2014年2月10日月曜日

たまに、高頻度の講習

2月9日(日)は、城ヶ崎にてクラックリード講習。
女性ARさん、男性SRさん。

前日は、東京都心部で20cm越えの大雪。
電車、車、ともに都心部からの脱出が核心。

<富戸駅前でも、朝は少し雪が残っていた>
この冬、ARさんの受講頻度はトップレベル。

特に1月は、クラック3日間、雪山2日間など。
個人的には、年末くらいから、毎週・隔週で会っているくらいのイメージです。

<海岸に近付くと、海風が暖かいために雪はゼロ>
特に、クラックリード講習を4日間~6日間で終われるとは全く思っていないので、

「クラックは、固めてやった方が良いと聞いているから。」
「湯川は、難しいと聞いているから。」

とのこと。

<ただ、前日の風で波が高い>
1年、2年通っている常連さんは、1度や2度は高頻度で受けた時期があります。

個人的には、その副次効果を感じることが多いんです。

<ジャミング練習>
講習頻度の基本は、

・ムーヴ講習などのレベルアップ目的なら、「たまーに」
・岩場リード講習などの新ジャンル挑戦なら、出来るだけ連続して

と、オススメしています。

<岩の隙間で、反復練習>
で、高頻度で受ける時期は、

スポーツのコーチに付いてもらっているような状態です。

それが、様々な効果を生んでいるんじゃないでしょうか?

<雪のアプローチに加えて、高波で、我々はバカなのか?>
講習料は、決して安くはないので贅沢な話でしょうか(笑)。

でも、一皮むける人が多いと思います。
具体的な講習内容
・ジャミングのコツ(ハンドジャム)
・地上にてカムセット練習
・疑似リード
・実践、初リード

 <ARさん、無名ルート(5.4?)で初リード>

<SRさんも、無名ルート(5.4?)で初リード>

2014年2月8日土曜日

思い切りが良くなる1パターン

2月7日(金)は、ムーヴ講習Lv.1。
昨年末に、リード講習を受けていたKI夫妻。 
KI奥様、実践リードトライ中に、こんなことがありました。

難しいパートで、
「あー行こうか、いや落ちそう。」
「こー行こうか、いや落ちそう。」

とやっているうちに、疲れてきて、苦しいながらもレストを始める。

で、力尽きてフォール。

つまり、選択肢は、KIさんの中に2つあったんです。

が、どちらも試すことなく、落ちてしまったんです。
こういう人は、特に女性初心者に多いんです。

いわゆる、「思い切りが悪い」って言われるタイプ。
これは、なかなか治らない人も多く、伸び悩みの原因になりやすい。

そこで、今回は新しい教え方を試してみました。


①いま、次に進めるムーヴの選択肢を、全て口頭で言わせる

②その中で、本人的に1番可能性のあるムーヴを選ばせる

③「じゃあ、どうせ落ちるなら、それを試して落ちるべきでしたね。」ということを理解してもらう

④ハングドッグ状態で、そのムーヴをトライさせる
で、実践。

KI奥様が
「以前から、何度やっても、ここが出来ないんです。」
と言っていた箇所。

ほぼ全て、テンション後の1~2回目に解決。

本人もビックリの結果でした。

思い切り、っていうのは、

「落ちても大丈夫」
って、安心感とともに、

「これで行くのが、1番可能性あるんだ」
って、自信が大事。

そんな気が、最近はしています。


具体的な講習内容
・リード&ビレイの復習
・姿勢(骨盤を入れ、胸を張る)
・肩の脱力(次のホールドに、寄り掛かることで、そのホールドに都合の良い足位置になる)
・実践リードトライ(ハングドッグによる練習方法)

