2021年6月18日金曜日

お知らせ

明日、6月19日(土)は、雨予報につき完全中止となりました。
直前でも講習を申し込みたい方がいれば、ご連絡ください。

ロープワーク講習に限らず、ムーヴ講習、ジムリード講習でもO.K.です。

2021年6月14日月曜日

理想のギブアップ、もう一度考える

5月15日(土)は、クラックリード講習にて、女性STさん、復習参加の女性IUさん。
5月18日(火)は、リード1回目にて、女性KBさん、女性YGさん。2コマ目は、ムーヴLv.0にて、男性MBさん、KIさん夫妻、男性YMさん。
5月19日(水)は、リード1回目にて、男性HDさん。
5月21日(金)は、リード2回目にて、女性KBさん、女性YGさん、男性HDさん。
5月22日(土)は、リード1回目、2回目にて、男性KNさん、女性DGさん、女性HNさん。
5月23日(日)は、リード2回目、3回目にて、前日のメンバーに加えて、女性TYさん。

ジムで、強い男性の常連さんが、女性と一緒にリードしていました。
女性が、ルート後半(5クリップ以上は、行ったぐらい)で次のクリップができずに「落ちます。」コールで何度かフォールしておりました。
すると、ビレイしていた男性が、「怖かったら、ムーヴ中に他のガバとか掴んでクリップして良いよ。」と指示。
しかし、彼らは考えを改めて、そうしないことを選択しました。

まず、状況を整理します。
・クリップできずにフォールしているが、手繰り落ちではない。
・「落ちます。」コールでフォールできているため、恐怖でパニックに陥っている訳ではない。
・とはいえ、リードで落ちるのは誰でも怖いので、怖くないと言えば嘘にはなる。

つまり、安全圏の範囲でクリップ態勢を探り、諦めてフォールするという、クライマーとして至極まっとうな安全管理ができている状態です。
それを、わざわざ崩すような癖を付けなくても良いと思った次第です。

さて、リード中のギブアップ方法を4つ上げます。

①「落ちます。」コール、何も言わずに落ちる。
→自分が安全圏内であれば、問題なし。メリットは、墜落距離の予測との検証ができること。嫌々ながらも、落ちる練習になり、受け身の姿勢を意識する。これを繰り返すことで、怖がりのクライマーも徐々にジムで頑張れるようになる。
結構オススメ。

②「テンション。」コール。
→トップロープ状態、もしくは僅かなリードであれば、問題なし。ただし、こればかりだと“落ちないことが常態化し、頑張れないクライマーになる”という懸念はある。
気をつけて使うべし。

③他のホールド(スタンスも含めて)を使用。
→ジム限定で使用可能。デメリットは、自分が安全圏にいるのか判別しなくなる悪癖が付く人がいる。また、諦めかけた心の隙に、ルート外のホールドが目に入る悪癖が付くこともある。前者は安全管理に弱いクライマーを育て、後者は頑張れないクライマーを育てる。
メリットは、瞬間的に安心が得られること。他には、ついでにチョンボクリップができることだが、これが本人の成長にとってメリットかどうかは微妙な問題。ハングドッグの効率、リード技術のベースアップ、のどちらを優先するか。
基本はオススメできないが、そのムーヴを割愛して先を探る時などは有効。

ちなみに、岩場のボルダーで隣の立木に逃げるというパターンがある。これは、往々にして着地が危険な課題が多いため、落ちるというギブアップ方法が断たれているケースが多い。これはこれで、仕方ないと思う。

④ヌンチャクを掴む。(A0)
→ガバが多い、まぶし壁のランナウトでは、メリットは無いようだ。カラビナに指を入れてしまうリスクが上回る。岩場では止むを得ない場面もあると思う。(仕方ない場面と、ジムでの③同様にオススメしがたい場面を書き出すと、長くなりそうなので割愛。)

理想のトライは、ジムなら落ちるまで頑張ることでしょう。
ギブアップは、原則は手繰り落ちしそうな場面だけ。
クリップは、基本は「どのムーヴで落ちても大丈夫なように。」という感じのシンプルなものです。

しかし、分かっちゃいるけど未だ至らないという初級者は、まずギブアップから修正してみた方が良いのでは?という提案です。
岩場では、絶対落ちたらダメな場面でのクライムダウン敗退という話も出てくるので、もう少し複雑です、

2021年6月7日月曜日

オンサイト、繋げトライ、ムーヴ解決の、何が好きか?

