2025年8月28日木曜日

10月、11月の予約受付

9月1日(月)の21時より、10月および11月分の予約受付を開始いたします。

ジム講習に関しては、最初に申し込んだ方の希望場所になるべく合わせます。
Dボル立川、ランナウト、ストーンマジックの3つであれば、講師分の経費(交通費・ジム使用料)を負担いただく必要はありません。
強い希望がなければ、こちらで決定します。

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8月15日(金)、16日(土)は、富士山の別の登山口を一人で登ってみました。

たまに別の登山口に降りるツアー(吉田ルートを登り、富士宮ルートを降りる、など)とかもありますし、お客さんにも「他の登山口ってどんな感じですか?」と聞かれることも多いです。
ガイド目線で、開山期間(〜9月10日まで)に登ってみたいというのもあり。

1日目は、御殿場ルート。
8時半くらいにスタート。
<御殿場登山口ののトイレって、こんな感じなのかー>

<登山口の入山料支払いって、こんな感じなのかー>

<大黒茶屋、冬にしか通ったことがないので、営業しているのは初めて見た>

<さすが、砂っぽい。そして、登山道はガラ空き・・・。>


<3,000mくらいになると、吉田ルートと似たような感じか・・・>

<何も用事はないが、山小屋ばかりを写真に収めてしまう>

一人だと、ついついタイムアタック的に歩いてしまい、13時10分に御殿場山頂。
両足も攣りそうだし、背中やら首やらも筋肉痛が酷い・・・。

ここからは、いつものコースだけれど、一応は御鉢巡りもしておく。
真の山頂の剣ヶ峰(3,776m)は一応踏んでおきたいし、お客さんにもいつも「なるべくなら剣ヶ峰まで行って欲しい!」と促しているので・・・。

下山は、富士宮ルート。
午後遅めということもあり、日帰り客の下山、泊まり客の登りで、割と混み合っていて、ちょっと吉田ルートに似た感覚もある。



車を御殿場ルートの登山口に置いて来たので、富士宮ルートの六合目から御殿場ルート新五合目へと下る。

前半のタイムアタックのせいで、非常に疲れていて、正直言って歩きたくはないレベル・・・。
<宝永火口を下から見る>

<向かいに見えるのは、越前岳?コンパスを持参しなかったので、イマイチ同定できず。>

<鹿>

<この辺は、人が少ないのせいか、ちょっと他の山に近い雰囲気>

<二子山の下塚は、一応登ってみる>

どうにか、明るいうちに下山できました。
御殿場と富士宮を両方歩けたし、多少は寄り道もできたので、1日の行動としては結構頑張った感じです。

そして、翌日は須走ルート。
<須走登山口では、こんな感じでガイドグループの宣伝があったりするんですねー>

<「山小屋の前を登山道が通過する」という配置は、どこも同じなんですね>




本日は、筋肉疲労がひどいので、ゆるゆるペース。
当初は、吉田ルートとの合流点(本8合目、3,400m)までで帰るつもりだったのですが、ゆるゆるペースで登ったら意外と身体は動くものです。
クライミングでこんなオーバートレーニングしたら後々まで響くだろうに、人間の歩きに対する適性の高さを再確認します。

やっぱり剣ヶ峰(3,776m)も踏んでおこうかと思い直し、半ばトレーニング的に登頂。
<山口屋前>

<須走の下山って、こんな感じなのねー>

<砂走りを終えたところに、一息できる山小屋の売店があるのは、ツアー的にはプラスポイントかも>

どこの登山口も良さがありますが、弱いお客さん層を想定すると、以下の2種類のツアーがメインになっているのは納得です。

①吉田ルート(スバルライン五合目)往復
②富士宮登山御殿場上部〜宝永火口〜富士宮五合目

御殿場は、キツイ。
須走も、ちょっとキツイ。
富士宮は、下りで使うのはちょっとキツイ。
富士宮は、山小屋も多いので登りで使う分には良いのかも。

ちょっと元気なお客さん層(途中リタイヤは、基本は1名も出ないぐらい。)であれば、どこも1回ガイドしてみたいんですがねー。

2025年8月24日日曜日

自分のパワーゲージを意識する

何度か書いていると思いますが、ときどき講習で話すので、また書いてみます。

リードトライ中に、
「自分のパワーゲージ(残存のクライミング体力)がどの程度あるのか?という意識を持ちましょう!」
という話です。
<富士山前に、桂くんと小川山>

話を単純化するため、いくつかの整理をします。

①トライ対象
ジムのリードルートにします。

トライ中のリスク管理とか、クラックでは腕より体幹のヨレが大事、とかの要素を除外して考えます。

②何のパワーゲージか?

