2017年8月18日金曜日

傀儡政権

8月17日(木)は、雨中止にてロープワーク講習。
男性TSさん、UDさん夫妻、富士山仲間の男性MSJさんが特別参加して4名。
クライミングでは、「手順足順を指示してしまうと、指示された側は考える前に身体を動かしてしまって、成長を阻害してしまう。」みたいな話があります。

操り人形、マリオネット状態、などと言う人もいます。
ガイドの初心者講習会であれ、夫婦の旦那さんと奥さんの関係であれ、山岳会のオジさんから後輩であれ、ジムの無料道場であれ、これに陥る可能性はあります。

とはいえ、この通説は有名なので、一定レベルのクライマーなら、自戒を込めながら指導やらアドバイスしています。
さて、ロープワークでこれをやると、成長の問題だけでなく、リスクも伴います。
終了点作業でまごついている初心者に、下から指示すると、遠隔操作って感じですよね。

岩場でたまに見かけるけれど、よっぽど気を付けてやるか、我慢して口出ししないか、よく考えた方が良いと思いますよ。
具体的な講習内容
・ロープの畳み方を洗練
・スリングの収納方法
・アルパインクイックドローの作り方
・結び替えの色々なパターン、事故事例の考察練習

2017年8月17日木曜日

狐と狸の化かし合い

8月12日(土)は、ストーンマジックにてロープワーク講習。女性NMさん。
8月13日(日)は、クラックムーヴ講習にて、小川山。男性HYさん、女性NMさん。

が、岩場でもうすぐ登ろうというタイミングで、雨が降り出し、そのまま本降りに。
甲府のピラニアに移動して、ムーヴ講習となりました。
さて、反復練習に飽きてしまうHYさん。

1回で登れた10級を、もう少し楽に登るには?もう少し安定して登るには?と何度か登ることに飽きてしまうそうです。
“10回やると、さすがに飽きる”とかではなく、2回目に登ることすら面白みが少ないと。

見ている方としては、最初の5回くらいは足位置も毎回違うくらいで、「5.11クライマーならもうちょっと洗練させられるでしょ。」と思っちゃうのですが。

そうは言っても、ムーヴ講習、クラックリード講習、ロープワーク講習、アイスクライミング講習と経験してきて、反復練習の効果は知っています。

講習中の構図を、HYさんが語ってくれました。
「つまらない、と私が言う。それが本音だと分かった上で、石田さんは敢えてそれを無視する。狐と狸の化かし合いなんですよ。実際、つまらないとは言わないだけで、飽きちゃう講習生はイッパイいると思いますよ。」
ちなみに、反復練習をもっと楽しくやる講習をリクエストされましたが、これはなかなか難しいですね。

反復練習の楽しさは、エンターテイメント的なものじゃないんですよ。
反復練習は、コツの発見を楽しむものだと思います。だから、1人でやってもそれなりには楽しく、コツを提言されながらやると、もうちょっと楽しいと。

まぁでも、飽きちゃう人が多いのも知っています。
化かし合いも、もう少し試行錯誤を積んで行きましょう。これも1つの反復練習なので。

2017年8月14日月曜日

登る以外

8月6日(日)は、雨中止にてロープワーク講習。
女性Mさん、女性ISさん。
講習中、Mさんがボソッと。
「登るだけじゃないんだなー。」
「今まで(経験者と一緒に登っても)、終了点とかよく見てなかったなー。」

ちなみに、2人は自覚してロープワーク講習を希望した訳です。
それでも、実際にロープワークを学んでいく中で、もう一歩そう思ったみたいです。
登る技術9割、ロープワーク1割、というイメージが、8割と2割になったくらいのイメージでしょうか。

2人は、これから岩場リード講習ですから、まだまだ考えも深まるでしょう。
「登れるだけじゃダメ」っていうのは、ジムリードでのビレイの難しさを痛感するときも同じだと思います。
マルチピッチでは、もっと様々なことが痛感されてきます。

