2015年9月19日土曜日

ロープ畳み練習の再確認

9月18日(金)は、クラックリードが雨中止にて、ロープワーク講習。
女性HKさん、男性TDHさん、女性KIさん。
ロープを畳む様子、ギアを扱う様子を見れば、その人のレベルが見えるとは言われます。
(もちろん、ロープワークに限ってで、クライミング能力はまた別のところで見えるはず)

本来は、
“マルチピッチに沢山登っていれば、ロープを絡ませないように、ギアを効率的に扱えるように一生懸命考えるはず”
という前提があって、

「どのくらい経験値があるか、分かっちゃうよね。」
っていう話です。

でも、数やれば自然とコツが分かって来る人って、かなり一部の人だと思っています。
マルチでロープが絡んでも、状況が複雑すぎて、原因分析が難しいものです。

で、逆転の発想で、当塾ではロープの畳み方を徹底練習して、ロープが絡む仕組みを考えましょうという訳です。
だから、いきなりマルチでロープが絡まなくなる訳ではありません。

「ロープが絡む仕組みを知っていれば、マルチで実際に絡んだときに、自力で原因分析しやすくなるはず。」
という講習意図です。

気の長い話に思えるかもしれませんが、1~数回でも劇的に変わる人が多いですよ。
特に、ロープワーク初参加の2人は、変化が劇的でしたね。
具体的な講習内容
・ロープの畳み方を洗練(KIさんは、手畳みも)
・スリングの収納、アルパインクイックドローの作り方を洗練
・スリング、カラビナの種類と使い分け(質問に応じて)
・終了点作業の練習(結び替え、立木での懸垂について、パターン色々)
・フィンガークラック練習

ロープワークが苦手だというHKさんも、理解が進んできたと思います。

「終了点でやることが分かってきたら、登りにも精神的に余裕が出て来ました。」
というコメントが、印象的でした。
良かったですねー。

2015年9月18日金曜日

アルパイン引退宣言?

9月17日(木)は、夕方も夜も、リード2回目。
夕方が、女性ABさん。
夜が、男性KYさん、女性MMさん、男性OMさん、復習参加の男性NMさん。
本日は、講習生の中で、山岳会でアルパイン引退宣言してきた人がいました。

理由は、
「なんだか道具の使い方もよく分からないのに、言われるがままにやるのが嫌だから。」

とのことです。
ただ、講習していると、道具の使い方にも質問熱心です。

ロープの性質、ビレイの考え方、などの安全管理にも興味津々です。
スポーツ系のクライマーというよりは、山屋っぽい成長を遂げそうなタイプだと見えます。

だから、結局は色々分かって来た頃(3年後なのか、10年後なのかは不明ですが)には、いずれマルチピッチなんかをやるんだろうなと・・・。

つまり、今すぐやるのは止めるけど、将来的にリスクがちゃんと見えてきたらやるかも、ということでしょうね。
幸い、気は長そうなので、安心して見ていられます。
じっくりやって行きましょう。
具体的な講習内容
夕方:
・ATCを落とさない方法
・トップロープの弛ませ具合
・クリップ練習

その他、質問いろいろ
・ロープの伸び率
・ビレイ器ごとの性質
・KNなどの強度表示

少し、ゆっくりめに手際を習熟させながらやった方が良さそうなので、次回もリード2回目として受講していただくことにしました。

夜:
・トップロープの弛ませ具合
・クリップ練習
・リードでやってはいけない事例集
・墜落距離の計算
・落ちる練習

2015年9月17日木曜日

ノーレスト計画

9月16日(水)は、岩場リード講習にて、小川山。
男性SGさん、女性OGさん、新規で富山の女性OYさん。
本日、SGさんは初の本気トライ。
かわいい女(5.8)をオンサイトトライです。

で、色々ありました。
①逆クリップ
下から指摘されても、逆クリップだということに気づかず。
もう一度やり直すも、再度逆クリップ。
(その後、少しゆっくり考えたら、自力訂正できた。)

②ラインを大幅外れる
ボルトラインから外れて、隣のボルトラインへ。
確かに、目の前のホールドだけを追い掛けると、そちらに導かれる気持ちは分かります。
ただ、そちらのボルトラインは明らかに難しそうだし、そこまでトラバースするのにランナウトです。
(下から指摘されて、そのことに気付く)

