2013年3月14日木曜日

ムーヴ講習に関するQ&A

3月13日(水)の夜は、ムーヴ講習レベル1。

最近、ジムでのリード講習を終えた女性KGさん、男性HMさん。
新規の男性IDさん、女性IMさん。
合計4名。
今回、何人もから同じ質問をされました。

①講習の頻度は?
②レベル2には、いつ行けるのか?

本当によく聞かれる質問なので、ここでもう一度書いておきます。


①最大で、4回ジムに行くうちの1回を講習に充てる程度

それ以上の頻度で講習を受けても、私の力では「伸ばしようが無い」ってことです。

普段のクライミングで

・疑問点を貯める
・講習の復習
・本気トライ

という経験を培ってこそ、アドバイスの意味があります。

逆に、30回ジムに行くうちの1回が講習でも構いません。
変な癖とかが付いても、クライミングの場合は後から治せると私は感じております。

そのため、順調に伸びているうちは、ムーヴ講習は必要ありません。

例外は、受講し始めのときだけは、連続でムーヴ講習を受講しても伸びます。
それは、アドバイス以前にクライミングの経験値が大量にあるからです。
②レベル1を受講している方であれば、私の方から「レベル2でも良いですよ」と言います。

レベル0でも、レベル2でも、その人の癖を見てアドバイスすることに変わりはありません。
単純に、受講する人のレベルをだいたい揃えた方が、“私が”講習しやすいんです。

岩場リード講習とクラックリード講習は、内容そのものが違いますが、ムーヴ講習にそういった違いはありません。


具体的な講習内容
・一手一手レストしながら登る練習方法
・ネコ足
・肩の脱力
・姿勢(腰を入れる)

伸び悩みってということだと

・週1回以上ジムに通う人が、1年経っても5.10aが登れない。
・週2回以上ジムに通う人が、1年経っても5.10cが登れない。
・岩場も含めて週3日以上クライミングをする人が、1年経っても5.11aが登れない。

くらいだと、練習方法に大きな間違いがありそうですね。

2013年3月13日水曜日

阿弥陀北西稜

3月11日(月)、12日(火)は、自分の山行にて八ヶ岳。
FEWの渡辺ユッキーさん、画家(?)の成瀬くんと。

1日目は美濃戸の氷、2日目は阿弥陀北西稜。

<美濃戸でリードできるのは、短めのⅣ級くらいで、講習で行くエリアよりも簡単だった。>
足尾で「アルパインはもう良いや」と、思った反面、雪山でちょっとバリエーションみたいなのはやっぱり好きだと思う私。

結論からすると、阿弥陀北西稜は本当に素晴らしいルートでした。

<この日は、半分レストみたいな感じ>
実は、北西稜は過去に2回計画していますが、どちらも冬型が厳しくなって敗退&ルート変更。

北西というだけあって、八ヶ岳の中でも特筆ものの寒さです。

<ラッセルして、気分も盛り上がる>
が、この日は春の陽気。

「冬山じゃない」って言われそうですが、
たまにはこんなのも良いでしょう。

<易しい岩稜帯を経て、頂上直下の岩場へ>
1P目は、アルパインにありがちな岩が脆くてプロテクションに確信の持てないピッチ。

でも、Ⅲ級くらいなので、時間をかけてじっくりルーファイを楽しめるレベル。

<遠くに、核心部のクラックが見える>
 で、2P目がリードしながら、
「何これ!ちょー楽しいんだけど。」

と声が出るピッチ!!!

夏なら5.6くらいのハンド~フィストクラックで、手袋をしたままでもジャミングが効いて効いて、快適この上ない!

でも、傾斜があって、そこそこムーヴを考える。

プロテクションは美しいクラックの中に取り放題!

そして、岩が硬い!