最終的に色々やる人にとって、登る技術4割、様々な周辺技術6割、くらいなのかもしれませんねー。

雨の中の阿吽

8月5日(土)は、マルチピッチ体験にて、小川山。
女性IUさん、男性NSさん。
<雨の後>

午後早めの時間に本降りの雨にて、撤収。

私がリード後、IUさんがフォロー開始後5m、NSさんはビレイ点で待ちという場面で、核心部がドンドン濡れてきて突破不可能になるというシチュエーションでした。
<感動したNSさん>

徐々に土砂降り、コール無し以前に大声でも届かないシチュエーション。もちろん、リードとフォローは、お互いの姿が見えません。

ただ、お互いに状況は察しているので、以下のように対応。

まず、私がセカンドビレイからロワーダウン開始。
IUさんは、そこで私の判断を察して、ビレイ点でセルフビレイを取って待機。
私がビレイ解除して、懸垂下降してフォロー2人が待つビレイ点まで行く。以下、合流して撤収。

と、普通の流れではありますが、私がセカンドビレイを解除するのがドキドキものだったことは想像していただけるでしょうか。

今回の経験で、NSさんはマルチピッチにおいては、お互いの状況を察する力が大事だと痛感していたようでした。
<薄暗くなるころに下山>

ちなみに、15時頃に車に戻り、全身ずぶ濡れで「温泉でも行きましょうか?」という状況でのこと。

IUさんが、「雨も止んだし、小川山レイバック(の再登)だけでも行きませんか?」と熱いモチベーション!
感動した私とNSさんは、風呂用に用意した着替えを着用して、徒歩10分圏内でカムでのビレイ点作り講習に向かい、薄暗くなるまで頑張ったのでした。モチベーションがあると、教え甲斐もありますね。

2017年8月12日土曜日

落ちなくて良い理由を探せ!

8月4日(金)は、昼がリード2回目にて、女性ODさん。
夜がリード3回目にて、女性DIさん、女性MKさん、女性MYさん、復習受講の男性STさん。
本日、落ちるのが苦手(トップロープ状態でも落ちながら悲鳴を上げるレベル)な方が、熱弁。

「落ちる練習って、する意味ありますか?」
「テンションがギブアップっていうのは分かるけど、落ちそうなときはどうせ自分で分かるから、手を出す必要なんて無いじゃないですか。」
「よしんば一手が進めたとしても、どうせ次の次のホールド取ってクリップまで行くなんて無理じゃないですか。」
「落ちる練習しなくても、普段から落ちたらどうなるかはイメージして登ってるから、練習しなくても分かると思います。」

ただ、そのうちに
「まぁ、自分は落ちる態勢がすごく下手だというのは分かるから、(落ちるまで頑張るかどうかは別として)落ちたときのために練習した方が良いんですけど。はい、じゃぁやりますよ・・・。」
と言って練習に戻りました。

さてさて、前半の落ちない理由はどうでしょうか?
怖がりな人の本気トライって感じで気持ちはビンビン伝わってきますし、かなり共感も出来ます。
ということで、ギブアップ理由として、正当なものと認定しますか?
それとも、落ちたくないがための苦しい方便でしょうか?

ちなみに、彼女は落ちる練習を繰り返すうちに、ちょっとだけヌンチャクより腰が上で落ちても怖がらないくらいにまでは成長できました。もうすぐ、言うことも変わりそうです(笑)。

さてさて、本日でDIさんはジムリード講習を卒業といたしました。

2017年8月11日金曜日

ホールド記憶、最初の一歩

8月3日(木)は、昼がリード1回目で女性IKさん。
夜がムーヴLv.0で、女性KDさん、女性SBさん、女性HNさん、女性STさん。
夜のムーヴ講習にて、
「上手い人って、前回どこに置いたか覚えているじゃないですか。あれは何でですか?」
という素朴な疑問。

