やっぱりセットにした方が良いでしょう。
そこで、講習題目を変更します。

従来、2日間で受けていた方の1日目をAコース、2日目をBコースとします。

雪上訓練Lv.1-Aコース 歩行技術の訓練(天神平、など)
雪上訓練Lv.1-Bコース 日帰り登山の実践(天神尾根、など) 参加条件:Aコース受講済み

ですので、過去にAコースだけを受けた方も、Bコースだけを申し込むことが可能になります。

HPへの反映は、少々遅れますが、今すぐでも申し込み可能です。
興味のある方は、検討よろしくお願いします。

具体的な講習内容
・キックステップ
・バケツの掘り方
・休憩時に物を濡らさない工夫
・下りのフォーム
・斜登行、斜下降
・耐風姿勢
・アイゼンを使った歩行
・滑落停止
・グリセード

2015年1月26日月曜日

落ち着きも技術

1月24日(土)は、岩場リード講習にて、湯河原幕岩。
女性NSさん、男性IGさん、加えて補習の女性HMさん。
<ムーヴ講習中>

現在、クラックリード講習中の女性HMさん。

「自分たちでボルトルートに行っても、限界グレードになると必ずトップロープにしちゃうんです。それを何とかしたいので、再度講習で頑張ってみようと。」

ということで、岩場リード講習の補習。
<終了点作業の練習>

何が原因なのでしょうか?

①ムーヴに焦りがあって、安定できないことが多い
②落ちる態勢が苦手
③登る前から、気持ちが高ぶり過ぎて、若干のパニック

というのが、主だったところでしょう。
<落ちる練習をするHMさん、ビレイするIGさん>

で、いつもの通りの講習。

①ボルダー練習にて、安定したムーヴを心がける

②落ちる練習&止める練習にて、距離感や態勢を復習

③実践、本気トライ
<立木での懸垂下降>

で、実際やってみて、前半戦は出来がイマイチ。
やっぱり、岩場だと緊張し過ぎてしまうんでしょうか。

で、本気トライは“マゾおけさ”(5.10b)。

1便目では、ムーヴも安定せず、落ちることも怖がりすぎ、モチベーションも落ちていた感じでした。

当然、トップアウトできずに敗退・・・。
<マゾおけさ>

その一方で、NSさんは見事にオンサイト!

IGさんは、テンション掛けながらもトップアウト!
<オンサイト!>

2便目。
私としても、負荷が高すぎたかなぁと思って、「パスしても良いですよ。」と打診。

ですが、「やります。」と。
<HMさんの1便目>

すると、あれよあれよと、ムーヴが安定して、そのままR.P.!

私を含め、全員ビックリです!
<IGさんの1便目>

本人曰く

「他の人のトライを見たら、自分がどうなっているか分かった。」
(ロープが足に絡みやすい箇所、など)

「石田さんが登ったのを見たら、そんなに力を使わなくても登れるんだと思った。」

「2回目だから、落ち着いて出来た。」

「どこなら落ちても大丈夫か、見ていたら分かった。」

などなど。
<トップアウトだけでも充実>

一見すると、常に落ち着いて見えるHMさん。

振り返れば、1便目のトライ前はパニック気味。
2便目は、落ち着いた緊張状態。

結構長い付き合いになりますが、私には、まだまだ見抜けませんねー。
<HMさんの2便目>

1日に数回で十分なので、落ち着いた緊張状態が発揮できると良いですね。

これはショートルートだけでなく、マルチピッチでも必須だと思います。
メンタルコントロール技術もあると思いますので、ゆっくりと時間を掛けて習得しましょう。
<見事にR.P.!>

具体的な講習内容
・ムーヴ講習
安定するまで動かない、足をスタンスに馴染ませる

・落ちる練習&止める練習
・立木での懸垂下降
・ボルトの種類
・実践本気トライ
全員で、“マゾおけさ”(5.10b)

NSさん:マスターO.S.
HMさん:R.P.(2便)
IGさん:2便とも、ムーヴだけ分解してトップアウト

足裏感覚

1月23日(金)は、ムーヴLv.1。
男性NZさん、男性ITさんの2名。
足がスタンスに馴染んでいる具合、ってのがあります。

「足指でホールドを掴んでいる感じ」
「強く押したり、引いたりしやすい状態」
「つま先で、ホールドをグリグリ探ったときに、ちょうどピッタリ来る感じ」

などと、伝える表現を工夫しております。

一般的に、足裏感覚と言われます。

馴染んでいれば、滑りにくいし、力も入れやすいものです。
例によって、これも1回講習しても、少し出来が良くなるくらいというイメージです。

何度も意識し直して、いずれ

「馴染んでいないと、気持ち悪い!」

と思うレベルになれば良いかと。

で、最近はジムだけでなく、岩場の講習でもこの感覚を繰り返し講習しております。
本日質問されたのは、
「裸足での練習も有効ですか?」

で、私の回答。
「有効かもしれないけれど、ジムだと水虫の問題などで嫌がられます。(禁止されているジムも)」

「昔のクライマーは登山靴で登っていたけれど、今それを真似して練習している人よりも、クライミングシューズで練習している人の方が足置きが上手い傾向にはあると思います。」

