2022年12月25日日曜日

追記

2月に関しても、アイスクライミング講習を早めに予約受付しておきました。
前後に岩場での講習が入ると、私の準備・片付け・運転が持たないので、あらかじめ前後日を休業やジム講習に限定するためです。
スケジュールに反映させておきましたので、予約メールを送る前に、どうぞ御確認ください。

2月分の予約受付

急で申し訳ありませんが、明日の12月26日(月)の夜21時より、2月分の予約受付を開始いたします。

先日、河又の順子ルーフに再訪して、どうにかムーヴ分解はできました。
最終パートは、忍吉98の1本目ボルト付近まで一旦クライムダウンし、忍吉98の右側の緩傾斜を登るというラインで何とか突破できました。このラインは汚いですが、傾斜が緩いので無限レストが随所で可能なので、落ち着いてムーヴを探りながら登れます。
一般的なフリークライミングルートとして考えてマイナス要素を挙げればキリがないのですが、充実感が凄いのは何とも山っぽいボルダーですね。

繋げに再訪したいと思います。

2022年12月21日水曜日

修正力とは何か?

11月17日(木)は、マルチピッチリード講習にて、越沢。
女性Mさん、男性KBさん。

12月3日(土)は、マルチピッチリード講習にて、越沢。
女性Mさん、男性TGさん。
KBさんのリード中、ちょっと危ういシーンがありました。
いわゆる「上に活路を求める」登りで、プロテクションセット態勢を作るのがちょっと大変なので、どんどんランナウトしてしまいました。

クラックの5.10aとかで行ったら、誰が見ても危険行為です。(余裕な人がランナウトするのとは、見た目にも明確に違う。)

しかし、マルチの傾斜の寝た壁で、RCCグレードⅣ級〜Ⅴ級(体感で、岩場の5.7〜5.9
レベル)でやってしまう人が多いのは、理解できます。
ちょっと苦しい態勢でプロテクションセットしているより、数歩進めば楽になる可能性が高い、という「経験値」(カッコ付きの経験値)を積んでしまうのもあるでしょうし、「経験値」は無くても傾斜が寝ているが故に誘い込まれます。
そして、稀に非常に恐ろしい目に遭います。
この手の失敗は、過去の卒業生も多くが行っており、復習参加で来た卒業生も全く直っていないことも数多くあり、私も胸が痛みます。

とても根深い問題で、これを修正したいという強い思いが、私の講習スタイルを日々変える原動力にもなっています。
実際、ムーヴLv.0や岩場リード講習で教えるムーヴの基礎も、昔よりも相当ボリュームが増えました。
しかし、こういった事態は、未だに散見されます。
実際、KBさんも前回講習でも同様の指摘をしたところでした。

誰でも1度や2度の失敗は必要なので、講習中での事故可能性は受容せざるを得ないとしても、こういったヒヤリハットの回数を最小化して欲しいとは思います。
ここで、「修正力とは何か?」という問いを立ててみます。

①課題発見能力
そもそも、ジムの5.11とか4級とかが登れる運動能力がある人が、Ⅴ級レベルでプロテクションセットの静止ができない(別の例を挙げると、「Ⅳ級レベルで逆再生可能ムーヴを貫けない」)のは変ではないか?
このまま登攀能力を上げていっても、マルチピッチを安全に登るという当初目的の1つは、達成できないのではないか?
いつの間にか、「グレードを上げたい、〇〇という課題を登りたい」ということだけにフォーカスしてしまっていないか?
②練習方法の立案能力
ジムでの練習方法、ボルトルートやクラックのショートルートでの取り組みを、再考する。

ジムでの練習例)
・グレード〇〇までは、全てのホールドで5秒レスト
・グレード〇〇までは、デッド禁止
・グレード〇〇までは、足音を立てたらムーヴやり直し
・グレード〇〇までは、逆再生可能ムーヴだけで登る
・グレード〇級までは、ボルダーのようにクライムダウンが厳しい状況であっても、行きつ戻りつをしてでも一撃に拘る

グレードと一括りにしましたが、課題の特性で、デッド禁止に無理があるルートが低グレードで存在することもあります。
ここにも、一定レベルの考察力が要求されます。

自分が、岩場での登りが危なっかしいと感じる方は、たとえ主戦場がボルトルートであったとしても、この手の練習方法を追求してみる時間を作ることをオススメします。
③いわゆるPDCAサイクルを何度も何度も回す
問題意識が間違っていても、練習方法が間違っていても、目的の能力はほとんど伸びません。
①〜③の何か1つが欠けても、修正は難しいです。

講習生の中で修正力が高い人は、①の問題意識を私が投げかけたら、②と③を色々と試せる人だなと思います。
行き帰りの車中や、宿での会話だけで、練習方法を見事に修正していくのです。

そういう人は、ロクスノを読んでも、トップクライマーの記録を読んでも、我がこととして練習方法を微調整していくのでしょうね。
そう考えていくと、私自身の修正力の低さ、意識の低さも突きつけられる心持ちです(笑)。
もちろん、そう出来ないのが凡人なので、②や③についても講習でお付き合いしたいと感じています。

