2011年11月7日月曜日

綺麗に登ること、楽に登ることは、同じではない?

11月2日(水)の昼は、ランナウトにてムーブ講習。
今回は、西国分寺の女性KDさん、講習初参加の男性ANさん。

今回のお2人は、クライミングの経験はほどほどあります。
一見、バランスの良い人らしく、“体のフリ”という最初の核心は突破しております。

しかしながら、なぜか初心者グレード(5.10a、5.10bくらい)が突破できず、ムーブ講習を打診されてきた方々。

「本人からすると何か1つ決定的なコツでも?」と、求めたいところでしょうが、クライミングのコツは無数です。
闇雲に登ってどんどんとコツを吸収する方(木登り上手の子どものように)、教わらないと力任せになってしまう方。

前者の方には、ムーブ講習は不要。
後者の方には、初心者のうちに良い癖を付けることをオススメしたいものです。

今回の方々は、丁度その中間くらいでしょうか。
例えば、
・“体のフリ”は出来ているが、ときどき逆方向に振っている
・腕は伸ばしているが、腰を壁に近付ける意識がない
・足を高く上げすぎたりして、腰は壁から離れ気味
・全身の力は抜けているようだが、ホールドは強く握り締め過ぎ
などなど沢山の改善点が。

一見、バランス良さそうで綺麗なんですが、本人はそんなに楽して登れていないという状態。
講習に参加して良かったと思いますよ。 
具体的な講習内容
・肩の脱力
・指の脱力(オープンハンド)
・腰を壁に近付ける(垂直以上の壁では、胸を反らして腕を伸ばすことと両立する)
・超基本ムーブ“ダイアゴナル”について

さてさて、3週間後に第2回を決めました。
頑張って覚えて行きましょう。

ガイド登山と講習

11月1日(火)は、越沢バットレスにてマルチピッチ体験講習。
今回は、常連女性のKKさん。
KKさんは、長らくジム講習だけを受講してきましたが、先日の天王岩で岩場講習に初参加。
続けて今回は、マルチピッチ体験です。

KKさんは、他のガイドの元で色々なバリエーションルートを体験しております。
「そんな方が、なぜ講習?」と思うかもしれませんね。

「ガイド登山というのは、お客様を登頂させるのが目的で、お客様を育てるのは副次的なもの」
という前提は、ガイド登山を知らないと理解しづらいことでしょう。
今回は、その点について少し話してみます。
たとえば、天気などで敗退が一瞬よぎるような場面でも、ガイドは敢えてお客様にそのことは伝えないことが多いです。
伝えるとしても、「少し大変ですが、行きましょう」と結果のみを伝えたり。
(例外のケースは、いくらでもありますが)

まず、お客様がガイドを強く信頼していただけるなら、その方が円滑に回ります。

さらに、お客様は登山の判断から開放されて、自分のことだけに集中できます。
たとえば、自分の体力維持のために行動食を食べること、危険箇所を気を付けて通過すること、今後の行程に関する見通し。

つまり、ガイドというのは、全体の判断をしつつ、お客様にはプレッシャーをなるべくかけず、さらにお客様にすぐ役立つアドバイスや注意点を促して集中させる、という業務を行っています。

まして、雪山やバリエーションルートのガイドは、その最たるもの。
ロープワークは難しいので、ほとんどをガイドが行います。
お客様は、ガイドと一瞬離れる際にやるべきロープ作業を指示され、それを実行しながらガイドを追います。

この方法が、“最も弱いお客様”を“最も難しいルート”に“できるだけストレスなく”登らせるため、最善という訳です。
私自身も、富士山でガイドをしている際、本当の初心者をマルチピッチにお連れする際などは、このことを意識しています。
お客様は、本当に登れるかの瀬戸際だったりするので。
そして、このガイド登山という方法が、自分自身では絶対に登れないはずの山を登るための良い方法であることは知っております。
もちろん、それが夢を与えるほどの仕事になりうることも。

