2017年8月31日木曜日

楽しみはこれから

8月30日(水)は、1人で沢登り。
奥秩父の笛吹川久渡沢支流のナメラ沢遡行、中ノ沢下降。
<めちゃ暑いアプローチ1時間。午前中は、天気ヨシ>

ようやく、重い腰を上げて外へ。
富士山前のコスモス通い以来だから、もう2ヶ月半くらいぶり。

特に、沢登りは準備と片づけに、ビビってしまい・・・。
<入渓点に看板>

そして、自宅の片づけも苦手とする私は、久々の道具を出してくるのも四苦八苦・・・。
でも、モチベーションも回復して来たので、どうにか出発。
<ナメ>

とはいえ、行けば楽しいです。
今回は、水量も少なく、滝も1つしかなく、ロープも1回も出さず。
物足りなさすら感じます。

行く前は、「易しそうな地形の沢を選んで、サクッと終えるルートにしよう。」と思って決めたルートなのに(笑)。
<ただ1つ楽しめた小滝>

でも、歩行時間はまずまずで、最後の1時間は集中力切れで転倒するのとの戦いでした。

天気も、稜線でガスり、下降中に1度は本降りでドキドキしましたが、判断ミスを誘われるほどではなく。懸念された雷雨も、来ずに済み。

地図読み的にも、下降で急斜面を避けるために、結構本気になりました。雨も降ってて、最適ルートで降りたい欲求が・・・。
<良い表情のカエル>

という訳で、適正負荷だったんですが、アスレチック要素としては物足りず。
あとは、樹林が濃い山域の小さい沢ということで、景色も少し物足りず。
<最大の見どころ>

でも、とりあえず装備合わせ&足慣らしということでヨシとしましょう。

1回目から面白い沢に行こうとすると、痛い目に遭うので、このぐらいの我慢は必要です。
次回は、上越の易しいところか、近場ならアスレチック要素の強いところを選ぶとしますかね。
<後半部分>

行動記録
 8:05 道の駅みとみを出発
 9:00 入渓点
 9:15 出発(10分ほど違う方向に歩いてしまい、9:30に再出発)
      ナメラ沢を遡行(最初の20分は、下降予定の中ノ沢と共通部分)
12:15 稜線に到着
12:35 東破風山。下降開始。しばらくして、本降りの雨。
      中ノ沢を下降(下降中は、曇りときどき小雨。)
15:00 入渓点に戻る(登山道は、曇り)
16:05 道の駅みとみ(車に戻ってから、再度本降り。)
<稜線の登山道>

<本日は、誰にも会わず>

<小雨の下降中>

<鹿?>

オートビレー機が怖い

8月29日(火)は、無料体験講習。
今回は3名。

オートビレー機が怖い、という人は結構多いです。

初心者さんが挙げる理由として
①ロワーダウンのスピードが速い
②トップロープのように、一度テンションで止まれないのが心配
③機械として、仕組みが今一歩信用できない

③は、機会を横からよくよく観察したり、製品情報をHPなんかで見ると少しマシになるでしょうか。何度か、地面に近いところで実験してみるのも、有効です。
①、②は、本人の努力が必要かと。どんなに時間が掛かっても構いませんが、投げ出さない方が良いです。そういう努力が嫌なら、リードクライミングは無理だと思います。

ちなみに、オートビレー機には現実的なリスクも多少あります。
④オートビレー機の付け忘れ事故がありうる
⑤オートビレー機の不調で、巻き上げ不良が起こりうる

これに関しては、セルフチェックで確率を減らすことも大事です。
④、⑤が理由で、オートビレーを練習に使用しない、という選択肢はアリだと思います。私は使いますが。

ただ、本当は①、②なのに、④、⑤を挙げて自分を正当化しているようだと、単なる言い訳です。
ロープクライミングは、恐怖と危険の区別をすることに、1つの核心があります。
ボルダリングが短距離走で、リードが中距離走、という競技特性以前の話で。

「この怖さは何だろう?」
マルチでも山でも延々と付きまとって来る、永遠のテーマだなと思います。

2017年8月29日火曜日

講習生の人生経験

8月27日(日)は、クラックリード講習にて、湯川。
NSさん夫妻。
学生時代から楽器を続けているという、NS奥様。
クライミングの話に変換しながら伺うと、いつも興味深いです。

