2013年3月28日木曜日

マルチピッチリード講習のモデルケース?

3月23日(土)、24日(日)は、マルチピッチリード講習。

常連男性ONさん、初日のみ参加の女性TZさん。
マルチピッチリード講習では、実際にお客様にリードして頂きます。

で、

・ライン取りを間違え
・ちょっと危なっかしいことをし
・ロープを絡ませ
・カムなどのプロテクションの戦略に頭を悩ませる

トラブル連発をやってもらいます。


<姿勢が苦手なONさん、骨盤が後に行ってますね>
それに対して

「もっと、こうした方が良いですよ。」
「それは、危ないから止めてください。」

などの指摘を行って行きます。


<1ピッチ目で基礎練習>
つまり、この講習を受ける段階では、

“行こうと思えば、マルチピッチに行けるかもしれない。けど、たぶん経験者と行かないと危なっかしくて仕方がない”

くらいの実力が求められます。
具体的には

・リード&ビレイ
・数回のフォロー経験
・カムセット
・1ピッチの終了点作業などの、基礎的なロープワーク

などは分かっている前提です。



で、新たに講習する内容は、

・ダブルロープの扱い(リード、懸垂)
・固定分散などによる、カムでのビレイ点作り
・ハーケンの打ち方
・登り返し、セカンドのテンション解除、などのロープワーク(できれば、雨の日のジムで)

くらいです。

<フォローしながら、カムの回収>
あとは、クラック講習の補習と同じ・・・。

ひたすらピッチ数をこなして、効率と安全性を上げてもらいます。


<2人で、ギアの数やビレイ位置などの相談>
そんな中、岩場に残置されている支点の種類も説明します。

特に、施工が間違っているものなんかは、要注意です。
まだ、マルチピッチリード講習を卒業した人、というのはおりません。

居るとすれば、
「もうすでに、マルチピッチに行っちゃってます。」

という人が、1回だけ私にアドバイスを求めに来たことがある、という話くらい。
私も、正直何回で
「まー、自力で行ってみちゃって下さいよ。」

と、言えるかは読みづらい。

ただ、1つ分かって来たのは、

”マルチピッチリード講習を受けたら、1ピッチだけをリード&フォローして、懸垂下降する練習を自力でガンガン行うべき”

ということです。

実際に、2ピッチ目でトラブルが発生すると、本当に事故に繋がります。
しかも、最初のうちは失敗ばっかり(笑)。

<本気のリード>
この3日前に、TZ塾シングルピッチリード講習、なるものが開催されたそうです。

(TZさんが講習生仲間2名を連れて、越沢の1ピッチ目を練習したというもの)

そういうのが大事ですね。

<2日目は、二子山のつもりが雨で河又>

<ビレイ点の作り方、ちょっと寂しいマンツーマン>
具体的な講習内容
・上記の内容を、実践で出てきた都度に


<夕方に、登り返しのシステム練習>
ONさん、さすが戦略家!
マルチピッチまでの道のりは、早い方かな?

TZさん、故障中ながらも思ったより登れてホッと一息ですね。

2013年3月23日土曜日

ムーヴ講習は、下のクラスに参加してもO.K.

3月22日(金)の夜は、ムーヴ講習レベル0。

無料体験後、初回の男性SRさん。
同じく無料体験後、初回の女性KIさん。
加えて、常連男性Hさん。 
常連男性Hさん、実はクラックリード講習も終えているくらいの経験者。
ホントは、レベル1かレベル2が丁度良いくらいの人です。

ですが、今回は日程の都合でレベル0に参加。
(※上のレベルの人が、下のクラスに参加するのはO.K.)

