2026年1月30日金曜日

「ご注意」ページの文言を変更

 皆さま、HPの「ご注意」ページを書き換えました。


また、この機会にHPの一部をブログに移転しております。
管理者の方に依頼することなく、私が直接に文章を変更することを可能にするためです。

ブログ上段に、「講習申し込み方法」、「問い合わせ」などが並んでおりますので、そちらから「ご注意」ページに入ることができます。

以下が、「ご注意」の内容です。
リード講習、岩場での講習、山での講習は、危険を伴います。
ご理解の上、ご参加ください。
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登山およびクライミングは常に危険を伴います。

本講習は、自立した登山とクライミングをおこなう際の、危険に対する安全性を高めることをひとつの目的としておりますが、危険をゼロにするものではないことをご了承ください。そのような危険に1つ1つ対処していくからこそ、どのようなレベルの登山者にも「小さな冒険」を味わうチャンスがあり、そこが登山の素晴らしいところでもあります。

当塾としても、可能な限り危険は回避したいと考えており、適宜アドバイスや注意も行います。その一方で、いわゆるガイド(本人の力では登れない山・ルートに、可能な限り安全に連れて行ってくれる業者)のように、リスク因子をお客さんから遠ざける(リードさせない、判断させない、ガイドが先回りして予防策を講じておく、など)、あるいは、リスクの大部分を事前に網羅的にご説明する、ということは、実際には困難ですし、また、それは「自立した登山者・クライマーを育てる」という当塾の趣旨に合致しません。
そのため、アプローチやリード、ロープワークに至るまで、原則は自己責任の山行という心構えで来ていただくようにお願いします。

講習に参加される場合は、必ず山岳保険に加入していただきます。加入の方法が分からない場合は、お問合わせください。ただし、ジムの講習は必須ではありません。

2026年1月19日月曜日

WMA(ウィルダネス メディカル アソシエイツ)の講習に参加しました

だいぶ前の話ですが、以下の講習に参加して来ました。
https://www.wmajapan.com/
私が参加したのは、「3日間の現地講習+事前のオンライン学習」というカリキュラムで、WAF Aというクラスです。
非常に素晴らしいカリキュラムなので、オススメです。

私なりの理解を説明すると、まず野外救急法(WFA)というものが存在します。
登山、海、僻地などでの救急法です。

ちょっと理解しづらいと思うので、2つ例を挙げます。

①パートナーが、クライミング中に着地にミスって足を骨折したかもしれない。
本人は、這ってでも自力で降りたい様子。(大ごとにしたくない!)
しかし、少なくとも「普通には自力歩行できない」様子。
患部は、腫れている。

→こんなとき、どうしますか?

・悪化リスク覚悟で、這ってでも降りてもらう?or大事を取って搬送?
・搬送するとして、背負い?担架?(救助要請?自分たちや周囲のパーティで降ろす?)
・骨折部位の悪化を防ぐために、固定するためには、どうするのがセオリー?
・骨折以外に見落としている怪我を探す方法ってある?
・骨折が原因で、死ぬことって本当に無いの?
など、様々な判断を迫られると思います。

これらに対して、包括的に理解するためには、傷病者を評価するシステムが必要です。

医者で言うところの診察にあたる行為ですが、
A)我々一般人は、絶対的に医学的知識に乏しい。
B)医師であっても、レントゲンなどの器具が無い状況で診察は不可能。
という状況なので、考え方が結構違います。

別の言い方をすれば、診察と「野外救急法における傷病者評価システム」は、似ているけれど相当異なる部分もあります。
どこかで基準を決めて(当然、この基準はすでに決めてくれている)、
「これを越えるぐらいなら、緊急搬送。これ以下なら、固定して搬送。これ以下なら、自力歩行させる。」
という風にします。

また
・その基準を採用している、大雑把な理由(傷病者に聞かれるので)
・固定法
・傷病者保護(保温など)
などの周辺知識を補強学習していくイメージです。

※「悪化してでも救助隊を呼びたくない。」という強い信念を持つ人の場合は、尊厳死の問題と同様に認めざるを得ません。自力下山は山屋の美徳ですから、山屋・クライマーにはよく見られる考え方だと思います。とは言え、救助者側は、このシステムを理解した上で、傷病者本人と話し合うことが大切だと思います。

②雪山で、ロープワークにミスって高さ10mから滑落。
奇跡的に生きている様子だが、出血もあり、打撲か骨折かよく分からない痛みも何箇所も訴えている。

こんなとき、どうしますか?

・寒いので、保温して低体温症対策?
・とにかくハーネスを脱がせて楽にしてあげる?
・出血の止血?
・痛がっている場所を特定して、固定する?
・楽で安全な場所まで運んでしまう?(動かして良いのか?という迷い・・・)
・とにかく、救助隊に連絡?

