2022年1月6日木曜日

安全基準向上にまつわる痛み

12月4日(土)は、クラックリード講習にて、男性TGさん、男性HGさん、復習参加の女性WNさん、復習参加の女性ISさん。今回にて、TGさんはクラックリード講習を卒業といたしました。
12月6日(月)は、岩場講習にて女性NJさん。
12月7日(火)は、ムーヴLv.0にて、女性IGさん、女性ASさん、女性TNさん。
12月8日(水)は、雨中止にてムーヴ講習で、男性KBさん、女性SHさん、男性ABさん。
12月9日(木)は、ムーヴLv.0にて、女性NJさん。2コマ目が、ムーヴLv.0にて男性KIさん。
12月10日(金)は、リード1回目にて、男性TNさん、男性NOさん、男性TRさん、女性MDさん。

WNさんが、カムの使い方に自信を失ってきて、クラックリード講習を復習参加してくれました。
マルチピッチ講習も卒業し、アドバンスクラック講習にも何度も参加して、月に何日もカムを使っている人ですら、そういう時は訪れます。
実際に、カム抜けフォールを体験しなくても、以前より目が肥えて
「うーん、微妙に納得しきれない部分もあるけど、これで行っちゃうか!」
という自問自答が、段々と気持ち悪くなってくることも多いです。

そこで、気持ち悪さを我慢し続けていると、大抵はリードが嫌になってきます。
クラックを辞めてボルト専門になるか、クラックは簡単なのだけをリードする方向になるか、トップロープリハーサル組(オンサイトトライや、グランドアップのハングドッグは諦める)になるか。

講習を受ければ、以前よりはカムセットを慎重に決める方法論が理解できると思います。
しかし、それを実践するためには、以前以上のスタティックな登りや、持久力が要求されます。
つまり、多くのルートは少し難しく感じられ、登れたルートが登れなくなる現象も当然起こるでしょう。
これが、痛みです。

同じ構造を客観的に見るため、視点を自分よりも初心者に向けてみましょう。

リードを始めたばかりの人が、
・ロープが足に絡んでいても気づかずに完登
・墜落距離を計算せずに突っ込んでいて危なっかしく見えること(クリップのタイミングが変、など)
・レストせずに登り続け「考えるなんてムリ!」と諦めている
というのは、ジムでも岩場でも頻出だと思います。

彼ら初心者は、「怖い物知らず」だからこそ登れる部分が大きく、知ってしまうとグレードが1つ2つ下がるはずです。
しかし、この痛みから目を背け続けると、いずれリードが嫌になるはずです。

一方で、それを知ったことは、本人にとってはプラスに違いありません。
事故リスク低減だけでなく、それを活かして攻めのトライができることだって、いずれあるでしょう。(多少ランナウトしていても、「フォールしても、綺麗に落ちられるはずだ!」と読めるなど。)

残念ながら、痛みは一生続くと思います(笑)。
それを越えた数がベテランの風格を醸し出すものだ、とでも諦めましょう!