KI夫妻の場合、モチベーションが落ちる前にムーヴ講習を混ぜて行くのが良いと思います。

最短で、4回ジムに行くうちの1回。
最長で、数ヶ月に1回。

と言っていますが、前者に近い方が良さそうだな、と思いました。

2014年2月6日木曜日

雪山の休憩時間短縮するパッキング例

2月6日(木)は、谷川岳西黒尾根の登山口付近にて、雪上訓練Lv.1。
半年ぶり、高崎の女性HMさん。

<高崎の“ゆるキャラ”?>
今回の講習中、HMさんから、
「冬は、ザックの中が、ぐっちゃぐちゃです。」

という嘆きが。

<ラッセル練習>
HMさんに限らず、パッキングは難しいもの。

特に初心者は、ザックの中に雪を入れてしまったり、手袋を外して作業したり。
それが、毎回の休憩毎だったりするので、自分でもイライラしてきます。

歩く前から負けている、って話ですね。
そこで、私が講習で紹介している、私のパッキング方法。

①ザックの雨蓋は、以下の3点を入れる。

・潰れたら壊れるもの(サングラス、ゴーグル)
・その日の行動食
・テルモス

こうすると、休憩開始後すぐに、ザックを尻に敷いて座れる。
また、ザックの本体を開けないので、ザックに雪が入らず、休憩も短縮できる。

<自作のピッケルバンドも、まだ改善の余地あり>
さらに、ビーコン携行と読図を求めるLv.2では、もうちょっと詳しく。

②ジャケットの内ポケット

・ビーコン。オモチャカラビナで、バックアップは取る。

本来は、ジャケットより下に専用ポーチで身につけるべき物。
雪崩で、ジャケットが脱げてしまう例があるので。

この方法は、あくまで“リスク覚悟で操作性優先”というもの。

<HMさん御希望により、でんぐり返しを実践>
③ジャケットの胸ポケット

・コンパス、ホイッスル

コンパスの紐に、ホイッスルも通しておく。
その紐を、胸ポケットのジッパーに結んでおくと、落とし止めにもなる。

<雪庇>
④ジャケットのポケット
・左ポケットには、立ち止まったときに食べる程度の行動食
(ビレイ中、ラッセル中、などに有効)

・右ポケットには、地形図をジップロックに入れたもの

<林道に戻る瞬間、雪の中へとダイブ!>
これを講習前に話すと、その日の休憩時間がグっと短縮されます。

こういったノウハウの積み重ね、冬山では大事ですね。


具体的な講習内容
・雨蓋のパッキング
・ラッセル練習
・キックステップ
・下りのコツ
・耐風姿勢
・アイゼン歩行

まだ、雪山を登るという臨場感がなさそうだったので、次回は2日間で受けたらベストですね。
滑落停止とグリセードは、今回は割愛。

でも、でんぐり返しだけは本人希望により、実践しちゃいました。
上手かったです。

2014年2月4日火曜日

雪上訓練Lv.1の2日目

2月1日(土)、2日(日)は、雪上訓練Lv.1。
YZ夫妻、新規の男性YDさん、新規の女性HHさんの4名。

<初日は、高気圧で快晴>
昨シーズン、今シーズンと、雪上訓練Lv.1は日帰りでのオファーだけ。
そうすると、スキー場脇での訓練にフォーカスすることに。

が、今回たまたまYZ夫妻から2日間での申し込みがありました。

(当初は、テント泊して2日目はLv.2を出来ないか?というモノ)
そこで、2年前にKKさんとARさんに行った方式で、2日目は天神尾根からの谷川岳登頂を目指します。

実際の登山を教えるのは、登山しながらじゃないと無理だからです。

<下りは、どうしても腰が後に下がりがちなYZ奥様>
その中で、

・天候判断
・雪庇のルーファイ
・風向きと休憩場所選び
・アイゼン、ピッケルを装着するかどうかの判断
・実践の中で、歩行技術の応用

などを会話しながら。
2つ前の記事で、

「登山中の判断や小技は、トピック的に扱うので、全部を教えきるのは難しい。」

って、私の感想を漏らしました。

だから、実際の登山を行いながら学ぶ、というのは終わりがないんです。

<2日目。無雪期なら鎖場のクライムダウン>
でも、今回やってみて、

「0回と1回は、全然違うよなー。」

と思いました。

<稜線近くでも、まだ帽子が要らない暖かさ>
特に、YZさん、YDさんは、私の後ろにピッタリ付いて歩いたりして、

「今のは、どういう判断?」
「なんで、そうしたんですか?」
「こういうときは、どうするんですか?」

と質問攻め。

<肩の小屋>
当塾の講習は、クライミングはゲレンデで行うのがほとんど。

実際の山で、登頂する機会は少ない。

でも、登山しながら判断根拠を説明していく、ってのは貴重なもんだと思いました。

<トマの耳>
具体的な講習内容
・ラッセル練習
・キックステップ
・下りのフォーム
・ハの字、川の字
・耐風姿勢
・アイゼン歩行
・滑落停止
・グリセード
・ワカンの装着
・その他、本文中にある登山中の話

