2015年3月11日水曜日

興味ありますか?

3月11日(水)は、岩場リード講習にて、天王岩。
男性TDHさん。
<ムーヴ練習>

この仕事をしていて、常々思うことの1つ。

「人間、興味ある情報だけを意識する。」

本日も、やっぱりそうなんだ、と思いました。
<クラックジョイ>

TDHさんが、当塾に来たきっかけを聞きました。

沢登りで、コールが聞こえにくく、仲間内で色々と相談。

で、各自で情報収集(真面目ですね)。

すると、私の以前のブログから、コール無しの説明を読んで納得。
私に、興味を持ったという話。
<終了点作業練習のため、日向に移動>

その一方で、TDHさん。
リード中の判断は、初心者らしいチグハグさ。

①ボルト脇、ほとんどトップロープ状態なのに、「テンション」コール。

②プルプルしながら若干ランナウト気味で、「それ以上進むと、落ちたらグランドですよ!」と言って私からのストップ。
<涅槃の風>

落ちそうか否かと同じかそれ以上に、安全か否かが、進退判断をするときは大事です。

なんてことは、ブログに何度となく書いているし、落ちる練習でも説明しています。

「安全なら突っ込め。」
「一手出せ。」
「危ないときは、諦めて良いんです。」
などなど。

でも、たぶん本日で初めて
“チョット腑に落ちた”んだろうと思いました。
<完登!>

これって、他人事じゃないです。

ブログを読んでいるであろう常連さんほぼ全員に対して、

「うーん、いつも書いている気がするけどなぁ。やっぱ文章じゃ無理なんだねー。」
と思います。

で、いざ同じ場面になってから解説するものです。

と、いうことは!
私も、誰かにそう思われているに違いないです。
その一方で、本日のコール無しの話みたいに、即役立つこともあるという。
人間って、そういうものなんですねー。

必要に迫られるよう、場面設定するのが、私の役割みたいです。


具体的な講習内容
・ムーヴ練習(足を馴染ませる、右手主体のバランスを作ってから左手を離す方法)
・ヌンチャクの向き
・落ちる練習&止める練習
・ロープを足に絡ませないことの実践例
・ヘルメットをするか否か
・ヌンチャクの本数
・終了点作業練習(結び替え)
・実践本気トライ
クラックジョイ(5.9):オンサイトして、もう1回なるべく丁寧に
涅槃の風(5.10b):R.P.。3トライ。

2015年3月9日月曜日

基礎固め

3月8日(日)は、ジムリード講習6時間コース。
男性TDHさん、女性KIさん。
ジムリードは、通常は平日のみですが、遠方などで土日しか受けられない方のために稀にオファーを受けております。

で、2人はすでにジムの5.9を3本オンサイトしているので、岩場での講習から受け始めております。
ですが、講習中のビレイなどを見ていて、

「チャンスを作れるなら、ジムのリード講習も受けた方が良いと思いますよ。」

と、オススメしたいた状態です。
そんな訳で、私の念願かなって(?)、ジムリード講習を受けていただくことが出来ました。

経験者の方は、そんな風に講習順序を組むのも、1つの手だと思いますよ。
とりあえず、習いたい内容を受けてみて、必要を感じたらステップを戻ってみるというものです。

個人的には、岩場リード講習やクラックリード講習から受け始める人の7~8割の人に、

「1つか2つ前から受けた方が、良いだろうなぁ。」
とは感じます。

具体的な講習内容
・エイトノットの結び方(末端処理に関すること、など)
・ATCを落とさない方法(復習)
・ビレイの張り具合
・ロワーダウンされる姿勢
・一手一手レストする練習
・クリップ練習
・リードでやってはいけない事例集
・リードのビレイの立ち位置、弛ませ具合
・落ちる練習&止める練習