ただ、レベル0は“全くの素人さん~ジムでのリード以前”というのが、対象。

したがって、トップロープのビレイ操作も講習内容のうちです。

そんなことで、上のレベルの人が参加すると、
「まどろっこしいなぁ」
と感じるかもしれません。

それでも構わないのであれば、レベル0の中で講習を行います。
で、今日は・・・

A:
レベル0の2人は、トップロープのビレイ練習を兼ねつつ、基礎練習。

B:
Hさんは、完全に別メニューで独りで登ってもらい、それを私がアドバイスしていく形式。

結果は、かなり成功でした。
今回は、偶然にもレベル0の人が偶数だったから出来たこと。

しかも、Hさんが約半年ぶりのムーヴ講習だったので、ちょっと教えるだけでグイグイ伸びる状態だったからこその成功かも。

レベル0の人が、1名or3名だったら、Hさんと組んでもらうしかなかったですけどねー。
その場合は、下のクラスに合わせたHさんに、多少我慢してもらう予定でした(笑)。


具体的な講習内容
SRさん、KIさん向け:
・一手一手、レストする練習方法
・ネコ足
・肩の脱力
・姿勢

Hさん向け
・オープンハンド
・ネコ足を、より完成度を上げて
・踏み換え
・反動ムーヴ
・反動の際に、胸の張りも利用する方法
・ランジ(最も易しいタイプ)

SRさん、もうリード講習で大丈夫ですね。
ロープも購入済みとのことですから、今度はリードで!

KIさん、そろそろシューズ、ハーネス、チョークバッグを買ってしまいましょう!
まずは、そこからですね。

2013年3月22日金曜日

ネコ足に関してあれこれ

3月21日(木)の夜は、ムーヴ講習Lv.1。
先日、リード講習を終えた男性HMさん、女性HMさんのペア。
ムーヴ講習で、ほとんど1番最初に伝えること。
それは、ネコ足。

「スタンスに足を乗せる際に、足音を立てずに置くこと」

です。

たしかに、上手い人を見ると、易しいルートを登るときは90%以上はネコ足。
また、本気トライであっても、半分くらいはネコ足。
ネコ足にする利点は?
と聞かれると、チョット困ります。

「なぜ、上手い人は足音が立たないのか?」
と聞かれれば、回答しやすい。

①スタンスの中でも、1番良い場所に置こうとしているから
(点で置け!などと形容される)

②足を移動させる際に、体がブレないようにしているから
(ブレると、壁を蹴ったりするので、音が出る)

そう、ネコ足は結果なのです。
ただ、①と②ともに、なかなか分かりにくい。

例えば、①は

「スタンスに、シューズのゴムを馴染ませる」

というイメージで理解できる人

「爪先で、スタンスを握るように」
(※逆に言えば、インカットしたスタンスは握りやすい)

というイメージで納得できる人

日々、表現は試行錯誤です。


また、②は言葉では説明しづらい。

ブレている人に、
「あなた、ブレてますよ」
と言っても分らない(笑)。

そこで、講習時には実験みたいな練習方法を紹介しています。

そのときに
「あー、自分はブレているんだ」
と分かって頂ければ上出来です。

ネコ足だけでも、奥が深いですね。


具体的な講習内容
・ネコ足
・肩の脱力
・指の脱力(オープンハンドも含めて)
・姿勢

・実践、本気トライ
※2人とも、この日の2便で5.10bをR.P.

ムーヴ講習も有効ですが、タイミングが合えば岩場リード講習がオススメです。
5.10bが登れれば、岩場でも5.9くらいは登れますよ。

2013年3月21日木曜日

今回は、クライミングを楽しむのが目的じゃない

3月20日(水)は、天王岩にて岩場リード講習。

先日、ジムのリード講習を終えた男性STさん。
新規の男性FDさん、男性OTさん。
<とりあえず、朝は終了点作業からスタート>

さて、この日は岩は前夜の雨で、易しいルートはビショビショ・・・。

しかも、彼ら3人はジムでも5.10bくらいがやっとこなので、乾いている5.9は本気トライになってしまい、講習になりません(笑)。

そこで、今日はビショビショの5.4を相手に、延々とシステムを講習。
<岩場でのロープクライミング初体験のSTさん。ビショビショでも楽しそう。>

ただ、皆さん本当にモチベーションが高い。

「今日は、クライミングを楽しもう、ってのが目的じゃありませんから。」
という雰囲気がビンビン伝わって来ます。

私も、心して講習せねば。
FDさん曰く

「普段は、みんなでガンバガンバ!さあチャレンジ!
っていうノリになりがち。

結構危ないのに、ロープワークを習う機会って意外といい加減だったりするから、今回は良かったですよ。」
具体的な講習内容
・エイトノット、ATCの扱い、などの基本確認(FDさん、OTさん)

・終了点作業
(結び替え、残置スリング。立木のみの場合は、今回は無し)

