2011年10月22日土曜日

小川山、“竜の子太郎”マルチピッチ体験講習

10月17日(月)は、小川山にてマルチピッチ体験講習。
今回は、都岳連卒業生の女性ARさんに加えて、新規の男性YDさん。

YDさん、マルチピッチは初めて。
スポーツルートすらトップロープでしか経験がなく、ロープワークらしいことはほとんど未知!

しかしながら、最初から「何もない、誰もいないような壁を登ることに興味がある」との熱い御要望。
「なんで初心者がそんな本質的なことを?」と、私も疑問に思いました。
話してみると、YDさんはバックカントリーをされており、腕はかなりのものだと推察されます。

その経験から、アルパインクライミングでも同じような楽しみ方を求めているのでした。
他のアウトドア分野で活躍されている人は、楽しみ方、トレーニング、危険との付き合い方のあらゆる点で飲み込みが早いですね。
そんなわけで、最初からディープにクラック真っ向勝負のマルチピッチに挑戦してもらいました。
クラックは、文字通り岩の割れ目を登り、安全確保のための支点(プロテクション)は取りやすいものです。

しかしながら、クラックを登る動きにはジャミング(手足をクラック内部に引っ掛けること)が必要となり、初心者が苦労すること請合いなんです。
つまり、通常はクラック講習を終えてから、クラックマルチを体験するのが順当(笑)。

そして、ARさんも前回の大貧民ルートで「何もない壁を登る」という魅力に目覚めたのか、YDさん以上の熱さ!
そこまで言うなら、苦労してもらっちゃいましょうか!?

そして、僅か2ピッチながらも充実したクライミングを終え、懸垂下降で降りてきます。
午後は、YDさんにボルトルートのリード講習。
そして、ARさんには簡易レスキューのトレーニングをしてもらいました。
朝から晩までの激しい体験会。
将来的な自分の姿をイメージすることは出来たでしょうか?
具体的な講習内容
エリア:妹岩・マラ岩
・ジャミング練習
(ハンドジャム、フィストジャム、フィンガージャム、フットジャム)

・スリング収納方法(YDさん向け)
・マルチピッチ体験(竜の子太郎5.9、2P)
・実践リード練習(川上小唄5.7)
・ボルトルートのリード講習(YDさん向け)
(結び替え、懸垂下降、木のみの場合、分散支点の作り方、ヌンチャクの向き、捨て縄利用方法)

・仮固定と自己脱出(ARさん向け)
(とりあえず、理屈は理解していたので、よりシンプルなシステムを練習)
竜の子太郎も、妹岩の上の平な場所まで抜けてみると、一味違った気分が楽しめます。
ARさんには、2週間前に登ったガマルートや大貧民ルートがある岩を紹介しながら、小川山の岩峰の多さを再認識です。