ただ、私は“最も弱いお客様”にも簡単なバリエーションでも自力で登る可能性は捨てて欲しくないし、それを教える方が10倍好きですね。
そして、他のガイドなら「一生ガイド登山が良いんじゃないですか?」と勧められるようなお客様が、少しづつでも自分で考えられるようになることに、夢を感じます。
KKさんが、このままガイド登山を続けるのはもちろん構いません。
それで、色々なルートに連れて行ってもらうことも、きっと素晴らしいのでしょう。

ただ、僕はKKさんの可能性を広げる方に集中していきたいと思っております。

具体的な講習内容
1ピッチ目のⅢ級を2回登ってから、3回目にそのまま一般ルート(3ピッチ)をトップアウト。
・ギアラックの整理方法
(「ハーネスの前列を、ヌンチャクや回収ギアだけのために空けておく」など)
・カムの回収方法
・カウテールの作り方
・コール無し(コールが聞こえない場合)の流れ

ちなみに、ガイドの仕事は私には難しすぎるというのもあります(笑)。

本格的なアルパインルートのガイドとか、出来る気がしません。
興味があれば、素晴らしいガイドの面々を紹介いたしますよ。

2011年11月4日金曜日

参加者募集のお知らせ

いくつかの講習に関して、参加者募集のお知らせです。

・12月1日(木)、2日(金)、城ヶ崎クラック講習
現在1名、あと3名程度なら可

・12月6日(火)、二子山中央稜マルチピッチ体験講習(リードは、全て講師が行う)
現在1名、あと1名参加可

・12月21日(木)、22日(金)、谷川岳天神尾根雪上訓練(登頂は、コンディションによって考えるオプションだと認識願います)
現在1名、あと3名程度なら可


いずれも、日帰り参加可能です。
先日お伝えした11月26日(土)、27日(日)の三ツ峠ともども、参加希望の方はメールお願いいたします。

2011年11月3日木曜日

ランナウトの腕試し

10月30日(日)は、私が御世話になっているクライミングジム"ランナウト"主催のコンペでした。
スタッフとして未だに籍を置かせて頂いている私は、前夜から準備&審判&雑用。

さて、ランナウトは"中央線唯一の本格的ロープクライミングジム!"ですが、このコンペはロープを付けずにマット上で行うボルダリングです。

そして、これは半ばランナウトのお客様感謝デー!
大赤字覚悟の参加費&打ち上げで、上位には豪華景品まで出ます。

そして、参加者層も様々。
ロープクライミング常連さんが御祭りだからと参加したり、ボルダー常連さんが「この日のために!」とトレーニングしていたり、もちろんクライミング初めて数ヶ月で熱中開始の方も居れば、別のジムからの参加者、果ては将来有望な中学生ユースの子が大人の中級クラスにチャレンジしてきたり。
参加者それぞれに目標を定めて頑張ります。

ちなみに、ランナウトのコンペ最大の魅力は、超時間&大量課題を皆でセッションすること。
もはや敵味方もなく、アドバイスし合って、一本でも多く完登しようと登りまくります。
そして、参加者には、翌日は激しい筋肉痛が待っています!

コンペは、予選落ちイコール門前払いに近い、ということもある厳しい世界らしいのですが、ランナウトは真逆。

決勝に出る可能性の低い方にとって、こんなに良い形式はなかなか無いでしょうね。
その分、運営の継続が危ぶまれているそうですが・・・。

そして、決勝は参加者ほとんどが観戦する勝負の世界!
オーナーの性格から(?)、決勝の形式も一発勝負に強い方が勝つオンサイトサドンデスという方式。
これが予選と違い、短時間で登る技術、勝負勘がモロに出るシステム。

1つの課題の到達高度を競う分かりやすさからも、見ていて盛り上がります。

今年のランナウト常連さんは、目標よりも低く、煮え湯を飲んだ方が多かったかもしれませんね。
また来年頑張ってくださいませ。

2011年11月2日水曜日

北川の岩場

10月29日(土)は、自分のクライミングで奥武蔵の北川の岩場。
今回は、S本先生と。

8ヶ月ぶりのドッ被り岩場。
この日は夜から翌日まで用事があり、近場だから来たという程度のモチベーションです。

正直、冬の城ヶ崎通いでスポーツルートに飽き気味でした。
しかも、“ハング系はジムで強くならなきゃ99パーセント成果は出ない”と再認識していたので、岩場はクラック中心に練習していた最近。
とはいえ、来たからには色々トライ。
すると、意外とサクッと成果が出てしまいました。