「初心者のうちは、ソールが柔らかめのシューズを履いた方が、足裏感覚が育つという意見の人も居ます。」


足裏感覚ってのは、やはり時間が必要なのでしょうね。

上級者でも、シューズを変えると少しの間は
「感覚が、ちょっと違う。」
って、盛んに言いますしね。


具体的な講習内容
・リード講習のやり残し(立ち位置、繰り出し、落ちる練習、などをより完成度を上げる)
・スタンスを足で握る感覚

2015年1月23日金曜日

ロープワーク講習は、題目名が本質ではない

1月22日(木)は、雨天にてロープワーク講習。
女性HSさん、女性KIさん。
今回のメインテーマは、ロープの畳み方と、終了点作業の結び替え。

ではありますが、これって「出来るor出来ない」という評価をするものではありません。
どっちかと言えば、「上手いor下手」。

ヘビー読者の方には耳タコで申し訳ありません。
ロープの畳み方を通じて、

・何が原因で、ロープが絡むのか?
・その対策は?
・ロープを扱う手さばきを洗練させるには?

といったことを考える、切っ掛けにしています。

これでもって、マルチピッチやバリエーションに行って、ロープを上手く扱いましょうと。
で、終了点作業も同じです。

結び替えが出来れば良い、ってもんじゃありません。

・そこには、どんな事故例(あるいは、事故の可能性)があるか?
・予防策として、どんなことが出来るか?
・もっと、単純化して出来ないか?

を考える切っ掛けにしています。
今回は、ちょうどKIさんが当塾講習初めてで、私の結び替えの方法とは異なりました。

そこで、2人で
「お互いの方法は、アリかナシ(危ない)か?」
「どちらに、どういうメリットがあるか?」
「場面によって、使い分けた方が便利か?」

といったことを考えてもらいました。

で、それに対して、最後に私がコメントすると。

そうしたら、2人からは
「じゃぁ、ちなみにセルフ用にデイジーを持って行く、って方法は?」
「スリングでも良いんですかね?それとも、ヌンチャクの方が良い?」

などと質問がドンドン飛んできました。

まぁ、なんて狙い通りに動いて下さるんでしょう(笑)。
こうやって、ロープワークの原理そのものを考えていくことが、マルチピッチに繋がると思っております。


具体的な講習内容
・ロープの畳み方を洗練
・ロープの背負い方(HSさん)
・ロープを手で畳む方法(HSさん)
・結び替え
・フィンガークラック練習

ロープワークって、最初に1つの方法を覚えた段階だと、まだスタートラインに立っただけだってことですね。
いくつかの方法を知っていて、どれを選ぶか考えられるぐらいでようやく、少し分かってきたレベルです。

2015年1月21日水曜日

なんでスキーやってるの?

1月19日(月)、20日(火)は、スキー練習にて奥利根。
1日目のみ、K田さんと。
2日目は、1人練習。
<1日中、悪天>

「なんでスキーやってるの?」
と、よく聞かれるのですが、

「面白いから。」
としか、もはや答えようがありません。

もともとは、雪崩の勉強をしたくて半ば嫌々始めたのですが、やっていくうちに

「初心者の気持ちに戻れて、面白い!」
というのが1シーズン目。
せいぜい年間10日ちょっとのゲレンデのみの3シーズン目ですが、今は上達するのが面白いです。

「なぜ、こうした方が安定感が上がるのか?」
という理屈を体で試すのが、興味深いです。

クライミングでも半年くらい、
「ジムが一番面白い。」

という期間がありました。

初登攀ごっここそ一番楽しい、と思っている今じゃぁ信じがたい話ですが。

その経験からすると、そのうちに山スキーを始めるような気はしています。
何年先かは、よく分かりません。
なんせ、今のところ山で滑ることそのものには、興味が無いので(笑)。

そして、そこで本格的に雪の勉強をしたいなぁと。



ちなみに、2日連続で悪天につき、膝くらいの新雪を滑るチャンスがありました。
感想を列挙すると・・・

①昨シーズンは、単なる障害物にしか感じなかった新雪も、ある程度乗れると楽しいかも。
ただし、久々に30回くらいコケましたが。

②膝くらいの新雪だと、足が堅い層に付いてしまうことが多くて、ときどき浮くような感じ。
私が重いから?