<2P目を終えて、一気に歩きっぽい傾斜へ>
Ⅳ級+っていう、グレーディングも妥当でしょう。

そして、トップアウトしたら頂上稜線へ抜け、もうすぐ阿弥陀岳。
僕にとって久々の稜線は、景色も最高でした。

プロテクションが取れなかったり、岩が脆いピッチは、登山の中では日常茶飯事。
でもそれは、あくまでスパイス程度であって欲しい。

核心部は、しっかりしたプロテクションの元に、安心してムーヴを楽しみたい。

そうでないなら、いっそ難易度なんか考えずに、プチバリエーションを歩いていた方がよっぽど幸せなんだと、自分を知りました。
北西稜の壁に、あつらえたように切れ込んだハンドクラック・・・。

また行っても良いかと思うくらいです。

フナムシロックの3日間

3月8日(金)~10日(日)は、城ヶ崎にてクラック講習。
3日間で、2名、3名、3名という参加者。

具体的には

男性KDさん(1日目)、女性HMさん(1日目と2日目)、男性HDさん(2日目と3日目)、男性HYさん(2日目)、男性ONさん(3日目)、男性Hさん(3日目)
当塾では、クラック講習はマルチピッチ講習のための最低条件になっております。

ということで、続ける限りは、全員がクラック講習を受ける訳です。
とはいえ、モチベーションや経歴は様々。

特に、KDさんは既に沢登りやマルチピッチも実践しており、

「こりゃ、カムの使い方をちゃんと習わないと、危なくて仕方ない。」

と痛感しての参加。
今回で、クラック講習2日目ですが・・・

「1回目の後に、どこかクラックやる機会とかありましたか?」
(トップロープを裏から回って張れるエリアとか・・・)

と聞いたら

「太刀岡の左岩稜(5.9、6P)に行ってきました。」
「ホントは、いけないんだろーなー、とは思いつつ(笑)。」
まあ、確かに出来は良い人で、クラック講習も2日目で早くも卒業でした。

でも、ロープワークとか、チェックしたい点は山ほどありますので、できれば何かを継続して受講してくださいね。
その一方で、高崎のHMさんは、クラックがどんなものか今一歩わからない状態で講習参加。

半ば体験講習に近いながらも、5.4くらいのルート2本をリードしました。

まだ、危険に対しても実感が沸ききらないようなところもあり。
もう少し時間をかけながらですね。
さて、一方では
「今回で、絶対に卒業するんだ!」

と気合の入った面々。

HMさんも、段々とクラックの魔力に取り付かれて、熱い5.8のオンサイトトライ!

無事に卒業です。

<HDさん、ビレイも上手い>
自称常識人のHDさんも、全身ボロボロになりながらも無事に修了。
ちょっと、ギリギリ卒業なんで、気をつけて。

<クライマー、ビレイヤーの集中力が完全に一体化>

<HYさん、炎の5.8オンサイト>
さらに、海外に長期出張直前のHさんは、
「なんとか、そこまでにクラックだけでも習得して!」

という念願かなって、意外と余裕の卒業。
最後に、補習2日目のONさん。

フラッシュダンス(5.9)のオンサイトトライは、惜しくもワンテン!
体調が悪かったのが悔やまれますね。

夕方は、トップロープでワイドクラックの基本練習。
それにしても、熱いモチベーションの方々が、揃いも揃ったものだと思います。

具体的な講習内容
・全員バラバラだったため、割愛します。

ジムのリード講習卒業

3月7日(木)の2コマ目は、リード講習3回目。
男性STさん、男性HMさん、女性HMさんの3名。
さて、3名ともこれでジムリードに関しては卒業です。

卒業とか、仮免許っていうのは、私が勝手に言っているだけなんですが、最近は講習生の間で流行っているようです。

卒業は、

「自分の実力を少々越える程度のルートをリードトライしても、安全には降りて来られる」
というのが理想的。

なんですが、時間的な都合もあって、実際はそのチョット手前(笑)。
1~数回の実践練習までで、卒業としています。

“少々越える程度”
ってのがミソで、5.9が限界グレードの人が、5.10aに本気トライしてもビレイヤーから見て危なっかしくはない、という話です。

5.10aにトライしたら、落ちることもあるでしょう。
手繰り落ちが心配で、トライを諦めることもあるでしょう。
怖さに負けて「テンション」って言っちゃったり、頑張って突っ込んだりもするでしょう。