最高グレードタイ(5.12a)のオンサイト(初見・一撃)、昔なら絶対出来なそうなボルダー系ルート(5.12b)のR.P.です。
グレードに関しては、ちょっと疑問符が付くようなルートですが・・・。

どうやら、ちょっと強くなったことが確認できました。
ちなみに、奥多摩・奥武蔵の岩場は、スケールは小さいものの、道路からも程近く、空いた1日の過ごし方としてまずまず。
ミズガキがマイブームな私ですが、講習以外でも、たまには近場に来るんです。
具体的に登ったルート 
・ルート名忘れた(5.9)O.S.
・ルート名忘れた(5.10b)O.S.かなり、悪いような・・・
・ルート名忘れた(5.10c)O.S.
・謙譲の美徳(5.11a)O.S.一箇所、かなり危うし
・北落師門(5.12a)O.S.
異常に易しいような・・・。評判だと「登りやすい!」とか、「入門5.12a!」とか評判の1本ですが。
・秋葉大権現(5.12b)R.P.4回くらい?
ボルダー系の出だしから、ちょっとだけ厳しくて、そのままもう一発ボルダーっぽい感じ。
ジムがもろに活きる感じで嬉しい。
・エントランス(5.6)O.S.
秋葉大権現のヌンチャクの長さ調整で、上に回るため。

来て良かったです。

嬉しい復帰

10月28日(金)は、入間にあるクライミングジム“ベースキャンプ”にて、ムーブ講習。
今回は、3ヶ月ぶりの男性KBさん。
実はKBさん、クライミングジムでの練習中に怪我をしてしまい、3ヶ月ぶりの復帰となります。
しかしながら、3ヶ月間イメージトレーニングに余念なし!

クライミングの映像を見たり、入門書を読み直したり、さらには登らないのにジムに来て見学したり。
そして、岩場に向けて、講習で学んだロープワークを自宅で復習もしたり。
いやはや、素晴らしいことです。

経験上、クライミング開始1年以内に中断させられると、嫌気が差してしまう人も多いのが現実。
もはや、KBさんには登山とクライミングがライフワークとなりつつあるのかもしれませんね。

そして、その甲斐あって登りは成長しておりました。
もちろん、ブランクがありますのでグレードは戻った程度。
成長したのは、省エネ技術&丁寧さです。

とはいえ、初心者には、省エネ技術&丁寧さこそ優先的に身に付けて欲しいことは、何度も言ってきた通り。
5.11を登るようなクライマーでも、それが苦手で、今更克服することができずに悩んでいる人は多いのです。
怪我の功名とは、まさにこのことですね。

具体的な講習内容
<今回は、ボルダーを利用して>
8級課題を登る際の、細かいアドバイス
・足は、もう少しつま先近くで
・体のフリだけに拘らず、前のムーブからの繋がりの良いムーブを選択すること
(ダイアゴナルの連続が効率的とは限らない、など)
・次のホールドの向きを考えて、前のムーブの際の足位置を選択すること
(次がアンダーなら、足を高めに上げて取りに行くべし、など)
・腰を壁に近付けるイメージの再確認

KBさんが気になっていた課題の解説
(7級、6級、などを4本くらい)

ボルダー壁を利用した、持久力課題の作り方
「7級&クライムダウン、隣の7級へ」を4本続けて、など。
ただ、これだとトレーニング的で完登意欲が湧きにくいのが難点!
完登意欲の湧くような持久力課題を設定できれば、最高ですね。

ミズガキ、カンマンボロン“ワイルド・アット・ホーム”

10月26日(水)、27日(木)は、ミズガキ・小川山にて、自分のクライミング。
今回は、尊敬するクライマーのNTさんに御一緒いただきました。

さて、今回は夏シーズンの目標の1つに本気トライです!
しかし、結果からすると無念のフォールでした。
とはいえ、十分に手応えはあったので、また次回以降の目標も立てらてそうです。

