2021年8月13日金曜日

「リードの登り」という概念

7月27日(火)は、ムーヴLv.0にて、女性MDさん、女性HZさん、新規男性MMさん。
7月29日(木)は、ムーヴLv.0にて、女性NJさん。2コマ目はムーヴLv.1にて、男性MBさん、女性WNさん。
8月1日(日)は、自分のクライミングにて、例の某岩場へ。佐藤くん、加藤さんと。
(新ルート、積木(5.9、NP)を作って、先日のウィークポイントの終了点整備をして、この日は終了。というか、半日近く雨。)

「リードの登り」という言い方があります。
何と対比しているかで、考えてみます。

①対ボルダー
レスト技術、省エネ技術、確実性の高いムーヴを選択する癖、あたりが代表的です。
僕自身も「リードっぽいね。」と言われますし、ボルダラーの方々に言わせれば「リードの人はすぐ見分けが付くよ。」とのこと。

②対トップローパー(ジム編)
対ボルダーと似た要素もありますが、他にも差があります。
クリップ態勢、リスク管理の意識(墜落距離の計算をしながら登っているか?)、落ちる態勢への注意、あたりが代表的です。
オブザベも、トップローパーよりは入念になるでしょう。

③対トップローパー(岩場のボルトルート編)
落ちないことを強く意識した登り(ランナウトしていることが多いため)、落ちる態勢への更なる注意、浮石などへの注意、などが代表的です。

④対トップロープリハーサル(岩場のボルトルート、クラックなど)
クライムダウン敗退を想定した登り、落ちる距離の計算・オブザベの更なる真剣味、浮石などへの注意、などが代表的です。
先が分からない状態でリードすることで、リスク管理を強く意識した登りになります。
スタティック主体の登りも、核心ではないセクションにおいて、大変有利でしょう。
オンサイトトライに適した登りというのも、ここで培われるように思います。

⑤対フォロワー(マルチピッチ、沢登り、雪山、などの連れられ登山者)
①〜④が全て当てはまると思いますが、加えてルートファインディング、敗退シナリオの想定、などが入ってきます。クライムダウン敗退を想定した登り、浮石などの注意は、④を何倍にも濃くした形で現れます。

「あの人は、リードっぽい登りだな。」と感じたら、その発生源を考えてみると面白いと思います。
(とはいえ、ちょっとは名の知れたアルパインクライマーだけど、何故かランジや足ブラが得意で、ジムでそういう風に登っている人、といった例外も数々あるのが興味深いところ。)

あらゆる場面でリードする中で、省エネやリスク低減を目指し、それぞれが自分なりに編み出した登り方こそが、リードの登りではないかと感じています。

結論としては。
・リードの登りを身に付けたいなら、①〜⑤を強く意識して登り込んだ方が良い。
・その際に、「やっぱ、ここでリードするなら、こういう登り方も意識しないと危ないし、完登もできないな。」と逐一反省点を考える方が良い。

安易なトップロープに流れるのは厳に慎みたいものですが、度胸一発でリスクに目をつぶるだけのリードにも将来が無いというのが、私の考えです。