7月26日(金)は、小川山のガマルートにて、マルチピッチリード講習。
女性KSさんと、補習の男性NMさん。
マルチピッチリード講習では、「初登攀の気分で」
というスタイルを講習すべく、残置無視が主体です。
何も無い壁を、自分でルートを切り拓く。
それが、また楽しい。
一方で、今回のガマルートではボルトを利用しています。
「それじゃあ、初登攀の気分じゃないのでは?」
という疑問が沸く人もいるかと思います。
今回のルートの場合、
「地上から頂上までを、フリーで抜けた!」という達成感を軸に設定されたルート
って考えると、スッキリです。
「初登攀の気分で」(残置無視)
→冒険的な志向
「ボルトありでも、オールフリーで」
→スポーツ的な志向
って感じです。
どのルートが、どんな志向のものなのかは、ちょっと経験を積むごとに分かって来ます。
ただ、人間同様に岩もなかなか割り切れないもんです。
なるべく、残置ゼロのルートに近づけたいんだけど、
「このセクションだけは、ボルト打たないと危なすぎるから」
ということで、最小限のボルトでフリーマルチにしたりします。
こうやって、なるべく素のままの自然を登る。
これが、“ミニマムボルト”って考え方です。
小川山、ミズガキあたりだと、こういった考え方のルートが色濃く出ています。
なので、簡単なセクションだったらランナウトしていたり、ナチュプロが効くセクションではボルトが無かったり。
それが、そのルートが単なるスポーツではなく、クライミングの思想面も語る教材になっているように思うんです。
だから、それを味わって登ってもらえればベストかなぁと。
そして、可能なら
「この残置は、不要でしょ」
と思ったら、使わずにスルーして、より一層“素のままの自然”に近づいてはいかがでしょうか?
残念ながら、ガマルートは他の小川山のルートと比べれば、ボルトなどの残置は多すぎです。
(後から、誰かが増やしちゃったのかも?)
でも、残置無視と同様。
意識を持って登れば、自然との対峙が一層深まるように思えますよ。
完全無視じゃない分、目標にしにくい・・・
というスポーツ的な気持ちは、僕もあります。
だから、最初は“迷ったら使う”ぐらいでも、構わないとは思いますよ。
今回、私が感じたのは、
「そういう気持ちを持って欲しいな。」
というだけのことです。
具体的な講習内容
・ミニマム残置利用
・難しいセクションの前でピッチを切る
・安定したテラスでも、セルフビレイを取る理由
・ヌンチャクの長さ調整と、ロープの流れ
などなど、気付いた点を指摘して行きました。
KSさんは、カム類などでのビレイポイントの作り方を、一度じっくり講習したいですね。
まだ、三ツ峠は暑いかなぁ。