2012年6月20日水曜日

脱、登山道

6月17日(日)は、奥多摩にて読図講習。
本日は、新規の御夫婦YNさん。
「登山道からはみ出し、自分で山を登る楽しみを追求する」

これ自体、一般的な発想だと思います。
山歩きを1年もやった人の中に、登山道というものがチョット物足りなく感じる方は、少なくありません。
そこで、

ある人は、雪山や海外の雪山登山を見据えるかもしれません。


ある人は、クライミングやバリエーションを考えるかもしれません。

ある人は、沢を志すかもしれません。
そして、YNさんは
「今のところ、ロープやクライミング技術を要しない脱登山道!」

という発想に至ったそうです。
そのフィールドは・・・

例えば、今回の講習で使ったような登山道なき尾根。

さらには、ロープ不要の沢歩き
(最近、『ウォーターハイキング』なる本があるそうですね。まだ見たことはありませんが。)

そして、冬はトレースの無い雪山・・・
今回の読図講習、8月の沢登り体験と合わせて、僅かずつでも登山道から脱して行こうという御夫婦です。

最近は、クライミング講習が圧倒的に多い私です。
そういう方は、上昇志向のモチベーションが高く、良い刺激になります。

が、こういう山登りの原点みたいな発想の方にお会いするのも、なかなか良い機会ですね。
具体的な行程
古里駅~赤杭尾根~エビ小屋山~南に延びる尾根~入川谷の二俣

2012年6月17日日曜日

落ちる練習のやり方

6月16日(土)は、ジム講習6時間コース。
新規の女性MUさん、男性HKさんのペア。

休日の6時間コースは、すなわち1日コース。
開店時間からスタートし、昼休憩を挟み、夕方疲れ果てた頃に終了です。
(ロープワーク中心の日などは、閉店までやったりしますが)

雪山やマルチピッチ並の疲れ方をしますので、避ける方も多い(笑)。
遠方から来られる方、1日でカタを付けたい方、岩場講習の雨転戦、といったときに御利用いただいております。
ジムのリードで落ちることの重要性は、だいぶ以前に話して来ました。

要点だけ絞ると

①落ちそうなくらいまで頑張ることで、ようやくスポーツクライミングのスポーツらしい楽しさが実感できる

②落ちるくらいまで頑張ることで、上達の効率が上がる
(「何回か落ちて、出来た!」という経験が、新しいムーヴ習得にも最も効果的)

③墜落距離が予想できるようになる
(本当の危険と、単なる怖さの区別)

④ビレイが上達する

⑤落ちるかもしれないバランスを知ることで、アルパインなどの落ちてはいけない場面での落ちられないクライミングが強化される
ただ、落ちる練習自体が怖い、落ちる練習自体で怪我をしそう、という心配をされるのも当然。

一番良いのは、中級者以上の監督下で
「今、そこで落ちてみて」
と言われるのが手っ取り早い。

先輩から言われれば、やむなく落ちるでしょう。
本当に危うい場面では、「そこで落ちるのはダメ」、「そのビレイじゃ怪我するかも」と止めてくれます。
それが出来ない場合、ひたすら自分で実験するしかないのですが、やっぱり危ない&怖い。

そこで、以下のような練習方法をオススメします。

①低い位置でのトップロープ状態で落ちる練習
(これでも、本当のトップロープよりはロープが弛んでいるので落ちます。安全さを確かめるには良いステップ。)

②墜落距離は、あくまでも僅かずつ増やしていく
(クリップが膝下でも怖ければ、膝上で5回~10回くらい落ちても良い。墜落距離も予想しやすくなる。)

③トラバース落ち、ガッツンビレイの実験、不意落ち練習は、やるとしても最後にやる
(恐怖心を増さないため)

④ビレイ位置&弛ませ具合がクライマーの安全に大きく影響するんだ、という意識を持つ
(少しでも不安を感じたら、ビレイ方法を修正していく良い機会にする)