できれば、もう1回チャンスを作って、ジムリード講習を受けていただければと思います。

2015年3月8日日曜日

講習生の言葉

3月7日(土)は、雪上訓練Lv.1-Bコースにて、天神尾根からの谷川岳登頂。
男性SGさん。
今回は、講習生が話していた内容を、そのまま載せてみます。

<本日は、レースがあった模様>

「覚えることは山積でも、それはそれで楽しい。」

「(このルートに、いきなり自分で登るのは危険でも。)
もっと易しい山を選んで、復習してみたりすることが出来るのも楽しい。」

<ほとんどホワイトアウト>

「山は、行くこと自体が楽しいので、実践を挟めるところが飽きない。」

<西黒尾根との合流点>

 「年齢的に、あと10年くらいはコツコツ積み上げながら登って、そこから先はレベルを落としながらでも楽しめそう。」

<トマノ耳>

SGさんは、もともと写真を撮るために山に登り始めました。
前回の天神平での雪上訓練Lv.1も、雪山で写真を撮るための手段でした。

が、登山そのものにも魅力を感じてきたらしく、本当に色々と感じ入っているようです。
<オキノ耳>

登山経験、技術そのものは素人さんですが、山に向かう姿勢は、最初から良い感じに思えました。
だから、初心者なのに、妙に話が早い。

私が、人生そのものを山で学ぶのとは、逆のパターンなのかもしれません。
具体的な行程
 7:30 天神平駅
11:30 トマノ耳
11:55 オキノ耳
15:00 天神平駅

途中、ルートファインディング、休憩、歩行ペースの調整、アイゼン装着のタイミング、読図、ホワイトアウト、ピッケルの使い方、歩行技術の復習、などの説明を交えながら。
 

2015年3月6日金曜日

出来ない理由を考える

3月5日(木)は、クラックリード講習にて、城ヶ崎。
男性ONさん、女性KIさん、加えて補習の男性ITさん。
<地上でのハンドジャム練習>

「練習してみても、なかなか出来ない。」
という場面に、よく遭遇します。

ムーヴ、オブザベーション、ビレイ、ロープワーク、あらゆる安全確保にせよ。

もちろん、私自身も、講習生にしても。
<ジャミングが好きそうなONさん>

そんなときは、その理由を考えます。
良いことですよね。

もちろん、講習では私も一緒に考えます。
<フレアハンドに夢中な皆さん>

ただし、理由を考えても、往々にしてハズレるものだと肝に銘じています。

例)
①「筋力が足りないからなぁ。」
→「あ、ムーヴを変えたら出来た。」

②「歳も歳だからなぁ。」
→1年経ったら、出来てた

③「頭が悪いから、ロープワークは無理。」
→1年経ったら、だいぶ慣れていた

④「保持力が無いから。」
→「あ、持ち方のコツが違った。」

⑤「身体が小さいから、チムニーは苦手です。」
→「あれ、小さい人でも得意な人が居た。」

⑥「身体が硬いからなぁ。」
→「あれ、あの人も硬いのに、足が上がっている。」

⑦「体力がないから。」
→歩き方に慣れたら、ちょっとマシになった。
<初孫(5.5)>

出来てみて初めて、自分の予想が違ったということが分かります。

非常に残念なことですが、出来ないうちは、予想が証明されることはないと思います。
<懸垂回収>

自分自身にも言えることですが、講師から講習生へのアドバイスですらも同じです。

このことって、深く考えていくと、ちょっと謙虚な態度になれるように思います。

しかも、他人へのアドバイスも、穏やかな口調になってくると思います。
<快晴>

理由を考えないと馬鹿になる気がするし、やっぱりアドバイスや話し合いは有効だと思うし・・・。

分からないなりに、それらしき答えを考えて、次のチャンスに試行錯誤する。

ちょっと、人生感じますね。
僕の場合は、もはやこれでしか人生を学んでいない気もしますが!
<補習なので、本気トライを色々>

具体的な講習内容
・ジャミングのコツいろいろ
(膨らませるタイミング、肘の方向)

・ジャミングを引きつける練習
・ネコ足(振り子のリズムを利用する方法、スタティックな方法)
・地上でのカムセット練習
・カムで落ちる練習
・終了点用に持って行くギアを、少しでも減らす工夫
・疑似リード(KIさん)

・実践リードトライ
ITさん:初孫(5.5)をオンサイト、パープルシャドウ(5.8)をR.P.(2便)
<パープルシャドウは、濡れていて条件悪い中、よく頑張りました!>


