2016年1月18日月曜日

ゲーム・オブ・読図

1月16日(土)は、読図講習にて、奥多摩の川乗山中腹へ。
女性STさん、女性Sさん、男性KHさん、男性ENさん。
<久々の読図講習>

読図の目的も、いろいろあります。
道迷い遭難を防ぐ、というのもあれば、周辺地形が理解できると楽しい、というのも。

ただ、登山道の無い尾根や、トレースの無い雪山、人の少ない沢に入ると、読図そのものにゲーム性が出て来ます。
<午前中は、尾根と沢、コル、標高差などの勉強>

たとえば、尾根下りをしていれば、一本間違った尾根に入ると失敗になります。

この場合、力技で下りきろうものなら相当な斜面が出てきたりもします。
なので、間違ったら登り返す、というのがチョット罰ゲームっぽい感じです。
<先読みトレーニング>

しかも、「間違っているかも?」と自信がないときに、本当に色々考えます。

・登り返す?
・もっと地図を熟読?
・コンパスがヒントになる?
・周りに何か見える?
・パートナーに何か意見はある?
・もう少し様子を見ながら下ってみる?

と選択肢が多数。

ここに、私はゲーム性を感じます。
実際、オリエンテーリングってのもありますしね。
<ついでに、山座同定>

しかも、山の場合は、あんまり酷い間違いをやるとビバークや遭難に陥るリスクもあります。

そこで、何度も登り返して、とうとう自信が持てないなら、頂上まで戻って往路を引き返すこともあり得ます。
実際、エビ小屋山に講習生同士で読図訓練に来た際に、そのような判断をしたという例も聞いたことがあります。

こういったバックアッププランまで考えてトライするあたりが、とても面白いと感じています。
<雪が出て来ました>

ザックにGPSを忍ばせたら、クライミングの疑似リードっぽい感じになっちゃいそうだと思っています。
(「間違いかも?」と思った時点で、GPSを見てしまうから。)

そんな訳で、今のところGPSは買わないことにしています。
(「あまりにも平坦過ぎる」、「ホワイトアウトのリスクが高すぎる」などの理由で、GPSを買うことが、今後あるかもとは思っていますが。)

高度計も、ゲームを簡単にしてしまうので、結構微妙なラインな気もします。
ただ、GPSを見ながら歩くのとは違って、ゲーム性そのものは残るので、個人的にはギリギリセーフと感じています。
※講習中は、標高差の感覚を磨く練習として、高度計禁止ルールでやっています。
<下りは、講習生のみで>

一方で、これはGPSを買わずに山を始めた人の戯言なのかもしれません。

でも、沢登りのトポを持って行かないのと同じで、こういうゲーム性こそが、登山らしい判断力が試されて面白いなと思っています。
<地図読みゲームの開始!>

今回の皆さんは、どう思ったでしょうか?
このゲーム性そのものは、とても楽しんでいただけたようでしたが。

そして、今後その考えが1年後や5年後に、どう変化するのでしょうか?

技術を高めると同時に、遊び方(スタイル)についても考えて行くところが、登山らしいところですね。