それ以外にも、終了点作業も課題あり。

結果的には、このルートをオンサイトしたのですが、内容的にはダメ。
さて、①、②ともに、SGさん本人も冷静に考えれば当然分かるはずのこと。

登りながらだと、余裕がなくなって、どんどん判断ミスを連発してしまうとのことでした。
他の2人からも、
「分かるー。」
との声が上がります。
ただ、今回の場合は、自分自身でその状況を作ってしまったように思います。

例えば、スラブの途中では、ノーハンドで立てるくらいの棚でしかレストしていません。
ガバホールドが出て来ても、ノーレストで突き進んで行きます。

これじゃぁ、相当上手くたって考える暇がありません。
足を上げながら、先々を考えるなんて、無理でしょう。
足を上げるときは、そこに思考をズームインするべきで、レスト中にズームアウトするべきという。
その後、ちょっと会話をしてみると、面白い発見がありました。

ボルト1本目の直後、スラブの核心が出て来ます。
その直後、見るからにガバっぽいホールドが見えています。

誰もが、
「あそこまで行けば、大丈夫そうだな。」
と、思うでしょう。
で、私が
「あれを取っちゃえば、そこでまたレスト出来るから、落ち着いて考えられますよね。」
という話をしていました。

するとSGさんは
「あれを取っちゃえば、一気に身体を引き上げられるから、だいぶ進めます。」
とな。

なるほど!
スラブ中のガバを見上げた時点で、ノーレストする計画は決まっていたのか!?
だから、核心後のガバを取った後も、バタバタ登りになってた訳ですねぇ。
登りながら作戦を練るというのは、頭の善し悪しとはチョット違うと思います。
考えるタイミング(つまり、レストポイント)を上手く作れなければ、天才でもない限り、失敗を繰り返すでしょう。

で、本人SGさんは、
「今日は、なんか良かった。内容的にはダメだったけど、それで色々良かった。」

と、とてもポジティブに反省しておられました。
良い反省は、大きな伸びしろですから、本当に良かったです。
具体的な講習内容
・スラブのムーヴ講習いろいろ
・ボルトの種類
・終了点の位置とトップアウト
・実践本気トライ(SGさん)

夕方から雨予報でしたが、結局17時過ぎまで講習できました。

2015年9月15日火曜日

1人で沢旅行

9月12日(土)~14日(月)は、1人で奥只見に沢登り。
長期休みを取ってみたものの、雨続きで2泊3日に縮小。
<只見川本流の渡渉は、怖かった>

沢登りは、その人の登山観が色濃く反映されると思います。

ルート選びや登るラインにも、個性が出ます。
<目的の大白沢へ入渓>

最近は、
「行くルートを決める際には沢登りルート集を開き、興味を持ったらルート集を閉じて、それ以上は読まない。」
というスタイルを中心にやっておりました。
下降に選ぶ沢は、地形図だけで判断してルート集を調べないとか。

今回は、ルート集を全く見ずに計画を立てました。

理由はもちろん、調べまくって難しい沢に行くより、調べないで易しい沢に行く方が楽しいからです。
<下流は、沢幅が広くて、傾斜も緩い>

もちろん、1人で行くからにはリードが必須の滝や、ロープ必須の泳ぎが出てきたら、即敗退です。

そんな頭で地図を開くと、
・下流部は、沢幅が広くて、傾斜も緩そう
・中流部は、中程度の沢幅&傾斜
・下降に選ぶ沢は、比較的水量も少なく、沢幅も傾斜も緩そう

という条件の沢旅計画が、目に飛び込んできました。
<ラインが豊富なミニゴルジュ>

登りは只見川支流の大白沢、下降は同じく只見川支流の松クラ沢(クラは、山カンムリに品という漢字)。

経験上、有名ルートでなくても、水量がほどほどあれば結構面白いものです。
条件から考えても、ロープ1本で、プロテクション類は無しでも、立木を繋げば何とか突破できそうです。

