2016年6月16日木曜日

ビレイヤーはバックアップ

7月、8月の予約受付は、今夜0時スタートです。
上書きで投稿しておりますので、念のため。

6月15日(水)は、クラックリード講習にて、湯川。
男性ONさん、復習参加の男性ITさん。
予報が微妙にて、2名は不参加。
ONさんの本気トライ中、ITさんはビレイ、という状況です。

ITさんは色々なことを感じて、ONさんに声を掛けるか迷っておりました。
通常は、危ないと思えば声をかけるべきですが、明らかに危険ってほどじゃないので迷っていました。

※ムーヴの相談は、状況次第。
①カムの効き具合
今回は出だしが難しく、ビレイヤーからもカムの効きが見えます。

「いや、それだとチョット。」
「それは、効いてそうですね。」
など。
②ランナウト具合
「そろそろ、プロテクションを取ってほしい。」
「その態勢で、上にカム決めて、トップロープ状態になれないんですか?」

などと、心配事を話してくれます。
<出だしは、ビレイヤーにもよく分かる>

③リスク分散
中盤で、カム1個でテンションしているのが、見ていて不安を感じます。
その直前が歩きっぽいので、直前にプロテクションは取っておらず。

「それ一個抜けるとグランドしちゃうから、固め取りしませんか?」
など。
<この状況での、クライマーの心理を想像するのもビレイヤーの仕事なのか?>

④ハングドッグの方法
「テンション掛けっぱなしだと、カムより上に進めないんじゃないですか?」
「緩めて。張って。とかの指示を、もうちょっとハッキリ言ってもらえると助かります。」
など。
事故の責任は、クライマー本人に帰するはずです。
とはいえ、ビレイヤーも一緒に心配してくれます。

今回で言えば、ONさんにも自分なりの考えがありました。

固めどりしない理由は、1個のカムもバッチリ効いていて、そこで固めどりすると先で使えそうなカムが無くなってしまうことです。
ただ、それをITさんと話し合えていれば、また違った展開もあったかと思います。

実際、その周辺には、別のカムも効いたのです。
(ITさんからは見えない。)

オンサイト、という考え方は大切だと思います。
が、ビレイヤーが事故確率を減らすバックアップの役目を負っている部分もあり、適度な声掛けはやるべきですね。

一番初歩的な例だと、ジムのビレイで逆クリップとか、クリップ忘れに気づいてあげる、とか。
クラックになると、リスクコントロールのゲーム感が強いので、ビレイヤーも色々気になるはずです。
<2トライ目で、下部は突破>

具体的な講習内容
・ボルダー練習(ハンドジャムを外引きに決める、手を突っ込みやすい態勢を作る、など)
・地上でのカムセット練習(スライドさせて決める方法あれこれ)
・カムで落ちる練習
・実践本気トライ
ONさん:草餅(5.8) 1トライ目は、下部で敗退。ムーヴを色々試してみた。
            2トライ目は、ハングドッグしてトップアウト。

ITさん:北風小僧(5.9) 実質的にオンサイト(10年ほど前に、トップロープで登っている)

ITさんは、久々のショートルートで、落ちそうな中を頑張ることが衝撃的だったようです。
怖い怖いと連発していました。
そうは言っても、北風小僧を登ってしまうあたりは、さすが10年のキャリアですね。