2012年4月19日木曜日

久々に、ジムでのリード講習

4月14日(土)は、ストーンマジックにてジム講習。
男性NKさん、女性KAさんのペア。(KBさんの友人)

本来は、城ヶ崎でクラック講習でしたが、雨により初日はジム講習です。
NKさんは、なんとジムボルダーで3級の猛者。
KAさんも、5級。

そして、リードでもそれぞれ5.11b、5.10cくらいを普段からチャレンジしているとのこと。

じゃあ、グレードは放っておいても上がって行きそうですね。
でも、リードで落ちられないから、伸び悩んでいる感があるとのこと。

当塾の講習が初ということもあり、リード技術を総整理。
今回で、

・より安全なビレイ方法(ロープにテンションを感じない程度、ギリギリの張り具合を維持する、などなど)
・「今落ちたらどの程度落ちるのか」の予想
・実際に落ちる練習&ビレイで流す練習

が出来ました。

これで、より安全なクライマーになるだけでなく、伸び悩み解消になれば嬉しいですね。
そして、夕方からは恒例のクラック!

今回は、翌日の城ヶ崎に備えて、テーピングとハンドジャムを学びました。
普段からボルダージムで鍛えているだけあって、飲み込みは最高レベルです。

NKさんは、例のハンドクラックを初日にして完登でした!
具体的な講習内容
・ダブルチェック
・エイトノットの効率的な作り方
・リード講習の内容を総点検(落ちる練習まで)
・ネコ足、腰を壁に近づける意識(ムーヴ講習の一部)
・テーピングの巻き方
・ハンドジャム、フィストジャム、フットジャムの方法

さてさて、翌日の城ヶ崎に続きます。

2012年4月15日日曜日

伸び悩みのポイント

4月13日(金)の昼間は、ノーズにてジム講習。
常連女性KKさん、常連女性ペアODさん、KMさん、という3人の組み合わせ。
KMさん、以前より
「私はフリが出来ないから」
と悩んでおりました。
“フリ”というのは、壁に対して体を横向きにすることです。

ところが、KMさんはフリは結構得意でした。
問題はむしろ、ネコ足、脱力、などのフォームだったのです。

でも、以前は「フリって、どうやるんですか?」と周りに相談して回っておりました。
周りは、「こうやるんですよ」と教えてはくれますが、KMさん自身が出来ていない訳ではないので、混迷は深まるばかり。

今回、正対とフリについて練習した結果、フリが出来ていることに少し自信が持てた様子!
伸び悩みのポイント、それを把握するのって、簡単ではありませんよね。

見よ!これがKMさんの見事なフリです。
具体的な講習内容
・ネコ足(特に、足を置いてから、ジワッとゴムを食い込ませる感覚について)(KKさん、KMさん)
・指の脱力(KMさん)
・引きつけよりも捻りを優先する意識(KKさん)
・反動ムーヴの最後、次のホールドをフワッと取る感覚(ODさん)
・超基本ムーヴ3つ(ダイアゴナル、バックステップ、正対)を練習(ODさん、KMさん)
・正対とフリ、足置きの向き(インエッジ、フロントエッジ、アウトエッジ)、などの用語説明(ODさん、KMさん)

ちなみに、ODさんはダイアゴナルのフォームが、僕の教えられる限りでは完璧の域に達しました。

「5.10中盤レベルで、これだけ完璧なフォームの人も居ない!むしろ、5.12レベルの人も顔負け。」というほどに美しい。
見ていて感心します。

こちらは、個々のムーヴを覚えていくばかりです。

2012年4月14日土曜日

甘効きのプロテクション

4月12日(木)は、越沢バットレスにてマルチピッチのリード講習。
常連女性TZさん。

マルチピッチの現場で、「プロテクションがバチ効き!」という状況は嬉しいものです。
カム、スクリュー、木、岩角、いずれにせよ。

初級者でもホッと一息つけるでしょうし、ベテランならばフリークライミングのようなムーヴにチャレンジ出来ちゃうでしょう。
その一方で、「これ効いてんのかなぁ?」というプロテクションを決めることも多々あります。
「たぶん止まるだろう。たぶん・・・。」と思っているものから、「気休めかも?」と気付いているものまで、効き具合は様々。