しかも、沢を詰め終わった山頂に、登山道が無いってのもドキドキします。
下界からの隔絶感を感じつつ、隣の沢を降り始めるっていう気持ち。

幸い、先月奥利根周辺で彷徨ったお陰で、この周辺のヤブの濃さ、ブヨの恐ろしさも肌身に染みて、ツメ~稜線の行動計画は立てやすそうです。
<穏やかな下流>

本当は、もう1日か2日増やして、さらなる遡下降を考えていましたが、雨続きで計画縮小。

テレビからは、増水する川のニュースばかりが流れ、気持ちが沈んで行きます。
が、なんとか持ち直して、朝に八王子を出発。

予定より遅れて、昼12時過ぎに入渓。
以下は、時間順に日記っぽく書きます。
<ラインが限られるミニゴルジュは、緊張感あり>

最初の只見川が、予想以上に流れが速く、渡渉に苦労しました。
が、大白沢に入ってしまえば、あとは想定範囲内。

このあたりは、大雨の影響も少なかったようで、順調に進みます。
<穏やか>

途中、ミニゴルジュが出てくると、ライン取りを考えるのが楽しい一時です。

概ね、水流の近くは岩も硬く、綺麗です。
水流から離れると、徐々に藪や土っぽくなり、ときにはブヨなどの虫が飛んでいます。

当然、なるべく綺麗なラインを登りたい訳ですが、難しかったり、水に浸からざるを得ずに寒かったり。
<滝の左にあるクラックが、一番綺麗なライン。だけど、左の岩棚を歩くラインも悪くは無い。ので、そっちを選んだ>

「どこまで水流から離れたら負け」
というルールが存在するのではなく、自己満足の世界です。
(だから、「~~の滝を直登した。」と言っても、どの程度高巻きっぽいのを許容するかが、人によって違います。)

でも、クライミング能力が高いほど、泳ぎが上手いほど、ウェットスーツなどの防寒具がしっかりしているほど、面白いラインが登れるのは確かです。

ちなみに、汚いラインを登って、手や服に泥が付くと
「土が付いた・・・」
っていう気分になります。
なんだか、相撲みたいです。
<焚火>

さて、ちょっと遅くまで頑張って、17時過ぎに行動終了。

今回は、ブヨに悩まされることなく、固形燃料のお陰で焚火も快調です。
1人で暇なテント場生活も、焚火の世話という仕事は、身も心も暖まります。
<おはようございます>

2日目は、中流部となり、沢幅も狭くなってきました。

沢幅が狭いと、突破できるラインが限られるため、荷揚げも頻繁になってきます。

昨日は、高巻くラインもあるけど、あえて楽しいラインを登るという色合い。
それに比べると、高巻くラインが厳しそうです。
易しいゴルジュでも、「突破or敗退?」と緊張します。
<朝7時台から、泳ぐことになろうとは>

中流部を越え、水量は一気に減ります。

お次は、ツメを目指して傾斜が強くなるセクション開始です。
<唯一のスノーブリッジ>

が、ここからは想定より難しめでした。

上流部に10m~20mくらいの滝が、いっぱい。
この辺は、ヤブも厳しくなってくるので、出来れば高巻きたくないのに・・・。
<上流は、水量が減るが、狭くて傾斜も出てくる>

どの滝も、オブザベーションしてみると、落ち口が簡単かどうか確信が持てないものばかり。

「出だしはⅢ級程度で間違いないけど、落ち口がⅢ級かⅣ級か読めないな。荷物背負ってフリーソロで、Ⅳ級はヤバいからなー。」
という雰囲気。

仕方ないので、空身でフリーソロ。
身軽なら、Ⅲ級くらいはクライムダウン敗退できますしね。

ちょっと、面倒でも1つの滝ごとに、ザックを荷揚げします。
結果的には、「半分くらいの滝は、荷揚げして正解!」という難しさでした。
<10m~20mくらいのⅢ級~Ⅲ級+程度の滝が連発>