で、それを繰り返すことが、イコール経験値です。
つまり、本気トライをすると、上達するだけでなく、リードやビレイの経験値も上がるという話です。
講習で、基本を知ったとしても、まだまだ初級者。
ジムで、上手い人の動きを見たりしつつ、経験を積んでくださいね。

具体的な講習内容
・落ちる練習&止める練習
(振られ落ち、ロングフォール、ガッツンビレイ、などの実践)

・クリップを止めた場合の対処
・実践本気トライ(1人1回ずつ)

自分でジムに行くのがツマラナイ、という悩み

3月7日(木)の昼は、ムーヴ講習レベル0。
常連女性のSMさん。
山のためにクライミングを始めた人、その一部の人は、クライミングが好きにはなれません。

クライミングの中で、登山とスポーツのベクトルで考えると

例えば

①バリーション(雪山、など)
②マルチピッチ(夏壁、など)
③ショートルート(クラック、ボルト)
④ジムのロープクライミング
⑤ボルダー

という順序で、上に行くほどアルパイン的、下に行くほどスポーツ的。

で、クライミングが上達したいと思ったら、たとえ①や②が目標でも、④や⑤をやった方が良いという話。
「それは何となく分かってるんだけど、やっぱりツマラナイ。」

という意見に対しては、私はこんなことを言うことにしています。

・ジムでの知り合いを増やす
(ワイワイやれば、セッション効果もある)

・毎日成果がでなくても、気にしない
(1ヶ月前より、ちょっと上手くなっていれば、それで良い)

・真面目に基礎練習したり、遊び感覚で本気トライしたりを織り交ぜて、意識的に楽しんでやる


山から入った人は、スポーツとしてのクライミングを楽しむことが大切ですね。
好きこそ物の上手なれ、です。

具体的な講習内容
・フォームチェック
・ダイアゴナル、バックステップ、正対の3つのムーヴ

足尾

3月5日(火)、6日(水)は、自分の山行で足尾。
最近、友達になったJECCのS木くんと。
足尾は、ここ数年の流行りの岩場です。

アルパインクライマー諸氏が、こぞって「面白い」、「トレーニングになる」と語る岩場。
正直言って、あまり好きになれない山域だったのと、あまりに難しそうだったので敬遠気味でした。

が、S木くんを始め、何人もの友達が絶賛しているので行ってみました。
ここは、見ての通りの岩壁エリアです。

壁の中には、越沢バットレスのようにⅤ級台のラインが所狭しと並んでおります。
プロテクションは、アルパインにしては良い部類で、ときどきバチ効きのカムが取れたり。

とはいえ、リードが落ちたら死or救助隊要請ものの事故でしょう。

また、概して岩は脆く、浮石に悩まされます。
また、立木や残置下降点が少ないので、敗退のプレッシャーは強いと感じました。

(実際、2日とも敗退したので、捨て縄は使いきり、スリングも捨て、トライカムとカラビナも残置しました。)
で、2日続けてヘッ電下山まで登ってみて、

「自分は、アルパインクライマーではない」
ってことを再確認しました。

<下の写真が、我々が2日間で色々なピッチをトライした岩壁>
S木くんは、本当に楽しそうに
「いやー、こんなドライツーリングが海外のデッカイ壁で出てきたら・・・」
みたいな話をしながら、冷や汗もののピッチをこなします。

一方、私は海外遠征に興味がないこともあって、

「なんのために、乾いた岩でアイゼントレをしているんだろう?」
って気持ちが拭えず・・・。

結局、リードしたピッチは全て素手でリード。

S木先生に言わせれば、
「せっかく練習になるのに、勿体ない」
って話みたいですが。
海外に限らず、何か難しい岩壁をやりたい、ってモチベーションがあれば楽しいんでしょうね。