参考までに幾つか。
①調子が悪いと、楽器の調整が悪いか不安になる。調整を自分より上の人にやってもらい、「これでダメなら、悪いのは自分だ!」と言い聞かせると、練習に集中できる。
(クライミングシューズのフィット感に、若干の左右差を感じた場面にて。)

②反復練習は、うまく行き始めてからテンポを速めていき、それでボロボロに崩れるようになる。そこで、「なんでこんなにダメになっちゃったんだろー。テンポを落としても、なんだか上手く行かなくなっちゃった。」という落ち込みを経験して、それを再度スローペースから立て直すことで、もう崩れなくなる。つまり、一度自分がボロボロになるのは織り込み済み。

③練習が好きで、本番は苦手というメンタリティに陥りがち。(練習は、練習の中では僅かずつでも着実に成果が出る。が、本番はそうとは限らないし、本番には未知への対応を楽しむぐらいのメンタリティが必要。)練習に依存して、心が安定するという状態になる。
(本気トライよりも、復習トライを好む自分の傾向を鑑みる。)

④ベテランの先生に的確な指導を受けるのも良かったが、新人の先生が一緒になって悩んでくれたのも良かった。そして、新人の先生はその後、ベテランの先生のようになった。ただし、昔の方がありがたかった部分もある。

⑤学生時代に比べて、短時間では身に付かなくなったことも多い。また、若いころは何も意識しなくても出来たことが、出来なくなったこともあり、再度練習が必要になる。ただ、それを認めずに「今日は、調子が悪い。」などと逃げてしまうと、弱点が増えて行くため、退化する。

⑥オンサイトは、ジャズの即興で人を感動させる演奏。レッドポイントは、クラシック音楽の演奏会。
聞いていて、「すごい分かります!」ということもあれば、「それ、僕らのクライミングへの姿勢より厳しいっすね。」ということもあります。

クライミング自体は、運動経験の無さなどから、上達がゆっくりな奥様ですが、練習への姿勢という意味では十分すぎるものも感じます。
数年後は、クライミングも良い感じにまとまって来そうですね。
具体的な講習内容
・ハンドジャムの親指位置、ジャミングの方向を意識すること
・地上でのカムセット練習(今回は、わりと徹底的に)
・疑似リード×3回で、カム戦略を色々

2017年8月27日日曜日

山の知り合いを増やす会

ギリギリの通知ですが、恒例の増やす会は明日の月曜夜です。
新宿集合ですので、可能な方は是非とも。
ちなみに、1名は新規の方が来ますので、増えないということはなさそうです。

2017年8月26日土曜日

自分流フィジカルトレーニング

8月25日(金)は、夕方がリード3回目で、女性ODさん。
夜がリード1回目で、女性HNさん。
本日の講習とは無関係に、たまにはフィジカルトレーニングに関して。
一般論は、どこにでも書いてあるので、入門書を読みなおすのが吉でしょう。

ブログに書くことは滅多にないし、初級者がフィジカルを言い訳にすると諌めることが多い私ですが、ちょっとは気にしています。
たいした話ではないのですが、参考まで。
持久力
・必ずしも、パンプアップさせて、パンプに身体を慣らすことが一番ではない。
超低負荷での毛細血管発達を狙う(無限に滞在できる状態)、など。
ちょっと不思議だが、ボルダーのインターバルトレーニング的なメニューでも、案外リードの持久力が付くことがある。
とはいえ、パンプアップした状態で登ることは、別の意義が色々とありそうなので、やる。

高負荷
・超回復が必要なレベルで追い込むには?
①良いトライをする(安易なギブアップは、ダメ)
②追い込みトレーニングをする
③トレーニング主体の日を作る
など。

私の場合、体幹がヨレヨレになったら大成功、腕がバンバンだとボチボチ、指だけが痛くて腫れたら失敗、くらいに自己評価しています。
本当に良いトライは、トレーニングに匹敵するぐらい身体がバキバキになることもある、というのが面白いところです。エキスパートな人の中にも、たまに①ばっかりという人がいるのも、分かります。
テクニックトレーニングとの兼用
・上質の本気トライは、メンタル的にも良い練習になります。リードであれ、ボルダーであれ、駆け引きもあります。
・追い込みトレーニングは、本気トライの数個下のグレードを頑張って落ちずに登ることで、ムーヴが最適化してきて、テクニックが鍛えられます。この際、ほどほどに良いトライをしないと、かえってギブアップ癖(あるいは適当に取り付く癖)みたいな悪癖が付いたりして、上質の本気トライに悪い影響を与えることがある。
・コツを要するトレーニング。この手で有名なのはキャンパシングですが、私はほとんどやらないので説得力ゼロ。個人的に好きなのは、強傾斜の足ブラからの腹筋と振り子運動での復帰(特に苦手なので、調子が出てくるとやりたくなる)。
焦点化
・前述のテクニックトレーニングとの兼用と矛盾するようだが、テーマは絞るほどに集中できて成果も出やすい。兼用は、欲張りなことだと自制すべし。