さて、11時頃から源流の雰囲気。

猛烈なヤブ漕ぎを恐れて、計画よりも少し松クラ山に近い沢を詰めることにします。
<ヤブはギリギリまで避けたい>

この読みが大正解で、13時に稜線トップアウト。

松クラ山と景鶴山のコルです。
どうやら、踏み跡も無いので、景鶴山の山頂往復は割愛します。
<完全武装>

幸い、稜線のヤブは背丈より高いものの、前回より薄めでした。
(雪山で言えば、前回が万歳ラッセル、今回が腰ラッセルの速度)

1時間ほどで、松クラ山とおぼしきピークを通過して、14時に下降開始です。
<遠く、尾瀬が見下ろせる>

下降は、思ったよりは険しく、のっけから懸垂下降です。
霧雨も降って来て、怖くなります。

というのも、明日が最終日で、予備日がありません。
高巻くのも、緩やかな下流部ならともかく、中流部だと難しそうです。

「中流部でロープ1本で降りられない滝が出てきたら、登り返すしかない。そして、登り返した先の稜線にも、エスケープ出来る登山道が無い。」

というのが、緊張感を誘います。
<焚火するも、小雨でツエルトから出られず>

1つ気がかりなのは、天気予報が変わっていないかどうかです。

ラジオを持っていなかったので、稜線で携帯電話をオンにしてみるも、見事に圏外(笑)。
入山前の情報から、「多少降っても、そこまで大荒れにはなるまい。」という勘だけが頼りです。

この日は、幕営中も霧雨で、気分はすっかり萎えております。
<直登不可能な滝が数個出て来て、高巻き&懸垂下降で下降>

とはいえ、3日目は降りるだけ。
短い沢なので、2時間も降りれば高巻き可能なレベルの緩傾斜が待っているはずです。

ちなみに、松クラ沢は登ったら結構難しいかもしれません。
フリーソロでは直登できなそうな滝を懸垂下降して、ロープを引きぬく瞬間、退路を断たれるような緊張感です。

周りのヤブを見渡して、どうにか生きて帰れるラインを見つけ、バックアッププランを用意してはいるのですが。
<唯一、捨縄を残置してしまった7m滝>

ちなみに、登りの沢も、下りの沢も、一切の人工物を見かけませんでした。
残置ハーケン、捨て縄、焚火跡、山仕事の跡、マーキング、石垣などの建造物、など。

あったのは、入下山時に少し通った只見川本流と、白水沢の序盤2時間くらいに釣り用トラロープがチラホラと、稜線に冬用とおぼしき高さ5mくらいのマーキング数か所だけです。

自分も、なるべくこの原始の状態を残したい気持ちはあったのですが、1ヶ所捨て縄を残しました。
あとは、焚火跡は御愛嬌として。
<渋沢は、温泉の雰囲気>

そして、11時に只見川に合流。

さすがの水量にビビりつつ、1回だけ泳ぎ渡渉。
12時に渋沢出合へと。

ここは、登山道もすぐ近くで、実質上のゴールです。
<ただし、渋沢温泉小屋は雪崩にて解体作業中>

色々と反省点はありながら、楽しさと達成感は最高ランク。

下降のリスク判断がギリギリだったことが気がかりながら、会心の山行だったなと満足です。

いやー、沢って色々あって面白いです。
奥只見も、初めて行きましたが、楽しい沢がいっぱいありそうですね。

でも、思い出すと、やっぱり怖いのも沢登りです(笑)。
<新潟と福島の県境なんだと、再確認>

ちなみに、推敲しようとして読み返したら、あまりに情報が羅列的で、初級者を混乱させる内容という気もしました。
自己満足で、申し訳ありません。
<ラストの林道歩き>

行動記録
1日目(晴れ)
12:15 只見川沿いの道路から、入渓
12:30 渡渉を終えて大白沢出合
17:15 クロウ沢に入って幕営

2日目(曇りのち霧雨)
 5:55 起床
 7:15 出発
13:00 松クラ山と景鶴山のコル
14:00 松クラ山(正確なピークは、よく分からず)
16:00 幕営

3日目(霧雨のち曇り)
 6:40 起床
 8:15 出発
11:00 只見川に合流
12:00 渋沢出合
12:45 渋沢温泉小屋(小屋は見えていたが登山道がよく分からず、少し彷徨った)
13:45 登山口に到着
14:00 車に到着

