2018年10月9日火曜日

カム戦略の初歩

10月6日(土)は、クラックリード講習にて、小川山。
女性Mさん、女性ISさん、男性STさん、男性YZさん。
今回、擬似リードをしてみて、ほぼ全員が取ったタクティクスが
「直近のカムが、足元(あるいは足首)くらいまで来たら、次のカムセット。」
というもの。
ボルトルートをやってきて、「このぐらいのランナウトは、さすがに耐えないと。」と思っている部分もあるでしょう。
もっと頻繁にセットすると、滞在時間が長くなって疲れますし、ムーヴに使える部分を埋めてしまう心配もあるようです。
一方で、下部が難しかったり、テラスが途中にあったりすると、それではグランドフォールすることもあります。

なので、見栄えは悪いけど、
「ジム並みの間隔で、カムを打ちまくって行く。」
というのが戦略的にも有効な場面もあります。
カムが色とりどりな様子から、「万国旗みたい。」なんて言う人もいます。
実際には、これに加えて「特に自分が落ちる可能性が高めセクションは、カム1個頼みはなるべく避けたい。(固め取り、など)」などの事情も加わって来ます。

まとめると・・・。
諸事情あって、ボルトルートのボルト本数よりは遥かに多めにカムを決めることになると思います。

「そうは言っても、あんまり多いとなぁ。」
と思う部分もあるでしょう。

これ以上のことはケースバイケースでしか答えられませんし、人によって答えも違うでしょう。
クラックは、ボルトルートとは大分違います。
でも、ボルトルートを真面目にやっている人は、何を話しても理解が早いなと思います。

全ては繋がっていますので、大丈夫ですよ。

2018年10月6日土曜日

チョンボクリップ at ジム

10月3日(火)。
1コマ目がムーヴLv.0で、男性YZさん、女性SDさん、新規女性SKさん。
2コマ目がリード3回目で、YZさん、SDさんが続けて参加。

10月5日(木)は、リード2回目&3回目。
男性FTさん、男性IKさん。

今回ジムリード講習を受けた4人は、皆さん卒業です。
ジムではクリップに困ったときに、他のホールドを使ってクリップするという手段があります。
大抵の場合、5.8や5.9で使われるガバが近くにあったりしますし、足自由にするだけでも一気に楽になるでしょう。

これを、今回はチョンボクリップと呼んでいます。
(岩場のチョンボ棒と、原理は同じなので。)

先に断っておきますが、これを禁止すべきだとは思っていません。
アリだと思ってはいますし、ジムで強い人を見ても結構やっているように見えます。

また、ジムでスタイル云々というのも、何か違和感があります。(もちろん、ジムですら皆さんスタイルは様々だと思うときは多々ありますが。)
ただ、これをどの程度で許容するかは、練習方法として差があるように思います。
例えば、オンサイトトライ中の5本目のクリップが出来ずに困った、という状況。

①5本目がクリップできずに、テンションコールせずにチョンボクリップ。

②5本目がクリップできず、4本目まで戻ってテンション。少し休憩して、もう一度はクリップムーヴを試みる。ダメなら、チョンボクリップ。

③5本目がクリップできず、4本目が膝下になるまでは突っ込んでみる。それでもクリップできず、フォール。以降、ハングドッグして、ムーヴ解決を試みるのと同じくクリップムーヴを試し続ける。何度かやってダメなら、チョンボクリップ。

④ひとつ前(③)の方法で、ハングドッグでクリップ方法が何度やっても見つからないなら、潔くロワーダウンして次回のトライに期待。(見かけ上は、“チョンボクリップなし”というスタイルに拘っている感じ。)
どれが正しい、ということも出来ないとは思います。
ちなみに、雨の日に「普段は、フリークライミングなんかやらねえんだけどさぁ。」みたいな山屋のオジサンは、5.10aをトライして①をやっている印象が強いです。ついでに言うと、そのままテンションせずに足限定と足自由を織り交ぜて、トップアウトだけはする人も多いです。そして、どの部分を足自由にしたかは、もはや記憶には残らないという。

とはいえ、「強い人は、①を絶対やらない。」とも断言できない気がするのが難しいところ。

チョンボクリップすれば、トップロープ状態で安心してムーヴ練習できます。
我慢すれば、何とか突破できたら大きな経験値になるかもしれませんが、突破できずに悶々と考え込むスパイラルも有り得ます。

ただ、「そんなに早くチョンボしちゃったら、弱くなりそうじゃない?」とか、「十分頑張ったから、クリップ部分は割愛して上部練習してみても良いんじゃない?」とか、見ていて思うことが多いわけですよ。

練習方法として、このチョンボクリップをするタイミングというのが、意外と重要だと思うんです。
次のクリップに困って色々考えている状態というのは、練習の質が高いのかもしれませんね(笑)。