フォーム
・悪いフォームは、大きな筋肉が使えずに、指や腕だけが疲労してしまうため、上述の話は水泡に帰す。
小中高とほとんど運動して来なかった私には難しい注文だが、クライミングを通じて基本的な身体の使い方を覚えることも大事。もちろん、50代でクライミングを始める上に、学生以来運動らしい運動をしてこなかったという講習生もいるが、故障率は当然高くなる。

健康的な生活、体力維持
・超回復を本当に狙うのであれば、普段の生活は大事。
食事、睡眠、軽い準備体操などで血流促進、などなど。ただ、個人的には一番モチベーションの浮き沈みの影響が出て、サボることが多い。

まぁ、私も富士山に1ヶ月弱いたことで、あまりにもボロボロになり、この1ヶ月は1度も外に遊びに行く気が起きないほど。メンタルも、身体の芯も、ダメダメになりました。ようやく身体が戻って来て、また楽しくなってきました。
とりあえず、ジムが・・・(笑)。でも、こういう時期も、色々と自分を見つめなおせて良いです。

2017年8月25日金曜日

登るスピード

8月24日(木)は、ムーヴLv.0。
女性Mさん、男性THさん、女性HNさん、女性KDさん。
省力化した動きならば、消耗は少ないです。レスト態勢に近いぐらいの負荷ならば、30分でも壁に滞在することが可能でしょう。
一方で、ややバランスが悪かろうと、素早く通過してしまえばトータルでは消耗が少ないです。

あなたは、どちらが得意でしょうか?
そして、場面場面でどちらを選択するか考えていますか?

この問いは、クライミングを続ける限り自問自答するものだと思います。
当塾のムーヴLv.0では、「なんだかレストしないで進んじゃうんです。」という方が多く来ます。
それも、ここと関連があると思っています。
詳しくは書かないので、色々と試してくださいまし。

さて、HNさんはジムリード講習に進んでオーケーとしました。

2017年8月23日水曜日

教えたいこと、教わりたいこと

8月20日(日)は、雨中止にてロープワーク講習。
マルチ講習予定だった、女性HMさん、男性SGさん。
講習後、HMさんはしきりに
「良いタイミングだった。」
と言っていました。

ロープが絡まないように気を付けること1つとっても、表裏、末端が分からなくならないように注意したつもりが絡んでしまっていたそうで。
色々と考えてみるけれど分からず、アドバイスが欲しい頃合いだったそうです。

その他にも、似たような場面がチラホラ。
教えたい順番と、いままさに教わりたい内容というのは、必ずしも一致しません。
カリキュラムって、そんなもんでしょう。
(色々と工夫はしてみますが。)

とはいえ、まさに一致したときは効果の高さは常々感じます。
この仕事を始めたころにも何度か書いたような内容で、結論は変わらないです。
でも、さすがに思い入れは強くなりますね。
具体的な講習内容
・ロープの畳み方を洗練
・スリングの扱い練習
・リード&フォローの作業練習(セカンドビレイの仕組み、など)

2017年8月22日火曜日

正の連鎖

8月19日(土)は、岩場リード講習にて、小川山。
男性STさん、女性TDさん、男性TSさんの3名。

久々に、雨が丸一日降らなかったですね。
足置きに関して、講習生から面白い発言があったので、御紹介。

「足を丁寧に置くのは、足が滑らないためだけじゃない。」
「足を丁寧に置こうとすると、ムーヴがコントロールされて、動きが滑らかになる。」
「足が丁寧に置けていると、次のムーヴもコントロールされて、良くなる。」
足に関する正の連鎖、って感じですかねー。
ほんの僅かな負の連鎖を、厳しくセルフチェックするイメージです。

