今シーズンも、3日間のアイス講習を受講していただいたTGさん。
多い年には、月2日間ずつの予約で、天候中止などを鑑みても6日間ぐらいは受講しています。
おそらく、20日間ぐらいはアイス講習を受講しているでしょう。
これが、本日ようやく
「普通のクライミング(無雪期のフリークライミング)と同じものだと感じられた。」
と感動していました。
<最初は、70度くらいで凹角あり、ガバ足ありの面で、ウォームアップと復習。このときは、写真で見てもフォームが今一歩。>
本人曰く
前回の講習で行った
①凹角の登り方
今回の講習で行った
②アックスが刺さったら、一度アックスから手を離し、通常のホールディングのように小指側で効かせること
の2つで、なんだか急激にフリークライミングっぽい登りが再現できるようになったようです。
①凹角の登り方
これまでは、ひたすら「保持手に対してダイアゴナル気味の軸またぎを作る。」という連続だと感じていたらしく、単純作業の繰り返しのイメージがあったそうです。
これが、氷の形状によって、
●アックスの振りやすさ
●保持手のパワー消費量の省エネ
という2つのバランスを意識した足位置選択を考え始めたら、急激にムーヴが読めるようになったそうです。
そして、登る前のオブザベも、傾斜・凹角の有無・氷質の3点を見て、リードの大変さを想像できるようになったという感じです。
<しっかりした態勢なので、片手で高めにスクリューセットも可能>
②アックスが刺さったら、一度アックスから手を離し、通常のホールディングのように小指側で効かせること
これにより、未だに自分がアックスを握っていたことを実感できたようです。
ジムで行っている基礎練習のようなフォームが再現できるようになり、パンプの速度もここへ来て半減し、とにかく全てのムーヴが行いやすくなったそうです。
<凹角から緩傾斜に出るところ。氷質が悪いことが多いので、直前のプロテクションは慎重に。>
もちろん、これまでもフリークライミングと共通するコツを講習してきました。
●レスト技術
●リードのリスク管理方法
●片手フリーのときは腰を入れて胸を開く
●ダイアゴナル気味の軸またぎがオススメな理由(アックスを振りやすいバランス作り)
●足デッドを避ける練習(逆三角形、など)
●アイゼンを蹴り込む方向(クライミングシューズのような、足置き後の「膝の方向転換」が難しい)
など
●靴紐の調整
●アックスの振り方
●アイゼンの蹴り込み
私から見ても、前回でリードのプロテクション戦略が良くなって、今回で足運びやフォームがTGさんの本領が発揮されるように見えたので、「形になってきたな。」という感じが明らかに見て取れました。
今回はⅣ級〜Ⅳ級+程度のラインでしたが、ようやく「恐々のリード」ではなく、「パンプしそうでヒヤヒヤ」でもなく、普通にノーテンションリードになりました。
ここから、ちょっとずつ洗練させて、グレード向上を目指せる段階に入りましたね。
ここから、ちょっとずつ洗練させて、グレード向上を目指せる段階に入りましたね。
20日間近くのアイス講習期間を、長いと捉えるか、短いと捉えるかは人によりますかね。
TGさんのフリークライミング能力であれば、これを洗練させることでⅤ級のノーテンションリードまでは、確実に上達できると思います。
是非とも、頑張ってくださいませ。
<スクリューをまめに取って、ビレイしていても安心できる>
●Ⅴ級のイメージ
例えば、「80度、凹角なしで8mぐらい続くセクションがある。」など、ある程度のパンプしないで登る技術が必要。
当然、その8mの中で何本もスクリューセットをする必要があるため、セット態勢の技術も問われる。
※グレードは相対評価なので、70度主体や凹角主体でも40mのロングピッチだからⅤ級、完全な垂直(90度)が4mだけで途中のスクリューセットは1回だけのⅤ級、とかもある。
※顕著な凹角があると、たとえ90度(完全な垂直)でもパンプしにくい。また、スクリューセットも容易になる。
※70度程度だと、凹角が無くても最低限のレスト技術があればレストで粘りやすい。