③同じ斜面が続く前提でしか、スピードコントロールが出来ていない。
いきなり圧雪面に出たり、逆にいきなり新雪に突っ込むと、派手にブッ飛ぶ。
斜面状況が目まぐるしく変わる状況だと、自分の技術レベルに合った低速を維持する能力が重要なのかな。
今だと、急斜面だとどうしてもスピードが出てしまう。

④ゲレンデでも、何となく新雪の急斜面に入るのは気持ち悪い。クローズにならない限り、入りますけど。
この気持ち悪さがある限り、本当に好きにはなりきれないかな。

明日

明日1月22日(木)、ストーンマジックでのロープワーク講習を行います。

城ケ崎でのクラックリード講習予定でしたが、雨のため変更です。
13時にジムが開店ですので、13時10分ごろにスタートです。

参加希望の方は、メールお願いします。

クラック講習に時間が掛かる人は、クラックが苦手な訳ではない

1月18日(日)は、城ケ崎にてクラックリード講習。

男性OGさん、女性MTさんのペア。
男性ITさん、怪我をしてリハビリしてきた女性SDさん。
<地上でのカムセット練習>

今回で、男性OGさん、女性MTさんは、クラックリード講習を卒業です。

想定範囲内の5~6回くらいで、特に大きな問題もありません。

本日、MTさんに5.8のオンサイトトライをしてもらいましたが、テンションは掛かったものの、落ち着いてムーヴ探りを続行できたのでO.K.としました。
<樹氷(5.8)>

じゃぁ、逆に10回とか掛かるのは、何が原因なんでしょうか。

経験上、こんな感じです。
<ここ一番の踏ん張りのあるMTさん>

①レストしながら先を読む、というクライミングスタイルが身に付いていない

本当は、ボルトルートでも必須項目なんですが、意外とできていない人も多いです。
<樹氷に本気トライ>

②足置き、ホールディング、態勢作り、などが不安定

普通に考えると、怖がりだと安定しそうです。

が、実際には、怖がりすぎて

「先に進んでしまいたい!」
という心情が働くことも。

これは、終わりなき戦いです。
トップクライマーから見たら、私も不安定に見えるんじゃないかと。

とはいえ、クラックをやるなら、このぐらいは安定感が欲しいって私なりの基準はあります。
当然、ランナウト必須のマルチピッチになると、さらに基準が上がって行きます。
<レスト中>

③墜落距離の予想をする習慣がない

ジムでも、いつクリップをするか、どんな位置でビレイするかを見ているだけでも、大体のレベルが把握できます。

自分でプロテクションの位置を決めるクラックでは、もちろん大事。
<プロテクション戦略を練習中>

④小技を大事にする意識不足

カムのラッキング、テーピングの巻き方、難しいカムセットをする際のポイント、ビレイの手の動き、などなど。

4~6日間ごときで全部を伝えきれる訳はないんですが、小技は意外と大事です。

クライミングそのものも、準備に掛かる時間も、だいぶ楽になってきます。
先日の、スキー板を担ぐ話に通じますね。
おおむね、ボルトルートまでの段階で、不安要素が多い人は時間が掛かります。

重要なのは、ここで落ち込まないことだと思います。

①~④にしても、クライミング全般に渡って重要なんですが、クラックをやると弱点が顕在化するということでしょう。
<MTさん、渾身のトップアウト>

行き詰まりを感じたら、岩場リード講習を復習に使うもよし、しつこくクラックリード講習を続けるもよし。

時間が掛かる人には、私もクラックそのものを講習している気がしていません。

「クライミングって、こういうことに意識を配ってやっていくものだと思いますよ。」
という私のクライミング観を伝えているんだと思います。

時間が掛かっている方々も、もう少し粘れば先が見えて来ますよ。
<暗くなりました>

具体的な講習内容
・ハンドジャム練習
・ジャミングの方向を変えずに引き付ける練習
・カムセット練習(地上にて)
・トップロープでのムーヴ練習(安定したムーヴになるまで、5.4を反復)
・リードで落ちる練習(ITさん、MTさん、OGさん)

・実践本気トライ
ITさん:樹氷(5.8)をオンサイト、鬼ころし(5.7)をオンサイト
MTさん:樹氷(5.8)をテンション掛け掛けトップアウト
OGさん:樹氷(5.8)をフラッシュ