①負の連鎖を断ち切る = リカバリー能力
②負の連鎖に陥らないように気を付ける = 普段からの丁寧さ
こうやって書いてしまうと、誰でも気にしてそうなことです。
でも、セルフチェックは採点基準が甘い人と厳しい人がいますので、自分的に丁寧でも、傍目には雑かもしれませんよ。
具体的な講習内容
・スラブの足置き練習
・トップロープでのムーヴ練習&リード想定あれこれ
・終了点作業(トップロープ回収)
・実践本気トライ(TSさん)
穴があったら出たい(5.10a/b) R.P.。3トライ。
オーウェンのために祈りを(5.10c) R.P.。2トライ。

逆クリップ癖

8月18日(金)は、雨中止にてジムリード講習。
女性NBさん。
クリップの際、逆クリップすることが手癖になってしまうことがあります。

NBさんは、これまで逆手でロープを持ってクリップしていたのですが、それを(おそらくは入門書的には最も)標準的なクリップに直すように他のクライマーに指摘されたそうです。そしたら、ときどき手の動きが混ざってしまって、ロープが捻じれることに。

詳しく説明するには、挿絵が何枚も必要になるので、あとは皆さんの想像力と自宅実験にお任せします。

他にも、リードのビレイの立ち位置など、基本的なことで分からないことが色々。
雨ながらも、色々と実験できて満足げでした。
私としても、良かったです。

2017年8月18日金曜日

傀儡政権

8月17日(木)は、雨中止にてロープワーク講習。
男性TSさん、UDさん夫妻、富士山仲間の男性MSJさんが特別参加して4名。
クライミングでは、「手順足順を指示してしまうと、指示された側は考える前に身体を動かしてしまって、成長を阻害してしまう。」みたいな話があります。

操り人形、マリオネット状態、などと言う人もいます。
ガイドの初心者講習会であれ、夫婦の旦那さんと奥さんの関係であれ、山岳会のオジさんから後輩であれ、ジムの無料道場であれ、これに陥る可能性はあります。

とはいえ、この通説は有名なので、一定レベルのクライマーなら、自戒を込めながら指導やらアドバイスしています。
さて、ロープワークでこれをやると、成長の問題だけでなく、リスクも伴います。
終了点作業でまごついている初心者に、下から指示すると、遠隔操作って感じですよね。

岩場でたまに見かけるけれど、よっぽど気を付けてやるか、我慢して口出ししないか、よく考えた方が良いと思いますよ。
具体的な講習内容
・ロープの畳み方を洗練
・スリングの収納方法
・アルパインクイックドローの作り方
・結び替えの色々なパターン、事故事例の考察練習

2017年8月17日木曜日

狐と狸の化かし合い

8月12日(土)は、ストーンマジックにてロープワーク講習。女性NMさん。
8月13日(日)は、クラックムーヴ講習にて、小川山。男性HYさん、女性NMさん。

が、岩場でもうすぐ登ろうというタイミングで、雨が降り出し、そのまま本降りに。
甲府のピラニアに移動して、ムーヴ講習となりました。
さて、反復練習に飽きてしまうHYさん。

1回で登れた10級を、もう少し楽に登るには?もう少し安定して登るには?と何度か登ることに飽きてしまうそうです。
“10回やると、さすがに飽きる”とかではなく、2回目に登ることすら面白みが少ないと。

見ている方としては、最初の5回くらいは足位置も毎回違うくらいで、「5.11クライマーならもうちょっと洗練させられるでしょ。」と思っちゃうのですが。

そうは言っても、ムーヴ講習、クラックリード講習、ロープワーク講習、アイスクライミング講習と経験してきて、反復練習の効果は知っています。

講習中の構図を、HYさんが語ってくれました。
「つまらない、と私が言う。それが本音だと分かった上で、石田さんは敢えてそれを無視する。狐と狸の化かし合いなんですよ。実際、つまらないとは言わないだけで、飽きちゃう講習生はイッパイいると思いますよ。」
ちなみに、反復練習をもっと楽しくやる講習をリクエストされましたが、これはなかなか難しいですね。

反復練習の楽しさは、エンターテイメント的なものじゃないんですよ。
反復練習は、コツの発見を楽しむものだと思います。だから、1人でやってもそれなりには楽しく、コツを提言されながらやると、もうちょっと楽しいと。