2015年9月11日金曜日

理想の反復練習屋さん

9月10日(木)は、昼がムーヴLv.0。
男性ENさん、男性AYさん、加えて新規男性TNさん。

夜は、リード1回目。
男性OMさん、新規女性SMさん、加えて復習参加の男性ENさん。
クリップ練習をすると、反復練習に対する意識の差が出るなー、と感じています。
今回の話ではないのですが・・・

Aさん
何回かやってみて、「終わりました。もう十分です。」という雰囲気を漂わせる。

Bさん
数回やるごとに、「なんか上手く入らないんですが。」と質問。

Cさん
指摘されない限り、黙々と続ける。
(本人なりに、試行錯誤があるのか、単に数やって慣れるつもりなのかは不明なことも多い)

Dさん
「石田さん、もう1回見本を見せてください。」
「右手だけじゃなく、左手も練習して良いですか?」
「ゆっくりやってみると良いですかね?」
と、思いつく限り試行錯誤をする。
Aさんの場合は、目標が低いのかもしれません。
(「ぎこちないけど、当面はクリップ出来てれば良いや。」という感じ?)

Bさんの場合は、練習意識が受け身っぽいのかもしれません。

Cさんの場合は、「慣れ」に期待し過ぎて、試行錯誤の意識が下がりがちかもしれません。

Dさんは、私が講習して来た限りは、最高レベルの生徒像だと思います。
自分で試行錯誤するのと、講師に質問するのを上手く併用できれば、すぐに上達するでしょう。

で、これはムーヴ講習でも、ロープワーク講習でも、スラブの足置きでも、ジャミングでもカムセットでも、何でもそうですね。

最近は私自身、何かを練習するときは、
「うーん、今なんとなく数こなしちゃってるなー。慣れに期待してるだけで、頭使ってないか。」
「さっきは、上手い人に答え聞くのが早すぎたかなー。受け身な姿勢で良くないかも。」
という風に、自己分析するようになりました。

ジムボルダーでも、リスク判断でも、スキーでも、富士山ガイドでも、何でも同じ。

ただ、常にDさんを演じるのは、高度なバランス感覚が必要かなと感じています。
誰だって、Aさん、Bさん、Cさんの要素は持っていますからねー。

いつかDさんになれるのではなく、人格を演じるというイメージです。
具体的な講習内容
1コマ目:
・ダブルチェック
・カラビナの持ち方
・一手一手レストする練習
・ホールドの方向を意識する
・片手バランスが整ってから、もう一方の手を離す方法
・足をスタンスに馴染ませる
・足を上げるときに、懐を開く方法

2コマ目:
・一手一手レストする練習
・エイトノットの確認
・ATCを落としにくい方法
・実際のトップロープ練習(特に、出だし落ちについて)
・クリップ練習

2015年9月10日木曜日

デットポイントは、最後の手段とは限らず

9月9日(水)は、ムーヴLv.1。
男性SRさん、女性ARさん、女性NSさんの3名。
<だいぶ、安定して来ました>

ダイナミックムーヴを、最後の手段と捉えている方がよくいます。

たしかに、ダイナミックムーヴは

「手を出したホールドが悪かったら、ほとんどの場合はフォールするので、大体の掛かりの予測が立っていないと怖い。」
という性質があります。
だから、確かに登山やマルチなどの落ちたら怪我or死亡というシチュエーションでは、避けるべきムーヴです。

本日、ARさんが
「戻れないことが多いから、出来れば避けたいなー。」

と言っていたのも、似たような感じです。
<綺麗なダイアゴナル>

ただ、落ちても大丈夫なクライミングでは、重要な省エネ技術になります。

ここから先は、現物を見ながら説明したいところですが・・・

そもそも、片手になるということ自体が、それなりに疲れるムーヴなんです。
ただ、リードする上では、レストやクリップ態勢が重要だから、片手バランスを集中的に講習して来た訳です。
<本気トライも、だいぶ落ち着いて来ました>

