2021年9月7日火曜日

家庭教師アルバイトの記憶

8月24日(火)は、ムーヴLv.0。1コマ目は、女性NJさん。2コマ目は、女性IGさん、男性YMさん、KIさん夫妻。
8月25日(水)は、再掃除を講習するという企画にて、女性Mさん。実質的には、開拓と同じ作業。
8月26日(木)は、リード1回目にて、男性YMさん、女性SWさん、男性NHさん。
8月27日(金)は、岩場リード講習にて、男性AHさん、男性SHさん。
8月28日(土)は、岩場リード講習にて、男性TGさん、女性HNさん、男性MBさん、男性KBさん。
8月29日(日)は、岩場でのボルダリングを講習してくれというオファーにより、男性MKさん、男性MBさん。
8月30日(月)は、例の某岩場に一人で。自分が初登したウィークポイント(5.8、NP)の掃除を完了させに。

私は大学生の頃、高校生に対して数学の家庭教師を半年ぐらいやったことがあります。
主要な反省点を挙げます。

①自分が成功した勉強方法しか知らなかった。

リードクライミングで言えば、
・ハードに打ち込んでR.P.することで強くなる人
・O.S.に情熱を注いで上手くなる人
・ごく一般的なトライ回数、トライ日数のR.P.なんだけど、色々工夫するのが上手い人
・ムーヴの基礎を見直して、徹底的に合理的なムーヴを追求する人
・追い込みやトレーニング日を作ることに注力する人
・ボルダーに注力して、一皮むけた人
など様々いると思います。

しかも、自分が最近特に成果を感じた印象的なトレーニング方法を、人にもオススメしたくなります。
それを知った現在でも、やはり自分が印象に残ったトレーニングはオススメしたくなるものですが、当時大学生の私は酷いものだったでしょう。

②原理を理解せず、公式丸暗記で良い人の気持ちが理解できなかった

例えば、小学校の三角形の面積。
「底辺×高さ÷2」とありますが、「直角三角形なら長方形の半分だから、面積も半分ですよね。で、その他の三角形を見ても・・・(図解が必要なので省略)。ほら、たしかに半分でしょ。」みたいな説明があったはずです。
それから、色々な三角形の面積を計算する流れです。

個人的には、
・よく分からない公式を使うよりは、一応理由は知っておきたい。騙されたくない。
・原理が分からないと、解けない問題もある。そういう問題を良問と呼ぶ風潮に、すごく同意している。
・理由が分かること自体が、楽しい。
・曖昧な理解で進むと、いずれ完全に勉強に付いていけなくなる。
などが、身に染みていました。

が、高校数学においては、公式の証明自体が一読しただけでは理解し難いものが多いです。僕の場合は、10回以上は熟読したり、実際に手で計算したり図を書いたりして、ようやく納得できるレベルのもの、というイメージです。
大人になって、契約書を熟読するのが面倒な気持ち、電化製品の説明書をほぼ読まずに操作スイッチだけ覚えたくなる気持ちを、僕自身も日々味わいます。
実際、読み飛ばすことも多いです。

「自分の好きな分野でもないし、サラッと流させてよ。」
という気持ちは、当時でも理解できました。
でも、せっかく家庭教師まで付けて勉強するなら、という世話焼き心との葛藤があります。
その状況で、公式丸暗記させて練習問題をひたすら解かせることに罪悪感すら感じてしまい、悶々としました。

とりあえず丸暗記させつつ、「理由が知りたくなってくれたら嬉しいです。」ぐらいの大局的な視点に立つべきことも、表面的には分かりつつも、そう簡単に大人になれないものでした。

③小さい成功体験を積ませるという意識が薄かった

自分自身の勉強では、飽きないように色々と考えるのは好きでした。
が、教え好きアルアルだと思うんですが、「分かり易い説明をしよう!」、「良いカリキュラムを考えよう!」ということに注力しておりました。教える側が主役になってしまっている感覚です。
今考えれば、そういう工夫が苦手だから家庭教師が必要だったのかもしれないんですが。(分かり易い説明だけなら、予備校講師などがプロなので。)



こんな私よりも、とりあえず公式丸暗記させて、本人の気持ちに寄り添ってくれるような家庭教師の方が、成績を伸ばせたであろうことは間違いありません。
正直、僕よりも拘りの少ない友人たちの顔が何人も浮かびました。

こういった挫折は、その後も塾講師のバイト、教育実習などで散々ありました。同じ過ちを数回繰り返して、ようやく身に染みたものもあります。
挫折の頻度こそ下がっても、今も続いているような気もしますが。

今更ながら思うのは、原理原則を理解する楽しさを伝えるためは、意外と人間的なスキルが重要だということです。
どんなに理路整然と語っても、言い方や、その場の雰囲気が悪ければカチンと来るものですしね。
さすがにそれは避けるとしても、「良い雰囲気で良い言葉選び」を実践するスキルは皆無でした。

今でも、得意だとは言い難い分野ですが、意識しているだけでもマシになる気がします。