8月15日(土)は、ムーヴLv.1。
女性HNさん、男性KTさん、女性HSさん、新規男性DUさん。
講習生から、「被ったルートが苦手だ。」という声は、よくあります。
その原因を幾つか考えてみましょう。
①フィジカル
・フォームが悪く、量を登っている割に、体幹周辺の筋力がつかない。(腕や指だけが疲れてしまう。)
・毛細血管の発達の悪さなどで、レストしても回復率が悪い。・週1回未満の練習回数で、フィジカル向上を目指すような生活環境に身を置けない。(中上級者であれば、睡眠や栄養などで週2回以上登ってもプラトーになりうると思います。)
②戦略
・オブザベができず、少しでも難しいと極端にまごついてしまう。かと言って、垂壁ほど登りながら考えられない。
・垂壁ほど墜落距離を意識できないため、ギブアップのテンションコールをしがち。
③ムーヴなどのテクニック
・パンプに追われて焦ってしまい、登りが雑になってしまう。
・パンプに追われて焦ってしまい、最適な手順足順を選ぶ意識が低くなり、その場しのぎで前進しがち。
・被った壁でよく使うムーヴが、いまいち習得できない。(ヒール、フラッギング、大胆に振り子を利用したダイナミックムーヴ、などなど)
・スピードと丁寧さの兼ね合いで、本来の丁度よいクライミングスピードが自分で試行錯誤できない。
④メンタル
・被っていると、垂壁よりも落ちるのが怖い。(墜落距離、落ちる態勢も分かっていても、なんとなく怖い)
・落ち着いた方が良いと分かっていても、急いでしまう。
・苦手意識が固定化されてしまい、「オンサイトしよう!」、「少ないトライ数で登ろう!」というトライ前の気持ちが作れない。敗者のメンタルで取りついているため、1トライ毎に得られる反省点も少ない、という悪循環が始まっている。
・被ったルートには、中上級者が集まる傾向があるため、見られているプレッシャーを感じる。
ある日突然と苦手じゃなくなるというよりは、もう少し地味に克服されるシナリオの方が、ノーマルかもしれません。
被ったルートをトライするだけでなく、垂壁をやる中でも「これって被ったルートにも応用効きそう。」ぐらいの視野で、色々と実験的に練習してみると良さそうですね。
講習では、上記項目を1つずつ潰していくようなイメージで個別指導をするように心掛けています。