2019年5月29日水曜日

熱い鉄

5月25日(土)は、ロープワーク講習。
女性IUさん、男性SKさん。
<結び替えで、テンション移行の重要性を身をもって知るSKさん>」

前回、セルフレスキューの講習で、詰んでしまったIUさん。
本日は、他の方とマルチ講習の予定が、その方が仕事の都合で来られなくなり、予約キャンセル。

そして、直近になって
「晴れそうなんですけど、ロープワーク講習お願いできませんか?」
という熱い要望。

「晴れそうだから岩場リードの復習受講にすれば、ムーヴ講習とかも出来ますよ。ロープワークは、雨の時でも。もちろん、鉄は熱いうちに打ちたいというなら、ロープワークで予約受付できます。」
と伺ってみました。

すると、「鉄は熱いうちに打ちたい。」ということで、ロープワーク講習に決定です。
多くの講習生が
「ホントは、落ち練をした方が良いんだろーなー。」
「ホントは、スラブの足置きをもっと研究した方が良いんだろーなー。」
「ホントは、カムの使い方を学んだ方が良いんだろーなー。」
「今更だけど、レストするとかえって疲れる気がするんだよなー。」
などなど、少しは思い当たる節があろうと思います。
そして、それをやらないことが、長年に渡って自分のネックになり続けるものです。

そして、これは講習生に限らず、誰にでも言えることとして。

IUさんは、これまでの付き合いの中で、こういうときの行動力は突出しているなと感心します。
なんせ、普段は降水確率50%でも登れる可能性に賭けて岩場に行ってみるような人なだけに、今回の行動は「さすがですね」の一言。

これも、一つのスキルなんでしょうね。

2019年5月28日火曜日

あなたのレストは何秒ですか

5月21日(火)は、ムーヴLv.0。
女性KDさん、女性KKさん、新規女性SYさん。

5月22日(水)は、ムーヴLv.1。
女性KBさん、男性SNさん。
ムーヴLv.1。
女性KDさん。

5月23日(木)は、ムーヴLv.0。
女性NKさん、女性ONさん、女性KSDさん、新規女性NMさん。
今回で、ONさんはジムリードに進んでO.K.としました。
レストする際、片手で何秒静止しているか、というのがあると思います。

0.5秒なのか、3秒、5~10秒なのか、もうちょっと長いのか。
「0.5秒の静止で、一瞬だけ手を下ろしてシェイクして、次の一手を出す。」
という方法は、もちろん有効な場面もあります。

ただし、これだけで登り続けると、精神的にも余裕が無くなってきます。
もうちょっと悠然と静止できる足位置、バランスを探して欲しいものです。

おそらく、ロープクライミングで一番最初に習得すべき技術だと思います。


2019年5月25日土曜日

勝ち癖、負け癖

5月18日(土)は、岩場リード講習にて、小川山。
女性FIさん、女性FSさん、女性NNさん。

5月19日(日)は、クラックリード講習にて、湯川。
復習参加の女性Mさん、復習参加の女性ISさん。
<スラブのムーヴ講習>

2日目の湯川で、「なんか最近、全然頑張れなくってー。すぐに諦めちゃう。」という話を聞きました。

頑張れる習慣同様に、頑張れない習慣って、ありますよね。
<自分の動画を見る>

これについては、あらゆる強い人たちも仰っていますし、特に熱く語ってくださる方もいらっしゃるので、少し気が引けますが。
頑張れる習慣は、成功体験に裏打ちされています。

・O.S.トライで、諦めそうなところで頑張ったら登れた。
・「次やったら行けるかも。」という僅かな望みに賭けたらR.P.出来た。

というのが、大事だという話です。

普段諦めがちな人が、突然と会心のクライミングをすることは難しい、という話。
さて、ここからは私なりのイメージ。
練習とか、トレーニングは別として、本気トライだけを繰り返したとして。

