2019年1月13日日曜日

富士山、敗退

1月11日(金)は、1人で富士山へ。
<6合目、穴小屋跡にて>

今回のモチベーションは、3つです。

①山歩きで、少し勘も戻って来たし、本格的な雪山も行く気になってきた。
②ここ最近の山歩きは、毎回富士山を眺めていて、夏のガイドの思い入れと相まって、気持ちが上がって来た。
③雪上訓練でアイゼン・ピッケルワークを講習なんかしちゃっているけれど、自分の技術が本当に使えるものなのか不安になってきた。
<登山道は、結構黒い>

午前2時40分、馬返しより出発。
所々に凍りつく足場で、早めにアイゼン装着。

午前5時ころ、五合目より少し下で、新品のアイゼンに履き替え。
佐藤小屋、星観荘のあたりの最後の樹林帯で、防寒具をしっかり着込む。
<御来光と山中湖の位置関係が、夏とは違います>

午前6時ころ、六合目あたりで風が強くなり、ゴーグル、ヘルメット装着。
ただ、滑落の危険はしばらくは無さそうだったので、ピッケルは7合目より。
<八合目、太子館>

午前8時すぎ、太子館。
八合目あたりから、危険を感じる場面がチラホラ。
本日は、冬型の気圧配置が午後から緩んで来て、徐々に高気圧に覆われるはず。よって、下山の方が風は弱くなるという読みです。
午前9時すぎ、本八合目でいよいよ風が強くなる。
下山道側にトラバースすると、風下でだいぶマシなので、そちらから続行。

午前10時36分、九合目にて強風にて敗退。

下山道側の雪壁が、徐々に急斜面になってきて、耐風姿勢をとりながら前進することに限界を感じる。
登山道に合流しようとトラバースをかけるも、九合目の鳥居上が立っていられないレベルの強風。(ちょうど、このあたりの登山道が尾根上になっているので、歩きやすいが風は強い。)

ガッカリしつつ、ホッとしつつ、1時間40分かけて本八合目までクライムダウン敗退(耐風姿勢の都合で、前向きに降りられない)。
<九合目から40分ほどクライムダウンしたところ>

午後0時30分ころ、本八合目。
そのまま15分ほど降りて、3時間半ぶりの座れる休憩(笑)。
八合目~七合目は、ときどき危険地帯はあるものの、安全圏(突風で倒れても滑落しなさそう、など)も多いので、だいぶ心休まります。

七合目でピッケルからストックに戻します。
<七合目の花小屋から登山道を見上げる、すごく傾斜は緩いが、氷化してます>

<午後1時過ぎには、日が沈む冬の吉田口登山道>

<町は、まだ明るいのに・・・>

午後2時ころ、六合目。
少し降りて、樹林帯に入り、ヘルメット、ゴーグルを外し、衣類調整。
<六合目は、ここだけ雪がほとんど無い地帯>

午後4時40分、馬返しに下山。

いやはや、冬にボッカしていたという強力さん、明治の装備で気象観測に乗り出した野中夫妻、「どんだけ凄いんだ!」と再確認です。
私も、学生時代に1回登頂はしているんですけど、あのときは条件良過ぎたんでしょうね。
帰宅後に天気図を見たら、どうやら夕方まで高気圧には覆われなかったようで・・・。しかも、冬型も強めだったみたい(笑)。まぁ、私には無理な日でした。

2019年1月10日木曜日

ジリ貧の滞在

1月9日(水)は、リード3回目。
女性KDさん。
レスト中に作戦を練る、という基本があります。

良いレストポイントでは、パワーゲージがほとんど下降しない(もしくは、回復する)ので、作戦タイムに適しています。

ただ、ジリ貧のレストポイントってありますよね。
もしくは、両手ともホールドから離せないけれど、一応止まれるときとか。
一般的には、そんなジリ貧のとき、どうすべきか。

①次の動きがイメージできるまで、ジリ貧に耐える。
②次の動きがイメージできていないが、突っ込む。

さてさて、皆さまどうします?
もちろん、状況にもよるので、今回は深入りしませんが。

(何回も練習したルートをレッドポイントトライしている場合は、あらかじめ次のムーヴのイメージが完成しているので、呼吸を整えがてらチラッとイメトレぐらいでも可でしょう。)
こういうのって、もともとの性格も出ますよね。
ただ、本来的には選びにくい方をチョイスすることが、吉と出ることも多いものです。

登りのキックステップ

1月8日(火)は、雪上訓練Lv.1-Aにて、天神平。
新規男性SKさん。
<晴れ!>

雪上訓練と言えば、アイゼン・ピッケルの使い方を期待する人が多いと思います。

ただ、基本のキであるキックステップも、奥深いと感じます。
普段、口で説明していることを図解してみます。
<図1>

まず、斜面に雪が積もっているので、図1のようになります。

もちろん、新雪が沢山あるときもあります。
少し硬い雪が、足で感じられる深さだけでも何層にもなっていたり、実際の状況はもうちょっと複雑です。

キックステップに対して、新雪を固めて足場にするようなイメージの人がいたりします。
ただ、多くの場合は、「少し硬い雪に蹴り込む」というイメージの方がしっくり来ると思います。
<図2>