・ウィップフラッシュ現象
・落ちてはいけないセクションと、クライムダウンの練習
・ボルトの種類
・実践リード
これで、岩場リード講習の約半分です。

あとは、立木の場合、終了点の仕組み、捨て縄の使い方、実践本気トライ、などなど。
今回は、とりあえず日帰りだったので、できればもう1日どこかで受講して欲しいですね。

大同心北西稜、敗退

3月19日(火)は、自分の山行で八ヶ岳。

富士山ガイドの先輩、廣田勇介さん。
先週と連続の渡辺ユッキーさん。
今回は、勉強になる1日。

おそらく廣田さんは、日本でも屈指の雪崩に精通したバックカントリーガイド。
また、今回のルートは、クライミングルートなので、雪崩セットは軽量化しがち。
(ビーコン、ゾンデ、スコップ、スノーソー、など)

そんな条件下で、廣田さんがどんな判断をするかが気になるところです。
実は、この日の前日は結構な雨・・・。

大雪、急激な気温上昇と並んで、

私が思う

「雪崩をたいして勉強していない人でも、不安だと感じる」

条件です。

なんせ、雪は急激な変化に弱いですからね。
そして、クライミングに不慣れな廣田さんは、今回のルートはフォローでもギリギリ!

そうそう気軽には
「スコップ、ゾンデも持って行こう」

とは言えないはず(笑)。

そんな、彼の判断は・・・
①ビーコンだけは、持って行く

デブリが硬いとは限らない。遭難者が浅いところに埋まっているかもしれない。ビーコンだけは、全山行で減らせない重量と考える。


②前日までの天候を把握して、ピッケルで簡単に掘るだけでも、安定性のおおよその判断はできる。

実際、この日は雨の翌日でも、「安定性はvery goodに近い」と断定していた。
最近2週間の天気で、層構造そのものが無くなっているような状態だそうな。

③地形に関するルーファイがシビア

「今日は、very goodだから、近道優先で良いけど。」
と前置きしつつも、一番セイフティーなライン取りは、やはり私の感覚とは違っていて勉強になる。

<本日は、かなりの強風。4Pで疲労困憊です。>
また、廣田さんは
私が雪崩研修に参加したときの講師の、そのまた講師にあたるような人・・・。

彼の頭の中は、私にとってのロープワークやムーヴと同じかそれ以上に整理されている。
だから、質問されても回答もクリア。
「板を履かないと、雪崩は分からない」
「スコップを持たないクライマーには、雪崩の勉強は難しい」

などなどの真理は置いておいても、

「本当に分かっている人は、クライミングでもやっぱり雪崩の判断がある程度できる」

ということを、目の当りにしたのは良かったです。
さて、肝心のクライミングは・・・

八ヶ岳の卒業課題、いまだ卒業できず!

「本当に、もう帰りたい」
と思うほど怖いピッチを、素手になりながらリードしました。

むー、これじゃ厳冬期にリベンジなんて、まず無理。
世の中には、こんなルートをガイドしている人がいるんだから、恐ろしい話です。

でも、近場に良い課題が見つかったので、良かったです。
行動記録
 4:30 美濃戸を出発
 8:30 登攀開始
13:30 4P目の終了あたりで敗退決定
15:00 取り付き
18:30 美濃戸の駐車場

リード講習は、“まとめて”受講するのも有効

3月16日(土)、17日(日)は、城ヶ崎にてクラックリード講習。
久々の女性WNさん、先週に卒業して補習中の男性HYさん。
HYさんとWNさん、秋にも一緒にクラック講習を受けたことがあります。
当時は、2人ともトップロープで5.8が登れるかどうかのギリギリ。

が、HYさんが2月から一気にクラック講習を固め打ち(笑)。
あまりの成長ぶりに、WNさんも驚き。
一方の、WNさん・・・。

冬の間、山に行くだけで精一杯。
ジムもなかなか通えず。

「もうマルチピッチの自立なんて無理かなー。」
「5.11aなんて遠い夢・・・」
「今回のクラック講習もキャンセルしようかな・・・」

とテンション落ちまくり。
「この2日間で、自信だけでも取り戻す」
 という、目標で参加です(笑)。
結果からすると、WNさんもトップロープリハーサル後に5.8をリード!