まぁでも、飽きちゃう人が多いのも知っています。
化かし合いも、もう少し試行錯誤を積んで行きましょう。これも1つの反復練習なので。

2017年8月14日月曜日

登る以外

8月6日(日)は、雨中止にてロープワーク講習。
女性Mさん、女性ISさん。
講習中、Mさんがボソッと。
「登るだけじゃないんだなー。」
「今まで(経験者と一緒に登っても)、終了点とかよく見てなかったなー。」

ちなみに、2人は自覚してロープワーク講習を希望した訳です。
それでも、実際にロープワークを学んでいく中で、もう一歩そう思ったみたいです。
登る技術9割、ロープワーク1割、というイメージが、8割と2割になったくらいのイメージでしょうか。

2人は、これから岩場リード講習ですから、まだまだ考えも深まるでしょう。
「登れるだけじゃダメ」っていうのは、ジムリードでのビレイの難しさを痛感するときも同じだと思います。
マルチピッチでは、もっと様々なことが痛感されてきます。

最終的に色々やる人にとって、登る技術4割、様々な周辺技術6割、くらいなのかもしれませんねー。

雨の中の阿吽

8月5日(土)は、マルチピッチ体験にて、小川山。
女性IUさん、男性NSさん。
<雨の後>

午後早めの時間に本降りの雨にて、撤収。

私がリード後、IUさんがフォロー開始後5m、NSさんはビレイ点で待ちという場面で、核心部がドンドン濡れてきて突破不可能になるというシチュエーションでした。
<感動したNSさん>

徐々に土砂降り、コール無し以前に大声でも届かないシチュエーション。もちろん、リードとフォローは、お互いの姿が見えません。

ただ、お互いに状況は察しているので、以下のように対応。

まず、私がセカンドビレイからロワーダウン開始。
IUさんは、そこで私の判断を察して、ビレイ点でセルフビレイを取って待機。
私がビレイ解除して、懸垂下降してフォロー2人が待つビレイ点まで行く。以下、合流して撤収。

と、普通の流れではありますが、私がセカンドビレイを解除するのがドキドキものだったことは想像していただけるでしょうか。

今回の経験で、NSさんはマルチピッチにおいては、お互いの状況を察する力が大事だと痛感していたようでした。
<薄暗くなるころに下山>

ちなみに、15時頃に車に戻り、全身ずぶ濡れで「温泉でも行きましょうか?」という状況でのこと。

IUさんが、「雨も止んだし、小川山レイバック(の再登)だけでも行きませんか?」と熱いモチベーション!
感動した私とNSさんは、風呂用に用意した着替えを着用して、徒歩10分圏内でカムでのビレイ点作り講習に向かい、薄暗くなるまで頑張ったのでした。モチベーションがあると、教え甲斐もありますね。

2017年8月12日土曜日

落ちなくて良い理由を探せ!

8月4日(金)は、昼がリード2回目にて、女性ODさん。
夜がリード3回目にて、女性DIさん、女性MKさん、女性MYさん、復習受講の男性STさん。
本日、落ちるのが苦手(トップロープ状態でも落ちながら悲鳴を上げるレベル)な方が、熱弁。

「落ちる練習って、する意味ありますか?」
「テンションがギブアップっていうのは分かるけど、落ちそうなときはどうせ自分で分かるから、手を出す必要なんて無いじゃないですか。」
「よしんば一手が進めたとしても、どうせ次の次のホールド取ってクリップまで行くなんて無理じゃないですか。」
「落ちる練習しなくても、普段から落ちたらどうなるかはイメージして登ってるから、練習しなくても分かると思います。」

ただ、そのうちに
「まぁ、自分は落ちる態勢がすごく下手だというのは分かるから、(落ちるまで頑張るかどうかは別として)落ちたときのために練習した方が良いんですけど。はい、じゃぁやりますよ・・・。」
と言って練習に戻りました。

さてさて、前半の落ちない理由はどうでしょうか?
怖がりな人の本気トライって感じで気持ちはビンビン伝わってきますし、かなり共感も出来ます。
ということで、ギブアップ理由として、正当なものと認定しますか?
それとも、落ちたくないがための苦しい方便でしょうか?