自分の今の持ち点は、これまでの経験で決まります。
仮に、10点とします。

ここから
①渾身のO.S.成功
+3点

②もう今日は別の課題かトレーニングにしようかと思ったけど、思い直してもう1トライして、気合のR.P.
+3点

③苦戦しながらO.S.
+1点

④次やれば、ほぼ登れるって分かっていたけど、一応R.P.
+1点

⑤諦めずに頑張ったけど、O.S.失敗
-1点

⑥諦めずにもう1トライしたけど、R.P.失敗
(ムーヴを作るために、最初からハングドッグ目的の場合は、加点も減点もナシの0点)
-1点

⑦O.S.トライで、安全なのにギブアップした
-2点

⑧最初から、あきらめ気味に惰性のトライをした
-3点

⑨もう1トライ出す元気はあったけど、つい面倒くさくなって帰った
-3点

⑩ほぼ必ず登れるルートを登った
0点(加点も減点もナシ)
<またもや動画タイム>

これの繰り返しで、自分の持ち点が変動していくゲームだ、という風に捉えています。

持ち点が高い人ほど、頑張るのが当たり前に感じてくるので、ますます持ち点が上がります。
ただし、個人的には一定の点数よりは増えない印象です。メンタルゲージには、マックス値がある感じでしょうか(笑)。
<いつも元気なスワンガールズ>

あと、このゲームの面白いところは、直近の頑張りが自分を助けてくれるという点です。
逆に、昔はすごい頑張り屋でも、最近サボっているとダメなのが厳しいところ・・・。

生涯に渡って続く、メンタルゲームです。

「メンタルに作用するものは他にもいっぱいあるはずだけど、勝ち癖と負け癖が割と主要因っぽいよね。」というのが、何となく腑に落ちるところです。
<ジャミングが効いてきた>

と、ここまで書いておいて何ですが。

講習生の段階では、まずどこまでが安全圏なのかの見極め、危険区間でしっかりとクライムダウンを意識しながら行動すること、などが大事です。
そして、それに自信が持てなければ、ギブアップしたとしても仕方ないことです。それは、あなたの判断です。

そういった前提の上にある話ですが、ジムのリードとかなら比較的スポーツっぽいので、初級者にも身近な話ではないでしょうか。
<ボルダー練習>

ちなみに、今回の頑張れないと嘆いた本人は、夕方に気合のR.P.を決めていました。
登る直前は、「仕事も、クライミングも、何もかも負け組だよー。」とか言っていたのに(笑)。
「このまま、一生負け組じゃ、ヤだよー。」と思ったらしいです。
<渾身のO.S.?あるいは、苦戦しながらのO.S.?>

実践本気トライ
Mさん:草餅(5.9) O.S.
ISさん:デゲンナー(5.9) R.P.(前日からの宿題)
<エイドダウンの練習>

2019年5月24日金曜日

リード中の思考

今夜より、7月、8月分の予約受付予定です。

5月16日(木)は、リード2回目。
女性OJさん、復習参加の男性NMさん、復習参加の女性Hさん。
リード中、意識していることを改めて整理してみます。

①一般的な注意事項
・逆クリップ、Zクリップなどの、やってはいけない事例集。慣れてくれば、これらはほとんど自動化。
・ロープがムーヴ中にヒールや膝に干渉して、落ちたらひっくり返るリスクはあるので、これには中上級者も一定の注意が必要。

②今(あるいは次のムーヴ中に)、落ちても大丈夫か?
・ランナウト具合。
・下にテラスなどの有無。
・ビレイヤーに関すること。
・次のムーヴに失敗した場合の、態勢。

③次のクリップ(あるいは、レストポイント)までの、ホールド、スタンス。

④ムーヴのコツ、あれこれ。
・「こういうケースでは、こういうイメージでやると、ちょっと楽なんだよな。」といったケース毎のもの。
・フォーム、省エネ技術など、一般的なもの。

一応、講習中はそんなイメージで体系立ててやっています。
それに対し、ある講習生は
「私は、②と③しかほとんど考えていない気がします。」
という感想。

まぁ、それが一番優先順位が高いので、現時点では賢明な判断かもしれませんね。
コツに関しては、地上周辺でのトラバース練習などで身体で記憶したもののみが、自然と出てくる感じでしょうか。