何年も講習を続けていただく方は、こういった考え方そのものも身に付けていただきたいです。

これは、今回挙げたようなリスク管理に限らず、
・特定ムーヴを覚えたい
・特定のフィジカルを上げたい
・苦手を克服のための原因分析したい
・オブザベ能力を上げたい
などの、あらゆる場面に必要な思考方法だと感じます。

もはや、クライミングに限った話じゃない気もしますが、クライミングで実践するにはクライミングの基礎が無いと不可能でもあります。

10年前に講習を始めた頃は、まさかこういう考え方こそが講習すべきこととは、思っていませんでしたねー。

2022年12月1日木曜日

フィロソフィー

明日の21時からの、1月分の予約受付もよろしくお願いします。
重複投稿したため、気付かれない可能性を感じました。

11月25日(金)は、自分のクライミングにて小川山ボルダー。
ようやく、フィロソフィー(初段)トラバース課題、が登れました。
10年前は、全く歯が立たず。

以下、秋シーズンの振り返り。
今年の初日で可能性を感じ、2日目にムーヴ解決するも繋がる気配ゼロ、3日目は疲労困憊で触らず帰宅、4日目は繋げ練習するが完登イメージ湧かず。

しばし封印して、延長サブウェイにフォーカスする日を2日間。
こちらも、今一歩ですが、秋も深まってきて周辺にあったスラブの宿題とかが回収されました。
タイムトンネルというワイドも面白かったです。

で、3週間のトレーニングを経て、本日行ったら好調の兆し。
アップしていても、3週間前とは、できるムーヴの幅が違います。

30分でムーヴをバラし直して、1時間ほど繋げトライしたら完登できました。1トライごとに5〜10分は休憩する感じです。

以下、トレーニングで良かった点。

①15分程度だが、ランニングが続いた
これまでは夜に走っていたので、岩場帰りの日も、夜のジム講習の日も走れず。
結果的に、平均週1回だった。
これだと、完全レスト日を無くす程度のコンディショニングのみ。

今は、レスト日と午後からジムの日には、起床後に朝食前に走るスタイルに変えたので、2日に1回は走れるようになりました。
温熱蕁麻疹なるものが自分にはあるらしく、しばらくぶりに走ると全身が痒くなります。初期の緊急事態宣言中のように、毎日走っていれば平気なのですが、週1回走るというのは色々苦痛でもありました。

②ウォームアップの強度を上げた
腕や指を疲れさせないようにしつつ、体幹部に与える刺激を漸進的に増やすことを意識して取り組んでいました。
これに関しては、この秋始めた訳ではなく、何年もそうやって来たのですが、かなり効果を感じました。
部分的に体幹トレをするのではなく、じっくりと身体を動かすことでクライミングに必要な様々な部位の弱さを感じることができるので、非常に興味深く、個人的には趣味レベルとして楽しんでいます。

③ウォームアップ後にトレーニングを入れることにした
主には、ガバでの片手足ブラ。この態勢での静止練習です。
これを何セットかやると、腕も指も疲れてしまうので、その日の本気トライにも悪影響が出るのですが、こういう時期も必要かなと思ってやりました。
「トレーニングあるある」で、このトレーニングだけは強くなりましたが、実際の足ブラ、ロック系の動き、などにどの程度のプラスがあるかは、計測が難しいと感じています。
ただ、感覚的には伸びしろはありそうです。
本当は、片腕ロックがやりたいのですが、まだまだ無理そうです。

④就寝前のストレッチを、動的ストレッチ主体に変えてみた
主には、この2つ。
https://www.youtube.com/watch?v=kpg5oRGFXns
https://www.youtube.com/watch?v=Ezj0ot3UWVE

運動前が動的ストレッチの方が良いのは、まだ感覚的にも分かるのですが、風呂上がり就寝後は未だに半信半疑。
ただ、ストレッチによる腰痛が軽減されたので、ちょっと良さそうです。
これを覚えたことにより、岩場で身体を動かして暖め直す動きにもバリエーションが出てきたのは、効果が大きそうです。

⑤ここ2ヶ月間以上、リードを封印して、ボルダー主体
これは、ちょくちょくやることですが、そういう時期を作るとフィジカルに目を向けやすくて良いですね。
リードの場合、「ムーヴはできるぐらいの内容を、いかに少ない回数でO.S.やR.P.に持ち込むか?」というゲームを頑張ることで、リード技術が伸びると考えています。そうなると、必然的に、心技体のうち心技に目が向くので。
あとは、リードをやるとリスク管理の話が、脳内の半分くらいを締めますし。それはそれで、すごく大切な時間で、今後も一生続くとは思います。

①、③、④は、ごく最近(1〜数ヶ月)の話ですが、全部ちょっとずつ効果を感じるので、なかなか楽しめています。

延長サブウェイは、風が抜けて寒すぎたので来年ですかねー。