<ONさんは、前回と比べて、別人のように慎重>

<満月が美しい>

2015年3月5日木曜日

センサーを研ぎ澄ます

3月4日(水)は、ムーヴLv.1。
女性NSさん。
<15分ほど、ロープ畳みの練習も取り入れて>

NSさんは、ちょっとしたコツを説明すると、感動が人一倍大きいです。

反対に
「ちょっとは安定するような気もするけど、そんなに有効なのかなぁ?」

という反応の人も、いっぱい居ます。
<「おー、なるほどー!」>

これって、センサーがどれだけ敏感になっているかだと思います。

例えば、レストポイントで

①さっきの足位置より、この足位置

という、センサー開発のスタート地点から

②さっきの態勢より、こっちの態勢

という風に、どんどんと敏感にしていくものだと。


5.8を楽に、安定して、滑らかに、というのを目指すなら、
最高グレード5.10aのときに感じたそれと、5.10cのときと、5.11aのときじゃぁ、ゴールが違って来るはずです。

色々なバランスを経験してセンサーが敏感になってきた分、自分に厳しくなって当然。
<本日、NSさんがO.S.した2本>

NSさんは、5.11クライマーにしては、かなりセンサーが敏感だと思います。
だから、いつもムーヴ講習で色々なコツを知るのを楽しみにしてくださいます。

逆パターンとして、講習を受けまくった結果、センサーが研ぎ澄まされたという人も多いですね。

センサー開発・・・
最初の一歩としては、一手一手レストする練習がオススメですよ。
もしも、このブログを参考に、講習には参加せずに上手くなろうというのであれば、それしか思いつかないぐらいですよ。


具体的な講習内容
・手をホールドに馴染ませる(あらかじめ脱力しておく、、気持ち深めに入れてから引いてくる、指同士を密着させる方法)
・肘をホールドの向きに合わせる意識
・ホールドの効きをチェックするのに、全身ではなく、手だけで引く方法
・踏み替え練習

・実践本気トライ
薄かぶり面の、5.10b、5.11aをオンサイト。

ムーヴはとても慎重で、判断は素早いタイプ。
つまり、ゆっくりに見えるけれど、限界のオンサイトトライでは意外とサクサク進むのが、素晴らしい。

5.11aオンサイト成功は、それが役だったように見えました。

2015年3月2日月曜日

あの日 あの時 あの場所で

3月1日(日)は、雨中止にてロープワーク講習。

もともとクラック講習予定だった女性STさん、男性NSさん。
加えて、女性ARさん、久々の男性STさん。
<ロープ畳み練習>

本日のお題は、
“最近、講習生が出会ったプチトラブル”

それを、みんなで検証しましょう。

①ARさんが、トップロープを張ったけれど、複数ボルトで上手くリスク分散出来ていなかった話

→結果、他のクライマーに怒られる
<ディスカッション中>

②前日の城ヶ崎で、NSさんが立木での懸垂で、手順がイマイチだった話

→結果、実際には何事もなく降りられた
<検証中>

③先日の城ヶ崎で、別の講習生が懸垂下降でロープがクラックに挟まって、ロープが引き上げられなくなった話

→結果、ロープをしつこく振り続けていたら、クラックから外れて何とかなった
<1人で、検証作業を続行>

これらを使って、
「ARさんは、そのとき、どうしたんですか?」
「今なら、どうやった方が良いと思いますか?」
「STさんならどうしますか?」
「なぜ、そっちの方が良いと思うんですか?」

という感じで、ディスカッション。
<懸垂下降の仮固定を反復練習>

そんな中で、

「そんなリスクもあるのか。」
「そっちの方が効率が良いね。」
「仮固定とか、登り返しとか、やっぱ覚えておかないとリスクだなぁ。」

という実感が持てれば、一番分かりやすい。

ロープ畳みなどの、基礎の反復練習とは違い、より実践的な学びです。
こういう内容だと、講師って言っても議長っぽい役割がメインかもしれません。

1つに決まった正解も無いですしね。
<フィンガークラックに挑戦>

具体的な講習内容
・ロープ畳みを洗練
(ARさんは、手畳み、背負い、手コイル、肩コイルなどを総復習。
男性STさんも、手畳みまで。)