少しずつ、全体が見渡せるようにして行きましょう。

2019年5月22日水曜日

7、8月分の予約受付

皆さま、こんにちは。
明後日の5月24日(金)の夜22時より、7月、8月分の予約受付を開始いたします。

7月のうち3週間は富士山に行っているため、8月分と合わせて行うことにします。




ついでに、指の近況報告。
ジムなどで本気で登っても、中2日空ければ、復活する感じです。
講習で岩場に行くと、登らなくても浮腫むので、まだ岩場で自分の登りをするのはリスクが高そうです。おそらく、手術跡が完全には引いていない様子。

また、手術前(昨年の8月)よりも痛みはマシになって、今では大部分のホールドで影響を感じないまでになりました。
ただ、変形そのものはあまり良くなっておらず、ハンドジャムどころかクラックに手が入らないことも多いです。やはり、将来的にはクラックをやりたいので、ストレッチを試行錯誤中。

今のところ、ジムで登る前の軽いアイシング、1~2時間のウォームアップ、本気トライを何本か、追い込みトレーニングを自重して、終了後のアイシングはしっかり。そして、週2回のペースを保てば、「どちらかと言えば、良くなっている感覚。」という状況です。

とはいえ、ここ数か月はランナウトでリードの本気トライ中心なので、それに関してだけは復活してきたと思います。
この際、リード課題の全R.P.を目指してやろうと。5.12bぐらいまでしか存在しないので。
ただ、5.11c以上は1日に1本ペースになりがちなので、追加ルートが現れたりすると、ゴールが遠のきます(笑)。
ただ、これはこれでゲーム的に面白いので、楽しくやっております。

2019年5月17日金曜日

反省会は難しい

5月15日(水」)は、特殊オファーにて、セルフレスキューについて越沢バットレス。
女性IUさん、女性HMさん、男性NSさん。
今回の最後、シナリオレスキューとして、私が出したお題。

ルートは、1ピッチ目。
Ⅲ級(5.5?)程度のクラック~土のバンドを歩くようにトラバースして、太い立木というピッチ。

リード:IUさん
フォロー先発:HMさん
フォロー後発:NSさん

・トラブル設定
フォローのNSさんが、土のバンドに入るところでフォール。
登ってきたクラックラインから、数m逸れた場所に宙づり。
土のバンドより、5mほど下。地上から、10mほどの高さ。

NSさんに怪我なし。
NSさんは、登り返しのロープワーク技術が出来ない。
大声で、助けを求めるところからスタート。
NSさんと太い立木のビレイ点は、声が届きにくい。
この日は、朝から
「フォローが宙づりになったら、どうやってロワーダウンしようか?」
というロープワークを検証していました。

カラビナをパタパタさせる方法、ルベルソの説明書にある方法、ムンターに切り替える方法、などを検証。
そんな訳で、設定を聞かされていたNSさんは、私が想定していた解決策がすぐに浮かびました。
で、答えを半ば知っている状況で、IUさんとHMさんの奮戦を見守るという立場に。
最終的には、救助に行ったはずのHMさんもNSさんの横で宙づりになり、身動きが取れなくなりました。
それに対し、2人ともをロワーダウンしようとしたIUさんも、最終的にはロープがこんがらがり、どうしようも無い状況(いわゆる詰み)。

ここで、およそ2時間が経過していたこともあり、これにてゲームオーバー。
あとは、私が手助けに入りました。
さて、主な感想&反省。

NSさん:
・今回の設定ではナシだったけれど、フォローであっても登り返しは必須技術。
・ミスコミュニケーションが、最大の敗因。
・これが練習で、本当に良かった。

HMさん:
・シナリオ開始時点で、IUさんとのコミュニケーションで、自分の役割が曖昧だった。
・とにかくNSさんの近くに行って、状況を見なければと思った。(結果、土のバンドから下まで不用意に降りてしまった。)
・登り返しが、上手く出来なかった。(設定上、登り返しが出来ないのはNSさんのみ)

