念のために書いておきますが、1月9日(木)の21時より、2月分の予約受付を開始いたします。
12月29日(日)は、クラックリード講習にて、城ケ崎。
男性NMさん、男性KTさん、女性ISさん。
地上でのカムセット練習で、「ちょっと不安が・・・」
という程度のセットがあります。
わずかばかりフレアしているとか、ちょっと欠けそうな岩に接しているとか。
そんなとき、講習生から
「とはいえ、ここしか決まらなかったら、仕方ないですよね?」
という意見が出ます。
理解は出来るんですが、ちょっと危ない発想とも言えます。
例えば、効きが甘いなら、
・クリップせずに、別のカムをセットする。
・上記で、パンプしてくるようなら、自らフォールor手前のカムまで戻ってテンション。
(手前のカム、つまり最終プロテクションの信頼度を覚えておらず、戻ることも恐怖であるようなら、あなたは危険極まりないクライミングをしていると思います。)
という選択肢があるはずです。
また、バチ効きを99.9%の信頼度と仮定すると、「もしかすると抜けるかも。」(例えば、10%のカム抜けリスク)と感じたときに、
①まず、固め取りする。(2個、90%ならば、99%になるというリスク計算。)
②さらに、次に確実なプロテクションが取れそうな場所までのムーヴで落ちる可能性を考慮。
→①と②を総合的に考えて、リスクが十分に低いと思えば、頑張って突っ込む
そういった、オプションを幅広く考えて、行くべきか、ギブアップするべきかの駆け引きがあります。
最初の発言だと、
「(出来ないムーヴで行き詰らない限り)登り続ける前提。取れる範囲でカムセット。」
という風に聞こえちゃうんですよね。
で、実際に5.7とか5.8とかだと、落ちずに登れちゃうことが多いだけに、それが実践できてしまうという。
(講習生の経験だと、そこまで確信犯では無いのは百も承知です。)
これって、ジムでのクリップでも同じことだと思います。
出来るタイミングでクリップするんではなく、すべきタイミングでクリップ出来ないなら、諦めてフォールなどのギブアップすべき、という場面は日常茶飯事ですよね。
実践本気トライ
KTさん:鬼ころし(5.7) O.S.
NMさん:鬼ころし(5.7) フラッシュトライにて、カムスタック、カム不足などありつつ、テンションかけてムーヴ解決してトップアウト。
ところで、ここ最近の城ケ崎で3件の重大事故があったようですね。
詳細が分からない中でも、考えうるシナリオを何通りか推測することで自分のリスク管理能力が向上すると思います。
講習生の皆さまは、自分なりに考えてください。
機会があれば、行き帰りの車などで話は聞きます。
山の遭難事故なんかも、本人が死んじゃったら、どういう思考でミスに至ったのかは推測するしかないです。
本人が生きていても、反省の方向性が、我々が求めるものとは違うこともあります。
①「もう、~~山には二度と行くまい。」(それはそれで、本人の自由ではある。)、
②「確率問題だから仕方ない。」(そういう部分は、否定できない。)
など。
そういう人に、詳細を尋ねても、得られるものが無かったりもします。
詳細は気になりますが、詳細を知ることだけが勉強ではないと、私は思います。