⑤恐がりのクライマーが嫌にならないための心理テクニックとして
・「5回だけ落ちたら交替」
・「自分で勉強になりそうな場所で落ちる」
などの自発的な動機を持たせる

※⑤に関しては、最近取り入れている方法ですが、かなり効果を実感しています。
全体を通して言えるのは

「単なる度胸付け」
ではなくて

「安全のための実験」
という意識で行うと、モチベーションが沸きやすいです。

具体的な講習内容
・トップロープ技術の確認(ダブルチェック、ビレイ、エイトノット)
・クリップ練習
・リードでやってはいけない事例集
・ビレイの立ち位置
・ビレイの繰り出し方法
・落ちる練習&止める練習
・実践、本気トライ

本日は、リードを習うのは実質初めてのHKさん中心の講習。
ただ、MUさんも落ちずに「テンション!」と言ってしまう癖があったので、今回で少し進歩したように思います。
特に、最後のトライは良い突っ込みの熱いクライミングでした!

岩場効果

6月15日(金)の2コマ目は、ランナウトにてムーヴ講習。
常連女性ARさん。
先月のマルチピッチ体験でドラマがあったAKさん。

最近は、成果が出ております。
たぶん、クライミングへのモチベーションが上がったことが原因でしょうね。

先日は、今までは登れなかった5.9のルートがリード出来ました。
本日は、ハングした5.9のルートがオートビレイで登れたり。

リーチが相当に短い彼女は、姿勢をよくして腰を壁に近づけることは、すぐに理解できそう。

ただ、リーチが無いだけに、今後の手足限定ルートが課題となります。
5.10前半でも、反動ムーヴやフラッギングもガンガン使わねばならないでしょう。

ここから、ここからです。
具体的な講習内容
・腰を壁に近づけること
・オブザベーション(手順用語)
・ダイアゴナル、バックステップ、正対の復習
・フラッギングの練習

省エネ技術は、かなりレベルが上がって来ました。
これなら、足自由課題は結構登れるかも?

盗み聞き歓迎、とまでは言えないですが

6月15日(金)の1コマ目は、ストーンマジックにてリード&ビレイ講習。
本日で2回目の、女性AKさん、OMさんのペア。
AKさん、ランナウトでもよくお会いするのですが

「お金払わないで質問するのも悪いなぁ」とか
「他の人に講習しているのを、横で盗み聞いちゃ悪いなあ」とか

色々と気を遣ってくださっているそうです。
「AKさんは特に」ってイメージですが、皆さんそうなんでしょうね。

ただ、実際はそこまで気を遣って頂かなくても大丈夫です(笑)。

っていうのも

①講習は、一定時間同じ壁を占拠することになる。

(一応、不人気壁を中心には使いますが・・・)
そのため、質問・立ち聞きも含めて、ある程度のギブ&テイクがあった方が、私も気が楽。

②口頭で聞いただけでは、治らない癖、身につかない技術、というものが多い。

講習というのは、技術を口伝、見本を見せるだけではないんです。

反復練習している際に、
「そうそう、そんな感じです!」
「いや、それはダメ!」
という評価が重要。

「アメとムチ」じゃないですけど、目に見えて違いますよ。
理屈じゃなくて、身体で覚えるのを手助けする感覚です。

これは、プライベートレッスンでしか得られない効率だと思います。
具体的な講習内容
・落ちる練習と止める練習
(ビレイの立ち位置の重要性、手繰り落ちの危険、墜落距離の予想、ガッツンビレイ、などを実感できるレベルまで)

・実践、本気トライ(5.10b)

本日で、リード&ビレイ講習は終了。
ではでは、AKさんもランナウトでまたお会いしましょう(笑)。

2012年6月16日土曜日

胸を張る

6月14日(木)の2コマ目は、常連女性TZさん。
最近はクラックやマルチピッチ講習を中心の受講で、久々のジム講習です。
さて、
「腰を壁に近づける」
とはよく聞きますが、実際には色々な方法があります。

