1月12日(木)は、一人で河又へ。
先週も行ったのですが、寒さやら色々あって、バラせた部分が出来なくなっており、一歩後退。
本日の夕方、ようやく登れました。
※初登者のラインとトップアウトのラインが微妙に異なるため、「一応」自分の中では登れたこととします。
<具体的なライン>
第3部を越えてから、忍吉98のボルト1本目付近へクライムダウンを交えてトラバース。そこから何手か右へトラバースすると、忍吉98の右面に出る。ここが5.7ぐらいの脆い緩傾斜なので、浮き石に注意しながら慎重にトップアウト。
初登ラインの方が岩も綺麗だし、ラインが自然なのも理解していましたが、このぐらいじゃないと私にはフリーソロできませんでした。
この課題、とにかく凄いです。
クラックとボルダーをやる人は、やった方が良いです。
高さとか、最後のフリーソロパートとか、石灰岩洞窟の臭いとか、コウモリとか、脆い岩のセクションとか、足が遠のく要素もあります。
☆ルーフワイドあり(低いので、ご安心下さい。例によって、ヘッデン。)
☆ジムっぽいルーフムーヴあり(低いので、ご安心ください。)
☆天井チムニーあり(下開きチムニーで、ホールドがあるので、ムーヴは単純ではない。)
☆なるべく落ちたくない高さのセクション(ギブアップのフォールまでセーフぐらい)と、絶対に落ちられない最終セクションの考え方を分ける必要あり
全長25mという長大な課題です。
内容は三ツ星なんだけど、マイナス要素の減点は人による、って感じでしょうか。
僕は、通算4日目の本日に向けて、マットを3枚持ち運ぶために荷締め用のベルトを購入してしまいました。
まるで、冬山1週間の装備を持ったかのような、フラつきでした。
ただ、お陰で第3部もギブアップのフォールまでは許容できる状態になったので、一気にムーヴ解明が進みました。
3人でワイワイとセッションすれば、理想でしょうか。
ちなみに、2日目と3日目は、フリーソロパートの練習用にヘルメットを持参していました(笑)。
ところで、ボルダー課題をやるにあたって、何点か葛藤があります。
①亀裂が入ったホールドも、何度もバラしで触っているうちに、「さすがに剥がれないだろう」と、段々と大胆な荷重方向・荷重量で使うようになってしまう。
→いつか事故を起こす可能性があるが、これを完全禁止することも難しい。当たり前だが、理想は「リスクがある課題は、少し実力に余裕を持った状態でトライする。」ことだが、今回はギリギリを攻めた感はある。
②バラしで、落ちる可能性が高い場所が決まってくると、そこ以外のマットを減らせるようになる。
→これって、R/Xのルートをトップロープリハーサルしてから登るのと、若干似ています。一般のルートでも、落ちちゃいけないセクションをトップロープリハーサルして自信を付けてからリードするのと、若干似ています。「落ちたら事故だけど、ムーヴ分かっちゃえば落ちる気がしないから登る気になる。」というイメージ。
僕は、落ちたら事故の場所では、自分が取りうるムーヴに対する「ものさし」をブレさせたく無いと常々思っています。クライムダウンできる範囲で探るのか、完全に見切って突破するのか、これが出来ないなら降りるべきという考えです。
これって、理論上は単純ですが、自分の能力とか体調で正確な判断をするためには、「ものさし」を常々研ぎ澄ますのが理想という気がしています。少なくとも、悪い練習によってブレさせたくは無いのです。
そこを考えると、ちょっとグレーな感じはするのですが、強調して意識するというマイルールを課して、実際にはマット位置変更を積極的に行っています。
「PDぐらいのクラックで、恐々テンション掛けながらトップアウトしたら、次はムーヴが分かったらから行けちゃう。」のと似ています。トップロープリハーサルを自主規制したとしても、これだけは許容になってしまうけれど、注意して行うのが現実的かなぁと。
同様の理由で、フリーソロパートの練習でヘルメットを使用しましたが、繋げトライではヘルメット無しというのも、若干は引っ掛かりますよね。まぁ、「ものさし」には全く影響しない気がするので、雪崩ビーコンやらファーストエイドキットみたいな純粋な保険と考えて良さそうです。
この葛藤って、この課題に限った話ではないのですが、今回は強制的に向き合わされた気がします(笑)。
ムーヴとリスク管理の関係は、なかなか奥深いものですねー。
ただ、しばらくはジムなどで比較的安全な課題を登りたい気がしています(笑)。