1月16日(木)は、岩場リード講習にて、湯河原。
女性KBさん、男性SNさん。
本日の講習では、指への負担が少ないホールディングやフォームについて、かなり時間を掛けました。たぶん、『クライマーズバイブル』の手のスイッチ、と同じような概念です。
「なぜ、その動きが身体に優しいのか?」
「なぜ、自分は違うホールディングや姿勢を好んでしまうのか?」
というコンセプトで考えると、少しずつ自分の癖が分かってくるように思います。
ある程度の理解が出来てから、
「もっと早く知りたかった。出来れば、最初に知りたかった。」
というKBさんの感想。
私も指の故障で悩まされていますし、「初心者のうちに知りたかった。」という思いもあります。
しかも、私なりに指への負担がマシになるフォームというのは追求していて、それが副次効果として肩や他の関節への負担も軽減しているようでもあり、効果は実感しています。
で、「それを初心者に教えたい!」という老婆心は、日に日に強くなります。
そういう熱さをコンセプトにしたスクールもあるようですし、『クライマーズバイブル』とパンプアカデミーもまさにそこを狙ったものなのでしょう。
しかし、現実は厳しいものがあります。
①バタバタ登りの人は、フォームどころではない。
例:脇が締まっているかよりも、足が雑なことや、不必要な振られに耐えていることの方が問題。
ただし、例外的に他のスポーツを真剣にやってきた人などは、クライミング技術が初心者レベルでも、フォームだけが良いこともある。
②フォームの有難みは、初心者には理解しづらい。もっと、手っ取り早く上達したい。
③フォームの概念自体が、理解するのが難しい。習得にも、時間が掛かる。ただし、故障で悩まされる期間に比べたら、遥かに短い。
④「考える前に動け!」ぐらいの速度で登ることを推奨する指導者や先輩クライマーも多い。それに従う初心者は、ますます考える能力が下がる。
したがって、初心者にフォームを教えるということは、いばらの道だと思います。
しかし、目の前で“いかにも、故障に繋がりそうな登り方”をしていて、それを指摘しないというのも、心苦しいものがあります。
何年か後は、僕と同じ指になりそうに見えるだけに。
ただ、それでも結局は、まずは安定感のあるムーヴの癖を身に付けることからしか、講習は始められないのです。
足置きとかレストは、リードのために覚えましょうというコンセプトですが、遠い将来にフォームを直すことも見据えての前段でもあるのです。
と、そんな訳で、たまにはムーヴ講習や岩場リード講習(午前中はムーヴ講習)に復習参加されることをオススメしますよ。