もちろん、「ピンクのアンダーから・・・」といった名前付け、テンションしたときに直前のムーヴを脳内リピートしておく、などの記憶術の工夫もあります。

ただ、それ以前に「自然と、ある程度は記憶してしまう。」という部分があります。
手順で言えば、
「あそこは、飛ばしよりも、真ん中のデカイのをマッチした方が良さそう。」と作戦を立てて
「やっぱり、飛ばしにすべきだった!(汗)」みたいな現場処理を行います。
そうすると、「あそこはマッチと見せかけて、実は飛ばしだったんだよな。」と印象に残ります。
という訳で、作戦を細かく立てれば、自然とある程度は記憶されるはず。ただ、それでも10分後には忘れるのが人間の常だと思って、いろいろな記憶術で補う、というイメージです。

という訳で、初心者であっても手順ぐらいはオブザベするように心がけましょう。
足順は、オブザベ自体が複雑なので、徐々にで構いません。

さて、HNさんはジムリード講習に進んでO.K.といたしました。
もし良かったら、続けてくださいませ。

2017年8月10日木曜日

グレーな状況、グレーな判断

またしても上書きしますが、9月分の予約受付は今夜0時スタートです。
念のため。

7月9日(日)は、マルチピッチリード講習にて、小川山。
女性SMさん、男性OMさんのペア。
<登攀準備>

プロテクションの効きによって、リードが突っ込むべきか否かという判断は、異なって来ます。

以下に、3つの場面。
<チムニーっぽいコーナー>

①プロテクションが取れない。
落ちそうなら登らない、絶対落ちそうも無ければ登る。

歩きっぽい区間なら、抵抗なく突破できる。
ただ、オブザベ段階では読み切れないことも多いので、実際にホールドを触って、クライムダウン出来る範囲で探る、という手段も有効。

⇒その最中に、不意落ちすると大事故になるので、探るという行為自体がそれなりに緊張感を伴う。
<脆い2P目>

②プロテクションが良い。(落ちてぶつかるテラスなども無い。)
落ちる可能性があっても、頑張ってみて良い。

とはいえ、ついつい恐怖心が先立って、テンションやA0に逃げたくなることもあります。
それを、どうやって克服すべきかは各自で考えていただくとして。

実際問題は心理的抵抗があるにせよ、本来やるべきこと自体は単純、というパターンです。

①と②は、講習的にはいつも通りの話。
③プロテクションに不安がある。

ここでの判断は、一言では語れません。

「8割方止まる」と思っているのか、「無いよりマシ」と思っているのかによっても、全く違うでしょう。
固め取り出来るかどうかも、割と重要です。「8割方止まる」が複数個で、「ほぼ大丈夫」と思える場合もあります。

ただ、特に本チャン的な場面では白でも黒でもないグレーな場面が多いです。「5分5分」+「無いよりマシ」+「無いよりマシ」の固め取り、など。

その場面って、どのくらいの落ちる可能性まで許容できるんでしょうか?
「落ちちゃダメ」とは言いますが、本当にノープロテクションの(①と同じ)ように振る舞っているでしょうか?

正直、ノープロよりはちょっとだけ大胆になっちゃいませんかね?
<ちょっとした奇岩>

こういったグレーな状態では、判断の正誤もグレーになります。

突っ込んでも「すげー精神力。」と言われちゃうかもしれませんし、辞めても「慎重で良いね。」と言われちゃうかも。
<朝ドラの帝王>

こういう場面について、今回も幾つか質問をいただいたのですが、なんせグレーな世界だと再認識しました。

せいぜい「私なら、さっきの場面でこうします。」ぐらいしか語れないんだなと。
<歩きのようなノープロ区間>

グレーにも多少慣れないと、マルチは登れません。でも、やっぱり現実的リスクより安心しがちという危険があるので、自覚的に行動する必要がありますね。
<ギア受け渡し>

<稜線歩き>

<フレアークラック>

<避暑>

<プロテクションばっちり>

<だが、高度感にビビりまくり>

<そのクラックをフォロー>

<チムニー内に落し物をして、拾いに行く>

<落とした本人>

<懸垂下降>