図2は、少し硬い雪に、ほぼフラットに靴底の1/3が決まった状況。
<図3>

図3は、少し硬い雪に、外傾スタンスのように靴底の2/3が決まった状況。
<図4>

図4は、少し硬い雪に、インカットしたスタンスのように靴底の1/4が決まった状況。

図2~図4のどれが正しいとは一概には言えません。

・インカットしていると、滑りにくい。ただし、立ちにくい。
・フラットだと、まずまず滑りにくい。立ちやすい。
・外傾していると、滑りやすい。(滑らなければ)まずまず立ちやすい。

ぐらいの傾向はあると思います。

「じゃぁ、外傾に蹴り込む意味あります?」
という声が聞こえて来そうです。
<図5>

さて、図5は、斜面に足首~スネぐらいまで埋まった様子。
<図6>

図6は、真っすぐ立った姿勢で、キックステップを行う様子。

この状況だと、足裏が描くカーブの都合上、外傾スタンスのように決まってしまうこともあります。
そのまま乗り込むか、もう1回ステップを蹴り直すかは、あなた次第でしょうか。
<図7>

図7は、ストックにもたれかかって少し前傾姿勢で、キックステップを行う様子。

これだと、インカットやフラットに決まることが多いです。
重いザック(テント、クライミングギアのどちらか一方だけでも)を背負っているときは、重心調整でこの姿勢が楽なことも多いような印象です。

ただ、ずっとこの姿勢だと疲れるので、私は図6と図7の姿勢を織り交ぜながら登っていると思います。
<図8>

あとは、下りのキックステップのように、鉛直方向に踏み付ける力によって、ステップにすることもあります。

登りで使う頻度は多くないと思いますが、便利なときもあります。
<キックステップで進む(浅めのラッセルとも言えるでしょうか?)>

これに加えて、実際はもっと考えることはイッパイあります。

立木があったりすると、その周辺の雪の溜まり方がちょっと違ったりするので、ライン取りも大事です。
もちろん、ツボ足、アイゼン、ワカン、スノーシューで、歩き方にもコツがあると思います。

それら奥深さを総じて、「慣れ」の一言で片づけるのは、僕には出来ません(笑)。
<もうすぐ天神平のトップ>

僕も、ガイド友達の皆さんと比べたら上手い方ではないと思うのですが、考えながら歩くのが面白いと思います。
<自分が残したステップ跡>

<お疲れ様でした!>

2019年1月7日月曜日

取りやすい場所、欲しい場所

1月4日(金)~6日(日)は、クラックリード講習にて、城ヶ崎。

1日目は、女性FSさん、男性YZさん。
2日目は、全員新規で男性3人組のYIさん、WNさん、NMさん。女性OUさん。
3日目は、YIさん、WNさんが残って連続にて。
<暖かい>

クラックの場合、どこでプロテクションを取るかも自由です。

仮に、どこにでもカムが効くルートというのを想定して、実際問題どの辺に欲しいかを考えてみます。
左図の、①、④、⑥は地上やテラスから安定してセット出来る場所。
③、⑤、⑦は、次のテラスまでのムーヴで落ちた場合に、テラスまで落ちないための保険として、欲しい場所。
②は、①が膝下ぐらいの高さになったときに、グランドフォールを避けるために、欲しい場所。
「私なら、もっとイッパイ欲しい。」
という人も多いでしょう。

例えば、テラス直前のマントルが厳しい場合なんかは、③、⑤、⑦よりも少し高めに欲しくなるかと。
<講習では、初リード中>

実際は、これに加えて各パートの難易度などで落ちる確率を算段して、メリハリを付けて登る訳です。

もっと言えば、固め取りなどの実戦的な作戦を考えると、バリエーションはここには書ききれません。

この戦術そのものが、クラックの醍醐味でもあります。
自分に合ったムーヴを探るのと同様、これが楽しくてやっているような部分もあります。
<純(5.8)をO.S.するYZさん>

さて、初心者にありがちな失敗として、右図のようなカム戦略があります。

①、④、⑥は、立てるからセットした。
②は、何となく怖くてセットした。
③、⑤、⑦は、「もうすぐ立てる!」と思って、ついついランナウトしていることに気づかずに突っ込んでいた。

これを戦略と呼べるかどうかは分かりません。
ただ、気持ちは大いに分かります。
<パープルシャドウ(5.8)もO.S.>

ただ、こういうテラスが多いルートって、山では多いじゃないですか!?
しかも、入門ルートほどテラスが多くて、落ちるのが難しく、フォールが事故に直結しがちというジレンマ。