いわゆる甘効きのプロテクション。
妥協案とか、苦肉の策とか、そういうイメージです。
「甘効きのプロテクションでも、取らないよりはマシ」
と、僕が初心者の頃に読んだ本には書いてありました。

さらに、
「たとえ止まらなくても、墜落速度を緩めてくれるかもしれない」
なんて書いてありました。

つまり、落ちる確率が変わらないなら、取った方がベターだという話。
だから取るんですよね。
が、個人的な経験としては、色々と弊害もありました。

①そのプロテクションより、少し上に登ると、ロープがクリップされていることに妙に安心してしまう。
(気休め効果が、効き過ぎてしまうことが多々!甘効きであることが、記憶から薄れる。)

②甘効きのプロテクションだと、1つでは不安なので、核心部の前などでは何個も必要になる。
結果、ギアを大量に消費する。

③一度、甘効きのプロテクションを多用し始めると、本当はバッチリ効きそうな場所でも、甘効きで妥協する癖になることがある。
(これは、初級者に多い。クラックゲレンデなどでは、超危険!)
ほとんど、心の罠ですね(笑)。

使うときは、十分気をつけましょう!
で、何を気をつけるのか?

例えば・・・
・甘効きのプロテクションの後に難しいときは、慎重に登る気持ちや敗退する勇気を忘れずに!
・ギアが足りなくなるくらいなら、バチ効き以外はなるべく取らないようにするなど、ランナウトする割り切りも必要
・登りながら、バチ効きの場所を、絶対に見落とさないように大事にする
今回TZさんは、甘効きのカムを決める場所探しが本当に上手くなりました。
そして、その代償に、1日の後半戦はこの罠にハマりまくり!

多くの人が通る道ですから、仕方ありません。
ただ、ビレイしている私は冷や汗もんですが。
技術というより、精神論みたいで申し訳ないです。
ただ、こういう心の罠みたいなのって、山ではメチャクチャ多いですよね。

実際の危険度と、恐怖心がズレている例。
安全だけど怖い、危ないけれど気付かない・・・。

ヒヤリハッとを繰り返して、実践経験を積む、というのも「ぶっちゃけた話ですが」必要。
でも、ヒヤリハッとですら減らしたい慎重派は、こういう話に耳を傾けて頂ければ幸いです。
具体的な講習内容
<練習内容>
・Ⅲ級ピッチを2回登って、リードの確認
・一般ルート(3ピッチ、Ⅴ級下)をオールリード
・左ルート(2ピッチ、Ⅴ級)をオールリード

<講習内容は、実践でのアドバイス>
・ロープの流れのための、スリング調整の目安
・ビレイポイントの作り方を修正していく
・ロープの引き上げのコツ(1本ずつ引く、など)
・甘効きのカム
・ランナウトしている場合の敗退判断
などなど
TZさん。
今回の収穫は、かなり多かったと思います。

・甘効きのカムを探す目が培われた(その後、心の罠にハマる経験も積めた)
・実践中に、ハーケンを何本も打てた
・初めてⅤ級をリード出来た
・厳しいピッチ、難しいビレイポイント作成中でも、パニック状態にならなかった

下の写真は、初めてのⅤ級“左ルート”!
ところで・・・

アルパインクライミングを講習するって、本当に危ないと思います。
思い出して書いているだけでも、胸が苦しくなるくらい。

気をつけて励みます。

2012年4月11日水曜日

Mountain Equipment(マウンテンイクイップメント)吉祥寺の雪上訓練

4月11日(水)は、谷川岳天神平スキー場にて、雪上訓練。
本日は、山道具メーカー“Mountain Equipment”(マウンテンイクイップメント、略称:ME)の常連顧客を集めての企画。