そういう気持ちが全くゼロとは言いませんが、モチベーションと呼べないレベル。


そんな僕には、足尾は
「少なくとも冬は、2度と来なさそうな岩場」

となりました。
まあ、あまりにも難しいので、恐怖心が強すぎて面白くないのかもしれませんが。

「そんな自分をどうにかしたい!」
って気持ちもゼロですねー。

これなら、ラッセルとかクラックの方が100倍楽しい。
冬壁は、もう難易度追求はやめます。

<S木君にリードを代わってたもらった、落ちたら死んじゃうピッチ>
ちなみに、S木先生はクライミングを初めて、2年だそう。

リードできるピッチグレード、体力がすごい新人はよく居ます。
そういう新人は、成長は早いけど、やっぱりアルパインになると5年以上の下積みがあるのが普通。

が、S木先生・・・

1日目はそんな感じでも、2日目にはカムセットも壁のオブザベーション能力も、
「あっさり、追い抜かれました!」

という一言。
リードを代わってもらい、下山でロープを持ってもらい、集中力が切れかけた私は「そこ危ないから気を付けてね」と言ってもらい。

数年したら、一流のアルパインクライマーになってそうな人です。
行動記録
1日目:
 8:00 駐車場出発
11:30 ウメコバ沢の右ルート周辺を登攀開始
      4ピッチまでで時間切れ
18:00 取り付き
20:00 駐車場

2日目:
 8:00 駐車場出発
10:30 登攀開始
      同じ岩壁の別ライン
      前日より、1ピッチ上まで行って、コルで時間切れ
20:30 取り付き
22:50 駐車場

2日目が、本当に大変でした。
そして、東京までの運転も大変でした。

S木先生、お世話になりました。

2013年3月4日月曜日

JAN(日本雪崩ネットワーク)のSC(セイフティーキャンプ)に参加

3月2日(土)、3日(日)は、雪崩講習に参加。
期待通りで、かなり良かったです。
クライマーや登山者にとって、雪崩の勉強をするハードルは高い・・・。

まず、雪崩の判断、というと「難しい」、「分らない」というイメージが付きまとう。
実際、5年位前までは、雪崩の教科書はロープワーク以上に難解・・・。

結局、
「我々は、スキーヤー・ボーダーと違って尾根筋中心だから」
ということで、しばらくは雪山に入りながら様子見。

で、雪山経験者の話を聞きながら行くわけだが、これまた怪しい(笑)。
科学的な勉強をしないと、結局は個人の経験則に基づく。

しかも、雪崩は遭遇したら死ぬ可能性が高いことから、雪山経験者のほとんどは雪崩に遭ったことがない。
そして、判断は誤りで、偶然に何事もなかっただけ、ということに気付かない。
さらに、厄介なことに、バリエーションなんぞ始めると
「スコップ、ゾンデなんか、重くて担げねーよ。」
ってことが、多い。

悪いことに、バリエーションのアプローチは沢筋に入ることが多いのだが!!!

もう一点、付け加えるなら・・・
クライマーから見ていて、やっぱり滑走系の人の雪崩事故は多い。
しかも、

「雪崩講習会を受けているどころか、プロレベルの人でも・・・。」
「じゃあ、やっぱり勉強してもダメなんじゃ?」

という思いは拭えない。


ただ、最近は状況が変わりつつあります。

①教科書が、分かり易くなった。
②最新の3本アンテナのビーコンが、安価になった。

そして、クライマーでもぼちぼちビーコンを装着する人が増えて来ました。
(でもやっぱり、軽量化することが多いけど!)

実際、登山者もクライマーも、“晴れた春山の雪崩”とかで死んでますしね。
しかも、尾根筋だったりするから、悲しいです。

で、今回受講したセイフティーキャンプ。
ここの団体の、初級者コースに当たります。

教科書だけでなく、カリキュラム自体が良く出来ています。
これなら、下積みからしっかり勉強できそう。

上は、スキーパトロールをしているような経験者。
下は、いまゲレンデで滑っているだけで、これから山に滑りに行けるようになりたいと思っている人まで。

これからは、雪崩の勉強を雪山初級者のうちから始めるのが、スタンダードになるに違いない。

講習生の方も、是非とも受けてみてください。
今年から、登山者向けのコースも出来たそうですよ。




ちなみに
スキーで参加しましたが、やっぱり新雪ではコケまくりでした。
まあ、許してもらえるレベルだったので、良いかな。

来年は、山スキー道具を揃えて行きます。