・墜落率
・ギアの強度(KNの表示)
・上記のトラブルについてディスカッション
・懸垂下降の仮固定(男性STさん、女性STさん、男性NSさん)

・フィンガークラック練習

クラック練習は、初回は上手くいかなくっても、5回目くらいには相当できるようになるから不思議です。
ARさんは、さすがの安定感になって来ました。

2015年3月1日日曜日

クラッククライミングQ&A

2月28日(土)は、クラックリード講習にて、城ヶ崎。
男性NSさん、女性STさん、女性KIさん、男性EGさんの4名。
クラック素人さんからは、様々な質問が来ます。

やってみないと結局は分からないんですが、1回目の印象が悪かったりすると誤解が深まることもあります。

サラッとずつ、回答例を紹介します。
Q.やっぱり、痛いんですか?

A.
しっかり決まっていれば、あまり痛くないと思います。
ただ、初心者のうちは、ジャミングを岩に馴染ませることが出来ないため

段々ずれて来る

といったことが多く、痛く感じることも多いでしょう。

初日、2日目は、ある程度は仕方ない部分もあります。

とはいえ、何日もクラックに挑んでいて、ずっと痛いなら、それはジャミング方法がおかしいと考えてください。
Q.カムって、外れたりするんですか?

A.
「ボルトって抜けるんですか?」
という質問と同じで、どんな支点にも絶対はないです。

ただ、カムの場合は、本人の力量で

「これなら、さすがに大丈夫だろう。」
「これは、ちょっと怪しいなー。」
「これは、止まったら恩の字。」

という感じで、外れる確率を評価できるようになります。

それに対して、
「次は核心っぽいから、落ちる確率が結構あるな。自信があるの2つ取れれば、勝負かけても良いかな。」

といった、リスク管理が出来ます。

そういう意味では、リスクが分かっている人にしか出来ない分、むしろ安全なクライミングにもなり得ると思います。
Q.ジャミングだけで登って行くんですか?

A.
そうとは限りません。
ジャミングは、クラックを登るための技ですが、フェース的なホールディングの方が登りやすいこともあります。
要は、そのときそのとき、一番合理的なムーヴで登ればO.K.。

ボルトルート同様に、フリークライミングとしての完登がゴールですから。

「ジャミングだけで登らなきゃダメ!」
みたいな、限定ルールはありません。

とはいえ、ジャミング技術を高めて行くことは、大きな魅力ではあります。
Q.拳より広いサイズは、どうやってジャミングするんですか?

A.
そこより広いサイズは、ワイドクラックと言って、さらに色々な技があります。

これについては、文章での説明が向かないのですが、分かってしまえば

「なるほどー!」
という技の応酬。

「全身の中で、どこの部位をジャミングと同じ原理でスタックさせるか?」

という話で、身体を使った立体パズルの世界になって来ます。
Q.なんで、クラックを登るんですか?

色々あります。

①自然のままの山や岩を登るための手段

②クラック技術そのものの奥深さ

③ジャミングが岩に馴染む心地よさ

④リスク管理そのものをゲーム化していることの戦略的魅力

⑤見るからにカッコよく走る、クラックの彫刻的な美しさ

などなど。
例によって、登り込むまでは実感できないのですが。

ただ、
「ジャミングは痛いものだ。」
「クラックは危険すぎる。」

みたいなことを感じたときに、このQ&Aを思い出せば、誤解だと思い直せるかもしれませんよ。
具体的な講習内容
・テーピングの仕方
・ジャミングのコツいろいろ
(ボトミング、膨らませる力、引く方向と肘の向き、馴染ませる、など)

・ジャミングを引きつける練習
・トップロープ練習
(ハンドジャムで身体を離す、プッシュとの組み合わせ、チムニー練習)

・トップロープでのトライ
NSさん、STさんは、純(5.8)を完登

・リード練習
EGさんは、無名ルート2本(5.4ぐらい)と、鬼ころし(5.7)を再登

※EGさんは、復習受講的な位置づけでしたが、
カムセットは、さすが。
ジャミングは、少し誤解していた風もあったのが、だいぶ効くようになったと見えました。
チムニーは、最初は意味不明そうでしたが、段々と初歩的な動きが理解できて来た様子。

せっかくなので、何週か登り込めるとベストですねー。