マルチピッチ、アイスクライミング、沢登り、まぁ何でもそうだと思います。

クラックの5.10以下のもの、湯河原・小川山などの緩傾斜のボルトルートでも、頻出だと思います。
(ボルトルートの場合は、作者がその辺を考えてボルトを打ってくれていますが、登る方にも自覚が無いと結局は危ないです。)
<2日目>

と、結局似たような話で、恐縮です。

いつもながら、図に書いたような状況を俯瞰する自分が必要ということですかね。

<テーピング中>

<リードで落ちる練習>

<純(5.8)をO.S.するWNさん>

さてさて、YZさん、YIさん、WNさんの3人は、クラックリード講習を卒業といたしました。
もし良かったら、また復習受講でも、別講習でも来てくださいませ。

実践本気トライ
YZさん:純(5.8) O.S.
    樹氷(5.8) O.S.
    パープルシャドウ(5.8) O.S.
WNさん:純(5.8) O.S.

2019年1月3日木曜日

冬休みの日記

明けましておめでとうございます。
今年も、どうぞよろしくお願いします。

2月の予約受付は、1月6日(日)の夜22時スタートです。
念のため。

12月31日(月)~1月2日(水)は、1人で笊ヶ岳登山。
が、しかし。
登山道が荒廃しており、登ることは出来ませんでした。
<歩きだして、しばらくして太陽>

寒波にビビって、南アルプス南部へ。
標高2,700mくらいなら、ワカンで膝前後のラッセルであろうと踏んで。

そもそも、2,000mぐらいまでは、ほとんど雪も無いだろうし。 
ある程度、サクサク進めるでしょう。
前日までの寒波も緩み、軍手で快適にアプローチを歩きます。

しかし、沢の100mほど上をトラバースする登山道は、かよわい程に細く、崖崩れも多数。
沢登りの高巻きみたいな感じです。

橋も崩壊しており、「立ち入り禁止」とまで書かれています。

とはいえ、1時間くらい行けば沢を渡渉して対岸の尾根登りになることが分かっているので、看板は無視して自己責任入山。
<ベルグラ風な巻き道>

が、行く手をベルグラ風なものが塞ぎ、アイゼン装着。
残念ながら、突破できずに戻ります。

ピッケルも装着。
それでもリスクが高そうで、突破できずに戻ります。

「ロープが無いと、登山道がちょっと壊れただけでも山を歩けない。」という、過去何度も味わった無力感に苛まれつつ、敗退。

ただ、10分ほど手前に沢床に降りる作業道があったので、少し沢歩きして再度登山道に合流するラインが無いかを模索することに。
<沢歩き>

大した沢じゃなくても、登山靴、ロープ無しだと行動範囲狭し。

200mぐらい遡行して、滝に直面して、大高巻き開始。
これで、ちょうどベルグラで敗退した箇所の先の登山道へ合流!

やはり、こうやって色々工夫しながら突破するのは楽しい。
<壊れた橋が連発>

が、しかし。
ここからも、さらに壊れた橋が続く。
何個か目に、いよいよ危なすぎるので、敗退決定。

帰り道も、気を付けて戻ります。
色々ありつつも、昼過ぎには下山。

年越しを車中泊で過ごし、日帰りハイキングして帰るという方向に。 
<明けましておめでとうございます>

登山口も近い、七面山。

信仰登山の山らしく、標高差1,400mの大半が参道っぽくなっており、人の往来も多いです。
冬靴、80Lザックは、いかにも不釣り合いですけど、御容赦ください。
<山頂1時間ほど手前に、大きな宿坊あり>

ラスト1時間だけが登山道で、七面山の山頂。
八鉱嶺へのピストンも計画していました。
が、道がそんなに良くない上に、地形図を持っていない(山と高原地図のみ)という不安要素が大きく、中止。
またしても、14時前に下山。

結構充実したので帰っても良いかなと思いつつ、この機会にもう一山。
富士山の北側、西湖の畔にある十二ヶ岳。

この山、低山の割には岩場もあって登り応えがあるし、クライミングの岩場もあるので、富士山ガイド仲間とは時々話題には上がります。
これ絶好の機会と、車中泊をもう1泊。 
<おはようございます>

そんな訳で、3日目。

眼下に西湖、河口湖、左手に山中湖、三ツ峠が見渡せます。
富士山から色々見えて、ガイド中に解説するものの、三ツ峠にしか愛着が無くて後ろめたい気分もありました。

周りの低山も少し知れたことで、気持ちも楽になりますねー。
<とりあえず毛無山>

<十二ヶ岳への縦走>

<十二ヶ岳>

<ついでに、鬼ヶ岳にも足を伸ばす>

<ついでに、節刀ヶ岳にも足を伸ばす>

<林の中から、岩場を覗き見る>

本日も、早めの下山。
ただ、十分に疲れきっていたので、これはこれで充実した正月だったかなと思います。

さてさて、本年もどうぞよろしくお願いいたします。