正確には、ICI吉祥寺店の中にある“MEストア”というブースの河野さんが企画した、そこの常連さんのためのオリジナル雪上訓練。
今後、MEとして少しずつ広げて行こうという試み。
本日は、全国的に雨・・・。
でも、前日の河野さんとの話し合いの雰囲気からすると、実行できる範囲の天気なら、実行したい様子。

とはいえ、僕も前夜は
「これで現地に行ったらお客さん達が引き気味だったら、ツライ1日になるよなあ。」
と、憂鬱。

しかし、そんな不安は朝の集合時点で吹き飛ばしてくれました。
なーんだ、やる気満々じゃないですか。
訓練中も・・・

キックステップ1つとっても、「おー、楽に歩けるようになってきた!」

颱風姿勢をやれば、お互いに押し合って楽しみながら練習。

アイゼンを履いたら、「へー、こんなに安定して歩ける道具なのか!」

ハの字歩行や横歩きを教えるだけで、「おー、楽だ。」

滑落停止は、「いや、これをやりたかった!」

グリセードに至っては、「楽しいから、何度でもやっちゃう」
この反応、晴れた日ならば割と自然なもの。

もちろん、僕も多少の悪天でも楽しんで頂けるように、メニューやら盛り上げ方は工夫します。
楽しまなくっちゃ、反復練習はツライですからね。

でも、さすがに今日は高いモチベーションあって成り立った雪上訓練。

そう言えば、昨年の4月頃も雨の中で雪上訓練やりました。
ときどき、こういうマゾな初心者と出会うと、ちょっと嬉しくなります。
アルパイン、目指せちゃいますよ~。
本日は、たまたま運動能力の高い方々だったので、13時半には主要メニューが終了。

残りの時間は、小ピークまでのラッセル体験としました。
本日が、「アイゼンもピッケルも初体験!」という方は、全てに大興奮。

45分ラッセルした小ピークでは、一瞬のガスの切れ目、わずかに開けた視界。
皆のテンションも、ちょっと上がる瞬間。

ここで、彼には山頂を極めたような感動が!
山、楽しいですね。
雨なら雨なりに。

とはいえ、さすがに3時前には下山しました。
メニューをこなせば、そりゃあ急いで下山したくなりますよね(笑)。
具体的な講習内容
・キックステップ(登り、下り、ピッケルの持ち方、などなど)
・斜登行、斜下降(落ちたら死んでしまう、という想定をして歩き方を練習)
・耐風姿勢(歩行中に、突然突風が吹くという条件で)
・アイゼン歩行(キックステップだけでなく、ハの字、川の字、などを織り交ぜて)
・滑落停止(最終的には、でんぐり返しからスタートするパターンを練習)
・グリセード
・歩行の実践練習(膝程度のラッセルについて、ストックの持ち方、などをアドバイスしながら)

MEストア吉祥寺の河野さん、本人自体がモチベーション高くて楽しい人です。
今回も、「雪上訓練2回目だから」とスキー靴(兼用靴ではない)で参加。

「痛い」とか「歩きにくい」とか言いつつも、気合いで初心者に引けは取りません(笑)。
機会があれば、是非遊びに行ってみてください。

ムーヴ講習レベル2

4月10日(火)の夜は、ベースキャンプにてムーヴ講習。
常連男性KBさん。

ムーヴ講習のレベル2です。

レベル1のテーマが、「5.8を中級者顔負けの省エネ&安定感で登る」とするならば、
レベル2のテーマは、「基本ムーヴをマスターして、5.10後半から5.11を目指す」といったところ。
基本的なメニューは、以下の通り。

①5.8以下を何度も登って、超基本のフォームチェック。
・ネコ足
・脱力
・腰を壁に近づける
・引きつけよりも捻りを優先する意識

反動ムーヴができるようなら、それも交えて。

※ここでは、完璧に近い省エネを練習します。

②前回やったムーヴを反復練習
今回の場合は、アウトサイドフラッギング

※あとは自力練習できるレベルになれば、O.K.

