2020年2月3日月曜日

ラインの独立性

2月1日(土)は、クラックリード講習にて、城ケ崎。
復習参加のMさん。
<ジャミングの悩み相談会>

また、本日の講習とは関係ないのですが。
Mさん他何名かと、“好みのルート“談義から派生した、湯河原とルートの独立性の話。
「もし、シャクシャインの面に、スードラが無くて、1本だけの贅沢なラインだったらカッコいい。」
「いや、でも東京近郊の皆が行くようなとこしか行かないからか、そんなの見たこと無い。」
「その点、クラックはラインが独立していることが多いから、良いかも。」

といった話題。
ちなみに、小川山の卒業試験(5.10b)、水曜日のシンデレラ(5.10d)、などのように、5.10台でアプローチ20~30分圏内でも、そういった贅沢なボルトルートもあります。
<ジャミングや、ワイドムーヴを、オブザベで除外して考える癖がありますね>

独立したラインのメリット。
・見た目のカッコよさ
・限定ホールド、限定ライン談義に振り回されることが無い(ルートファインディングも含めて、クライミング能力。ボルトから、横に離れたラインを登ってもO.K.。)

一方で、ルート数が多いことが近郊岩場の存在意義というのも否めず、葛藤があります。
<徹底して、ムーヴ練習>

例えば、桃源郷エリアの岩が、アプローチ1時間以上のところにあったとします。

とりあえず、最初に開拓候補に挙がるのは、
・Wasshing(5.7のクラック)
・コスモポリタン(5.9のクラック) 上部が土で詰まりやすいので、あまり登られていない。
の2ライン。
「コスモポリタンは、一応初登だけしておくけど、大掃除するのは諦めるか・・・。」という判断になりそうです。

次に、
・アボリジニ(5.10aのカンテ)
・サンセット(5.10aのカンテ)
が目を引くラインです。

アボリジニに関しては、カンテの両側を登れることがトップロープ試登で判明するでしょう。
が、憧れのハワイ航路の側は、「どこまでアボリジニ側に寄って良いか?」問題になりそうだと予想されるので、捨てようという判断になりそうです。
サンセットも、「意外とカンテから離れた方が登りやすいから、限定ルートになっちゃうね。」と捨てる判断になりそうです。

その他のフェースに独立したラインが引けるかも試登してみて、
・伊豆の踊子(5.12aのフェース)
なんかが残ると思います。(トライしたのが昔過ぎて、独立性の記憶がちょっと不安ですが。)

私も講習でよく使いますが、シルクロード(5.7のフェース)、いんちきするな(5.8のフェース)、あたりは「Wasshingに干渉しちゃうからなー。要らないか。」という判断になるかと。

で、残ったのは
・Wasshing
・アボリジニ
・伊豆の踊子
の3本だけ。

これなら、かなり贅沢です。いわゆる、合理的なラインというヤツです。

私も「そういう岩場が最高!」と感じる方ですが、「そういうのが好きなら、湯河原じゃなくて瑞牆とかに行け!」と言われてしまいそうです。

そんな話から考えると、われわれ再登者の完登談義(それって、アリ?ナシ?)にも、思うところがあります。

①憧れのハワイ航路で、限定ホールド問題を議論するのは分かるが、アボリジニのような合理的ラインで「右に出ちゃダメ!」というのは、変なのでは?

②Wasshingで、左右のフェースに出たりしながらも、プロテクションだけはカムで登っても、ルートファインディングと見なされてO.K.なのでは?

③Wasshingで、左右のフェースのボルトを使ったら、それは岩登り本来の合理的ラインを登ったことにはならないから、アウトでは?

こういうのって、くだらない言い合いに発展しやすいので要注意案件です。
でも、避けては通れない話ですよね。
<ワイドも、オブザベに組み込んで行きましょう>