言いかえれば、

登ること自体なら、デッドポイント主体の方が楽ということです。
でも、それだとレストもクリップも出来ないから、結局は混ぜて登らざるを得ないんです。

これが、いわゆるジムっぽい登りというやつで、クラックやマルチだと諸事情によりスタティック主体になります。
ボルトルートだと、その中間くらいですかね。

ジムっぽい登り、是非とも習得ください。
出来るようになってみると、実はマルチでも多少は使った方が良いことに気付くと思います。
具体的な講習内容
・ピンチ用のホールドでなくても、ピンチする方法
・足をデット気味に(反動を使って)移動させる方法
・足の移動をする際に、腰をどこに逃がすか
・反動を付ける際は、一番底からスタートしない方が良い(ARさんに指摘したことだが、日本語にするのが困難)

実践本気トライ
ARさん:5.10c ムーヴ解決してトップアウト。
オンサイトトライで、最後の一手まで頑張る姿。
テンション後に、色々なムーヴを試す姿は、だいぶクライマーっぽくなったなーと思います。

SRさん:5.10c ムーヴ解決してトップアウト。
ARさんと同様、かなりクライマーらしい落ち着きです。
壁から身体が離れて来たので、クリップ、オブザベ、足上げもやりやすそうに見えました。
Zクリップをしそうなパターンに、見事に引っかかったのは、ちょっと惜しい点です。

NSさん:5.11a オンサイトトライにて、ラスト2手でフォール。すぐにムーヴ解決。
ちょっと読み切れず、それでも可能性の低いムーヴで「止まったらラッキー!」くらいのつもりで一手出しました。
が、今回はラッキーは起こらず。
でも、実力は出し切った会心のトライだと思います。

3人とも、本気トライ戦略は相当レベル高いなー、と思いました。

2015年9月8日火曜日

手際をどこまで教えるか

9月6日(日)は、岩場リードが中止にて、ロープワーク講習。
NS夫妻、女性KIさんは、もともとの参加者。
加えて、女性IDさん。
<基本動作を反復練習>

本日の、講習生からの質問。
「どこまでは教えることで、どこからは教えないってのは、どうやって決めてますか?」

あまりに大きなテーマなんで、答えに詰まりました(笑)。

その話が出た場面は、
「手順Aと手順Bのどっちが効率的か?」
という質問があって、私なりの回答を終えたタイミングでした。
<ボルトルートで、チェーンの終了点を想定して>

つまり、
「手際なんていうのは、回数やっていれば自然と身に着くことも多いので、教えるべきか迷いませんか?」

という意図の質問なんだろうな、と。
その場で答えたのは

①「聞かれたら、答えます。すぐ答えを言うか、もう少し考えさせるかは状況次第ですが。」
(疑問に思う、というのは本人の意識が高まったチャンスなので、逃したくない)

②「手際の中でも、知らないと話にならないと思うレベルのことは、必ず教えます。」
(ロープの表裏、など)

③「小技も、結構重要な原理だったりする。他にも、似た小技を自力で考えられる切っ掛けになったりすると感じるので、教える価値は大きいと思うことも多い。」
<初ジャミングのNSさん夫妻>

①、②は単純な話。

③は、1つの小技は別の小技を思いつく切っ掛けになるので、意識させると将来的な伸びしろになるだろうという話。

例えば、ロープの畳み方と、マルチピッチのロープを絡ませないコツは、かなりの部分共通です。

「ロープが上手く畳める人は、将来的にはロープを絡ませにくい人になるだろう。」
っていう。

同様に、クリップやギアの収納も、レベルを上げておくと、別のことに活きるだろうと。

今回の場合は、手順Aと手順Bの効率比較でしたが、それもきっと類似パターンが出て来そうです。
<さすがクラッカーです>

教え過ぎにならない範囲なら、手際も教えた方が良いと感じています。
特に、ロープワーク講習って、半分は安全意識の向上ですが、半分は手際アップのためにやっているような気がします。


具体的な講習内容
・ロープの畳み方を洗練
(IDさんのみ、手畳み、背負い、手コイルも)

・スリングの収納、アルパインクイックドローの作り方(NSさん夫妻)
・終了点作業練習
IDさん、KIさんは、結び替え、立木で懸垂に関して、洗練させることを目標。
NSさん夫妻は、トップロープの回収、結び替え。

・懸垂下降の仮固定(IDさん、KIさん)
・フィンガークラック練習