あまり良くない例だと
・目一杯にホールドを引きつけて、全身をピタッと壁に沿わせる

ときどき使える例だと
・スタンスに座り込むようにして、腰を近づける
(ワンフットレスト、カエル足、ハイステップ乗り込み、などの形)

で、大部分に応用が効くのがコレ!
講習で中心に扱います。

・上半身を少し反らせるくらい姿勢をよくして、下半身だけは壁に沿わせる。上半身は、ホールドに合わせて。
(ガバなら脱力するために上半身は壁から離す、悪いホールドなら引きつけて上半身も壁に近づける)

イメージが分かりにくいのですが、常に姿勢を良くする感じです。
上下の写真は、TZさんが上手くできているタイミングを撮ったもの。
具体的な講習内容
・腰を壁に近づけること
・肩の脱力(スタンスを上げるときに維持すること)
・落ちる練習(リードの墜落距離を予想する練習)

以前、八王子のロックビーンズで「胸を張れ」、「前で持て」って言われていたことが講習にも役に立っております。

要するに、
・姿勢を良くすれば、スタンスから体幹の力を最大限利用できる
・脇を締めれば、腕や肩の力でなく、体幹の力を利用できる

ってことだったのかなぁ。

そのうちに、また行きたいです。

スラブの一番易しいルートから、垂壁へ

6月14日(木)の1コマ目は、常連女性SMさん。
SMさん、僕の方で勝手に目標にしていた物を、本日で半分くらい達成できました!

それは
・垂壁の一番易しいルートを、何度でも登れるようになること。
・そして、そこでムーヴ講習ができるようになること。

講習では、同じルートを何度も登りながらムーヴを練習します。
したがって、垂壁を練習したいならば、垂壁が何度でも登れる必要があります。

とはいえ、最初からそれができる人は居ないので、脱力やネコ足を覚えるまでは、ややスラブっぽい面で練習したりしております。

これなら、リードを覚える最低限のレベルには達したと思います。
今度は、ロープを買ってきたら、少しずつロープワークも覚えて行きましょう。
具体的な講習内容
・腰を壁に近づけること
・引きつけよりも捻りを優先させること

この動きを忘れないように、頑張って行きましょう。

読図講習の下見

6月14日(木)の午前中は、1人で奥多摩へ。
9月に読図講習をやるので、その下見です。
各方面で読図講習が開催されておりますが、私の講習方法はちょっと特殊かもしれません。

いつもやっている川乗山だと

①登りは、沢から尾根に上がるポイント、小ピーク、コルなどが顕著な登山道を使い、“先読み”の練習

※先読みとは、これから次の小ピーク(現在地特定しやすい場所)までの情報を整理しておくこと

最低でも以下の3つは押さえたい。
・標高差
・およその傾斜(急か緩やかか?)
・おおよその地形的特徴(尾根か沢か?、左右の傾斜、程度)

しかも、これは数をこなすとイメージが沸くので、できるだけ小ピークが沢山ある短めの尾根がベスト。
②下りは、登山道から離れ、地図を読んで実際に尾根を下る実践練習

小ピークが顕著なものだと、講習生の方が現在地特定しやすく、面白い。
短めが良い。
この条件で絞り込むと、奥多摩でも地図上ほとんど条件に合う山がありません。

ただ、川乗山は少し行程がハードだとの評判です。
たしかに、1日に相当詰め込んでいますからね。
雪山とか、バリエーションを目指すくらいの方には丁度良いくらいの頑張り具合・・・。

9月は、超入門編用にルート選定。
登山道で迷わないため、というレベルの方も参加されるようですので、軽め。
普通に、小ピークの多い登山道を歩きながら、①だけを練習することにしました。

具体的な行程
軍畑~高水三山~沢井(下山は、破線ルート)

破線ルートですが、道はしっかりしておりました。
看板もありましたし。