2020年7月1日水曜日

スピードとトレードオフなのは、何か

6月24日(水)は、ムーヴLv.0。
女性AKさん。
初心者、初級者に対して、
「もっと、テンポ良く登れ!」
「さっさと登らないと、疲れちゃうよ。」
といった、アドバイスをする人がいます。

たしかに、中上級者はテンポ良く登るべき場面と、時間をかけてじっくり登るべき場面を、経験的に分かっていることも多いです。
そのため、核心部の悪いホールドで「まごまごする」といった状況に、なるべく陥らないように考えた登りをします。

具体的には、
・悪いホールドを持ったら、次にどのムーヴをするか、どの足位置にするかを、予定しておく。
など。

初級者は、オブザベも下手なので初級者な訳ですが、彼らに「もっと早く登れ。」とアドバイスした場合、どうなるでしょうか?

①「あらかじめ、予定を立てておかなくちゃ」と、考えるようになる。
オブザベ、レスト中の作戦、ハングドッグでのムーヴ固め。
 →ただし、「早く登れ!」というアドバイスだけで、この結論に至れる初級者は、ほとんど居ません。

②登りながら、「急げ!」と自分に言い聞かす。
②の場合、スピードのために犠牲にしているのは、一体何でしょうか?

・丁寧さ(足置き、ホールディング、バランス、など)
・足位置などのムーヴ選択(間違ったムーヴで、突っ込む)

ほとんどの場合、初心者本人は無自覚に焦っているように見えますが・・・。

それを犠牲にして、完登できるものでしょうか?
ジムのガバ系など、完登できるルートもありそうですが、それで未来はあるのでしょうか?

テンポ良く登ることを教えること自体、悪だとは言いません。
雑なクライマーを養成する可能性もはらんでいるので、私はある程度のオブザベ能力が付くまではオススメしません。
(短い核心のレッドポイントトライとかに限っては、初級者でも「核心だけムーヴ暗記してササっと。」が可能だとは思います。)