2018年10月2日火曜日

11月の予約受付

10月4日(木)の22時より、11月分の予約受付を開始いたします。

主な講習場所の確認。
・岩場リード講習
天王岩。とても寒そうな日は、湯河原。

・クラックリード講習
湯川。とても寒そうな日は、城ヶ崎。

・マルチピッチ体験・リード講習
三ツ峠、二子山、越沢バットレス

11月になると、小川山、瑞牆での講習がなかなか厳しくなってきます。
一方で、クラックリード講習は湯川よりは城ヶ崎の方が始めやすい、という声も多いです。ただ、城ヶ崎は御自宅から遠いという方は、2日連続などがオススメです。湯川よりは肉体的にも楽なので、2日連続受講というのも良いです。
初日は城ヶ崎で講習、2日目は湯河原に自分で登りに行く、なども講習生がよくやる方法だと思います。

少し話は逸れますが、たまに地図読み講習を受けたほうが良さそうだな、と思うことがあります。
スポートルートのクライミング主体で、登山はハイキング程度、という人も。
尾根、沢、などを認識するのが苦手だとか、色々あると思います。もし、必要を感じた人が居れば是非とも。

2018年9月30日日曜日

これは細かいことか?

9月29日(土)は、ロープワーク講習。
女性IUさん、男性NSさん。
本日、懸垂下降と登り返しの切り替え作業をやっていて、2時間ほどが経過。
明らかな成長曲線が一旦終わり、ここから先は徐々にしか伸びない、というタイミングが訪れます。

私から見ると、「切り替えでマッシャーだけに命を預けるタイミングが出ちゃうことが多くって、岩場でやらせるのは不安だなぁ。」という状況。ただ、とりあえず基本は理解している様子。
正直、もっと完璧になるまで練習させたくなります。

一方で、登り返しの練習はそれなりに疲労することもあり、そこそこで切り上げないと嫌になりそうだというのも経験則としてあります。

今回は、割り切ってここで終了。
休憩後は、ビレイ点でスリングが尽きたとき対策の、メインロープでのビレイ点作りに話を移しました。それも、1時間半ぐらい?

さて、講習後に感想を尋ねると、やはりメインロープのビレイ点の話が面白かったそうで。
この話って、知らなきゃ知らないでリスク回避できるものです。
が、パズル的で知的好奇心を刺激してくれるし、ちょっと便利で得した気分になる、なかなか楽しいロープワークだと思います。
やればやるほど、人間は細かくなります。この話だと、私が(笑)。

今回に関しては、純粋に事故確率を下げたいから。
ムーヴ練習が細かくなるのは、見るからにムーヴや本気トライ戦略が雑なのに、「フィジカルが足りない」という感想を講習生の口から聞くのが気になるなど、色々。
その他、もろもろ。

あまり細かくなりすぎるのも考えものですが、とってもとっても気になるのものなのですよ。
まぁ、これも私の人生のテーマの1つでしょうか。

2018年9月28日金曜日

楽なムーヴ、安全なムーヴ

9月26日(水)は、リード3回目。
男性STさん、女性KDさん、復習参加の女性Hさん。
STさんは、これにてジムリード講習を卒業といたしました。

さて、ときどき質問される話。
「楽(なムーヴ)ってことは、安全(なムーヴ)ってことですよね?」

この命題、なかなか深いです。
マルチピッチやら沢登りのために、クライミングを始めた人にとって、

①楽な登り方は、ピッチ数や山行全体を考えたときにも大事です。
②安全な登り方は、落ちてはいけない場面が多い登山的なクライミングを好む人にとっては大事です。

実は、1ピッチのクライミングだけやっていたとしても、この話は割と大事です。
いかに省エネで登るかは、リードクライマーにとっては必修課題です。
岩場に行くと、ボルト位置の関係などで確実性の高いムーヴしかやる気にならない場面など、日常茶飯事です。
という訳で、山屋もフリークライマーも、避けては通れない命題かなと私は考えています。

さて、話を戻します。
楽なムーヴと、安全なムーヴは、完全には一致しません。
楽だけど、不確実なムーヴ、というのも存在します。大変だけど、確実なムーヴ、というのも存在します。
私が思い浮かべている例と、これを読んでくださっている方が思い浮かべている例が、ちょっとズレているかもしれません。が、そこを突っ込むと「安全とは何か?」みたいに厳密な話になりそうですね(笑)。今回は、あくまで大雑把に。

楽で安全なムーヴ、というのは誰の目にも良いムーヴだと思います。
反対に、大変で不確実なムーヴ、というのは悪いムーヴだと思います。(どうしても、それしか解決方法が無い課題は、自分にとって相当難しめの課題で、安全な状況でも10回のうち数回は失敗するというものです。)

1つだけ例を挙げると、クリップ態勢。
手繰り落ちはしたくないから、最低でも安全な片手バランスを作ります。
ただ、出来れば上手いことやって、楽で安全なバランスを作りたいとは誰もが思います。

良いムーヴとは何ぞや、ということの理解の足しになれば、幸いです。

2018年9月26日水曜日

いよっ!棟梁だね!