ちなみに、彼女は落ちる練習を繰り返すうちに、ちょっとだけヌンチャクより腰が上で落ちても怖がらないくらいにまでは成長できました。もうすぐ、言うことも変わりそうです(笑)。

さてさて、本日でDIさんはジムリード講習を卒業といたしました。

2017年8月11日金曜日

ホールド記憶、最初の一歩

8月3日(木)は、昼がリード1回目で女性IKさん。
夜がムーヴLv.0で、女性KDさん、女性SBさん、女性HNさん、女性STさん。
夜のムーヴ講習にて、
「上手い人って、前回どこに置いたか覚えているじゃないですか。あれは何でですか?」
という素朴な疑問。

もちろん、「ピンクのアンダーから・・・」といった名前付け、テンションしたときに直前のムーヴを脳内リピートしておく、などの記憶術の工夫もあります。

ただ、それ以前に「自然と、ある程度は記憶してしまう。」という部分があります。
手順で言えば、
「あそこは、飛ばしよりも、真ん中のデカイのをマッチした方が良さそう。」と作戦を立てて
「やっぱり、飛ばしにすべきだった!(汗)」みたいな現場処理を行います。
そうすると、「あそこはマッチと見せかけて、実は飛ばしだったんだよな。」と印象に残ります。
という訳で、作戦を細かく立てれば、自然とある程度は記憶されるはず。ただ、それでも10分後には忘れるのが人間の常だと思って、いろいろな記憶術で補う、というイメージです。

という訳で、初心者であっても手順ぐらいはオブザベするように心がけましょう。
足順は、オブザベ自体が複雑なので、徐々にで構いません。

さて、HNさんはジムリード講習に進んでO.K.といたしました。
もし良かったら、続けてくださいませ。

2017年8月10日木曜日

グレーな状況、グレーな判断

またしても上書きしますが、9月分の予約受付は今夜0時スタートです。
念のため。

7月9日(日)は、マルチピッチリード講習にて、小川山。
女性SMさん、男性OMさんのペア。
<登攀準備>

プロテクションの効きによって、リードが突っ込むべきか否かという判断は、異なって来ます。

以下に、3つの場面。
<チムニーっぽいコーナー>

①プロテクションが取れない。
落ちそうなら登らない、絶対落ちそうも無ければ登る。

歩きっぽい区間なら、抵抗なく突破できる。
ただ、オブザベ段階では読み切れないことも多いので、実際にホールドを触って、クライムダウン出来る範囲で探る、という手段も有効。

⇒その最中に、不意落ちすると大事故になるので、探るという行為自体がそれなりに緊張感を伴う。
<脆い2P目>

②プロテクションが良い。(落ちてぶつかるテラスなども無い。)
落ちる可能性があっても、頑張ってみて良い。

とはいえ、ついつい恐怖心が先立って、テンションやA0に逃げたくなることもあります。
それを、どうやって克服すべきかは各自で考えていただくとして。

実際問題は心理的抵抗があるにせよ、本来やるべきこと自体は単純、というパターンです。

①と②は、講習的にはいつも通りの話。
③プロテクションに不安がある。

ここでの判断は、一言では語れません。

「8割方止まる」と思っているのか、「無いよりマシ」と思っているのかによっても、全く違うでしょう。
固め取り出来るかどうかも、割と重要です。「8割方止まる」が複数個で、「ほぼ大丈夫」と思える場合もあります。

ただ、特に本チャン的な場面では白でも黒でもないグレーな場面が多いです。「5分5分」+「無いよりマシ」+「無いよりマシ」の固め取り、など。

その場面って、どのくらいの落ちる可能性まで許容できるんでしょうか?
「落ちちゃダメ」とは言いますが、本当にノープロテクションの(①と同じ)ように振る舞っているでしょうか?

正直、ノープロよりはちょっとだけ大胆になっちゃいませんかね?
<ちょっとした奇岩>

こういったグレーな状態では、判断の正誤もグレーになります。

突っ込んでも「すげー精神力。」と言われちゃうかもしれませんし、辞めても「慎重で良いね。」と言われちゃうかも。
<朝ドラの帝王>

こういう場面について、今回も幾つか質問をいただいたのですが、なんせグレーな世界だと再認識しました。

せいぜい「私なら、さっきの場面でこうします。」ぐらいしか語れないんだなと。
<歩きのようなノープロ区間>

グレーにも多少慣れないと、マルチは登れません。でも、やっぱり現実的リスクより安心しがちという危険があるので、自覚的に行動する必要がありますね。
<ギア受け渡し>

<稜線歩き>

<フレアークラック>

<避暑>

<プロテクションばっちり>

<だが、高度感にビビりまくり>

<そのクラックをフォロー>

<チムニー内に落し物をして、拾いに行く>

<落とした本人>

<懸垂下降>