2019年8月12日月曜日

省エネ技術の必要性

8月10日(土)は、ムーヴLv.0。
新規男性NSさん。
次回は、ジムリードに進んでO.K.です。
上の図は、クライミング中の一手毎に、パンプあるいはヨレが進行していく状況をイメージしたものです。
スタート時点を100%、垂壁で大ガバ(例えば、入門ルートの終了ホールド)すら保持できない状況を0%とイメージ。

通常の本気トライでは、途中に難しいムーヴが出てくるとか、悪いホールドが出てくるとかして、0%まで疲れ切らなくてもフォールを迎えます。

で、ムーヴ毎に消費量が異なるので、僅かでも消費量が少ないムーヴを発見することに努めます。
手順、足位置、ホールディング、足置き、ちょっとした態勢などのコツ、などなど工夫の余地は様々です。工夫が上手くいき、良いムーヴが発見される様子は、上の図の赤線が発見されたということです。
大変地味な練習ですが、ときには当然登れるべきルートを、より省エネで登るという作業をオススメします。
5.10台の人が5.10aを登る際に消費するエネルギーと、中上級者が5.10aを登る際に消費するエネルギーは全く異なるはずです。それに少しでも近づく努力は、難しいものですが。

リードが中距離走、ボルダリングが短距離走と言われる所以でもあり、リードでこそ重要になります。
ボルダリングの場合、6級を力づくっぽくねじ伏せた人が3級、ときには2級(!)を完登していたりして、いつもビビらされます。だから、ここで挙げた要素は、ボルダリングの中級ぐらいまでは、さほど重要ではないのかもしれません。

もちろん、省エネ運転が全てではなく、エンジンを強化したり、燃料タンクを拡張することもスポーツとしてのリードクライミングには大事なんですが。
まぁ、私は省エネ技術の習得を強く推奨しますよ。5.11後半が登れる講習生でも、5.10bとかを私から見て楽そうな動きで登る人は居ませんから。それに、マルチとかでは、易しいピッチで消耗していたら、続きませんからね。

本日の参加者が、ボルダリング主体で登られている方で、省エネとかレストについて沢山の小技を講習しました。観念としては、こんなまとめですね。

2019年8月9日金曜日

近況

富士山も終わって、ジムで登っております。
指の痛みや腫れは、週2回のトレーニングならばコントロールできる感じです。
たまーに、中1日のレストで登ってみたりもしています。

ジムのホールドならば、極端に避けるべきホールドは少なくなりました。
ジム限定ですが、1年と数か月前のレベルに戻ったような感覚がしています。(昨年の富士山明けで、あまりの指の痛みに絶望したので、それ以前に戻りたいです。)

戦績で言うと、ランナウトのボルダーで、相当通って赤テープが9割くらい登れる感じ。(前回が、40課題で36完登で、ジャスト!)こんなのは、課題の難易度が揺れたら変わってしまいますので、参考数値ですが・・・。

ちなみに、リードの全課題レッドポイント目標なんですが、今は暑いので休止中です。が、その間も着実にリードエリアの課題は増えていくという(笑)。

あとは、外に行くと諸々の条件で浮腫んでしまったり、指が伸びないからジャミングに支障が大きかったり、といった問題は残っています。
ただ、半年前と比べたら浮腫みもマシだと感じていますので、色々試してみます。
当面は、沢にでも行きたいなと思っています。

とりあえず、ちょっとずつ出来ることが増えてきて楽しい感じです。
頑張りましょう!

2019年8月8日木曜日

3つの登り方と3つの批判

8月4日(日)は、ムーヴLv.0。
新規女性NSさん、新規男性KBさん、新規女性KSさん。

8月7日(水)は、ムーヴLv.0。
男性MDさん。(MDさんは、次回からリード講習に進んでO.K.としました。)
今回の参加者の方には、少し専門的な話になりますが、前々から思っていることで、この機会に。

「一撃で登れるのなんか、余裕があるんだから練習にならないよ。」
という考えがあります。
極論として、オンサイト(この場合はフラッシュも)は練習にはなっていない発言。

これって、本当でしょうか?
2つ目に、
「数回で登れるルートなんて、足の見落としに気づいたから登れるとか、ムーヴ探ったらすぐ分かったとか、その程度のものだから、練習にならないよ。」
ということを言う人もいます。

つまりは、数回でR.P.出来るルートは練習にならない発言。
しかし、これも本当でしょうか?

