1月13日(月、祝)は、クラックリード講習にて、城ケ崎。
男性NMさん。
危なっかしい登り、とは何なのでしょうか?過去の講習生の発言で、関連しそうなものを再掲します。
・浮石をクリップホールドにして、手繰り落ち経験のあるAさん
私「浮石のチェック方法って、幾つかあるのは知っていますか?荷重方向に強めに引いてみたり、叩いてみたり。」
Aさん「知っていますけど、そんな余裕は無いです。」
私「確かに、そういう場面もありますよね。ただ、その場面が手繰り落ちしたら事故になるぐらいの状況で、ホールドにヒビが入っていたりしたら、チェックせざるを得ないし、手繰るのをやめざるを得ないんじゃないですか?」
Aさん「えー、そんな余裕は無いです。」
<本日は、5.4でクラック版のムーヴLv.0みたいなことを行いました>
私「ムーヴによっては、背中から落ちたりしますよね?」
Bさん「想像しきれないし、そんなこと考えてたら怖くなって登れないです。」
私「そうですね。でも、危ないと思いますよ。」
・ランナウトしている場面で、行き詰ったケースを思い出すCさん
私「落ちられる範囲まで、戻るしか無いんじゃないですか?」
Cさん「えー、そんな余裕は無いです。」
私「落ちられる範囲を超える段階で、戻れるムーヴで進むというのがよくやる手なんですけど、それは?」
Cさん「そんなこと、考える余裕は無いです。」
多くの講習生が言うには、「余裕が無い。」、「そんなことを気にしていたら、登れない。」という感じです。
たしかに、そういう発言が多い人は、“登りながら考える”ということが出来なさそうなムーヴの癖があり、考える暇が無さそうにも見えます。
このムーヴの癖は、何なのでしょうか?
今回は、その内容自体には触れません。ムーヴLv.0から、岩場リード講習、クラックリード講習と、長時間をかけて教えたい内容で、ある程度登れる人であっても復習に来て欲しいと思っているぐらいの深い話です。
僕の人生2~3割は、この項目の考察に充てているような感覚です。
とても一言では語れません。
5.10aを本気トライしていても核心部以外は安定して見える人もいれば、5.12aを本気トライしていてもバタバタ登りに見える人もいます。
つまり、バタバタ登りでも、ある程度までは登れることは間違いありません。
フィジカル要因、メンタル要因、反射的に身体が良いポジションに行くなどのテクニック要因、全てが絡んできます。
こんな話が煩わしければ、ジムのオートビレイ機や、高さの低いボルダージムだけで登っていれば、避けられるかもしれません。
リードとか、ボルダーでも岩場をやりたいなら、特に大事だという話。もちろん、クラックやマルチ、沢登りやバリエーションでも。
ただ、繰り返しますが、この考察は、緩やかにグレードとかにも効いてくるとは思うんで、馬鹿にしたものでもないですよ。