IUさん:
・自分の指示が曖昧だった。(HMさんに、偵察をお願いしたつもりだった。)
・ロープワークで詰んでしまった。
<シナリオ開始>

立場上、色々な事故(ヒヤリハットも含む)の反省会を相談されることが(最近特に)多く、改めて色々思うところがあります。
あえて例は挙げずに、抽象論だけ語ります。

事故の理由を語る際に、誰もが無意識に分類していること。

①似たような失敗経験がないと、予想できないこと。
②不可抗力。(自然条件、心理的な要因、疲労、など)
③もう少し用心深く行動していれば、避けられたこと。

建設的反省をするなら、③にフォーカスすべきです。
②についても、「こういう心理のときは、一層気を付けよう。」と思えれば、わずかながら建設的な反省になります。

失敗した本人が、①、②を語れば、言い訳がましく聞こえるものです。
一方で、周りが③を声高に叫ぶことは、本人を痛烈に批判しているような雰囲気にもなります。

まず、ここにコミュニケーションの難しさがあります。
<宙吊りのNSさん>

次に、③について深く考察すると、事故者本人の普段の行動から見直そうという気持ちになります。

多くの場合、事故現場にいたパートナーは、それ以前からの登山・クライミング仲間です。
ですから、「今回に限らず、事故者本人が少しリスキーな行動をとるような気がしていたんだけど、上手く伝えられなくて今現在まで来てしまった。」という責任を感じていることも多いです。
そして、それをここぞとばかりに伝えようとします。

これは、ものすごく大事なことですし、上手くいけば全体的な事故確率の低下に繋がるので、使命感が沸いてしまうものです。
しかし、相当なストレスを伴うコミュニケーションとなるので、人間関係が悪化し、半年~数年の冷却期間が必要になることすらあります。

これらを踏まえた上で、これが決定版という反省会の方法は、私も知りません。
ここから先は、登山・クライミングのスキルではなく、もっと別のスキルにあたるのでしょうしね。
ただ、こういう分野にいる限り、避けて通れないものだと思います。

どんなに重要な話でも、ある程度のところで切り上げることも必要です。
ガンバ!

2019年5月14日火曜日

省エネor確実

5月11日(土)、12日(日)は、岩場リード講習にて、小川山。
1日目は、女性YIさん、女性STさん、男性Nさん、復習参加の男性STさん。
2日目は、男性NMさん、男性FMさん、男性FTさん、復習参加の女性HSさん。
今回、話題に上がったことで、「省エネと確実性は、イコールではない。」というのがあります。
①省エネ かつ 確実   ⇒ どんな場合も有効
②パワフル かつ 確実  ⇒ 安全重視の場面で、有効
③省エネ かつ 不確実  ⇒ 省エネ重視の場面で、有効
④パワフル かつ 不確実 ⇒ 核心の勝負

というイメージです。

省エネのイメージは、7~8級のフィジカルしか使わずに突破するムーヴを発見する、など。
確実のイメージは、スタティックで行けば、次のホールドがハズレくじなら引き返せる、など。
岩場でリードに適したムーヴを講習していると、講習生が②が③よりも上位概念のように聞こえるみたいです。
実際、そう思っていただいても差し支えないと考えています。

ただ、ジムのハングルートなどは、②よりも③を優先してアプローチセクションをこなした方が、最終局面での余力が残る可能性も高いでしょう。
<ムーヴの検討中>

私のイメージですが。
・ボルト間隔が近い ⇒ 省エネ重視
・ボルト間隔が遠い ⇒ 確実性重視
・緩傾斜や凹角など、レストポイントが豊富で、各パートで力を使っても何とかなる ⇒ 確実性重視
もっと細かく言えば、確実性にも色々あると思います。

・ほぼ100%成功する (文字通り、確実)
・グラッと来ない(ほぼ完璧なスタティック)
・クライムダウン可能(可逆)

まぁ、この辺は徐々に分かってくれば良いと思います。
<1本目まで、木の根があり、下地は良くない状況>

さて、本日でNMさんと、FMさんは、岩場リードを卒業といたしました。
とはいえ、まだ岩場リードの予約も入っていますので、引き続きよろしくお願いします。
実践本気トライ
2日目
NMさん:かわいい女(5.8) フラッシュ
HSさん:Song of Pine(5.8) O.S.
FTさん:Song of Pine(5.9) フラッシュ


<核心最初のムーヴ。ここは、戻れるムーヴだと、探りやすい場面。>