3つ目に、
「何十回、何百回と同じルートをトライして、そのルートだけを自動化して登っても、そのルートだけに身体も頭も慣れているだけで、練習になってないよ。」
ということを言う人もいます。

つまりは、通いレッドポインターの否定発言。
これもどうなんでしょう?
この3つの登り方は、自分にとってどのぐらい難しいルートに挑むのが好きか、という好みによります。

とはいえ、よほど強い拘りがない限り、3つの登り方のすべてを味わうことになります。

例として
①本気オンサイトに丁度良さそうなルートであっても、何回もトライすることは有り得ます。
②数トライで片づけるつもりが、何日も通いつめることも有り得ます。
③ジムorよく行く岩場で、手の届く範囲のルートは全攻略したいとか考えたら、必然的に3つの登り方すべてを味わうことになります。

分かっていることは、3つの登り方どれを選択したとしても、御批判の通りになって上達しないことは有りうるということでしょうか。

例)安易な1トライ目
疲れたから「テンショーン。」、「あ、ここにホールドあったのかぁ。次は、使おうっと。」。
そして、無難に2~3撃。
これは、確かに上達しなさそうです。

一方で、本来ならば3つの登り方すべてに、上達するはずのテクニックが隠れているはずだと思います。
だから、この3つに安易に優劣は付けられないと思います。

さて、その隠れた何かを探すためのコツは、(・・・私も知りたいぐらいですが。)

今のところ、1トライ毎を気を抜かず、安易なギブアップはせずにやることですかね。
そこで悔しがることで、「もっと、あーすれば良かったのかも。」という洞察力が働くんだと思います。

根性論っぽく終わってしまいましたが、そんなものですよね。
なんだか私自身の自戒のような文章ですが、頑張りましょう。

2019年8月6日火曜日

9月分の予約受付

8月8日(木)の夜22時から、9月分の予約受付を開始いたします。

8月はあまりに暑かったので、そろそろ落ち着くと良いですねー。

2019年8月5日月曜日

当然の結論を、何度でも味わう

8月3日(土)は、岩場リード講習にて、小川山。
女性FSさん、女性FIさん、女性KB。
今年も、富士山で3週間ほど働いて来ました。
色々と思うところがあったのですが、その中の1つ。

毎年、それなりの人数の新人ガイドが誕生します。
もちろん、その研修にも関わります。

そこで、新人ガイドであっても知っておいて欲しいこと、判断の基準となる考え方は多岐に渡ります。
普段の講習とは異なり、何でもかんでも伝えたくなってしまいます。
実際、1年目であっても責任ある仕事は任せられますので、こちらも老婆心が満開です。

しかし、知識を詰め込みすぎたり、ルールを強制しても、あまり意味がないと感じる場面も多々あります。
自分を振り返っても1年目は全くダメだったのに、というようなことも教えたくなります。
自分と同じ失敗をさせたくない、という心情です。

反対に、自分が1年目から出来たことは、「なんで、そんなことも考えないで行動しちゃうの?」ぐらいの強い口調をグッと堪えるという場面もあります。
そういうとき、そもそも教えるって何なんだろうとボンヤリ思います。

・自分の経験則を伝える ⇒ 結局、失敗しないと分からないことも多い。
・何も伝えず、見守る ⇒ 経験が伝達されず、先人の失敗を繰り返す。

という2つの対立の中で、「そうは言っても、経験や知識を上手く伝えるための努力はすべし。」という当たり前の結論に、何度も何度もぶち当たります。
実際、5年前とかと比べても、今の方が1,2年目のレベルが高いような気がするので、あながち的外れでない努力は出来ているのでしょう(笑)。

この“上手く伝える”というのが、
・理由を説明すること
・疑似体験させること
・経験則の公式部分だけを暗記させていないか、自問自答すること
・本人が考えるための時間や問いかけを与えること
・何人かで一緒に考える機会を作ること
・教え過ぎ、タイミング、などに注意すること

などなどの様々な方法があるんだなと。

いや、これも当たり前すぎる結論で、それこそ遥か昔の先人が出した回答なんでしょう。
それを知識としてボンヤリと学んだからこそ、いま実感できている訳ですから、習っておいて良かったです。

今回も、帰り道で教え方やら、山岳会での先輩後輩関係などについて色々話を聞いていたので、こんな話になりました。
教えることを職業にしなくても、教えるっていうのは誰しも身近な場面ですからね。
さて、今回でFSさんとFIさんは、岩場リード講習を卒業といたしました。
とはいえ、クラックだけでなく、まだまだスラブも学びたそうでしたが。

では、引き続きよろしくお願いします。

2019年8月2日金曜日

どこでクリップさせたいかを読む

7月6日(土)、7日(日)は、岩場リード講習。
1日目は、女性STさん、新規男性KMさん。
2日目は、引き続きKMさん、復習参加の女性ISさん。
岩場においては、ボルトは意図を持って打たれています。

「このムーヴ中に、落ちちゃいけないランナウトじゃぁ、さすがに怖かろう。」
みたいに、設定者が思ってくれていると考えれば良いと思います。
そこで、また図で考えてみます。

