12月19日(水)は、クラックリード講習にて、城ケ崎。
女性Mさん、男性YZさん、久々の男性HNさん。
夕方の最終トライにて、無事に完登。
立木の終了点で、懸垂下降しようという場面です。
「あ、ATC持ってくるの忘れた。」
<図1>
状況は、図1。
細かく言えば、高さ10mほど。
平均傾斜は垂直。
ロープは50m以上のものを使っており、十分に余裕があります。環付きビナは余分にあったので、ムンターヒッチなどが自信を持って行えるなら、問題ない場面です。
今回は、そういうのは知らなかったので、ATCを荷上げすることを選択。
<図2>
図1のままでは、ロープに荷物を付けてもカラビナを通過できません。
そこで、ロープを引き上げてそのままロープを垂らすように私が指示。
イメージは図2でした。
<図3>
ただ、実際に講習生がロープを垂らした状況は、図3でした。
<図4>
荷上げ開始すると、荷物がクラックの僅か15cmぐらいのハングに引っ掛かりました。
<図5>
図5の通り。
ロープAをいくら引いても、ロープAそのものがクラック内に入っているので、荷物は引っ掛かるばかり。
ロープBがクラック外側に出ていたので、「そっちを引いてみたら?」と私が声がけしてみます。
(幸い、高さが低いので声掛けはしやすいエリアです。)
が、状況は図2ではなく図3なので、ロープBは講習生の手元にあらず!
状況的に、将棋の詰みになったように思えたので、私がリードして手助けに入るという顛末でした。
<図6>
状況的には、図6のようになっていますので、ロープをクラックAとBの間に垂らせば回避出来たであろうとは思います。
ただ、本人としては「引っ掛かるなんて、思いもしなかった。」とのことなので、そんな方法は思いもよらないのでしょう。
<図7>
また、傾斜の状況は図7です。
終了点手前に緩傾斜のセクションがあったので、ロープを上からコントロールするのは難しい場面でした。
<図8>
もし、図8のような立ち位置であれば、たとえハングがあってもロープを少しコントロール出来たりもします。
荷上げは、
・リード中の弾切れ(カムなどのギア)
・マルチの難しいピッチ
・沢登りでプロテクションが取れないけど空身ならフリーソロで問題なさそうなとき
などなど使い勝手の良い技術です。
様々なコツがありますが、とりあえず引っ掛かる仕組みを理解しておくことも大事だと思いますよ。
実践本気トライ
YZさん:鬼ころし(5.7) フラッシュ
Mさん:鬼ころし(5.7) R.P.