初級者は「パワーゲージ=腕のパンプ具合」と考えてください。
ジムでも、体幹・脚力のヨレもトライには大いに影響するのですが、トライ中に自分のヨレ具合を意識することが困難です。

つまり、「100%=全く腕が疲れていない。」、「0%=何も持てないほどに腕が疲れている」とします。
③パワーゲージを測る方法

ボルダリング3級の核心が、腕がフレッシュなときギリギリでこなせる人を想定します。
(話を単純化するため、パワーはほとんど使わないテクニカルな3級とかは除外して考えます。)

この人の場合、例えば以下のようにパワーゲージを考えます。

100% 3級の核心がこなせる
 90% 4級の核心がこなせる
 80% 4級の中でも易しい課題なら、核心がこなせる
 70% 5級の核心がこなせる
・・・・・・
 50% 6級がギリギリこなせる
・・・・・・
 30% 100度傾斜のガバガバ課題なら、ギリギリ登れる(ジムの5.8など)
 20% 垂壁のガバガバ課題なら、ギリギリ登れる(ジムの5.6など)
 10% スラブのガバガバ課題なら、ギリギリ登れる(課題として存在しないジムもある)
  0% スラブのガバガバ課題でも、登れない

これで、自分のパワーゲージを、ある程度は客観的に評価できます。

もちろん、自分の能力によって100%が変わるので、それによって全てのデータが変動します。
あくまで、自分用の評価表を作ることが大切です。
<ボルトルートだが、オールNPで登ろうと頑張る桂くん>

実際の考え方
ウォームアップ後の最初のトライであれば、スタート時点のパワーゲージは100%です。
スタート後、一手ごとに消耗して行きます。
レストポイントで少し回復することも多いですし、大レストポイントで90%以上まで復活できるルートもあります。
上手なクライマーであれば、省エネ技術を駆使して、一手ごとの消耗をセーブして行きます。

この際、どこまでセーブが必要なのでしょうか?
「リード後半の核心がこなせる程度のパワーゲージを残せれば及第点!」
と考えると、話はシンプルになります。

例)
最上部に4級難しめのムーヴが出てくるルートであれば、その直前に90%のパワーを残しておく必要がある。

最上部に6級のムーヴが出てくるルートであれば、その直前に50%のパワーを残しておく必要がある。
<クラックの新ルート(5.12a)にトライするが、2人とも敗退>

一般的なR.P.トライ
最上部のムーヴはハングドッグの際に確認済みのはずです。
まずは、そこに必要なパワーゲージをイメージします。

「このルートは、最終クリップをした時点で70%のパワーゲージを残しておかないと、登れないタイプだな・・・。」
と、自分の実力とルート難易度を、相対評価します。

実際のトライをすると、結果は以下の3パターンになります。

A)80%のパワーを残すことに成功し、余裕を持ってR.P.できた。
(最終ムーヴにミスらないようには気を配り続けた。)

B)70%台のパワーが残っており、最終ムーヴがギリギリの戦いになった。
(精神力で押し切ろうとしつつも、ムーヴにミスらないようにも気を配るという、本気トライの見せ場になった。)

C)70%未満のパワーしか残せず、最終ムーヴが始まる時点で敗戦が確定していると感じた。
(場合によっては、最終ムーヴを起こすことすら不可能。)
<いつも良い笑顔です>

もしあなたが、上記ルートで以下のような取り組みをしているなら、少し考えた方が良いかなと思います。

●トライ毎の休憩時間が短か過ぎて、2トライ目のスタート時点で80%でスタートしている。
⇨ルート中に、完全回復できるような大レストポイントがない限り、R.P.できるとは思えない。2トライ目でも、スタート時点では90%以上の状態でスタートしないと、最終盤で70%が残せるとは思えない。

●「テンション掛ければ、ムーヴは出来るんだけどなー。」、「いつか登れるよー。」くらいしか考えておらず、漫然とR.P.トライを続けている。

●トライ開始時点は、100%。途中の省エネが下手で、Cの状況になって最終ムーヴがこなせなかった。しかし、本人は「なんで、頑張り切れなかったんだろう・・・」と、落ちた場面だけを嘆いている。
→ポイントは、最終ムーヴではなく、下部の省エネ。
<アドバンスクラック講習@瑞牆>

もちろん、Cの状況でも奇跡を信じて一手出して行く姿勢は素晴らしいと思います。
実際、ハングドッグでは思い付かなかったような別ムーヴで奇跡的にR.P.を決めた経験は、多くの方が味わっていることでしょう。

ただ、フォールした後に反省すべきは、奇跡を起こせなかったことではなく、下部の省エネ・レストの改善です。
<10トライぐらいで完登した、超低空のハサマリング>

ちなみに、オンサイトトライの場合は、最上部の難易度は不明です。

ただ、やることは同じで省エネしつつ高度を稼ぎます。
1つ難しいのは、行きつ戻りつでの消耗です。
省エネや成功確率の面でベストムーヴを探したいけれど、探し過ぎると消耗することも多いです。

だからこそ、戦略ゲームとしてはオンサイトトライが一層面白いです。
次にトライするルートで、最上部に何%を残せば良いのか不明なだけに、日常の省エネ技術トレーニングも終着駅がありません。

当然、そもそもの100%のレベルを上げるのが大切なので、ボルダーを頑張るのも並行したいところです。

2025年8月6日水曜日

9月分の予約受付

8月8日(金)の夜21時より、9月分の予約受付を開始いたしましす。
よろしくお願いします。

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今年も3週間ほど富士山ガイドに行ってきたのですが、実に色々なことがありました。

①人手不足
3週間で、6回程度の勤務の年もありますが、今年は9回でした。
私は、6回ぐらい(1回登るごとに、少しの休息ありのリズム)で十分です(笑)。

富士山ガイドをやりたい方は、この際ですから是非とも連絡ください!
私も所属する太子舘ガイドは、勉強になるという点でオススメです!