また、今シーズンはもう1つ目標があるので、そちらの方で挽回したいと思います。
さて、トライしたのはミズガキ山にあるフリーマルチ“ワイルド・アット・ホーム”(5.11c,7P)のオンサイト(初見・一撃)。

全く専門用語だらけなので申し訳ないのですが、クライミングと登山の中間的な楽しみとして充実したものです。
せっかくなので、1から解説してみたいと思います。
まず、写真の通り、登ったのは150mくらいの岩壁になります。
スポーツクライミングで相手にする壁が30mくらい、アルパインクライミングで相手にする壁が数百メートル以上と考えると、長さも丁度中間くらいです。

しかしながら、難易度はスポーツクライミング的で“いつ落ちてもおかしくない”くらいです。
これを、大体30mごとに区切って、上まで1度も落ちずに登れたら完登!
1回でも落ちたら失敗、とみなします。 
各ピッチごとに完登、失敗を区別する方法もありますが、個人的には好きではありません。
というのも、各ピッチがルートなのではなく、150m全部合わせて岩登りとしてのルートだからです。

そして、フリークライミングというのは、「落ちたら、“本当なら”死んで試合終了」という考え方です。
つまり、本当は素のままの岩を登るためには、ロープを付けずに登るのが理想なんだけど、それはちょっと厳しすぎる。
そこで、妥協案として、命綱にロープを付けて、ロープは掴まず(フリーで)登るということ。
たしかに、フリークライミングは、スポーツとして取り組むのも楽しいものです。
が、こうやって大きなルートを相手に取り組むのは、人間の本能と合致して本当に面白いと思います。

ちなみに、このルートはクラック部分は古い支点は未整備ですが、カムが使えます。
フェース部分は、墜落を前提としたボルトが打たれており、フリーマルチとして楽しい内容となっております。

しかし、オンサイトしたかったですねえ。


2日目は、パートナーの意向で小川山のスポートルートへ。
こっちは、丸っきり成果無し。
ただ、今回はパートナーが強かったんで、自分の至らない部分が色々と見つかったのが収穫でしょうか。

具体的に登った内容
初日:ミズガキ、カンマンボロン
①グリーンカーペット(5.10c)O.S.、アップ

②ワイルド・アット・ホーム(5.11c,7P)
1P目(石田リード):5.11cのフェース。一部にNPが混じる。スラブっぽい。
           あえなく、フォールしたので、そのままロワーダウン。
           ロープを引き抜いて、再トライ。無事にR.P.
2P目(NTリード):5.10aのハンドクラック。見た目以上に面白い。
3P目(石田リード):5.10dのフェース。トリッキーなムーブの続くスラブ状フェース。際どく完登。
4P目(NTリード):5.10dのナチプロフェース。少々脆い5.10aって感じ。ひどく拍子抜け。
5P目(NTリード):5.11bのフェース。一部にNPが混じる。またもやスラブっぽい。さすがの完登。
6P目(石田リード):5.8のワイド。意外と悪く、体感5.9。5.8のセクションがノープロで行けないなら、ワイドギアが欲しいところ。そのまま、最終ピッチの5.6の凹角も繋げ、岩壁の頂上へ。

1P目を最初からやり直すことによって、このルートの完登は出来ました。
改めて、カコウ岩のO.S.は難しいですね。
それと、クラックのセクションの無駄なボルト等を抜けば、もっと美しいルートになるでしょうね。

2日目:小川山、ゴジラ岩
・フォボス(5.10c,スラブ)アップながら、危うし
・無職の夏休み(5.12b、フェース)
4便出して、最終箇所以外はムーブ解決。
そして、そこまでは、ほぼ繋がった。
ただし、指皮が裂けてしばらく垂壁封印?

4mmスタンスに立てる重要性を再認識。
足の親指の力が重要。


さあ、次ですね。次!
この2日間は、「くっそー、勿体なかったなあ。」とボヤき続けた僕ですが・・・。