他にも、思い付くことは色々あると思います。

この中で、優先順位のセオリーはどうなっているんでしょうか?
日赤や消防の救命講習であれば、
「人が倒れています。→声かけ(意識の確認)→救助要請(119)→気道確保→呼吸の確認→なければCPR」
みたいな手順書があります。

しかし、山では寒い中で救助隊を待っているだけでも傷病者は死亡します。
救助隊が到着するまでの時間を考えても、出血の止血の優先順位も高そうだし、「どこまで動かして大丈夫なの?」という問題にも直面しやすいです。

何から順番に手をつけるべきなのか、もう少し(実際には10倍くらい?)詳しい手順書が欲しいところです。

これに指針を与えてくれるのも、前述の傷病者を評価するシステムです。

また、これを補強する意味で、
・脊椎損傷の可能性がある人は、どの程度は動かしても大丈夫?
・大出血の止血法は?
などの知識を学んでいくイメージです。



野外救急法(WFA)の講習は、私も以前にスリップストリーム(現在は日本から撤退)という別会社のものを何度か受講したことがあります。
元データ(北米のお医者さん団体が、野外救急法のために論文を色々出してくれているページは、Web上では誰でも閲覧できる。)は同じなので、大筋は変わりません。

スリップストリームも、当時としては素晴らしかったと思うのですが、WMAは更に素晴らしいです。

具体的には、
・カリキュラムの完成度が高い。
(多くの人間で練っている点、多くの講習での反省点改良、が伝わってくる。)

・教科書、補助資料の完成度が高い。

・医師などの専門家が監修に入っており、WFAの元データのアップデートを反映させている。
(英語の論文を読めるメンバーが、何人もいる。)

・講師の質が高い。
(これまで、5人ほどの講義を受けましたが、全員がしっかりしています。複数の講師の質を担保するというのは、本当に難しいことだろうと思います。)

非常にオススメなので、プロ系(ガイド、インストラクター、野外活動の引率者、など)の人のみならず、一般の方も要検討ではないかと思いますよ。

2026年1月13日火曜日

3月分の予約受付

1月16日(金)の21時より、3月分の予約受付を開始いたします。
どうぞよろしくお願いします。

ちょっとブログに書こうと思っているのが何個か溜まっているので、記録的に何点か書いておおきます。

①アイス講習を2回実施した。
基本の習熟と、山っぽさへの対応力、どちらも大切。
基本には、フリークライミングの基本が多く含まれる。

②WMAの講習に参加した。
非常に良かった!
継続したい。

③救助訓練の講習を2日間ほど行った。
毎年2回ぐらいは、こういう機会に参加するぐらいの方が良い。
年1回だと、毎年ほとんど進歩せず、変わりばえしなくなる。

④難しいクラックルートをトライした。
・センチュリーフォーカラーズ(5.12b?、フィンガー系)
トライ1日。ムーヴだけはバラせたが、ちょっと時期尚早だったか。少し時間を空けようかと検討中。

・高熱隧道(グレード未確定?) 11月トライしていたものを、12月31日、1月1日とトライして、合計3日間でR.P.できた。

以下、ルート情報が含まれるのでオンサイト注意。
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ワンポイントのルーフオフウィズス(体感5.11b、ワイドクライマー返しなどのワンポイント系)+トラバースチムニー(体感5.9)+薄かぶりの短い真っ向ワイド(体感5.10、不動沢・三倉とかによくあるタイプ)。
私はバラシ済みのR.P.トライだったので終盤で落ちる不安は小さかったけれど、O.S.トライ(または上部はバラさずにR.P.トライ)でヨレヨレで突っ込んで来ていたらと想像すると相当に白熱すると思われる。
個人的には、5.11dくらいかなと思う。

2026年1月3日土曜日

トレーニングサイクル

だいぶ時間が空いてしまいました。
11月24日、関西合宿3日目。

京都笠置山ボルダーの河エリア。
<ハサマリング課題は、まだまだ開拓の余地がありそう>

皆さんは3連登の構えですが、私はレストいたします。
結局、4日目は雨中止になったのですが、それも止む無しというのが私のスタンスです。

個人的には、スポーツとしてのクライミングは1日登ったら、2日間のレストが理想です。
レスト2日間のうち、1日を軽めに流すぐらいはアリですが、ウォームアップ後に99%一撃できるぐらいのルートをちょっと登っておしまいです。
今回は、「初日が本気トライ1本だけで終了したので、例外的に2連登した。」という流れで、本日が3日目。

他のトレーニングサイクルも挙げてみます。

①岩場とかで、トレーニング的にイマイチ追い込めなかった場合は、1日登って1日レストもあり。

②ワイド系、フェース系、スラブ系などと使う筋力が大幅に違う場合は、1日登って1日レストも考慮。
(ただ、最近は結局同じような体幹部が疲労するような気がしており、結局は中2日が良いような感覚。)