講習開始時は、5.4でもプルプルだっただけに、HYさんも驚き。

「たった1日で、4グレードも上がった!?」
これは、マジックではありません。
もともと、WNさんはそこまで実力が落ちてはいなかったのです。

ただ、私もその潜在能力をフルに出させるのは得意。
例えば

①勘を取り戻すまで、5.4を15回くらい登ること

②頑張れば登れそうな課題を、講師が指定

③リード時は、講師が見ているという安心感

その他、ちょっとした声掛けなどなど。
講習ばっかり受けても仕方ない、とは常々言っていること。

ただ、リードできるようになるまで講習固め打ち、というのも有効です。

ムーヴ講習は“ときどき”が良いですが、リード講習は“まとめて”が良さそうです。
自信を回復した今こそ、一気にクライミング復活してしまいましょう!



具体的な講習内容
・ジャミングのコツ(引きながら膨らませる)
・バック&フット、ニーロック、ヒール&トウ
・チムニー登りの基本(足で立ちこむ)
・カムセット練習(地上&疑似リード)

・実践本気トライ
HYさん:
①ネッシー(5.8)をR.P.
②樹氷(5.8)をO.S.
③フラッシュダンス(5.9)をオンサイトトライ → テンション掛け掛けトップアウト

WNさん
①ネッシー(5.8)を、疑似リード後にR.P.

2013年3月15日金曜日

ときどき受けて欲しい、マルチピッチ体験

3月15日(金)は、越沢バットレスにてマルチピッチ体験。
常連男性ONさん、Hさんのペア。
私は、マルチピッチをガイドするのは好きではありません。
山もクライミングも、ガイドでなくて、自分で行って欲しいんです。


が、体験講習はガイドっぽいながらも、相当オススメしています。
それは、マルチピッチやアルパインを目指す人にとって、“それ”を体験して欲しいから。

そして、イメージを膨らませ、ジムリード、岩場リード、クラック、といった基礎を身に付けることを楽しんで欲しいのです。
先日、スポーツとしてのクライミングが楽しめない人が多いことを挙げましたが、そんな人こそ是非ともです。

<越沢バットレスは、奥多摩のヨセミテ?>
さて、ONさんは昨年6月にマルチピッチ体験を、同じく越沢バットレスで受講したのが、当塾との出会い。

以後は、ほとんど毎週末のように岩場通い。
講習も、月1回以上。

今のONさんに、マルチピッチ体験はどう映ったのか!?
本人の話と、私の意見を合わせると・・・

①講師がリード中にやっていることの意味が、大部分理解できるようになっていた

②岩を見て、どこがラインかを考えられるようになっていた

③ジャミングなどのクラック技術が向上

④カムの回収技術が向上

⑤ロープワークの手際が向上
という訳で、成長を実感しまくりの1日。

ただ、一方で

「岩そのものは、結構むずかしいですねー。今なら楽勝かと思ってナメてたら、ビビリましたよ。」

「当時ジムで5.10aそこらで、よく登ったよなー。」

という感想も。

そう、初回のマルチピッチ体験は、本当によく頑張ったんですよ。

<夕方、時間が余ったので、Ⅲ級のクラックだけをオンサイトトライ>
今現在、マルチピッチ体験の参加条件は、ジムでのリード&ビレイができることです。

ですが、そこで受講しても、岩場リードが出来るようになったら、もう一度受講して欲しいくらいです。

そして、クラックが出来るようになったら、さらにもう一度。

<ONさんの初リード>
「あー、以前に比べて、色々わかるようになったなー。」

と思って頂けると思いますよ。

<Ⅲ級ながら、カムもジャミングもしっかり効いて、楽しいピッチ>

<懸垂下降のセットも、自分でやっていただきます>
具体的な講習内容
・スリングの収納方法
・アルパインクイックドローの作り方
・ギアラックの整理方法
・コール、コール無しの流れ

実践マルチピッチを2回やる中で、ラインのとり方、ロープワークの注意点などを少々。

最後に、ONさんにⅢ級のクラックをオンサイトリードしてもらう。
さあて、ONさんはいよいよマルチピッチリード講習。

海外出張が延期になりつつあるHさんも、もう少し修行できそうかな?