A~D、O~Rは、それぞれボルトが打たれている候補について挙げたもの。

左図は、ガバを持ってレストしている状態です。

経験上、このシーンではA位置に打ってくれているルートが多いです。
今のスタンスより一歩上がって、引き付けクリップになることもあります。
イメージは、ガバから届く範囲でなるべく高めにクリップされていた方が、今後のムーヴでの墜落距離が軽減される、という感じ。

B、Cというケースは、登る人にとっては有難みが少ない気がしますが、クリップそのものはやりやすいので、たまにある気がします。(Aの位置の岩質が脆い、ムーヴの都合で引き付けにくい、などの理由のときもありそう。)

Dあたりに打ってくれている場合、ガバを取る直前のムーヴが難しく、そこ用のプロテクションといった感じでしょうか。

次に、右図は小テラスのようなスタンスに立った状態です。

やはり経験上、Pの位置にあると今後の墜落距離が軽減されて助かります。

Oの位置だと、身長によっては届かないので、稀だと思います。ただ、テラスからの1歩2歩は難しくない場合などは、アリだとは思いますが。

Qの位置も稀ですが、グランドアップで手打ちボルトとかなら、そういうものかと思います。

Rの位置だと、テラスに立つ直前のムーヴ(例えばマントル)が難しく、そこ用のプロテクションかと推察されます。
そんなことを考えるようになると、設定されたクリップ態勢に導かれ、以前よりもボルトルートが登り易く感じるように思います。

初心者の場合、Aの位置に打ってあるのに、ガバより上のカチを保持して顔位置で必死でクリップ、みたいなことをやりがちです。
 
こういうのって、ジムでも同じじゃないかと思います。

僕も、ガバで引き付けクリップさせて、そこから4手ぐらいクリップしにくいムーヴを連続させ、次のレストポイントでクリップ、という感じでルートを作成することがあります。

この際、ガバで引き付けクリップを嫌い、結局悪い態勢でクリップしている人って結構多いんですよね。
まぁ、ムーヴの得手不得手もありますから、設定が全てではないのですが・・・。


<スラフェースの5.10aを見事にO.S.>





2019年7月9日火曜日

ランナウトに強い人、ランナウトしがちな人

7月3日(水)は、ムーヴLv.0にて、男性STさん、男性HTさん、復習参加の女性Hさん。

7月4日(木)は、1コマ目がリード1回目で、女性TNさん、男性MDさん。
2コマ目がリード2回目で、1コマ目の2人に加えて、女性TRさん、女性DHさん。

7月5日(金)は、ムーヴLv.0にて、復習参加の男性SKさん、新規女性SKさん。
岩場に行くと、ボルト間隔が遠いセクションというのはあります。
カムであれ、どうにもプロテクションが取りづらいセクションはあります。

マルチピッチや沢登り、本チャンなんかに行くと、「感覚麻痺でバカになっちゃいそう!」と思うぐらいランナウトすることもあります。

また、沢登りや雪山では、「ここはノーロープで通過しようか。」という判断をすることもあり、これもランナウトと似たようなものです。
で、山屋さんの間では、「ランナウトに強い」は強烈な突破力として、尊敬を集めたりします。

素人目には、無謀、クソ度胸、などが大事なのかなと思います。
(実際、そういう人も居るでしょうけど。)
しかし、それだとロシアンルーレットでしかありません。

実際には、
・もしも、行き詰った場合のクライムダウンを考慮している。(or絶対に行き詰らないというオブザベ能力の自信)
・浮石、ホールド欠損に対して、配慮しながら登る余裕がある。
・足置き、ホールディング、バランス調整が繊細で、不意落ちの確率が低い。
・一定の難易度までは、スタティックムーヴ縛りで登ることが出来る。

などのリスク最小化を目指し、それで最後の最後に不確定な突っ込みをするかどうかを自問自答するような感覚です。
(絶対に不確定な突っ込みはしない、という判断もアリ。)
一方で、ジムのアップルートで、ガバばかりだからとランナウトしてしまうことがあります。
例えば、2本目or3本目なのに足元までランナウトしてしまったり、トラバースのクリップタイミングが遅すぎたり。

その最たるものは、簡単すぎてクリップをうっかり飛ばしてしまう、という失敗でしょうか。
ムーヴが固まっているルートのR.P.トライで、妙に安心感を得て、ヒヤリハットを体験するというのもありますよね。
これらは、似て非なるものだと、私は思っています。

ランナウトに強いクライマーは、目指す必要があります。(実際に、激しいランナウトを強いられるルートは、私も好みませんが。)
ただ、ランナウトしがちなクライマーには、なってはいけないと思います。

私自身、今後も失敗しそうな話ですが、目指すべき方向性の提案として。