③雪山講習・アイス講習とかで、全身疲労で疲れただけなら、疲労が抜けたと身体が感じた時点で本気トライオーケー。
中半日で良いこともあれば、中1日以上必要な場合も。
<私は、レスト>

参考までに、表のようにしてみます。

例1)
1日目:本気トライを含むトレーニング
2日目:軽め(基礎練習+99%一撃できる程度の課題ちょっと)or完全レスト
3日目:完全レスト

という、3日サイクルが基本形。

※ストレッチなど、自宅での軽めのトレーニングは、上記に含めない。

例2)
1日目:本気トライをしたが、指皮・天候・課題などの都合により、十分には追い込めず
2日目:完全レスト

この2日サイクルも、ときどき。

例3)
1日目:余裕のある程度の本気トライ(95%ぐらい一撃できる)を数本(セミ本気トライ?)
2日目:同上
3日目:完全レスト

本気トライの質、体幹トレーニングとしての十分な追い込み、とかよりも「単純なクライミング慣れ」が要求されるような不慣れなジャンルに取り組む際には、有効な気がしています。
要するに、「初心者は、質より量!」という理論です。

「初心者は、毎日ちょこっとでもジムに行くと良い。」
「土日など、連続2日間の講習参加も、結構良い。」
「小川山は、キャンプして2日連続登るぐらいの方が、身体が慣れて良いかも。」
などの例が挙げられます。

2023年の秋に、ヨセミテに行った際は、このサイクルも何回か使いました。
ツアー中だと、「色々な課題に触って、そのエリアに慣れた方が色々と有利」みたいな要素もありますしね。
<ノーハンド課題だけ、アクティブレスト的に遊ぶ>

個人的に、最も重視しているのは、1サイクルごとに疲労を蓄積しないことです。

もちろん、完全レスト日に仕事があったりするのが普通なので、なんとなくの全身疲労は溜まったりはしますが、これはある程度は諦めます。
ここで言う疲労の蓄積は、故障につながるような腕・指・関節などの疲労です。

あとは、身体の声を聴きながら、予定よりレストを多くしたり、登る日を増やしたり、微調整って感じですかね。
<ジャンプ課題>

もちろん、子供かと思うぐらい信じられない連登をする人もいれば、もっと緩やかに登りたい人もいるかと思います。
まぁ、最終的には自分に合った方法を選択するしかありません。

実際、私より強い人たちは私より高頻度で登っている人が多いとは思いますが、体質や若さ、トレーニング方法の上手さ、などの総合力が違うので、安易な真似はできません。

ただ、自分に合った方法を見つけるときに、色々と邪念は入る気がします。

例)
・自分は連登タイプだと思っていたけれど、単なる貧乏性なだけでオーバートレーニングになっていないか?(毎日ジムにいるけど伸びない、などなど)
・自分は連登タイプだと思っていたけれど、無意識に本気で登ることを避ける癖(高グレードを触っていても、簡単にテンションギブアップする・体幹で踏ん張らない癖が付く、など)
・自分は全てが完全回復するために週1日だけ登るタイプだと思っていたけれど、実は週2日登った方が上達した。
<落ちる>

ここで書いたことって、前提となる理論が色々あるかなと思います。

・テクニック習得は、毎日ちょっとずつでもやった方が良い。ただし、パワーを出しながら繊細な動きを要求されるようなテクニックは、パワーが出せる状態で行わないと雑になるばかり。

・筋トレは、毎日ちょっとずつやっても、1日に沢山やってレスト日を入れても、合計(強度×回数×セット数)が同じであれば効果はほぼ同じ。

・本気トライは、十分に筋力が回復した状態で行った方が、良質なものが出せる。
→良質なトライは、成果につながってモチベーションになる。
→良質なトライは、心技体の調和という観点でも、スポーツの試合のような実践的なトレーニングになり、反省点も明確になりやすい。

・大きな筋肉疲労は、〇〇時間ぐらいで回復することが多い。腕・指などの小さい筋肉や関節は、〇〇時間ぐらいで回復することが多い。登山などの全身疲労は、〇〇時間ぐらいで回復することが多い。
※経験上は、トレーニング内容によって異なるので、〇〇に入る数字は自身の経験で割り出した方が良さそう。

・フォームが悪いと、大きな筋肉ではなく、関節にダメージを負うので、どんなトレーニング計画を立てても故障は避けられない。
ちなみに、フォームが悪いうちは、大きな筋肉が疲れないので、さほど全身疲労を感じずに連登できてしまうという初級者あるあるには留意。
<羽ばたく直前の狂祖さま>

「自分に合った方法を見つけましょう。」
という自由さは、本当に厳しい自由さですね。
<マントル課題>