9月23日(日)は、クラックリード講習にて、小川山。
女性Mさん、女性ISさん、女性ABさん。
本日の講習場所は、お姫様岩。
セルフビレイが欲しくなるような、テラスで半日を過ごすエリアです。

とりあえず、状況を共有するべく、先に本日の写真を並べます。
<乾きは、最高>

<カムセット練習中>

<こんな風に、セルフビレイを付けたまま練習する>

<立ち位置を入れ替えたいときは、ひと工夫が要る>

<左のクラックは、カム2つでのビレイ点。右のキャメ赤は、カムセット練習でセットしたもの>

<ABさんのリード中。ネイキッドクラックをR.P.。>

<ビレイ開始されるまで、セルフビレイは付けたまま。>

<擬似リード>

さて、こういう狭いテラスにて、セルフビレイを移動する場面を考えてみます。
<図1>

図1で、右の支点から、左の支点に自分のセルフビレイを移す、という状況。
<図2>

気をつけて、(一時的なノービレイを許容して)移動。これを方法①とします。
イメージとしては、大工さんなどがやりそうです。

本日、ISさんがこれをやるときに
「いよっ!棟梁だね!」
という声がけをしており、面白かったです。
そのうち、我々の中でだけ、方法①を「棟梁」と呼ぶようになってしまいました。

<図3>

次に、ヌンチャクで仮のセルフビレイを取って、移動。
<図4>

これを、方法②とします。
一手間は増えますが、安全性は相当アップします。
ただ、見ての通り、カラビナが回転したりして、逆クリップが外れるようにクリップ外しが起こってしまう可能性は否めません。
<図5>

3つ目は、ヌンチャク交互でセルフビレイを取り、移動。
これを、方法③とします。
図5でも、カラビナは少し回転していますが、2枚で連結しているので、外れるリスクは極小に抑えられています。

ヌンチャク交互は、環付きカラビナ相当ぐらいには外れるリスクが低いと思います。
という訳で、この方法は
”一旦、別のギアで完全なセルフビレイを作り、もとのセルフビレイを外す。”
ということになります。

つまり、
“壁の中では、常にビレイされているべき“
という基本に対して最も忠実な方法です。

最後に・・・。
これらの使い分けは、人によって異なります。
「どのくらいの足場まで、棟梁(方法①)をアリとみなすのか。」

「方法②と方法③の使い分けは、何を基準に行うのか。」
方法②は、多少気を張ってやらないと、クリップ外れの心配もある。方法③は、作業中は常にセルフビレイがある状態。

各自が、自分なりの安全基準を構築していくものだと思います。
ただ、自分と大きく安全基準が異なるとパートナーを組みづらいので、周りを見て相場を知ることも大事かもしれませんね。

講習中は、ある程度は私の安全基準に合わせてもらうしかありません。個人的には方法②を多用するタイプだと思っています。

2018年9月24日月曜日

リハビリ日記

左手中指の手術を受けたのが、8月22日(水)。
講習自体は、その日の夜のジム講習も行っています。

1ヶ月経って、指はほとんど伸びるようにはなりました。
というか、手術後3週間は伸ばした状態で固定していたので、通院に関しては曲げる方のリハビリがメインになって来ました。(曲げるリハビリの方が、伸ばすリハビリよりも簡単らしい。)
自宅でも、リハビリ。

ハンドジャム、ラップ持ちはほとんど負荷がないものの、まだ左中指に荷重を掛ける段階には無いので、自分のクライミングは引き続き休眠中。
講習ルートぐらいの難易度までは登れるので、クライミングに行くこと自体は出来るのですが、それよりは他の運動に時間を充てようかと。

そんな訳で、週3ぐらいで病院のリハビリに行き、週2ぐらいでエアロビ&ヨガ、そして先週から市民プールにも復帰しました。

エアロビ&ヨガのとき、つくづく自分が身体に関して素人であることを痛感させられます。エアロビの雰囲気は苦手ですが、1回300円の勉強の場としては最高です。
この機会に、より指に負担の少ないフォームを覚えたし。

市民プールは、自分のペースで出来るので、スキーに通っていたときを思い出しつつ色々と試しています。平泳ぎの足が、致命的なほど下手な気がするので、ちょっと誰かに見てもらいたいような気分です。

この機会に、色々やってみましょう。