2015年1月17日土曜日

伸び止まりのように見えて、伸び止まりではないケース

1月16日(金)は、1コマ目がムーヴLv.0で、女性OGさん。
2コマ目がムーヴLv.1で、男性ONさん。

ちなみに、ONさんはこの1週間で3回出て来ましたが、全員別人です。
クライミングをやっていると、同じグレードにとどまる期間があります。

私も、フェースだと5年くらい前に5.12aをオンサイトして以来、全く変化なしです。

ただ、その5年で成長していると感じています。
ちなみに、最初の2年くらいは、伸び止まりっぽく感じていました。

実際に、ほとんどクライミングしていなかった時期もありますしね。
まず、分かりやすい例で言えば、

・オブザベーション能力
・同じグレードでも、苦手なムーヴや形状が減ったこと
・省エネ技術

などなど。

これって、最高グレードには直結しなかったりします。

でも結果的に、マルチっぽくなればなるほど、「進歩したなぁ。」と感じます。
もう1つは、

・落ちそうなときの土壇場のガンバリ
・出来なかったムーヴを再トライするとき

そういう方法論が増えました。

以前は、レストポイントの工夫、足位置、フリか正対か、といった基礎的な意識が8割を占めていました。
ムーヴのコツ的な意識は、レパートリーが少なかったので、難しかったんです。

あとは、「気合いが足りなかったか!?」と自問自答(笑)。

今の方が、

・ホールディング
・体幹
・骨盤の出し入れ
・反動の方向
・股関節の使い方

などなど、限界ムーヴ中に意識しておきたいことが増えました。

これで、ボルダーも以前より楽しくなりました。
相変わらず3~4級前後をウロウロしてはいますが、先へと進む方法論は見えたので、楽しい状態です。
これって、助走の状態なんだと思っております。
だって、進歩しているとは感じていますから。

さて、本日の講習生。

OGさんが、オートビレイで初5.10aを完登!
その後、もう1本の5.10aをトライするも、ムーヴ解決ならず。

ONさんが、リードで5.10bを3便出して完登ならず!
1年くらい前にも、5.10bは登っておりますが。

そういうもんなんですよー。
だからこそ、出来るようになったことに目を向けないと、嫌になっちゃうと思うんです。

ちなみに、ONさんは1年前に比べたら、だいぶムーヴが安定してきたので、同じグレードでも確実に岩場向き、登山向きになっていると思いますよ。



具体的な講習内容
1コマ目:
・体幹の入れ方
・安定するまで手を出さない方法
・チョークの重要さ
・限界グレードのムーヴ解決練習

2コマ目:
・手をホールドに馴染ませる
・肘は曲げて良いので、ホールドから圧力を逃がさない方法
・ストレッチ
・実践本気トライ
①レストポイントで足を覚える意識
②先に足を上げておくか、後から上げるかを選択する意識
③ロワーダウン中に、覚えたいムーヴを練習する方法

2015年1月16日金曜日

ビレイ能力は、クライミング能力に比例する?

1月15日(木)は、リード講習3回目。
男性SKさん、男性EDさん、男性NZさん、男性ITさん。
一般的には、クライミング能力が高い方が、ビレイは上手いはずです。
5.10、5.11、5.12、・・・とビレイ能力も上がって行くはず。

①グレードが上がるほど、フォール回数が増える


・墜落距離の予想が正確になってきて、立ち位置、弛ませ具合の調整レベルが上がる

・繰り返しフォールを止めているので、フォールされても精神的に余裕がある

②クライマーの次のムーヴを予想しながらビレイしているので、全ての動作が楽になる
という話の流れなので、例外もあります。

「あの人のビレイは、ちょっとなぁ。」
みたいな話。

5.12の人でも、先々の読みをしようという意識が薄ければ、5.10程度のビレイしかしないことはあり得ます。

張り過ぎ、緩過ぎってのも、一例です。
これを続けると、ビレイヤー自身にとっても、クライマーの動作予測をしようという意識が薄くなると思います。

講習生の方々には、今のクライミング能力相当のビレイ技術を身につけて欲しいですねー。


具体的な講習内容
・ビレイの弛ませ具合
・繰り出し練習
・しゃがみビレイ、1歩離れたビレイ
・ビレイの立ち位置
・落ちる練習&止める練習
・実践本気トライ(SKさん、EDさん)

SKさんは、これにてジムリード講習は卒業です。
NZさん、ITさんは、もうちょっとですけど、次回予約のムーヴLv.1の中で補うことにしましょう。
EDさんは、もう1回お願いいたします!