<稜線歩きは、楽しい>

<オキの耳にも、登頂!>

<下山しながら、晴れてきた>

<子供の頃は、毎週末スキーだったというYDさん>

2014年2月3日月曜日

第2次マルチピッチリードの波

1月31日(金)は、クラックリード講習にて城ヶ崎。

補習の女性WNさん、1年半前に卒業している男性IKさん、新規の女性KKさん。
さらに、前日まで雪上訓練Lv.2だった女性ARさん。

<テーピングを貼る>
本日の講習中、宇都宮のIKさんが5.8を2本立て続けにオンサイト。

過去に、1本をオンサイトしているので、これでマルチピッチリード講習の参加条件をクリア!
元々、フェース能力が高い人だったので、あっさりクリア。

<ジャミング練習>
さらに、この翌日。
この日も参加していたWNさんが、講習生仲間と個人でクラックに行ったそうです。

そこでWNさんが、3本連続オンサイト!

同じときに、男性STさん、男性STさん(紛らわしいですが)の2人も、参加条件をクリア!

そして、先月までクラックリード講習を集中して受けていたMJさんも、あと1本とリーチを掛けたそうです。

<潮干がり、ではない>
これで、今現在マルチピッチリード講習を受講中の2名と合わせ、一気に波がやって来ました。

マルチピッチリード講習は、パートナーが居ないと、ルートや戦略の相談が出来ません。
なので、パートナーが居るというのは、本当に良いことです。

しかも、ほぼ全員が顔見知り。

<ビレイが上達してきたARさん>
そのメンバーの中には、本当にマルチピッチ未体験の人もいます。

マルチピッチ経験者だけど、初登攀の気分で、というスタイルを学びに来る人もいます。

<ARさんに魔女系と言わしめた、ビレイヤーKKさん>
マルチピッチリード講習は、ゴールではありません。

が、ここから先は、
登山とクライミングが融合していきます。

リスクの高い講習ですが、早くも楽しみですね。

<樹氷(5.8)のオンサイトトライ中のWNさん → これは失敗>
具体的な講習内容
・テーピングの貼り方
・ハンドジャムの地味練習
・フィンガー、フィストなどは、質問に応じて
・地上にてカムセット練習
・疑似リード(ARさん、KKさん)
・実践リード(WNさん、IKさん)

<オバステ正宗(5.8)をオンサイトする、IKさん>
ただ、参加条件をクリアされた方の何人かは、お買い得ルートを狙ってオンサイトを稼いだのも事実(笑)。

3月、4月に講習が始まる前には、もう少し厳しいのも登れるよう練習しておくと、余裕が出ますよー。

<ARさん、初の疑似リード>

雪山講習に、卒業制度は向かない?

1月29日(水)、30日(木)は、上越の荒沢山カドナミ尾根にて、雪上訓練Lv.2。
女性ARさんと、1日目の夜から合流の女性HMさん。

<自称、おちゃらけ登山愛好家のARさん>
クライミング講習は、

①ジムリード
②岩場リード
③クラックリード
④マルチピッチリード

という風に、かなり体系的に行っています。

<駅から程近くで、テント場作り練習>
素人さんには、何が何やら分からない分野だけに、

「こーゆーことに気を付けながら、やって行けば良いのか・・・」

と分かってくるタイミングがあります。

<ワカンで、膝前後のラッセル>
それが、的を得ていると感じたら、

「そろそろ、自力で岩場に行ってみて下さい。」

という意味で、“卒業”と言い渡します。

<99%は楽しい、雪山登山?>
運転免許の教習所で言ったら、仮免許ぐらいの技量だという意見もあります。
要するに、結構早い段階で言い渡していると。


最初は、危なっかしい失敗もあります。
慎重な人は、最初っから補習を受けに来ます。

そして、例えばクラックリード講習を卒業しても、特別にクラックが上手いとは限らず。
5.8が登れたり登れなかったり、ということも。

<振り返ると、上越国境>
でも、こちらとしては、“卒業”のタイミングを決めやすいんです。

その点、雪山のLv.1~Lv.3は、決めにくい。
まず、講習生のほとんどは、ある程度の雪山登山経験があります。

だから、卒業とか言う前に、もう自力で登っています(笑)。

<2日目は、HMさんも加わって>
さらに、講習も、
“登山中に出てきたものを、トピック的に扱う”

