2015年3月21日土曜日

ヘルメットを被るか?

3月21日(土)は、岩場リード講習にて、天王岩。
男性FMさん、男性SKさん、男性TDHさん、女性HKさん。
ヘルメットは、いつ被るのが妥当なんでしょうか?

同じルートでも、被る人と被らない人がいたりするので、気になりますよね。
サラッと、概説してみます。
メリット:
頭の保護

主な想定としては、
・落石
・フリークライミングのフォール時に、頭を壁に打つこと
・登山などの滑落事故で、頭だけでも保護していたら助かる可能性
デメリット:

・荷物になる
・被ると不快
・ムーヴの邪魔(ワイドクラックなど)
例えばの判断として、

①アイスクライミング

落氷が頻繁なので、全員被っている。
ただ、落氷が当たらないくらい、氷から離れた場所で休憩するときなどは、外すのもアリ。

②ワイドクラック(特に、スクイーズチムニー~オフィズス)
ほとんどの人が被らない。

ヘルメットだけが、カムのように挟まった場合、首つり自殺状態になるリスクがあります。


この2つの例が、メリットとデメリットが分かりやすいですね。
③ジムのリード
誰も被っていない。

ジムでも、フォールはします。
とはいえ、ランナウトすることが少なく、岩よりは板や人工ホールドの方が柔らかいので、リスクは低めです。


④外ボルダリング
被っている人を、見かけない。

「着地技術も含めて、岩場で登る技術」というのが、浸透しているからでしょうか?
着地失敗で、足首、背中などの怪我もあり得るので、ヘルメットだけじゃ守れないって意識なのかも。

まぁ、そもそもボルダリングだけしかしない人だと、ヘルメットっていう選択肢自体が浮かばないような気がしますが。
⑤マルチ
被る人が多い。

落石の危険地帯を、通過せざるを得ないことがあるから。
ただし、そういうことが少ないと予想される場合や、ワイドクラックが出てくると予想される場合は、悩みどころ。


⑥沢登り
被る人が多い。

行ってみないと、落石の危険地帯を通過するかどうか分からないことが多いから。
今までの例は、一番判断に悩む以下2つのための前フリです(笑)。


⑥スポーツルートのリード
被っていない人が多い。

ただし、ロープを引っかけて頭が下になるようなリスクは、初心者ほど高い。
また、稀にスポーツクライミングのエリアでも、落石リスク高めというエリアが存在するので、注意。

※講習では、装備表ではなるべく持ってきた方が良いとしながら、ルートによって本人の判断に委ねることが多いです。
⑦クラック(ワイドっぽいのを除く)のリード
上級者のお歴々を見る限り、被っていないことが多いながらも、ルートによっては被っている様子。

各ルート毎に、オブザベーションの段階で、リスク予想が出来る前提だと見えます。

ちなみに、私はカムが抜けて変な体勢で落ちたことが1回、フットジャムがロープに干渉してドキドキしながらムーヴをすることが時々ある、という実体験から、以下の方法。

「本気トライでは、基本被る。
ただし、ムーヴや落ちる態勢まで、オブザベーションでバッチリ予想できるようなルートなら、被らない。」

つまり、上級者の方々とは、真逆のスタイル。
ただ、これでオブザベーション能力が上がっていけば、被らないルートも増えてくるのかも、とは期待しながらやってます。

※講習では、スポーツルートと同様に、装備表では「持ってきた方が良い。」というレベル。
あとは、リードするときの各自の判断。
こういう話をすると、ボルトルートで7割くらい、クラックなら9割くらいの講習生がヘルメットを着用するようになります。

被らないのも、事情がちゃんと飲み込めていれば、O.K.とします。
なんせ、上級者は被っていないですしね。


具体的な講習内容
・ムーヴ練習(足をスタンスに馴染ませる、腰を入れる、懐を空ける、安定するまで手を出さない、手をホールドに馴染ませる)
・ヌンチャクの向き
・ヌンチャクの長さ
・持って行くギアの選定(予備ヌンチャク、終了点ギアをなるべく軽量化する意識)
・リードで落ちる練習&止める練習
・ロープが足に絡むパターンあれこれ

・実践本気トライ
FMさん:クラックジョイ(5.9)をオンサイト
TDHさん:涅槃の風(5.10b)を再登
HKさん:クラックジョイ(5.9)を再登、涅槃の風(5.10b)は、途中敗退