③新しいムーヴを解説&練習
今回の場合は、ヒールフック(カンテの裏のホールドに引っかける、一番簡単なパターン)

※「とりあえず、この場では出来る」というレベルまで来れば、ひとまずO.K.
KBさん、かなり頑張っているだけあり、ヒールフックも本日で理解できた様子。

前回講習したアウトサイドフラッギングに至っては、

“逆足の振り子デッド”(サイファーみたいなやつ)
と呼ばれるような応用ムーヴまで綺麗に決めておりました。

2週間前、アウトサイドフラッギングを覚えた人とは思えません。
本人は、無自覚かもしれませんが(笑)。
具体的な講習内容
・上記の通り

反復練習の甲斐がありますね。
次回は、少しテクニカルな場合のヒールフック練習が良いでしょうか?

2012年4月9日月曜日

富士山シーズンに向けて

4月7日(土)、8日(日)は、富士山ガイドの会議にて富士吉田市へ。

今年も、もうすぐ新人さん達がやって来ます。
試験をかいくぐり、研修を経て、最終的に仕事を任されるのは、7割くらいの新人でしょうか。
その後も、辞めたりする者もいるので、8月末には5割くらいしか残らなかったり・・・。

富士山ガイドの仕事は、かなり激務です(笑)。
スキルと根性、そしてお客様への誠意が求められます。

紹介制度が中心の割には、かなり厳しい選考だと思います。

もちろん、僕も得意の教え好きを活かして、その割合を5割から6割、7割に上げられるように努力はします。
でも、かなり激しい仕事だけに、向き不向きは出ますね。

さてさて
今年も、夏の7月後半から8月前半にかけては、富士山に掛かりっきりになると思います。
7月前半と8月後半は、普段通りの講習と富士山を並行してやります。
講習希望があれば、早めに予約してください。

最後に、
富士登山準備のアドバイス!
<体力編>

富士山で山を始めよう、という方は、是非その前の準備で低山に行ってみてください。
山の体力は、山に行って身につけるのが、最も手っ取り早いのです。

・3時間くらいの登山コースを何度も行っておけば、ほとんど確実に登頂できます。(高尾~陣馬、など)

・1時間くらいの登山コースに何度も行っても、体力的には不十分です。(高尾山、など)
※経験上、2割くらいの方が登頂を断念します。

・犬の散歩を毎日欠かさずやっていても、山での体力にはあまり結び付きません。
※経験上、5割くらいの方が登頂を断念します。しかも、「これで十分だ」と誤解して山に来る方が案外多いのです!

もちろん、大学生くらいの若者は、普段のスポーツだけで十分だったりします。

老若男女、登山経験者から素人さんまで、色々な人がツアーに参加します。
結果は、晴れた日で2割、雨の日で5割の方が登頂を断念・・・。

装備は直前準備でも間に合いますが、体力や山慣れは短期間では身につきません。
来るからには、1人でも多くの方に登頂して欲しいですね。

2012年4月6日金曜日

スリップストリームのHPリニューアル

僕がここ数年、11月に受けている、野外救急法の講習。
それを行っている会社が、スリップストリームです。

この度、ここのHPがリニューアルされ、イメージが沸きやすくなりました。
http://slipstream.jp


5日間の講習とか、料金もなかなか高いとか、色々とハードルはあります。


正直言って、アウトドアのプロ向けのレベルかなあとも思います。
(ガイド、インストラクター、スキーパトロール、山小屋の中で救助に関わっている人、などなど)


ただ、本当に良いと思います。


時間が取れるならば、一般の登山者・クライマーにも受けてみて欲しい。
特に、5日間の休みを年に2回とか取っている社会人ならば、その1回だけでも、ここに費やしてみて欲しい。


もしかしたら、夏の北ア縦走よりも、秋のクライミングツアーよりも、行く価値があるかもしれません。


たぶん、スリップストリームの会社理念も、インストラクター諸氏の情熱も、そこまで来ています。
少なくとも、半信半疑で受けるような机上の空論でないことは、保証します。