という形式がメイン。

・雪庇が出てきたら、雪庇のルーファイについて説明

・寒かったら、凍傷予防について小技を紹介

・ラッセルの深さ、雪質に応じて、ラッセル技術を紹介

・難所通過が出てきたら、その判断についてコメント

・その日の天候について、私の判断根拠を説明

などなど

<アイゼンワカン、初体験>
こちらとしても、

「~回ぐらいを目安で、大体の考え方を講習できますよ。」

とは、言いづらい。

<リーダーの風格を漂わせたARさん、実は結構な山屋になるんじゃ?と思わされました>
さらに、クライミング講習以上に、

すでに経験がある人が、“補習”に来る、
ってパターンが多いんです。

<天気も持ちこたえて、荒沢山の山頂!>
なら、卒業なんて言葉は要らない、とも言えます。

<下山は、再び晴天に>
でも、クライミング講習をやってみて、

“卒業”を目指すシステムって、それ自体が講習生にとってモチベーションになるんですね。

だから、何か良い方法はないかなー、とは思っています。
具体的な講習内容
・ビーコン練習
・テント場の作り方
・ワカンの装着
・ラッセル練習
・雪庇のルートファインディング
・テント内の整理方法
・アイゼンワカンの装着
・難所通過の判断について
・雪崩が起きやすい地形、雪崩現象について

2年前に、雪上訓練Lv.1を受講したARさん。

成長具合も去ることながら、こんなに面白い人だとは知らなかった!
という勢いで、抱腹絶倒させられました。

スキー上達の方向性

1月28日(火)は、奥利根にてスキー練習。
講習生のYZ夫妻、ARさんが付き合ってくれて。

<スピード重視を私に説く、YZ塾長>
スキーが上手くなる、と言っても色々あるようです。

クライミングで言えば、5.10cが登れるくらいで、スキー場のほとんどのコースが
「降りられる」
レベルにはなる様子。

中級コース、上級コース、なんて言っても、10日も滑れば8割のコースは降りられるという若者が多いんじゃないでしょうか?

子どもの頃、スキーをかじってたという人は、大抵はそのレベルまでは行けるようです。

<基礎スキー1級のAR先生>
で、問題はここから。
今のところ、私が見てきた感想では・・・

①スピード重視
どれだけスピードを出して降りられるか、という方向性。

下手なのにスピードを出すと、転倒しやすく、転倒の仕方も失敗しやすい。
だから、安定感のある滑り、安定感のある転倒を心がけるので、上達も早い。

競技スキーみたいなのを、イメージしながら地道に速度を上げて行く。
②悪条件の重視
非圧雪面、コブ、などの攻略。

これも、失敗するとコケるので、上達は早そう。

ただ、スピード重視派の先生方は、
「コブは、純粋なスキーの力を向上させるには役に立たない。」

という人が何人も居た。

ただ、 パワフルで、失敗率が高いので、
良いトレーニングのような気がしてならない。

そして、どちらも
「この程度のルートも滑れないの?」

と自分に問われている感じが面白い。

ボルダリングをイメージしながら、地道に滑れる面を増やして行く。

<非圧雪面では、2人の先生方も一緒に苦労>
③基礎スキー
「いかに安定して滑るか?」
ということを目標に、基礎練習して、それを2級、1級と検定試験を受けて行く。

クライミングで言えば、5.10台をいかに安定して、省エネで、滑らかに登るか?
ということと同じ。

こればかり練習するのは、スクールに通わない限り難しい。
当塾のムーヴ講習を、定期受講するのと同じ感覚。

一方、クライミング経験からすると、将来的に山スキーをやるなら

“安定感こそ重要”
という気もする。
今のところ、この3つが練習の柱。

・YZ塾長から、スピード重視の考え方を学び
・本気トライごっこと称して、非圧雪面やコブ斜面を学び
・スクールや、基礎スキーをやる友人たちから、基礎練習を学び

といった感じで、意識しています。