②インバウンド体験
台湾人ツアー。
通訳兼添乗員さんが、途中リタイヤして、2日目は通訳アプリなどで大苦戦。
本当は、1日目の方が色々あったのですが・・・。

③大雨のツアー
2泊3日で、中日が大雨と小雨を断続的に繰り返し、ほとんど1日中降りっぱなし。
希望者のみ(ツアー参加者の3分の1ぐらい)で頂上アタックするも、3,400m地点で撤退。

太子舘に戻ってから、1時間強のプチ講演会。
内容は悪くなく、満足度もあったようです。
一方、視覚資料を準備しないで行ったので、さすがに理解度を高めるのに限界を感じました。

④自分が体調不良
ガイド自身が体調不良になり、途中でガイド交代をしてもらうことに。
数日のお休みをいただいて、復調。
明確な不摂生などはしていないので、一時的な過労だったのではないかと思います。

⑤ツアー全員お鉢めぐり達成
20人規模のツアーだと、1シーズンに1回あるかどうか、という有難い体験。
お客さま、天候、ガイド同士の連携、すべてに恵まれないと起こりえない運ゲームなのですが、ガイドとしてのモチベーション維持には大きく寄与しており、一層の登山アドバイスや運行のスムーズさを高めようと思えます。

今回は、登山系の旅行会社だから、どうにか出来たという側面もあります。

⑥学校登山で割と成功
オフシーズンに、行程や雨具に関して提案書を出させていただいたことで、かなりスムーズになりました。
生徒109人が吉田口山頂まで全員登頂できた(先生方は2名リタイヤ)のは、運要素もありつつも、やっぱり嬉しいものです。
「当日のガイドの頑張りも大切だが、登山準備がそれ以上に大切である。」という点を再認識しました。
ただ、これを突き詰めていくと、旅行会社(場合によっては学校)との折衝とか、お客さまへ配る事前資料のチェックとか、私の苦手な事務作業の比率が高くなるのが困りどころです。

今回に関しては、同じガイド仲間の何人かが提案書を実質的に作成・ブラッシュアップをしてくれたので、彼らこそが今回の学校登山成功の立役者です。

⑥どハマり
旅行会社ツアーの時間制約のギリギリを攻めて、一時は「関係各所に迷惑掛けまくりかも?」という状態に。
結果として、序盤での布石が効いたことやラッキーも重なり、下山時間短縮である程度まで巻き返せたので、内心は相当ホッとしました。

ギリギリを攻めてしまう要因は分かり切っています。

・ギリギリの人を登頂させる(お鉢巡りに挑戦させる)
・説明が長い
⇨簡潔さを志すと、理由の説明や、現実的な妥協点をお客さまと共有できなくなるのが苦手。長い説明で、結論部分を勘違いしてしまうお客さまが増えるのも感じているのが難しい。しかし、お客さまの理解度が上がっているのも感じるので、さじ加減は永遠の課題です。

これらを妥協するのは、自身の性格上も相当厳しいのだが、スムーズさとの両立を目指したいとは常々思っています。

⑦説明が下手
主には観光ガイド(植物、歴史、地質、など)。
ある程度は、原因が分かっています。

・話し慣れによって、最低限それっぽく話を繋げられるため、話し始める前に構成をあまり考えなくなってきています。しかも、歩き方とか高山病対策などに比べて、自分の知識の整理がイマイチなので、アドリブで喋ると知識の穴が露呈しやすいです。話しているうちに、「そう言えば、ここは知識(名称・年号・人数、などなど)が曖昧なんだよな・・・」と気付いたところは、迂回して話を組み立てようとするので、一層組み立てが変になります。しかも、「お客さんが登山アドバイスばかりだと息が詰まるかな。」、「後々の名所旧跡において長い観光説明をするのも時間ロスだから、ここで前段を話しておこう。」という感じでチョットした息抜き感覚で話を入れるので、そもそもの優先順位や時間・場所の制約が大きくなります。立ち休憩を兼ねて観光ガイドをしているときなどは、そもそも後方まで声が届いていないこともあるようです。

自分自身の興味、登山アドバイスをメインに行いたいモチベーションなどから、根本解決は相当厳しいです。
とはいえ、明らかなダメさは改善する必要があり、来シーズン以降の課題です。

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富士山ガイドも長く続けていると、明確な反省点というよりも、長年の課題の進捗状況という色合いが強いです。

今年もお世話になりました!
8月も続けている皆さま、頑張ってください!