5月8日(土)は、岩場リード講習にて、男性TGさん、女性HNさん、男性NNさん。
5月10日(月)は、岩場リード講習にて、女性MDさん。
5月11日(火)は、ムーヴLv.0にて、女性IGさん、男性HDさん、男性YMさん、女性KIさん。
5月13日(木)は、ムーヴLv.0にて、男性HDさん、男性YMさん、男性NNさん。
5月14日(金)は、自分のクライミングにて、メルトダウンダイレクト(5.11b、スラフェース系)を2トライでR.P.。(正確には、10年くらい前にメルトダウンを2撃しているので、計4トライ。)
5月15日(土)は、クラックリード講習にて、女性STさん、復習参加の女性IUさん。

ジムのリードエリアで、出だしが難しいルートを数回やって諦め、別のルートに向かう常連さんがおりました。
ポイントとしては、少し休憩して数回トライして、また少し休憩してトライして、を何ターンかやれば、十分にできそうなムーヴでした。
そして、別のルートは、テンションは掛かるものの、ムーヴ解決には全く困らず、数回トライすればR.P.できそうに見え、本人もそのつもりのようでした。

これ自体、別に悪いことではありません。
ただ、この後に本人が、「ボルダー力が欲しい。」みたいなことを言ったので、少しモヤっとしました。

僕の知る限り、一般的なリードの頑張り方には3種類。
①オンサイトトライを頑張る
②ムーヴはできるけど繋がらないルートを頑張る
③ムーヴができないけど、できそうなら頑張る

この頑張るには、本当に色々あって、トライ中の土壇場の粘りだけではありません。

①ならオブザベや、オンサイトに丁度良いルートを大切にして疲れたときに安易に触らない気持ちで、すでに勝負は始まっています。
②は、イメトレ、途中のムーヴの省力化、、手順足順の暗記、何日も通うなどの「しつこさ」も大切です。
③は、イメトレ、ムーヴ相談、トライ間のレストも大切です。一日の最もフレッシュな時間帯を、これに充てる「潔さ」も大切です。(他のルートなら、その日にO.S.やR.P.の成果が持ち帰れるという誘惑に打ち勝つ)

また、好きこそ物の上手なれで、②が好きな人は、友達と②について語り合い、自然と反省会のようになります。
つまり、レッドポイント戦略に突出したクライマーへの道を歩みます。

この常連さんは、僕の見る限り、
「②が大好き、③はそれなり、①は割と安易に取り付くがレストは上手なので5.10a〜cとかは意地でオンサイトしてくる。」
という印象です。

いわゆるボルダー力が欲しいのならば、③を意識してやるぐらいが良いです。

で、それだとリードはハングドッグばかりになって手間が掛かって面倒だし、トライ数も減るし、ボルダーなら難しいムーヴを解決したら、その日のうちにR.P.まで持ち込めたりする達成感もあるし、という「言い古された結論」が自分の心にストンと落ちてきます。
すると、ボルダーをやるにしても、「③をやりたいな。」と思って取り組めるはず。

最終的に、①〜③のどれが好きかは個人の趣味によるところもあります。
これもまた、スタイルと呼べるものかもしれません。
しかし、どれか1つだけに突出すると練習の限界が来やすいので、自分のトライを俯瞰的に考えた方が良いと思います。

2021年6月2日水曜日

7月、8月分の予約受付

皆さま、今年の富士山は開山予定です。 
例年通り、7月のうち3週間は富士山ガイドに充てさせていただきます。
さて、7月1日〜7日まで、8月1日〜31日までの予約受付を、明日6月3日(木)の夜21時よりスタートいたします。

また、8月8日(日)〜15日(日)までの期間を夏合宿期間といたしまして、アドバンスクラック講習に相当する内容で募集することにしました。
夏ということで、小川山・瑞牆山の周辺で行う予定です。
懐かしの卒業生の方も、もし良かったらどうぞ御参加ください。

参加条件
・クラックの5.9以上を、3本オンサイトまたはフラッシュしていること
・クラックリード講習を卒業していることが望ましい

内容
・ワイドクラック、アプローチに困難さがある岩場(2ピッチ目にある、帰りが懸垂下降、など)、といった苦手意識を持ちやすい岩場を積極的に登れるようになること

※全てのルートはオンサイト(またはフラッシュ)リードで取り付いていただきます。エイド敗退など、リード判断は各自が自由にやっていただいて大丈夫です。
アドバイスは、ムーヴ、リード戦略、安全管理全般に関して、その都度出てきたことを行います。

ではでは、どうぞよろしくお願いします。